ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 暇潰しに書いているこの小説ですが、もしかしたら不定期に艦これが始まるかもしれません。
 まあ、提督として行かせるか艦船として行かせるかで迷っていますけど。
 提督として行かせると、事実上物資無限、開発不要、艦娘より強い提督参戦のヌルゲーになり、艦船としてだととある有名な艦種になってしまったりするんですよね。迷う迷う。



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 side エリー・ポッター

 

 マルフォイの作戦が……成功したと言っていいんだろうか? 失敗することを目指して行動して実際に失敗したんだから成功と言うのか、それとも失敗は失敗だからと言うことで失敗と表現するべきなのか、いったいどっちだろう?

 ダンブルドア先生を殺害する作戦は確かに失敗したんだけれど、実際にはダンブルドア先生を殺害する気なんてマルフォイには全く無くて失敗するように動いていて、狙い通りに失敗することに成功したから成功でいいのかな? それともやっぱり失敗は失敗であるから失敗だと言うことになるのか……。

 

「なんで失敗成功迷路に迷い込んでるんだよ」

「じゃあハーマイオニーはどう思う?」

「なんで僕に聞かないんだよ!?」

 

 ロンが何か言っているけど、頭を使うことや論理的な考えが必要になる時にはロンとハーマイオニーだったらハーマイオニーを頼るに決まっているじゃない。

 

「じゃあ聞くけど、マルフォイの作戦の失敗の成功は作戦の失敗とするのかそれとも成功とするのかどっち? 理由も合わせて答えてくれない?」

「結果は同じで僕達にいいように進んでるんだから成功でいいんじゃないか?」

「ハーマイオニーはどう思う?」

「どちらにしろ正解となる問いの唯一の正解を探すなんて言う下らないことを考えてる時間がもったいないと思うわ」

 

 なんだかハーマイオニーが辛辣だ。ちょっと前からこんな感じなんだけど、いったい何があったんだろうね?

 ……まあ、今はハーマイオニーの事よりこれからの事を考えるべき時間だ。とりあえず、今年のDA会合は大盛況と言っていい。たった一年で私達の実力をあそこまで引き上げることに成功していたハリーさんは、今度はホグワーツ全体の能力の底上げを狙っているらしい。

 ただ、力が強くても信用できない相手にはあまり深いところまで教えることはなく、力が弱くても信用できそうな相手には懇切丁寧に教えると言うことを繰り返している間に、そういった差がどんどんと埋まり始めている。

 そのうちにそういった人達の中で力関係が逆転し、ハリーさんがこの学校の中でかなりの発言力を持つようになるんじゃないかと思ったりするんだけれど……今でも十分発言力は強いよね。ハリーさん。これ以上強くしていったい何の意味があるのかってくらいだし。

 ハリーさん曰く、まだ足りないそうだけど……いったい何が足りないのかわからない。もう十分だと思うんだけどなぁ……。

 

「まあまあ気にするな。ほれ、全く同時に同じ場所に『盾の呪文』を使って強化してみろ」

「わわっ!プロテゴ!」

 

 普通の詠唱と無言詠唱を同時に使って盾を作る。これで大概の呪文は跳ね返すことができるし、そうでなくても逸らすことくらいはできる……筈なんだけれど、何故かハリーさんの呪文は壁にぶつかっても跳ね返されずに無理矢理に貫こうとして来た。なんとか止めることだけはできてるけど、『盾の呪文』が軋み始めている。なんなのこの魔法。

 

「あれは『呪線回旋法』!」

「知っているのかハーマライどぅふっ!?」

 

 ハーマイオニーがまた性懲りもなくハーマライデンと呼ぼうとしたロンのお腹に掌底を入れて黙らせて、それから解説を始めた。一年生の子達は聞くのは初めてになるのかな?

 

「『呪線回旋法』とは、本来は真っ直ぐにただ飛ぶだけの呪文にネジのような回転を意図的に加えることによって貫通力を増すことに成功した呪文の総称よ!文字通りにただ呪文の軌道にある規則性を加えるだけの簡単なものではあるのだけれど、実際にはただ回転を加えるだけではなく呪文の弾道を動かすと言う頭がおかしいことをやっているという凄いんだか凄くないんだか微妙な効果を求めることができるわ!

 ちなみに実際の効果としては、貫通力の強化の他に呪文の軌道を完全に直線にする事で相手を狙いやすくなったりとか、普通なら空気に当たることによって拡散する分のエネルギーまで無駄にせず攻撃することができるから、普通に撃つよりも遥かに効果的なのよ。

 それに、ネジのように回転して相手を貫く物の代表格と言えばやっぱりドリル。ドリルと同じ力を得れば、そこには無限に続く回転の力が生まれるの。

 そしてそこに黄金の回転を加えれば、当然のごとくあらゆる力を無制限に増幅し、全てに破滅を与える程の巨大なエネルギーとなる……こともある。だから、使う時には気を付けないと駄目。私との約束よ?

 まあ、一番の理由は『ドリルは最終にして必殺の兵器』って言うところにあるんだけどね。いつもいつも出てくる最終兵器なんて、それは最終兵器じゃなくてただのガラクタだと思うし。

 奥の手として取っておくのならまだしも、そんなに簡単に見せられても……ねぇ?」

 

 まあ確かに、奥の手をすぐに使うんだったら更なる奥の手を用意しておくべきだとは思うよ? それが終わったらもうみんな終わりになって、もう何もできなくなる……みたいなものは、本当に最後の最後にまで取っておくべきだ。

 それで最後の最後の手を使ってもどうにもならないような状況なら……もういっそ諦めるべきだね。最後の最期まで足掻いて見せるのも一つの在り方だけど、私はそう言うのは苦手だし。

 

 ……なんと言うか、ダンブルドア先生は私の事を『選ばれし者』だと言い、そして私以外にはヴォルデモートを倒すことはできないと言うけれど……本当はそんなことない気がして仕方ないんだよね。

 理由はよくわからないけれど、少なくとも私のこういう予感は早々外れることはない。特に最近は更に鋭くなってきている。きっと、私に命の危機が迫っていることを示しているんだろう。

 ……もう少し早くこういうのができるようになっていれば、ダーズリーの家で過ごしていた頃でももう少しまともな生活ができたんじゃないかと思ってしまう。まあ、何度も何度も魔法を使ってダーズリー達を操ったりしていたら、間違いなく魔法省に色々つつかれていただろうけどさ。

 

 命の危機がずっと続いていると言うのは、精神的にあまりいいことではない。むしろ苦しくて色々な事に手がつけられなくなってしまう可能性もある。今の私のように落ち着いて見えるかもしれないけど、実際にはパニックになっていると言うことだって十分に考えられるし。

 

 ああ、考えが上手く纏まらない。こんな時にはハリーさんの事を想像するんだ。ハリーさんは遥か高みに一人存在する孤独な人。私に勇気と希望と愛情とやる気と元気と力と覇気と知識と助言を与えてくれる……。

 

 …………ふぅ。落ち着いた。やっぱり動揺しそうな時や心が恐怖に満たされそうな時にはハリーさんだね。効果抜群。

 さあ、呪文の練習だ。とりあえずまだ私の『盾の呪文』を削り続けているハリーさんの呪文を弾くために、あと5~6回は『盾の呪文』を唱えておこう。

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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