ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
side エリー・ポッター
DA会合の事だけれど、どうやら少し存在を疑われているらしい。いったいどこから存在が漏れているのかわからなかったけれど、ハリーさんが言うには私達の中に犯人が居ると言うのは考えにくいそうだ。
なにしろ、他人に意識して知らせる目的で何かをしたらそれだけで呪いが発動して日常生活に支障をきたすような状態になるらしいからすぐにわかる。さらに、それ以外にも必要ならば紙に染み込ませてある呪いの他に自前で呪いをかけることだってできるから、損得計算がある程度できればまず裏切ることはしないし、実はハリーさんは実はホグワーツ内の事だったら大体なんとなくわかるらしいから疑ってもいないとか。
とにかく、アンブリッジが私達が学校にいない間にクラブを一度解散させた上にその後のクラブ設立を許可制にしたのは私達のことに気付いたからだとか。
クィディッチのチームに関しては、ハリーさんが魔法を使わない催眠術のようなものでアンブリッジから許可を引きずり出してきたそうだけれど、流石にDA会合を許可してもらうわけにはいかない。
「……と言うことで、設立には許可が必要だったけど部員の追加には必要なかったのでDA会合を『フォフォフォフォイ体操クラブ』として一ツ橋に申請しておいた。ちなみに通ったぞ」
「はい!?」
「で、フォフォフォフォイ体操とか言いつつそれ以外にも色々と今まで通りにやっていく予定だから、公的な名前がついただけだと考えてくれ。実際には何も変わってないから安心していいし、DAと言う名称を堂々と使わなければ内容を詳しく話すまでは呪いは発動しないと思うし」
「ハリーさんがかけた本人なのになんで断言しないんですか」
「俺の呪いは放置しておくと時々周囲の魔法の力を吸い取って勝手に強化するから正確にはわからないからだ。最悪、一瞬の出来心で即死効果が発動しかねない」
「…………はい?」
なんだか呪いの内容が日常生活に支障をきたす程度のものから凄まじく鬼畜な物に早変わりしている。ふと一瞬考えただけで即死だなんて、いくらなんでも酷すぎませんかね?
「……いや、今はまだ平気だし、そんな効果になるとしても十年は先の話だし、ついでに一ツ橋がホグワーツからいなくなれば呪いの効果は無くなるから今年で間違いなく終わりになるだろうから問題はない。だから泣くな。最悪即座に蘇生させてやるからさめざめと声を殺して泣くな。余計に苛めたくなるだろうが」
ハリーさんのこの言葉で、その場にいた全員が即座に涙を止めた。ハリーさんに余計に苛められるとか……あれ、なんだかちょっとご褒美?
……いやいやいやいやいやいやいや、違うよ私、違うでしょ私!なんで苛められることがご褒美になるの!? ならないでしょ!?
ああもう、なんだかここ最近、ハリーさんの事で想像と言うか思考がどこか訳のわからないところに飛ばされてしまう事が非常に多い。なんなの? 私はマゾなの?
……まあとにかく、ハリーさんのお陰でDAのことを無理矢理公式に認めさせることができちゃったので、今まで通りに堂々とはしないまでもある程度普通に活動していく方向で進めて行くらしい。
勿論私達が使っている名前はそのままで、アンブリッジが知っている名前がそれになったと言うだけで内容自体の変更は一切無い。公的に認めてしまったからアンブリッジも手を出せず、内容がバレさえしなければ私達は普通に活動を続けることができるようになったわけだ。
……ハリーさんって相変わらずやることが凄い。いったい誰が体操クラブで闇の魔術に対する防衛教室をやっているだなんて想像するだろうか。普通はしないと思う。
それに、アンブリッジに提出した書類には活動内容は主に『健康な身体を作るための運動及びダイエットやシェイプアップ、希望者には筋肉をつけるためのボディビル効果が期待できる体操を行う』事となっている。
……『フォフォフォフォイ体操』は、素のマルフォイと同等の防御力を得ることでドラゴンに踏まれても大丈夫な頑丈さと、バジリスクの毒を接種しても大丈夫な健康さを併せ持つ身体を作る体操だから……間違ってはないんだね。
……うん、間違ってはない筈なんだけど……なんだか凄く間違っているような気がする。何でだろうね?
「まあ、ハリーのやることだし……気にしてもしょうがないもン」
「……そうだね!」
ルーナの言葉に目の前の霧が一気に晴れたような気分になった。ハリーさんなんだから何をやってもおかしくないだなんて事は基本の基本。知っていて当たり前のことだって言うのにどうして忘れてしまっていたんだろう?
……まあ、思い出せたから問題はない。とにかく私達がやることは今までと全く変わらず、頑張ってハリーさんの出す難問に答えていけばそれでいい。
ハリーさんの呪いについては今のところ大丈夫そうだし、後気にする物は何もない。
「……そうそう、一ツ橋がホグワーツから出ていく日も近いぞ。そういう風にしたからな」
「……何をやったんですか?」
「ちょっと魂レベルで繋がりのある知り合いに簡単な頼み事をしてみたら結構簡単にOKしてくれたから任せただけだ」
「………………あのすいません、私の勘違いだったら謝らせてもらいますけど……その相手ってもしかして名前を『バルバモート』って言いません?」
「いや違う」
「じゃあ『トム・マールヴォロ・リドル』って言う名前だったり……」
「ヴォルデモートと同一人物だろうが。別人だよ別人。確か『オリムラ』って奴だよ」
どうやら本当に別人らしい。なんとなくだけれど、今回は嘘をついてはいなさそうな気がする。
なんだか少しずつハリーさんの考えがわかるようになってきたのは……私の『開心術』が少しは強くなったからってことでいいのかな? ハリーさんが私のことをあまり拒絶していないから見える部分は見えちゃうのかもしれないけど、昔は拒絶されてようがされてなかろうがハリーさんの考えを読み取ることなんて全然できなかったんだし、その点でも少しは成長しているはずだ。
できることならばその分の成長力の三割……いや、一割でいいから身体の方の成長もしてほしい。一割だけでも身長が20センチは伸びる筈だ。むしろそのくらい伸びてもらわなきゃ困る。
……自虐ネタはもうやめよう。凄く心が痛い。泣いちゃいそうだ。泣いたら……ハリーさんが苛めてくれたりするのかな?
……えへへ…………
……はっ!?
現在、活動報告にてアンケート実施中です。
結果はこの先の展開に非常に深く関わってきますので、是非とも奮ってご参加ください。
なお、締め切りは3/23 23:00です。
次回作は……?
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