ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
なんか長くなりました。皆様お待ちかねの「アンブリッジいじめ」の時間です。
side エリー・ポッター
ロンがいなくなってから初めてのクィディッチの試合。相手はハッフルパフ……なのだけれど、ハッフルパフのチームはどうやら神様に祈りを捧げるので忙しいらしい。
……まあ、私だってハリーさんとクィディッチだろうがなんだろうが敵対することになったら絶対棄権したりするだろうけどさ。
けれど、その祈りもハリーさんがハッフルパフの方に近寄って何かを言うまでしか持たなかった。神様も、困ったときにだけ信仰してくるなんちゃって信者なんて欲しくないだろうけど、頑張って全ての人達に無償の愛を向けてあげなよ。私には随分と長い間向けてくれなかったみたいだけど。別に余裕がない訳じゃないんでしょ? 神様なんだからさ。
……信じてもいない神様への嫌味はこのくらいにしておくとして、私も私でクィディッチの準備をしておく。とは言っても用意するものは箒くらいで、後は自分のコンディションを整えるくらいしかやることはない。ハリーさんには事前の説明をちゃんとしておいたし、着替える場所とかもちゃんと教えてある。ルールブックも一応読んでおいてはもらったけれど……守ってくれる確率は五分無いだろうね。
ちなみに、この場合の『五分』と言うのは『半分』という意味ではなくて『五%』という意味だ。実際にはもっと低いだろうけど、最大限度まで希望的観測を繰り返せばこのくらいの確率に……なってくれると嬉しいな。それこそ望み薄だけどね。
朝御飯を終わらせて、箒を持って移動する。今日も私のネビュラスの調子は良いみたい。よかったよかった。
それからハリーさんだけれど、愛用のホワイトフォーミュラに立ってポケットに手を突っ込んだままゴールポストの前に浮いている。何も知らない相手が見れば嘗めきっているとしか思えないポーズだけれど……ハリーさんのやることだし、絶対に何かある。
「いい試合にしよう」
「ああ、お互いに悔いを残さないようにしよう」
キャプテンであるアンジェリーナとセドリックが握手をして、それから箒に乗って試合が始まった。
side ハーマイオニー・グレンジャー
「さあ始まりました、寮対抗のクィディッチ第二回戦第二試合、グリフィンドールvsハッフルパフです。司会は先日の試合中に合計して49回舌を噛んでしまい、滑舌を良くする修行のためにひたすら落語を語り続けると言う荒行をしているリー・ジョーダンに変わって私、ハーマイオニー・グレンジャーがお送りいたします。
さて、試合開始のホイッスルの直後、ジョンソン選手がクアッフルを奪って加速します。箒のカタログスペックを完全に無視しているような気もしますが、クィディッチならともかく超次元クィディッチではもはやいつもの事でしょう。驚く意味すらありません。
そしてジョンソン選手、高速のパスを回します。ベル、スピネット、ベル、ジョンソンまたベル……ベル選手決めたっ!グリフィンドールに先取点が入ります!」
ここでかしゃりと得点版を動かして、解説を再開する。
「さあ、次はハッフルパフのボールから始まります……なんとザカリアス、分身しました!全く同じ姿をしている二人のスミスに、グリフィンドールのチェイサー達はどちらを止めるものかと一瞬固まってしまった!そしてスミス、シュートしました!」
ザカリアスの手からクアッフルが離れ、ハリーのいない二本のポストに同時に飛んでいく。これは決まったとザカリアスも思ったらしく、不適な笑みを浮かべ……そして、その笑みが凍りついた。
「おぉっとオライムレイ、スミスの投げたクアッフルを同時に止めた!そして片方のスミスが消えると同時に左手に持っていたクアッフルが消えました!どうやらそちらが偽物だったようです!なんにしろ、素晴らしいブロックでした!
さあ、オライムレイがクアッフルを振りかぶり……」
……次の瞬間、観客席のとある場所から轟音が響いた。どうやらハリーが投げたクアッフルが『偶然』そこに座っていたアンブリッジに直撃したらしい。
そしてクアッフルは、そのすぐ近くに座っていたロンが蹴り出した。
「えー、どうやらオライムレイ選手、クアッフルを投げるのに失敗し、偶然観客席に座るアンブリッジ先生の顔面に直撃させてしまったようです。失敗は誰にでもあることですのでこれは仕方ないでしょう。ええ仕方の無いことです。と言うか、こういった競技を観戦しているのです、当然こういった事象に見舞われる可能性も考えての事である筈です。偶然当たってしまうとは、運が良いのか悪いのか……。
そんなことよりも試合が再開されております。高速のパスを主体に攻めるグリフィンドールと、一人一人の個人技で突き進むハッフルパフ。しかしグリフィンドールのキーパーであるハリーの壁は厚い!ブロックされてしまいました!
そしてハリーがクアッフルを……ああっとこれは大変なことに!またもや偶然にも観客席に飛んで行き、教師の張った『盾の呪文』を平然と撃ち抜いてアンブリッジ先生の胴体に直撃!これは痛い!アンブリッジ先生、のたうち回っています!
しかし先程も言った通り、これに責任があるとしたら間違いなくアンブリッジ先生本人のものです!ルールブックにもはっきりと明記されています!
おっとぉここでブラッジャーが追撃!どうやら双子のウィーズリーの……あれはジョージの方が打ったようです!……なに? ジョージじゃなくてフレッド? 嘘ね。その冗談はもう聞き飽きたし、見分ける方法もわかってるから通用しないわよ。
……ブラッジャーとクアッフルが試合場に戻され、試合が再開されます!直後にブラッジャーが再度アンブリッジ先生を襲う!まるでアンブリッジ先生が選手の一人であるかのように襲われている!誰も止めようとしない辺りにアンブリッジ先生がどれだけ嫌われているかが伺えます!日頃の行いと言うものですね。ちなみに私はアンブリッジ先生を助ける権限があるかどうかわからないので放置します」
軽く罵倒をしつつアンブリッジを見捨てる発言をぶっちゃけ、グリフィンドールに十点を追加する。まさかブラッジャーが試合場に戻ってから再びアンブリッジに撃ち込まれる間のほんの短い時間に一度ゴールを奪うだなんて、早々考えられることじゃない。と言うかそれができる時点で人間から若干外れているような気もする。
つまり、最近のホグワーツのクィディッチ・チームのチームメイトは人間やめているのがデフォルトだってことね。悲しいけどそれが現実。受け止めよう。
「さあ、偶然が続いて何度も中断していますが、大分盛り上がって参りました。クアッフルはスピネットからベルに───おっと、セドリック・ディゴリーが何かを見付けたようです!猛スピードでグラウンドを駆け抜けていきます!しかしエリーが追いかける!性能の差はやはり埋められないのか、どんどんと差が縮まっていきます!」
そうは言ったものの、私にはまだスニッチは見えていない。いつもだったら箒の動く先を見れば見つかる筈なんだけれど、全く見つかる気配がないのは……フェイントをかけているのかもしれない。
とは言っても、今の私は一解説者。気付いたことを全て口に出すのではなく、ちゃんと発言内容の取捨選択はできるようにしておかないとホグワーツの解説者は務まらない。
まあ、リーは時々できていなかった事もあったけど、彼は場の空気を読んで周りを明るくする事に長けていたからそれはそれでありだったのよね。聞いててたまに疲れるのが珠に瑕だったんだけど……人によってはそれがむしろいいって言う人も居る。私にはよくわからないけれど、確かに居ることだけは間違いない。ファンも結構多いしね。
と、そんな感じで話を進めながらさらにグリフィンドールに十点を追加。試合の解説に使っている時間よりもアンブリッジざまあwwwしてる時間の方が長いって言うのはある意味どうかと思わないでもないけれど、アンブリッジがアンブリッジでアンブリッジをアンブリッジしてアンブリッジをアンブリッジのアンブリッジがアンブリッジにアンブリッジをアンブリッジでアンブリッジのアンブリッジのアンブリッジがアンブリッジだからしょうがないわよね。
「おいおいハーマイオニー、今一瞬アンブリッジがゲシュタルト崩壊しそうになってたぞ」
「すればいいじゃない。むしろ世界全部の半人間以外の存在の脳から永遠に退場すアンジェリーナ、さらに得点!」
「そこまで言ったらぶったぎるなよ!?」
ロンの言葉をガン無視しつつ得点版にさらに十点追加。それにしても、ハリーを相手にこれだけ食らいついていっているんだからハッフルパフのチームは凄いわね。何度かアンジェリーナやケイティの必殺シュートも受け止めてるし……。
……もしかしたら、ドラコはシーカーよりもキーパーの方が合っているのかもしれないわね。あんな必殺シュートを受け止めるには、かなりの防御力か攻撃力が必要になるもの。
「それにしてもハリーは固い、固すぎる!あの防御を抜くとか、多分無理なんじゃないでしょうか? 流石はいつだったかにグリフィンドール・チーム全員とハリーの試合で一方的に叩き潰して見せただけのことは事はある!ちなみにその時には箒に乗りながらチェイサー三人、ビーター二人、キーパー三人、シーカー一人に分身して試合を進めていたと言うことですので、今回のはまだましだと言うことになるでしょう」
「そ……そうなのか」
「ちなみに、ハリーの分身達はあっちでテニスをしているわ」
「ボールがアンブリッジだけどな。打ちにくそうだ」
「……申し訳ありません、どうやら実況の内容に些か問題があったようです。……ハリーの分身達は、あっちでテニヌをしています」
「たった一文字の違いが酷い違いだな!?」
「でも事実よ。受け入れないと」
「それが否定できないって言うのが一番きついよな」
「おおっとまたもやハリーがブロックしたクアッフルが偶然にもテニヌボールに直撃してしまったー!」
「解説するか会話するか絞って!? せめてジェスチャーか何かで伝えてから変えて!?」
「そして試合は白熱していく!高速のラリーは続き、ラケットがボールを打つ度に破裂音が響き渡る!」
「解説の主体がいつの間にかクィディッチからテニヌの方になってるぞ!?」
「そしてケイティが今ゴールを決め、フレッドが打ったブラッジャーがテニヌボールを彼方へと弾き飛ばしてしまったー!これは大変だー!」
「解説混ぜるな色々危険!」
「ああっとしかしハリー選手、アウトになどさせないとばかりに大きく飛び上がり、豪快なダンクスマッシュを決める!そしてボールは……ゴール!アリシア選手、今試合初得点!
いやぁ、今回は何故か両チームのシーカーがスニッチを掴もうとする瞬間に目にゴミが入ってスニッチを見失ってしまったり、急にくしゃみをしてスニッチを見失ってしまったり、突然肋間神経痛でスニッチを捕まえるどころではなくなってしまったり、長引きますねぇ……どうでしょう、解説のロンさん」
「いつの間にか僕も解説枠に入ってる!? あ、あー……そうですね、ちょっとわざとらしいようなところもありましたが、おおよそ偶然で済ませることができる内容だと思います。
例え試合の時間が長引けば長引くほどあっちで波動球の打ち合いをしている試合が長引き、ボールにダメージが積み重なることになるとわかりきっていて、しかも試合を止める権限を奪われた教師陣が試合を止めないと言うことがわかっていて、その権限を持っているダンブルドア先生はこの場にいなくて、もう一人止めることができるマダム・フーチは何故か時々目が掠れてしまうようで、ハリーさんがテニヌをしている方向を見るときだけ偶然にも視界が不良になる不具合が発生していたりすることがわかっていても、もう少しわかりにくく行動した方がいいんじゃないかと思います。はい」
「さて、そう言うことですので皆さん、是非もう少し分かりにくい行動をしましょう!テニヌボールとクアッフルを間違えてゴールポストに叩き込んだりするのもいいでしょうが、ボールは友達と言いながら鬼でも打てない威力のシュートをするのも乙なものだと思います!」
「言っちゃってる時点で自然にそれをするのは無理なんじゃないかと思うんだけどその辺りどう考えて「おおっとハリーがまたもやブロック!その移動は音より速く、その防御力はドラコより固く、その攻撃力はロンをも凌ぎ、その魔力はダンブルドア先生を遥かに上回ると言われるだけはあります!」聞いて!?」
「そしてハリーが投げ返したボールは四つに分身し、それぞれが三つのゴールポストとテニヌボールに向かっていく!そして三つのボールは当然のようにゴールポストを抜け、何故か奇妙な回転と共に威力を増しながら……あれは、黄金の回転!?」
「し、知っているのかハーマライdぶふぉあっ!?」
人の名前を奇妙な感じに改変して呼んだロンの鳩尾に指二本の抜手を入れてからマイクに向き直る。前に『次そう呼んだら殴る』って言っておいたし、やらなきゃ駄目よね(義務感)。
さて、ロンの心臓と肺の心配は置いておくとして、解説の仕事に戻るとしましょうか。
「『黄金の回転』とは、イタリアのとある家系に代々伝わる医術と処刑用に研鑽され続けてきた技術の一つよ。およそ9:16……正確には1:0.618の比によって作られている長方形を自然の中から見付け出し、そのスケールのままに回転を加えることによって無限に威力を増幅させることができるようになるわ!
けれど、自然の中にある黄金長方形は、あまりにもどこにでもありすぎることから発見することも、見えていたとしてもそれがそうだと理解することも非常に困難だと言われているの。
けれどその効果は強力無比。最大限に極めることができれば、空間を飛び越え、世界の壁を抜け出し、時空すら歪め、不老長寿を手にすることができると言う。
けれど、それでもその回転の技術を極めることは非常に困難で、今までにその家系から不老の人物が出ていない事からもその困難さが伺えるわ。
なお、回転の技術の他に『波紋呼吸法』という技術によって不老ではないにしろかなりの若さを保ち続けることができることは確かよ!全世界の女性の敵ね!
……ちなみに、私は呼吸法の方ならできるわ(ボソッ)。」
「なんか最後に聞き捨てならないことを言っていたような気がしたんだけドゥブルッ!?」
迂闊なことを口にするロンの肋骨と肋骨の隙間に抜き手をいれて肺を強打する。これをやると暫く呼吸が止まるからあんまりどころか普通はやらないんだけれど、ロンはドラコの半分くらいの防御力があるから私が加減すれば十分耐えられるのよね。日課のフォフォフォフォイ体操が活きているのだと思う。
「それにしても最近のクィディッチはレベルが非常に高くなっております!互いのチームのチェイサー達によるクアッフルの奪い合い、ビーター達によるブラッジャーの打ち合い、キーパーによるブロック合戦など、非常に盛り上がっております!
ちなみにこの試合で使われておりますスニッチですが、ハリーが暇潰しに作って『時々俺でも見失うからヌルゲーにはならないぞ』と自信を持って言っていたスニッチでございます!」
「クソゲー通り越して無理ゲーじゃねえか!? 試合が何ヵ月単位で続くとかきつすぎるだろ!?」
「『頑張れば行けるんじゃね? 知らんけど』となげやりに言っていたわ」
「人間には無理だよ!」
「ロンにそう言ったら多分そう返ってくるだろうから『ホグワーツ10怪人同士がシーカーなんだから行けるだろ』って言えと言われているわ。読まれてるわね、ロン」
「怪人でも人間だよ『人』ってついてんだろ!」
「『その言い振りだとリゲル星系第三惑星人だって人間と呼ばれるんだから俺だって人間でいいだろ。そして人間である俺ができるんだから人間である他の奴ができない理由がない、はい論破』」
「……ハーマイオニー。それって今この場でハーマイオニーが考えたことを言ってる訳じゃ……」
「無いわよ、勿論」
「……僕ってそんなに読まれやすい?」
「まあ、実際読まれてるわけだしね。……大丈夫よ、ロン。ロンには私がいるじゃない」
「……へ?」
「? 私達、いい友達でしょ?」
「……ちょっと僕テニヌボールになってくる」
「待てウィーズリー早まるな!」
「放せマルフォイ!」
「いいから待て……って力強っ!? クラッブ!ゴイル!手伝え!」
「「おう!」」
何故か突然自殺に向かおうとしたロンを、ドラコとクラッブ、ゴイルの三人が止める。いきなりの事で何がなんだかわからないのだけれど、誰かがロンに『錯乱呪文』でもかけたのかしら?
「「「お前のせいだよ!」」」
「いっそ殺せぇぇぇっ!ハーマイオニーの事だからどうせそんなことになるだろうとわかりきっていたのに期待してしまった僕を殺せよぉぉぉっ!竹の鋸で牽かれるのはもう嫌だぁぁぁぁぁっ!」
「ゴイル!」
「どっせぇい!」
ゴイル超高速の拳がロンの顎を揺らして気絶させた。意識を失って全身こだらりと力が抜けているロンに、様々な方向から憐憫の視線が向けられている。
……まったく、いったい何があったのかしらね? ただ、ロンはあのフラーって言うボーバトンの生徒が好きだろうから私とはずっと友達でいようねって言っただけなのに……。
「……ぐはっ!?」
「血を吐いた!ウィーズリーが血を吐いた!とりあえずメディック!メディーック!」
「先にマダム・ポンフリーのところに連れていく!」
「頼む!」
クラッブがロンを背負って走っていってしまった。まあ、これでロンは大丈夫だろう。
かしゃこかしゃこと点を入れていたボードを見ると、得点はグリフィンドールが百四十点、ハッフルパフが〇点であった。まあ、ハリーがキーパーをやっているのにそこから得点できるとは思えないので予想通りと言えば予想通りの点数だ。
ハッフルパフはこれからもハリーから得点するのは難しいだろうから、逆転するにはグリフィンドールがあと二回得点する前にセドリックがスニッチを掴まなければならない。
けれど、そんなセドリックの前にはスニッチ自体がそもそも捕まえられないほど速いと言う非常に非情な事実が横たわっている。これではいくらなんでもスニッチを捕まえることはできず、どんどんと点数を離されていってしまうと予想できる。
圧倒的な防御力を誇るキーパーが居ると、チェイサー達はその力の全てを攻撃のために使うことができるようになる。それは攻撃力の増強……得点力の強化に直結し、さらに相手との点差を広げていく原因となっていることは間違いない。
……正直なところ、個人的にはハリーが出場していること自体が反則に近いことだと認識しているのだけれど……明文化されていないからギリギリセーフ。法でセーフだからってやっちゃいけないこともあるとは思うけど、今回限りはセーフで押し通させてもらうつもり。
学校全体で一人を苛めるって言うのは随分と人聞きの悪い話だけれど、原因はアンブリッジだし別にいいわよね?
「おぉっと今度はエリーがスニッチを見付けた!スニッチを追うエリー!そしてそれに気付いたセドリックもスニッチを追う!正直そろそろハリーの気違い染みた行動から来る非常識な結果はお腹一杯です!是非ともこれで捕まえて欲しいです!」
「ついにぶっちゃけたなグレンジャー」
「そろそろ解説にも飽きてきたのよ。結局この試合ってアンブリッジ狩り以外の何物でもないでしょ? クィディッチならともかく、アンブリッジ狩りは観戦しても楽しくないわ。参加しないとね」
「おっと予想外に参加したい発言か。随分と悪くなったなグレンジャー」
「数年で随分生え際が後退したわねドラコ。父親そっくりよ?」
「……ちょっと6Vメタモンが出るまで卵の選別して、テリーのワンダーランドで魔物図鑑を全て埋めてから名前を全部『ゲレゲレ』にして、一秒間に十回息を吸って吐いた直後に十分間かけて息を吸い、十分間かけて息を吐く事ができるようになるまでウィーズリーと一緒に修行してくる」
「やめろフォイ!今回は挑発したお前が悪い!」
「……挑発じゃなくて単なる本音だったんだ……」
「……あー…………えー………………」
「……とかなんとかやっている間にセドリックがスニッチをキャッチ!試合終了!しかし得点はグリフィンドールが三百八十点に対してハッフルパフが一五十点!やはりいくらなんでもハリーの壁を抜くのは無理だった!勝者はグリフィンドール!グリフィンドールが勝利しました!しかもこの点差、恐らくはこれでグリフィンドールが対抗試合に王手をかけたことになるでしょう!そして、ここでアンブリッジにも王手がかかります!アンブリッジ、全体的にもうボロボロのぐちゃぐちゃで見てられません!元から見られたものじゃないなんて言ったら駄目よ? いくら本当のことでも言っていいことといけないことがあるからね。
はい、それでは今回の試合も終わったので、解散解散!次回は私ではなく、リーが戻ってきてくれると思いますのでそちらを期待してくださいね。それではさようならー」
……さて、ちゃんとではないけれど解説の仕事も終わらせたことだし、早く戻って勉強しないと。OWL試験は難しいそうだし、ちゃんとやらないと落第しちゃう。そうなったら大変だしね。
……ああ疲れた。もう絶対に仕事の解説なんてやらないようにしよう。
次回作は……?
-
鬼滅の刃
-
鋼の錬金術師
-
金色のガッシュ
-
BLEACHの続き
-
他の止まってるやつの続き