ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 ダンブルドア先生に言われてスネイプ先生から『閉心術』をちゃんと習うことになった。まあ、実際のところ私の『閉心術』は結構しっかりできているらしく、スネイプ先生からも教えることは殆ど無いとはっきりと太鼓判を押してもらった。

 ただ、それなのに簡単に私の夢の中に入ってくるバルバモートがいったいどれだけ強力な術を使えるのかを考えると、本格的に頭が痛くなってきそうだ。

 そこでスネイプ先生は、私が本能的にやっているらしい『閉心術』以外に、理性的に行う『閉心術』を教えてくれた。私のやっている方法では端の方がやや粗く、そこが付け入られる隙になっているかもしれないということだった。

 まあ、例え一部が粗くともかなりの完成度であり、触りをハリーさんに習った以外は殆ど独学だと言うのは信じられない程だと言うけれど……ハリーさんは平然とこの『閉心術』を抜けてくるんだよね。もうあの人本当に人間なのかと。実は日本の心を読む妖怪であるサトリなんじゃないかと本気で考えてしまう。妖怪なんだったらああやってちょっと人間では考えられないような事をやっても納得……いや、納得はできないし理解も無理だけど、一応わからなくはない。だって妖怪なんだから。

 でもハリーさんは人間なんだよね。妖怪みたいだけど、正真正銘の人間。私じゃなくて、ハリーさんの方が表舞台に出るのが映えるだろうに、ハリーさんは面倒だからって皆どこかに放り投げてしまう。

 

 ……今はそれより『閉心術』のコツを学ぼう。スネイプ先生は非常に強力な『閉心術師』であるそうだから、学べそうなことはみんな学んでおくことにした。

 

 とりあえずわかったことは、スネイプ先生が恋をしていると言うことと、その相手が私に凄く良く似ていると言うこと。あとはスネイプ先生の腕には何か変なものがついているだろうと言うことと、薬は作れても料理はやや苦手だと言うことくらいだね。

 けど、スネイプ先生は私とその人の事をできるだけ分けて考えようとしてくれているようだと言うのもわかったので、私も手は抜かない。まずは簡単な座学から始めて、イメージトレーニングをしてから実践。それを何度か繰り返すと、あっという間に私はある程度『閉心術』を改良することに成功してしまった。

 

 習ったことは簡単。『自分の心を空にすること』と、『自分の中に相手を入れまいとする精神力を持つ』こと。同時にやらなくちゃいけないのが難しいけれど、それでもやらなくちゃいけない。これは間違いなく必要なことだから、やる。

 頭を空っぽにするのは、実は結構簡単なこと。自我を消して、周りを拒絶して、自分の中に引きこもる。十年近くも続けていた、とても簡単なことだ。

 けれど、今までの私はそこに芯を通すことなく流され続けてきた。しかしこれからの私にそれは許されない。

 必要だから、やる。やらなければ生きてはいけない。そうでなければバルバモートに殺される。私だけでなく、他の多くの人達も。

 

 さあ、頑張ろう。

 

 

 

 

 

 side ハリー

 

 今日も今日とて一ツ橋狩り。生徒からも教師からも自由な行動を奪っていくことを楽しみとしている節がある一ツ橋を、気付かれないようにひっぱたくのが最近の趣味となっている。

 その他にも、一ツ橋の料理に悪戯をして一口食べる度に感じる味が反転して最終的に酷い味になるようにしたりとか、一ツ橋の持っていた教科書を全て外側だけ変えた艶本に変えたりとか、杖をおもちゃの『だまし杖』に変えておいたりとか、部屋の書類を抜き取って辻褄が合わないようにしてみたりとか、『魔法省高等尋問官印』を外側だけ同じ別物に摩り替えてこれから作る全ての書類を偽造書類にさせたりとか、ちょっと前から良い感じに俺に従ってくれるようにした(・・)リ痛に校長相手に話したことをちょっとばかり脚色した記事を作らせて『ザ・クィブラー』に投稿してもらったり、クィディッチの練習で分身が禁止されたので毎回蹴り返して相手のゴールかフォイの顔面にシュートするようにしたり、突然どこからともなく飛んできた赤くて丸い何かが一ツ橋の部屋に飛び込んで壁やら机やら棚やらをスーパーボールのように何度も跳ね返りながら壊し尽くしてから外に出ていくということが何度も何度も繰り返されるようになったらしいと言う噂を聞いたり、ホグワーツ唯一のポルターガイストが一ツ橋の部屋の中に仕掛けるための大量の『糞爆弾』を融通した結果として一ツ橋の部屋が酷いことになったり、呪いがさらにヤバいことになっていったので一度命に関わりかねないものだけ全て解除して新しい呪いとして『凄い勢いでゲシュタルト崩壊を起こし続ける呪い』と『ゲシュタルト崩壊が中々直らなくなる呪い』をかけたり、魔法省内部の割と洒落にならない類いの秘密の話を本人の頭の中から仕入れてしまったり、知られたら間違いなくお縄につかなければいけないだろうなと思えることをやってしまった。あいつが苛めやすいから悪い、そうに違いない。つまり俺は悪くない。

 

 ……いやまあ冗談だがな。流石にここまで色々やっておきながら『俺は悪くない』とは言わない。ただ、相手が一ツ橋だと言うことを考えるとそれでもお釣りが出てきそうな気がするから謝らないと言う話。悪くないとは言わないが、悪かったと言うつもりもない。

 

 ……今年で五年、後二年と半年ほどで、原作のある『ハリー・ポッター』は終わることになる。それが終わった後、俺にとってどれだけ過ごしやすい世界になっているのかが一番の問題だ。

 一応、万が一バルバモート側が勝ったとしてもある程度俺の自由が損なわれないようにちょっとした仕込みは用意してある。他の奴がそれを知ったら間違いなく顰蹙を買うような内容だが、バレなければ問題はない。

 ……バレても問題ないと言えば問題ないんだが、面倒なことは少ない方がいい。できるだけバラさない方向で進めておこう。

 ただ、そうなるとネックになるのは娘っ子だ。あの娘っ子は断片的な情報を繋ぎ合わせて一つの絵にすると言う作業が非常に上手い。下手をしたらちょっとした情報から俺に繋がる何かを見つけてくる可能性も十分にある。

 ……とは言え、あの娘っ子は俺にできた初めての妹でもあるわけだし……扱いが難しいことこの上無い。

 今までに妹のようなやつを相手にしたことや娘を相手にしたことはあるが、流石に実の妹を相手したことは無かったんだが……何故かやけになつかれている所から見るに、扱いに間違いはなかったと思っていいだろう。

 できれば殺したくはないが……まあ、その場の流れに任せるとしようか。色々とネタバレをしつつ、驚かせながら色々やっとけばうやむやにすることはできるだろうしな。

 

 ……あー、面倒臭い。

 

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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