ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

125 / 199
124

 

 

 

 

 side エリー・ポッター

 

 日々是平穏。今のところは何事もなく毎日を過ごせている。

 クィディッチ・チームに関しては予想通りにロンがキーパーになれたし、初の練習もそれなりに上手くいった。ロンが緊張しすぎたり気を抜きすぎたりしたら、なぜか下で見学していたマルフォイが囃し立てて集中させている。

 ……マルフォイって、実は単に不器用だけど素直すぎるだけなんだよね。ハリーさんに染められるのも学校ではトップクラスの速度だったし、でもハーマイオニーに想いを伝えられそうで伝えられないって言う面しr……凄いことになってるし。

 

 ……そうそう、そう言えばパーシーからロン宛に手紙が来たそうだ。なんでもハリーさんが裏で色々やっているとか、危険だからアンブリッジを頼れだとか、アンブリッジがこれからやり易くなるだとか言う今さらすぎる言葉と明らかに現実が見えていないまま発されていると思われる妄言と鬼が笑うようなあり得なさすぎる夢物語が書かれていた。

 

 ……パーシー。君ももういい歳なんだからさ……現実をしっかりと認識して発言しようよ。ね? あんまり変な発言ばっかり繰り返していると、いくら上が耳障りのいい言葉しか聞かない無能だったとしても切り捨てられちゃうよ? 自業自得だから同情はしないけど。

 

 で、次の日になったのだけれど……なんと、アンブリッジが高等尋問官なんてものになっていた。日刊予言者新聞では、アンブリッジが新しい方法で多大な成功を納めたことになっているけれど、実際にはハリーさんの手で気絶させられたり殴り飛ばされたり半死半生になったりするのを繰り返す日々。事実無根なんだけどね。

 とは言っても、残念ながら一般的な大衆にとっては新聞などで大多数が支持している話が真実であるので、アンブリッジはきっと本当に成功していると思っているのだろう。

 

 ……でも、ハリーさんの笑顔が怖い。凄く怖い。どう見てもあれはアンブリッジをどうしてやろうかを考えている顔だ。絶対そうだ。

 ……そう言えば、シリウスおじさんから返ってきた手紙にはあまり詳しいことは書かれてはいなかった。一応の話は首から上だけを煙突飛行ネットワークで飛ばした会話ですることができたけれど、次からはこんな風に上手くはできないだろう。

 なんでも、ホグワーツを出入りする全ての情報網に魔法省が網を張ったそうで……シリウスおじさんは別に追われていたりするわけではないけれど、それでも長い間犯罪者として扱われていたせいで魔法省には嫌われている。もしかしたら妙なでっち上げでまたアズカバン送りになってしまうかもしれない。

 今のところはそんな気配はないけれど、今の魔法省は手柄に飢えているから本当にやりかねない。権力に取り付かれた亡者はこれだから困るよね。

 

 そんな困る権力の亡者の出している新聞とその内容は鼻で笑って放置しておく。今日もアンブリッジは変わらず罰則を与えられずに何度も何度も殴り飛ばされて気絶させられている。

 ……それを見ても誰一人としてハリーさんを咎めようとしないのは凄いよね。大体の人はアンブリッジが嫌いだって言うのがよくわかる光景だ。

 グリフィンドール寮のゲームでは、新しくアンブリッジがキャラクターとして現れてよく一方的に暴行を加えられているのを見かけるが……いくらなんでもマルフォイとロンとハーマイオニーの三人でNPCアンブリッジを一方的にひたすら痛め付け続けなくてもいいと……思わなくもない。多少は思う。

 だって、いくらNPCアンブリッジに暴行を加えたところでアンブリッジに被害が行く訳じゃないんだから、やるだけ無駄だよね。気は晴れるかもしれないけどさ。

 

 ……私達はハリーさんとは違って、アンブリッジの目にも映らないような高速で動き回って暴行を加えたり、あるいはアンブリッジにも解けないような呪いをかけたりすることはできない。そんな高度なことはハリーさんに任せておいて、私達は自分でできることを見つけてそれをやらなくちゃ。

 手始めに勉強があるけれど、勉強についてはアンブリッジの功績として捉えられてしまうのである程度で押さえておく。宿題などはそれなりにちゃんとやっておくけれど、わざわざ怒られに行きたい人なんていないからね。

 

 そこでやるべきなのは、クィディッチくらいだろう。もしくは『闇の魔術に対する防衛術』以外の宿題を深く進めていくか、魔法省が私達に戦うための力をつけてほしくないと思っているようだから戦いのために力をつけるのも悪くない。

 けれど、私やハーマイオニー、ロンは去年の私の練習に付き合って既に様々な呪文を会得している。

 

 ロンは主に攻撃系、次点で移動系が得意なようで、空間を飛び越えるフタエノキワミアッー!とか、なぜだか異様に威力の高い『粉々呪文』とか、呪文にフタエノキワミアッー!を応用したりとか、ある意味では私以上にやりたい放題やっている。

 

 ハーマイオニーはなんでもできるけれど、どうしてか一発目の威力に比べて二発目以降の威力が微妙。それでも十分に強いし、しばらくすると同じ相手でも一発目の威力が元に戻ると言う不思議な状態だ。

 

 ……私は平均かな。うん。秀でてるところは特になし、ただし劣っているところも特になし……普通普通。

 ……ホグワーツの五年生の普通が極一般的な十五歳の普通に当てはまるかどうかは置いておこうか。悲しくなってくるから。

 

 マルフォイは言わずもがな防御系。物理防御もさることながら、一番はその回復力だろう。最近はさらに進化して、時間経過によって体力その他が回復していくようになったとか。ゲームで言うと、ロンと合わせて中ボスを張っていそうな感じだ。

 ……マルフォイとロンが本当に中ボスをやっていたら、仲間にハーマイオニーかハリーさん、あるいはクラッブとゴイルが必要になるよね。うん。

 

 クラッブは握力特化。なんでも最近では鋼鉄を握って指紋をつけたり、鋼鉄製のボールを握り潰してしまって指と指の間から粘土を潰したかのような形にしちゃったらしいんだよね。

 ……普通、そんな力を出したら骨と筋肉が張り付いている部分が剥がれて凄いことになると思うんだけど……流石はホグワーツ10怪人の内に入っているだけはあるよね。

 

 ゴイルは重心移動が上手い。自分の体重を左足の指先に集めたまま右足で蹴りを放ち、当たる瞬間に重心を右足に移動させて破壊力を増す……なんてこともできる。まるでマルフォイの攻撃能力をクラッブとゴイルの二人で分けて得たみたいだよね。

 

 ちなみにホグワーツ10怪人と言うのは、ロン、ハーマイオニー、マルフォイ、クラッブ、ゴイル、フレッド、ジョージ、ジニー、ルーナ、セドリックの10人の非常識人の集まりのことだ。ハリーさんが入っていないのは、ハリーさんは怪人の枠には収まらないからだ。

 

 ……そうだ、『闇の魔術に対する防衛術』の授業が役に立たないゴミクズ未満だってわかったんだし、自分達で自習するクラブなりなんなりを作っちゃおう。

 最近は危ないから、そのくらいはしておかないとね。

 

 

 

 

 

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。