ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
side エリー・ポッター
アンブリッジがなにかを持つ度に顔をしかめ、一歩を踏み出す度に表情を歪め、頻繁に目薬をさし、くしゃみのしすぎで鼻と喉を痛め、毎日の食事で自分の歯を荷電粒子砲で焼き切る激痛を味わうも即座に歯が生え変わって何度でもその痛みを受け、歯を新しく生やす度に骨が弱くなっていくようで全身の骨はもうボロボロ、たった一週間の間にげっそりと痩せこけたアンブリッジは……何を血迷ったのかそんな状態になる原因のハリーさんに頭を下げたらしい。
しかしハリーさんはここで完全に何とかすることを拒否した。正確には、すっとぼけて見せた。
アンブリッジは一応教師。そして、かつてホグワーツを卒業した頃の成績はトップクラス。そんな人が何をしても解けなかった呪いを、普通で普通な普通の一般的生徒がどうこうできるわけがないだろうと、にやにやと笑いながらそう言ったそうだ。
そんなハリーさんの態度に怒ったアンブリッジは、グリフィンドールから点を引こうとした瞬間に突然下顎骨の脱臼を起こして喋ることができなくなってしまったそうだ。
……なにがあったんだろうなー、わたしにはぜんぜんわからないやー(棒)
ハリーさんがいい感じにアンブリッジの顎を殴り飛ばして外しちゃったとかそんなことあるわけないもんなー(棒)
そんなわけで、ハリーさんは色々とやり過ぎてしまったようだ。そのせいか、アンブリッジはよくハリーさんの事を睨み付けている。
だがしかし、ハリーさんにそんなことをした際の結果は見えていた訳で……ハリーさんにちょっかいを出す度にアンブリッジにばかり被害が増えていっている。
例えば、ハリーさんが急いで移動しようとしているところでアンブリッジが呼び止めようとすると、何故かアンブリッジはその場で転んで顎を打ち、舌を噛んでしまって悶絶したりとか、授業でハリーさんを当てようとしたらなぜか突然上から水が満載の金盥が降ってきて気絶させたりとか、気絶した先生を起こす権限があるのかどうかわからないからって言う理由でハリーさんがさらりと授業を引き継いだりとか、それはもう色々と。
……ハリーさんによるアンブリッジいじめの内容はもうどこかその辺にでもぶん投げておくことにして……私は私でやることがいくらでもある。
私は今年で五年生。そして五年生にはO.W.Lと呼ばれるテストが存在し、私はそれを受けなければならないのだ。
それと同時に、今年はクィディッチの試合がある。それも、バルバモートの事が隠されている今ではなんの憂いもなく決勝戦をすることができるクィディッチの試合だ。一選手としては、燃えないわけにはいかないだろう。
ただ、心配なのは今年からクィディッチ・チームのキャプテンになったアンジェリーナが卒業していったウッドによく似てきていると言うこと。ウッドが事故死したら間違いなくこうやって誰かに取り憑いてクィディッチ三昧にしそうな気がするから、とりあえずウッドに手紙を書いておいた。
……手紙が戻ってきて、内容がちゃんとしたいつも通りのウッドだったら安心できる。もしもウッドが事故死したとかそんな感じの内容だったり、あるいは私の出した手紙がそのまま戻ってきたりしたら要注意。ウッドがアンジェリーナに憑依されている可能性がある。危険危険。
……まあ、実際にはそんなことは無いと思うけどね。なにしろウッドだし。だってウッドと言えば、練習でブラッジャーに頭を打たれて気絶しても数秒で復活して凄いプレーを繰り返すような、クィディッチに関してのみ無茶苦茶な適正を持っていた人だったし。
そんなわけで、今年はひたすらに勉強することになる。命の危機が常に側にあるせいか、私が色々な魔法や呪文を覚えるのが早い。いいことのような悪いことのような……全体的には悪いことなんだろうね。多分。
……まあ、今のところはホグワーツは『平和』だね。ごく一部を除けば、これまでの四年間で一番平和といってもいいかもしれない。
一年の頃にはヴォルデモートが入り込み、二年の頃にはヴォルデモートの記憶が入り込み、三年の頃には吸魂鬼が入り込み、四年の頃には三大魔法学校対抗試合なんてものに巻き込まれて大変なことになった。
……ほんと、私ってよく生きてるなぁ……一部の例外を除けば最強に近い魔法使いに命を狙われていても無事にこの歳まで生きてこれたんだから、運は良い方なんだろうね。
一番の幸運と言えば、間違いなくハリーさんと良い意味で知り合いになれた事だろう。悪い意味での知り合いになっていたら、もしかしたら『偶然』起きた事故でこの世ならざる存在になっていたかもしれないし。
そう言えば、魔法省はヴォルデモートが……正確にはバルバモートに改名したそうだけど……とにかく、復活したと言うことを知られたくないらしいんだよね。頭が馬鹿ではどんな身体も宝の持ち腐れだと言うけれど、組織としての結束力も実際の頭も身体の強度もバルバモート陣営の方が上だって言うのは……まあなんと言うか救えない。もう少しファッジ大臣の頭が柔らかくなってくれれば、万分の一か億分の一か知らないけれど僅かにあるかもしれない可能性に賭けることもできたかもしれないのに……。
ファッジはきっと、魔法省の多数の人間を道連れにして死んでいくんだろうなと予想する。そして、魔法界で最も愚かと言える選択肢を選んだ大臣としても名を残すかもしれない。
良かったねファッジ!名前が残るよ!……悪名だけど、名前が残ることには違いないだろう。間違いなく不名誉だけど。
そんな正直どうでも良いことは放置しておくとして、私は新しいキーパーを選出する選抜を見なくてはいけない。なにしろ、ウッドがいないと言うのはグリフィンドール・チームのキーパーがいないと言うことで、いくらグリフィンドールのチェイサーが有能だと言っても絶対に相手にボールを渡さず、シュートもさせないと言うのは無理がある。
ハリーさんなら一人でキーパーもチェイサーもビーターもシーカーも全部同時にこなして見せるだろうけど、全ての人間がハリーさんと同じことができると言うのは明らかな間違いだ。
……と言うか、他の存在にできてハリーさんにできないことって孕むことと自家受粉くらいじゃないだろうか。性別的に絶対無理なことと動物か植物かで可能か不可能かが根本的に決定されるようなことじゃないと不可能だと言い切れそうなことがないって言うのは人間としてどうなのかとも思うけれど、ハリーさんは人間枠じゃなくてハリーさんと言う固有の種族なんだと思えば……気だけは楽になるかもね?
……さて、新しいキーパーは誰になるのかな? ロンも参加するそうだし、なんとなくロンになりそうな気配だよね。
ハーマイオニーとジニーが参加してなければ、多分ロンになるだろうと思う。ジニーはキーパーよりはシーカーやチェイサー向けだし、ハーマイオニーはクィディッチにはそもそも興味がないだろうから参加はしてこないだろうけどさ。
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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他の止まってるやつの続き