ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
ハーメルンよ!私は帰ってきたぁぁぁぁッ!!
とりあえず一言。大家さん(78歳男性)、そしてその奥さん(76歳女性)、こんな遅くに叩き起こしてごめんなさい。
そんな思いを込めて投稿します。
side エリー・ポッター
ハリーさんの経営する紅茶専門店に行ってみた。普段はお客なんてほとんどいないのに、今回はどうやら偶然ブッキングしてしまったらしい。
「こんにちは」
「……おや、エリー・ポッターとその保護者か」
挨拶をしてみたら、その二人組の男女は友好的そうに私の方に振り向いた。
けれど、私はこんな人達に会ったことなんてない。こんな、なんだか凄くのっぺりした顔の男の人や凄く派手で黒い羽のような上着を着ている女の人なんて、一度見たら間違いなく…………あれ?
……会ったことはないけれど、見たことはある……ような…………?
「何故だ……」
そして、シリウスおじさんが私とその人達の前に立ち塞がって言う。
「なぜ……死んだはずの貴様がこんなところに居る!答えろ!ベラトリックス!」
シリウスおじさんの怒号に、私に着いてきていたルーピン先生とムーディ先生が杖を抜いてその女の人に向けた。それと同時に、私も彼女の事を思い出す。
ベラトリックス・レストレンジ。シリウスおじさんが話してくれたブラック家の出身の人で、ヴォルデモートと名乗っていたバルバモートに深く忠誠を捧げていた『死喰い人』の一人。
そして、ある日に起きたアズカバンでの大量突然死の犠牲者の一人で、彼女の遺体はアズカバンの脇にある共同墓地で永遠に眠り続けている……筈だった。
しかし、彼女は今まさに生きている。こうして私達の前で、私達なんて存在しないかのように優雅に紅茶を飲みながら座っている。
そして、もう一つ思い出した。彼女は───
「……バルバモートに蘇らせてもらったんですね?」
「察しのいいガキだね。嫌いじゃないよ……褒美に頭を撫でてやろうじゃないか……秒間63回ほど」
「首が折れそうなので遠慮しておきます」
「察しのいいガキだね」
どうやらこの人は本当に私の首を折る気でいたらしい。油断も隙もない人だと思う。
でも、それよりも大事なことがある。この人が一緒に居るって言うことは……つまり、この男の人こそが私の命を狙っている相手……バルバモートだと言うことに他ならない。
「安心しろ、ここで戦う気は無い……無粋なものはしまっておけ」
「……シリウスおじさん。ルーピン先生。ムーディ先生。杖をしまう必要はないですが、絶対に内装を壊したりしないで下さいね? ハリーさんが現れて大変な目に遭いますよ」
具体的にはどんなのかはわからないけれど、例えば───
ジョインジョインハリィデデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニーナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォナギッナギッナギッフゥハァナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッカクゴーハァーテンショウヒャクレツケンナギッハアアアアキィーンホクトウジョウダンジンケンK.O. イノチハナゲステルモノ バトートゥーデッサイダデステニー セッカッコーハアアアアキィーン テーレッテーホクトウジョーハガンケンハァーン FATAL K.O. セメテイタミヲシラズニヤスラカニシヌガヨイ ウィーンハリィ (パーフェクト)
……とかね。シリウスおじさんが前にあの物理法則を完全に無視した連撃を食らって昏倒していたけれど、ハリーさんが本気になったら昏倒で済む筈がない。間違いなくもっともっと酷い目に遭う。
例えば……グリフィンドール寮に置いてある『大乱闘スマッシュホグワーツDX』であるコマンドを入力すると選択可能になる『タイムアタックキルゼムモード』に強制参加することになるかもしれない。
あれ、意識をゲームの中に入れて自分自身の身体で遊んでいる感覚を味わえるのはいいんだけれど、怪我をすると軽い痛みは感じるからね。あくまでも軽い痛みだから発狂したり死んでしまったりすることは無いけれど……痛いものは痛い。
ちなみに、中に入った本人の自由に動ける代わりに使えるのは自分の使える技だけ。キャラも自分自身に固定されているし、意識だけを入れているから実際に身体を動かすことはできないのでダイエットには……使えないこともないけれどあまり向かない。そんなゲームだ。
……そう言えば、このゲームをやっていたロンとマルフォイに凄い特性があるのがわかったんだよね。今はどうでもいいことだけど。
私の言葉を聞いて、三人はゆっくりと杖を下ろした。しかし警戒は解いていないらしく、バルバモートとベラトリックスの二人を睨み付けていた。
「……いったい、何のためにここに来た」
シリウスおじさんが唸るようにベラトリックスに問いかける。
「見てわからないかい? 我が君とデートだよこの唐変木。そんなこともわからないからお前はまだ女もできないんだよ」
ベラトリックスは高慢そうに笑いながらシリウスおじさんに返した。どうやらシリウスおじさんとベラトリックスは相性が良くないようだ。スネイプ先生とは別の意味で……だけど。
「ご注文をどうぞ。無いなら帰れ」
そうしてシリウスおじさんとベラトリックスが睨み合っていると、ようやくハリーさんが現れた。今までこっそりと他のテーブルを拭いたりしながらこちらを窺っていたフリスクさんとフリーザくんが、音もたてずに奥へと引っ込んでいった。
「それじゃあ、ハリーさんのおすすめを3つ。ムーディ先生は飲まないそうなので」
「ご注文承りました、座って静かに……静かに、お待ちください」
ハリーさんはベラトリックスと睨み合っているシリウスおじさんに軽く視線を向けてから、魔法の道具らしきやかんを左手の杖で叩く。見たことの無い杖だけれど、それはもういつもの事だったので流しておく。
私はシリウスおじさんとルーピン先生の服を引いて、バルバモートの背後をとれる場所のテーブルに陣取った。バルバモートとベラトリックスの二人を警戒しながら注文を待つならここくらいしか無いだろうと思ったからだ。
ベラトリックスの後ろでもいいかもしれないが、バルバモートは死者蘇生を行うことができる。ならば、バルバモートはベラトリックスが死ぬことを躊躇わずにこちらを攻撃してくる可能性も十分あると言える。
……さて、それじゃあ作戦会議と行こうかな。結果は大体決まっているような気もするけれど。
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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他の止まってるやつの続き