ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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 side エリー・ポッター

 

 第三の課題の当日。リータ・スキーターの記事を一部信じていたらしいウィーズリーおばさんとシリウスおじさんが、ハリーさんに向かって色々言おうとしていたのですぐに誤解を解いておいた。

 まずは顔見知りではないウィーズリー一家の方から。おばさんやビルはリータの嘘だらけの記事の大半を信じていたようなので、すぐにその誤解を解いておく。

 まず、私はハリーさんと付き合ってはいないと言うこと。騙すと言っても日常の冗談のようなものであってすぐに嘘だと教えてくれるか、あるいはすぐに嘘だとわかるものだったりすること。確かに迷惑もしているけれど、逆に迷惑をかけている回数もかなり多いと言うこと。そして、そもそもなんでリータなんかが書いた記事の一部でも信じたのかを聞いてみたら、ウィーズリーおばさんは恥ずかしそうに目を逸らした。

 

 次にシリウスおじさんに説明をしようとしたら、シリウスおじさんは既にハリーさんに絡んでいたらしく、凄い勢いで空中コンボを何度も何度も食らっている。あそこまで連発して食らったらマルフォイでもちょっと脳震盪を起こしそうだけど、ハリーさんはシリウスおじさんの体調なんて知ったことかと殴る蹴るを続けている。

 

 ……と、それを眺めていたらいつの間にかどこからかBGMが聞こえてきた。

 

 ジョインジョインハリィデデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニーナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォナギッナギッナギッフゥハァナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッカクゴーハァーテンショウヒャクレツケンナギッハアアアアキィーンホクトウジョウダンジンケンK.O. イノチハナゲステルモノ バトートゥーデッサイダデステニー セッカッコーハアアアアキィーン テーレッテーホクトウジョーハガンケンハァーン FATAL K.O. セメテイタミヲシラズニヤスラカニシヌガヨイ ウィーンハリィ (パーフェクト)

 

 ……意味がよくわからないけれど、とりあえずハリーさんのせいだろう。ハリーさんが何かやったに違いない。と言うか、そうであってほしい。本気で。

 あと、ハリーさんがシリウスおじさんを殴り飛ばして浮かしたかと思ったらその場に座って立てた前腕から一直線に進むビームを射った途端にシリウスおじさんの苦痛の表情が笑顔に変わったんですが……ハリーさんってば、まさかシリウスおじさんに新しい扉を開かせたとかそんなことは無いよね?

 ……無いよね?

 

「俺は突然殴りかかってきた相手を殴り返しただけだ。それで相手が目覚めるかどうかは知らないし、相手次第だ。ただ、名前からして尻打つプリーズだし、そういう素質がどこかにあったのかもな」

「名前違う!全然違う!」

「……レグルスだったか?」

「それ獅子座の星!」

「プロキオン?」

「それはこいぬ座ですから!おおいぬ座の星ですよ!」

「俺は星座とか詳しくないからわからないな」

「天文学であれだけの好成績を叩き出しておきながらそれとか誰も信じませんよ!?」

「星なんてちょっと頑張れば意思通りの並びになるだろ?」

「ハリーさんだけですよそんなの!普通の人はそんなことできませんからね!?」

「俺の知り合いの『普通』で『普通』な『普通』の幽州州牧はいい景色を見たいからって月の軌道を操ってたぞ」

「そういう自称普通さんの言葉は普通じゃないですから!」

「そうか」

 

 BGMが止まると同時にハリーさんはシリウスおじさんに殴る蹴るの暴行を加えるのをやめた。無限ループ怖い。あのBGMに限らず無限ループは怖い。凄く怖い。

 ぐしゃりとくずおれたシリウスおじさんを救護室に運んでもらい、私は溜め息をついた。

 ハリーさんには応援に来た家族の人はいない。そもそも、ハリーさんの両親はもう亡くなってしまっているし、それ以来ずっと一人で暮らしているそうだし……家族と呼べるあのペット達は、こういう場につれてくるにはちょっと不適だし……仕方ないと言えば仕方ない。

 ハリーさん自身は別に寂しそうと言うわけでもなければ思い詰めている様子もないので私から手を出す理由はないし、手を出したところでその手に気付いてもらえるか、気付いたとして手をとってもらえるか、手をとってもらえたとして私がハリーさんを支えられるかと言った問題は多々ある。

 私から助けに行ったのが、逆にハリーさんに助けられるなんてことになったら目も当てられないし……。

 

 ……まあいいや。ハリーさんの事で私が悩んだところでどうなる訳でもないし、最後の課題が始まるまではのんびりしていよう。きっとなんとかなる。そうやって前向きに考えていかないと!

 

 そう言うことで、私は暇潰しにホグワーツの周りを適当に歩き回ったり、身体をゆっくり休めたりした。歩き回っている間に、ホグワーツの生徒達から沢山の声援もかけられた。

 大半は

 

「優勝はまああれだけど、怪我しないように頑張れよ」

 

 とか

 

「ハリーさんのやることに巻き込まれないように気を付けろよ」

 

 とかそんな感じのことばかりだったけれど、むしろそればかりだったからこそ余計にみんなが私のことを心配してくれていると言うことがわかって嬉しかった。

 ちなみに、ハリーさん自身も

 

「迷路に入るとまず間違いなく巻き込むから入らないことを薦めるぞ」

 

 なんて言われてしまったので、とりあえずその事はフラーとクラムにも伝えておくことにする。入るだけで危ないなら、迷路の側に居るだけでも何らかの被害が来てもおかしくない……と言うか、もしかしたら観客席の方まで被害が及ぶかもしれないから。

 そうなった時のために、とりあえず私は一番初めにネビュラスを呼び寄せてから迷路に入ろうと思う。多分だけれど、中にいる筈の色々な生物には6メートルを越えるものはいないはず。それはつまり、6メートルを越えなければ飛ぼうが何をしようが一切問題にはならないだろうと言うことだ。

 できる限りの障害を、全力で飛んで抜けてみせよう。私の力がどこまで通じるかはわからないけれど、頑張るだけならタダだしね。

 

 

 

 

 




 
 グリフィンドール寮には改造されてフォイとかロンとかが使えるスマブラが置かれています。みんなハリーさんのせいです。
 なお、ハーマライデンさんやダンブライデンも使えると言う不思議設計。みんなハリーさんのせい。

次回作は……?

  • 鬼滅の刃
  • 鋼の錬金術師
  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • 他の止まってるやつの続き

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