ハリー・ポッター ~ほんとはただ寝たいだけ~ 作:真暇 日間
side エリー・ポッター
ハーマイオニーとクラムが湖から上がってきた時には、ハリーさんの作った料理はほとんどが私達のお腹の中に消えてしまっていた。
それを知ったハーマイオニーは、蟹卵雑炊を飲み物のように口の中に流し込んでいたロンとマルフォイに向けて『
……人間から新種の鬼になったらしいハーマイオニーの最初の行動は、ご飯の恨みを晴らすことだったと言うことは……やっぱり、食べ物の恨みは恐ろしいと言うことでファイナルアンサー。
それはそれとして、第二の課題の結果はハリーさんはまたもや50点。私も同じく。それからクラムが40点で、フラーは25点。第一の課題と合わせると、ハリーさんが100点で堂々の一位。私は98点で二位。クラムが80点で三位で、フラーは60点で四位となった。
一位と二位をホグワーツが独占しているけれど、私一人では間違いなくここに来る前に死んでしまっていただろう。私の力ではないもので私が評価されると言うのはなんだかすごいズルをしているような気になるけれど……死んでしまうより生きていた方がずっといい。
今は不幸なことばかりだったとしても、いつかきっといいことがある。ダーズリーのところで受けた仕打ちを我慢した結果、今の生活を手に入れることができた私が言うのだから間違いない。
それと、ハリーさんの釣った翠魚竜はハリーさんの手で調理されて振る舞われた。森の中のあの毒蜘蛛や、地下にある秘密の部屋に住まわせているコカトリス(ハリーさんの改造によって巨大化及び石化の魔眼と石化ブレスを持ち、刺さると石化する羽毛を手裏剣のように飛ばして来る上に鳴き声に混乱と催眠効果があると言うなんとも化物じみたコカトリスだ。これもうコカトリスじゃないよね)にも食べさせてきたと言っていたけれど、もうハリーさんはハリーさんだからしょうがないよね。あはははっ。
とは言っても、私はこれでもホグワーツのハリーさん係。ハリーさんのぶっとんだ行動にツッコミを入れて、常識を守らなくちゃいけない。
時々自分からブッ飛ぼうとするのも居るけれど、そんな人は私は知らない。知らないから止めないし止められない。だからハリーさんのようなやや異常人が増えても私のせいじゃない。きっと社会に出たら魔法史に名を残すような人になるかもしれない。
……私は名を残すことが確定しているみたいですけど、そんなものに名を残すよりも婚姻届にハリーさんと一緒に名を残したいかな。
さて、そんな個人的な欲望だったり過去の事だったりすることはちょっと脇に置いておくとして、第三の課題が発表されるまでもう少し時間があり、それまではある程度暇な時間となる。
だから私は厨房のドビーを訪ねていったり、ホグズミードに遊びに行ったり、シリウスおじさんに色々な呪文を教えて貰ったりしていた。
そんな風に幸せに過ごしていたのに、ある日突然けちがついてしまった。週刊魔女とか言う週刊誌に、私とハリーさんが恋人同士であるとか、ハリーさんが私の事を騙しているだとか、ハリーさんは他にも色々な女の人と交際していた形跡があるとか、本当に色々なことが書かれていたせいで、色々な人達からハリーさんに物凄い数の迷惑メールが届いたのだ。
ホグワーツ生はこの記事を見てすぐにハリーさんから記事を隠してハリーさんを怒らせないように努力していたのが全部パー。しかも、ふくろう達がハリーさんの目の前の皿をひっくり返すわ勝手にご飯をつついていくわで……ハリーさんの雰囲気が怖いです。
ハリーさんは適当に一つずつ手紙を開けて読んでいくと、その手紙に何かよくわからない模様を書いて何かを囁いて手紙を鳥の形にして飛び立たせていく。
それを次々にやっていって、時々混じっている変なものが中身に入っている手紙は中身が何らかの役に立つものだったら集めて取っておいたり、呪いだったら数千倍に増幅反射されたものを手紙の鳥に乗せて送り返したりしていく。
ハリーさんに何をしているのかと聞いてみれば、式神を作っているのだと返された。式神とは、日本に古くから伝わるゴーレムのようなもので、ハリーさんは今作って見せたような簡単な式神ならば片手間で数百程度は操作することができるのだとか。
そして、式神を使って何をするのかという問いには答えず、ただにっこりと笑うことで言外に仕返しをするということを伝えてきた。
……ハリーさんはやっぱりどこまで行ってもハリーさんだということがよーくわかった。とりあえずこんなものを送ってきた人達と、こんな風になる原因を作ってしまったリ痛……リータ・スキーターにこの言葉を送ろう。
自業自得。何かをして結果が何も返ってこないなんてことは無いのに、何が返ってくるかも誰を相手にそんなことをしたのかも理解せずに実行してしまうからそんなことになっちゃうんだよ? 恨むなら変な記事を書いたリータ・スキーターか、そんなものに騙されて軽々しく行動に移してしまった自分を恨むんだね。
……それに、私は別にハリーさんに騙されていようがそんなのどうでもいいんだよ?
ハリーさんは確かに私を疲れさせてくるけれど、私の知らなかったことをたくさん教えてくれて、私が危ない時には自分が儲けを出すためだとか色々言って守ろうとしてくれた。
一年生の時には呪いを受けなくなる胃薬をくれたし、ホグワーツに入り込んでいたヴォルデモートを倒してくれた。
二年生の時には、私がバジリスクに襲われる前に退治しようと寮生全部どころか学校を巻き込んでバジリスクを退治してくれた。
三年生の時には、シリウスおじさんを助けてくれて、私と一緒に暮らせるようにしてくれた。
今年は、ドラゴンと戦う時に知恵を貸してくれたし、たくさんの魔法を教えてもらったし、課題の内容を教えてくれたし、その課題の解決方法まで伝授してくれた。
私の知っているだけでも、私はこんなにハリーさんに守られている。なのに私はハリーさんに何も返すことができていないし、私がハリーさんに渡せるものなんてなにも無い。
だから、もしもハリーさんが私に何かを求めて
それが杖でも、持ち物でも、お金でも、身体でも───私自身だったとしても。
……けれど、ハリーさんは私なんて欲しくないし、必要としていない。きっとハリーさんにとっての私は、気紛れに餌をやったらなついてきた公園に居た犬、みたいなものなんだろう。
だから私はハリーさんに思われている通り、子犬のようにハリーさんについていく。飼い主を見付けた犬のように…………ハリーさんが私を捨てるまで。
……それじゃあ、今日も頑張ろう。今まで通りの関係を、ずっと続けていくんだ。
いつかそれができなくなる日が来るだろうけど、そうなってしまったらそれはその時に考える。私はハリーさんのように、なんでもできる訳じゃないからね。
P.S この日、なぜか沢山事故が起きたらしい。火事になったり、局所的な竜巻や雷がたくさんの家屋を破壊したんだとか。なんでだろうね?
次回作は……?
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鬼滅の刃
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鋼の錬金術師
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金色のガッシュ
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BLEACHの続き
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