"みんなで起こした、奇跡だよ"――魔法少女まどか☆マギカ×オルフェノク――   作:ありがとうございました。

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この小説を開いていただき、ありがとうございます。

当作品は、かつて外部で連載していた小説をブラッシュアップしたものです。


どうか、この作品を読んだ皆様に楽しんでいただければ光栄です。


誤字脱字や文章のおかしな点がございましたら、遠慮なくお知らせくださいませ。


それでは、始まります。


前説:『光と闇と……』

 

 光は、常に影をもたらす。

 光の輝きが強くなれば、

 闇もまた、よりその濃さを深くする。

 その光が強ければ強いほど、

 闇への落差は大きくなるのだ。

 

 光と影は表裏一体。

 光と闇は表裏一体。

 

 光で照らせば、闇が生まれるのは避けられない。

 

 希望もまた、同じだ。

 途方もなく大きな希望――謂わば"奇跡"とでも呼ばれるべき、鮮烈な輝き。

 それがもたらす絶望は、やはりその希望の大きさに似合った、果てしなく巨大なものとなるのである。

 

 

 

 ここでひとつ、問いを投げよう。

 

 影は、どんな時、最も長く延びるだろうか。

 

 回答は数多にあるだろう。

 だが、ここで正当としておきたいのは、

 

 ――光源が1つしか無いとき、である。

 

 

 たったひとつの光源からは、濃く、深く、長い影が延びる。

 その光の輝きに見合った、どす黒く深い影が。

 

 だが、もし、この影を、別の光源で照らすことができたのなら。

 

 光に飲まれ、影は消滅する。

 それは新たな影を生むだろうが、しかし、その影もまた、別の光源で打ち消すことができる。

 光源が2つ、3つと増えてゆくほど、

 闇は、より小さくなる。

 1つの光が生み出す闇を、

 もう1つの光は、打ち消すことができる。

 

 

 

 希望もまた、同じだ。

 1つの希望から生まれる絶望は、

 もう1つの光で消せばいい。

 1つの希望で、

 すべての絶望をかき消すなど不可能だ。

 

 1人で抱え込んでは、いけない。

 1人で答えようとしては、いけない。

 全ての方向から光で照らせば、

 闇は限りなく小さくなるように。

 

 完全に打ち消せずとも、

 どこまでも小さくできるように

 

 幾多の希望が集まれば、

 絶望を封じ込めることも、

 決して不可能では、ないはずだ。

 

 

 君も、そうは思わないか?

 

 

 

 

 

 

 

 恐怖、嫉妬、孤独、憎悪、犠牲――。

 世界は、そうした"呪い"に満たされている。

 そんな世界は、まるで救いようのない病に冒されているかのようだ。

 だが、"呪い"は"願い"から生まれる。

 

 ならば。

 

 もし、呪いで世界を満たすことができるのなら、

 きっと、願いで世界を満たすこともできるはず――。

 これは1人の少女、"南あかり"と、とてつもなく大きな絶望に立ち向かった彼女の仲間たちが起こした、小さな奇跡の記録である。

 

 たった1人の願いが、世界を救うと信じて――。

 

 

 

 そして。

 

 

 

 世界中の願いが、たった1人を救うと信じて――。

 

 

 

 

 

 

 ――みんなが、信じてくれるから。

 

 

 

 

 

 ――ここには、みんながいるから。

 

 

 

 

 

 ――みんなの中にも、自分がいるから。

 

 

 

 

 

 ――もう少し、希望を信じてみてもいいかもしれない。

 

 

 

 

 

 ――みんなでなら、きっと叶うから。

 

 

 

 

 

 ――だから、これは、

 

 

 

 

 

 

 ――みんなで起こした、奇跡だよ……。


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