黒子のバスケifストーリー「もし、黄瀬に幼馴染みがいたら」   作:和泉春

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第八話です!!

なんだか曖昧なラインを行き来していますが、
多分最後まで曖昧なままです‼

自分でもこの先どうなるか読めません!!w



じわじわと露わになって行くカレンの陰。

黄瀬がそれに気づくのは
もう少し先の話…。





君の笑顔

その日の帰り、

黄瀬はカレンと肩を並べて歩く。

 

部活が終わった頃には

周りはやはり薄暗くなっており、

黄瀬がカレンを家まで送り届けることになったのだ。

 

 

黄瀬はバックを左肩に掛けて、

両手をポケットに突っ込む。

 

一方カレンは手荷物がなく、

手のひらで器用にボールを操る。

 

 

二人は住宅地を抜けて大通りに出た。

 

カレンが道路側を歩く形になってしまったのに気づいた

黄瀬はカレンの肩を掴み、

ぽいっと歩道側へカレンを放った。

 

黄瀬は道路側を歩く。

 

カレンは操っていたボールのバランスを崩し

地面に落とした。

 

慌ててそこからボールドリブルに変更し、

ほっと落ち着くと

隣を歩く黄瀬を見上げた。

 

黄瀬は何と無く不機嫌そうな、

ムスッとした顔をしていた。

 

その顔を見るなりカレンは微笑んだ。

 

 

「リョータって、いつも優しいよね。」

 

 

「な、何急に…。」

 

 

黄瀬は照れた様に横目でカレンを睨む。

 

カレンは気にせず話を続けた。

 

 

「道路側危ないから交代してくれたんでしょ?

私ボール持ってるし。」

 

 

いろいろな考えや行動の意図が

筒抜けかつ図星だった黄瀬は

顔を真っ赤にして大声を上げる。

 

 

「…っ‼だからっ‼

何で分かるんスか⁉エスパーか‼」

 

「リョータ、敬語になってる。」

 

「えぇ⁉」

 

 

途中から

恥ずかしいやら可笑しいやらで

二人で笑いあった。

 

少し沈黙してしまったが、カレンが再び口を開いた。

 

 

「…先輩達、いい人達だね。楽しかったぁ。」

 

「ホント、びっくりしたよ。

来るなら来るって連絡してくれたら良かったのに。

心臓に悪い。」

 

「sorry sorry 驚かせようと思って。成功だね!!」

 

 

またカレンは無邪気な笑顔を向ける。

 

 

うっ…、なんだろ…変な感じ。

 

 

どうやら俺は、カレンのこの顔に弱いらしい。

 

話をしている時も、

俺の話を目をじっと見つめて

興味あり気に聞いてくれる。

 

 

それに、あの大胆なスキンシップ。

 

 

カレンにとってはなんともなくても、

俺にとっては結構な大事件であって…。

 

 

「あぁぁ‼俺キモ⁉

こんなのキャラじゃないッス!!」

 

 

突然独り言を叫び出す黄瀬に驚き、

カレンは体を震わせた。

 

 

「リ、リョウタが壊れた…‼

大丈夫かリョウター‼」

 

「ふぅ…何でもない。」

 

「何でもなくないでしょ⁉」

 

「何でもないったら何でもないの‼

ほら‼さっさと歩く!!」

 

 

黄瀬はぐずる子供の様に認めようとしない。

 

 

「う〜ん…?」

 

 

どう見ても様子がおかしい黄瀬にオロオロしながら

歩いて行くと、

カレンは公園のバスケットコートを見つけた。

 

 

黄瀬には結構馴染みのあるバスケットコートだ。

 

 

誠凛と練習試合をして生まれて始めて負けた日、

ステーキ屋で胃袋との戦いをギブアップした黒子と

昔話をした場所。

 

 

そして、最後に黒子とプレーをした場所だ。

 

 

あれからここに立ち寄るのは

もう何度目だっけ…。

 

 

はしゃいでボールをつきながらコートへ走るカレンの背中を見つめながら、黄瀬も少し足を早めた。

 

 

「待ってよカレン‼」

 

 

カレンのあの背中を見て思った。

 

何処か寂しそうで、

何処か辛そうな、そんな背中だった。

 

先輩達とプレーしてる時も、

自分で点を入れる度に、

何故か複雑そうな表情をしていた。

 

 

あれは、一体なんなんだろう…。

 

 

カレンのプレー姿に疑問を抱きながらも、

黄瀬はまたあの笑顔に誤魔化されてしまうのだった。

 

 




第八話 君の笑顔
を読んで頂きありがとうございます‼

楽しんでいただけたら光栄です!!

評価、感想などしていただけると嬉しいです‼

これからもよろしくお願いします^ ^

次話もお楽しみに♪

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