黒子のバスケifストーリー「もし、黄瀬に幼馴染みがいたら」   作:和泉春

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間が結構あいてしまって申し訳ない(汗)


だんだんとカレンのキャラクターをつかんできた(笑)

まだまだ過去がチラチラしてる(笑)




Amazing‼

翌日。

黄瀬は朝練の前のランニングの為に、

朝5時にベッドから起き上がる。

 

欠伸をしながらランニングウェアに着替え、

まだ寝ている母を起こさぬように

静かに玄関の扉を開けた。

 

ランニングルートの途中に

大きな川を沿って走る所がある。

 

河原から少し離れた土石の堤防の上を、

川に沿って走るのだ。

 

堤防を挟んで反対側には民家が並ぶ。

 

その中には一つのバスケットコートがあった。

 

 

黄瀬はそこを通る度に、

誰もいないだろうと思いながらも

毎回人影を探していまう。

 

今日もそこに通りかかった。

 

いつもは誰もいない静かなはずのバスケットコートに、

一つの人影を見つけた。

 

黄瀬は思わず足を止めた。

 

少し荒くなった息を整えながら、

黄瀬はふと声を出す。

 

 

「…え。……誰?」

 

 

坂を下り、コートへと足を運ぶ。

 

フェンス越しに見たその人影は、

黄瀬を魅了させるくらいの美しいシュートを放ったのだ。

 

 

な、なんだ…あれ。

 

 

俺ですら、真似出来る気がしない。

 

 

………ん?あれって……。

 

魅入っていて気がつかなかったが、

その後ろ姿は見覚えのあるものだった。

 

 

「カッ、カレン!?何で!?」

 

「あれ?リョータ?」

 

 

昨日の別れ際に

一人暮らしを始めるとは聞いていたが

こんなところで会うとは思わなかった黄瀬は、

激しく動揺していた。

 

それに比べてカレンの方は

大して驚きもせず、ボールをつきはじめる。

 

その様子を見ていると、

黄瀬は驚いて同様している事も馬鹿らしくなり、

呆れてため息を吐いた。

 

 

「バスケ、してたんだ?」

 

 

黄瀬がそう聞くと、

カレンはシュートを放ってからしばらくして答える。

 

 

「…まぁね。

リョータもやってるんだよね?バスケ。

キセキの世代とかって呼ばれてんだって?

Amazing!!!(凄いじゃないか‼)」

 

「え…誰から聞いたの?

そんな事。」

 

「リョータが載ってた雑誌に

書いてあった。

他にも凄いのが4人いるんだとか。」

 

「まぁ、名前にこだわっている

つもりはないけどね。」

 

「ふぅーん。」

 

 

カレンは話しながらも

黙々とシュートを打ち続ける。

 

とても集中しているのが伝わってきた。

 

それに…一度も、外していない。

 

カレンのバスケをしている姿に

黄瀬は衝動を抑えられなかった。

 

 

「カレン‼パスちょーだい!!」

 

「リョータ、学校は〜?」

 

「まだ時間あるから!!」

 

「はははっ!!

も〜しょうがないな〜!!」

 

 

そう言いながらも、

カレンは嬉しそうに笑って

黄瀬にパスを出す。

 

黄瀬はそのパスを受け取ると

青峰のコピーをして、

フォームレスシュートをきめた。

 

カレンはそれを魅入る様にして

見つめていた。

 

カレンは目を輝かせて

黄瀬に詰め寄る。

 

 

「今のAmazing!!!私もやりたい‼

リョータ!!ヘイパス‼」」

 

「はいはい、ほら‼」

 

 

黄瀬は出来るわけないと確信しながらも、

カレンの意気込みに答えて思いっきりパスを出した。

 

カレンはそのパスを受け取ると、

黄瀬のさっきやった

青峰のフォームレスシュートを見事きめたのだ。

 

しかも、

ただ、コピーしてきめたのではない。

 

自分なりのアレンジが加えられ、

パワフルと言うより、

ビューティフルと言った方が正しい

仕上がりになっている。

 

見惚れてしまう程に、美しいものになっていた。

 

黄瀬が唖然としていると、

カレンはまた悪戯に笑って言った。

 

 

「Just because a girl, I'm not underestimate‼

(女の子だからって、甘く見ないでよね‼)」

 

 

何だかカレンを見ていると、

こっちまで何でも出来るような気がしてくる。

 

 

黄瀬は思わず噴き出した。

 

 

「ははっ。

カレンって…やっぱりいいよね。」

 

 

今も昔も変わらない。

 

俺はいつでも

カレンに元気を貰っているんだ。

 

 

「どういうこと?リョータ?」

 

 

無邪気で、天然で、

でも、大事な事を教えてくれる。

 

 

黄瀬の言葉を理解出来ないカレンは、笑う黄瀬に

子犬のような人懐っこい瞳を向けて、

黄瀬の周りを慌ただしく動き回る。

 

黄瀬は誤魔化すように

「あ、やばっ朝練‼」と言って来た坂を駆け上がる。

 

コート内に取り残されたカレンは

逃げる黄瀬の背中に叫んだ。

 

 

「コラーー‼リョーター‼」

 

 

カレンの顔は笑っていた。

 

黄瀬もただ楽しそうに笑って坂を登っていった。

 

 

カレンは転がるボールを拾って、

その場からまた美しいフォームでシュートをきめた。

 

ネットをくぐり抜けて

地面に跳ねるボールの音が小さくなるのと同じ様に、

カレンの顔から少しずつ笑顔が消えていった。

 

 




Amazing‼を読んで頂きありがとうございます‼

まだまだ続きますので、よろしくお願いします^ ^

次話もお楽しみに!!

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