黒子のバスケifストーリー「もし、黄瀬に幼馴染みがいたら」   作:和泉春

1 / 15
もし、黄瀬に、女の子の幼馴染みがいたら。


考え出したら止まらない!!

それが、僕の悪い癖なんです(笑)


黄瀬の幼馴染み
海常高校バスケ部エース 黄瀬涼太


海常高校バスケットボール部。

インターハイ常連の第三王者校のうちの一つ。

キャプテンの笠松幸男率いる強豪校。

 

そこへ行ったのは「キセキの世代」の一人、黄瀬涼太。

 

これから、彼の活躍が期待される。

 

 

__________________________________________

 

 

海常高校のバスケ部体育館では、

いつものように練習をするバスケ部員で溢れていた。

 

ゲームをしている選手達、

個人でシューティングをしている選手、

ドリブルをしている選手。

 

「さすが強豪校」とでも言うべきか、

一人ひとりの気迫はダテではない。

 

 

その中に、一際目立つ金髪の

左耳にリングピアスをした選手が

派手にダンクを決めた。

 

 

ガンッ

 

 

「ナイッシュ!!黄瀬!!」

 

 

彼の名前は、黄瀬涼太。

海常バスケ部のエースである。

 

 

「ふぅ…。」

 

 

黄瀬は息を吐くと、ふと、体育館の時計に目をやる。

 

時計の針は、8時を指していた。

 

 

 

突然集合の笛が鳴る。

 

 

「今日はここまでだ。皆、お疲れ。」

 

 

笠松キャプテンの一言で、

バスケ部員一同は解散した。

 

全体の練習の後、

レギュラーメンバーは残って自主練を欠かさず行う。

 

…はずなのだが、

集団に紛れて更衣室へ向かおうとする黄瀬に

気づいた笠松は、黄瀬を呼び止めた。

 

 

「おい黄瀬!!自主練はどうした?」

 

 

笠松の呼びかけに、黄瀬は笠松の方へ振り返る。

 

そして目を合わさずに、

頭をかきながら引きつった笑顔を向けた。

 

 

「あ…すいません先輩。

今日はちょっと用事が…。」

 

 

いつもと様子がおかしい黄瀬に、

笠松は疑問を抱いた。

 

 

「なんだ?用事って…。」

 

 

普段部活がOFFの日にしか予定を入れない黄瀬が、

部活の日に予定を入れるなんて…相当な用事なのか?

 

 

さすがに、

気になりたく無くても気になってしまう。

 

するとそこへ

シューティングの練習をしていた森山由孝がやってきた。

 

 

「なんだ、今日は残らないのか?黄瀬。

珍しいな。」

 

 

森山も笠松と同じようだ。

 

さらに森山の言葉に反応した小堀浩志、早川充洋が

笠松の方へと集まる。

 

 

「どうしたんですか?

キャプテン、もぃ(り)やまさん。」

 

「あれ、黄瀬?どうしたんだ?」

 

「え、あの、えーっと…。」

 

 

困った様に口ごもる黄瀬に、全員の視線が注がれる。

 

 

「何でそんな睨むんスか!!」

 

「だって、気になるだろ。」

 

笠松が周りに問いかけると、

周りも「うん、うん。」と首を頷かせる。

 

 

その収まりそうもない様子に堪忍したらしく、

黄瀬はなんだか照れ臭そうに

頬を人差し指で掻いた。

 

「……。

幼馴染みが、アメリカから帰って来るんスよ。

その迎えッス…。」

 

 

その一言に、笠松一同は呆然とした。

 

 

「じ、じゃあ!!お疲れ様ッス!!」

 

 

呼吸をするのも忘れた彼等に関わらず、

黄瀬は急いで体育館を出て行った。

 

 

「「「「お、幼馴染みーーーー!?!?!?」」」」

 

 

 

 

 

 




海常高校バスケ部エース 黄瀬涼太
を読んでくださってありがとうございました!!


気に入って頂けたら光栄です!!

次話もお楽しみに!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。