ハドラー子育て日記   作:ウジョー

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再燃する対抗心、超えるぞ!勇者の家庭教師!!の巻

あれからわずか3日でダイもすっかり喋れるようになり2本足で走り回っている

 

やはり記憶が残っているからか コツをつかんだようにすぐに 以前と同じように話ができるようになった 

オレのことは すでにわかっていたようで かつてのように《ハドラー》と呼んでいたのだが・・・

 

《ねえ えっと・・・》

 

ダイが何か言おうとしているのだが 珍しくはっきりとしない どうした? 

・・・鼻水はでてないな

 

「どうした ダイ いまさら遠慮をすることなどないだろう」

 

《うん ・・・あの、ハドラーのこと じいちゃん って呼んでも いい?》

 

「なんだ そんなことか 別にかまわんぞ オレはこう見えてもブラスの倍近い年齢だ」

 

『あ、 いいですねそれ』

 

《それで 聖母竜のことは ばあちゃんって呼んでいい?》

 

『!! もちろんいいですよ』

 

《よかった おれ 父さんや母さん じいちゃんってよべる人はいたけど ばあちゃんっていなかったから 

言ってみたかったんだ!!》

 

無邪気にはしゃいでいるダイは 聖母竜にとびついて その体をよじのぼっていった

 

《ばあちゃん おっきい!! クロコダインよりもおっきいや》

 

『ふふ・・・』

 

「そういえば たしかに聖母竜程の大きさとなると 魔物でも 竜を除けば地上では あまり見かけぬな 

大きめのギガンテスぐらいか」

 

地底魔城内でオレに仕えていたギガンテスは 比較的小さいやつだけだったが

 

 

 

・・・・・・

ダイがオレを《じいちゃん》とよぶようになってからは

オレ達の体をよじのぼり 肩や頭の上にいることが多くなり

そのとき以外は ひたすら走り回ったり 飛び跳ねたりと目一杯 体を動かしていた 

かつて地底魔城にいたころのヒュンケルは オレが外出を禁じていたこともあってか 

工作などで遊んでいたようだったが

 

「フム、そろそろ ダイを本格的に鍛えてや、 んが!?こら!ダイ! 鼻に指をつっこむな!!」

 

『ふふふ そうですね 紋章の力をバランがある程度おさえられるといっても 

心身を鍛えるのは早い方がいいですからね 私はあまり力になれませんが』

 

おまえ本当に役にたたんな いや そのためにオレがいるのだろう 

 

『さて どうせならアバンのやつとは違うことを仕込んでみるか 

なあ ダイよ おまえが かつてアバンに教わったことをオレに教えてくれ』

 

《うん いいよ えーと まずはね・・・》

 

それからオレは ダイからアバンの教育内容を聞いた

聖母竜も聞き入り 時折紋章が光るところから バランも気になっているようだな

・・・・・・

要約すると 体力づくり 剣術・格闘技の指導 魔法や魔物の勉強 魔法の特訓などだが驚いたことに 

ダイがアバンから受けた直接の指導はたったの3日 しかもその3日目の朝の修業中に

オレがこの手でアバンを倒している(メガンテによる自爆、しかもなぜか生きていたが)

そのわずかな指導で あのアバンストラッシュだったのか・・・

 

だが、オレの指導できる期間はあと10ヶ月はあるはず

 

 

 

 

 

 

それだけあれば・・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バーン以上の魔王に育てられんか?

 

ヒィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

『今、あなた何を考えました?』

 

「・・・・・・・気にするな」

 

オレの伝えられる魔王道だと 何回死ぬか わかったものではないからな 

あくまでちょっと魔が差しただけだ 心配いらん 

 

「では とりあえず 今の力を試してみるか 体力的なものは すでに大体把握できている

魔法力は 使ってみたほうが はやいだろう。 聖母竜よ ここで呪文は使ってもよいのか?」

 

『ええ 地上と同様に 呪文は発動します ちゃんと後始末をすれば問題ありません』

 

「では まず 紋章の力を使わずに メラ を 使ってみろ 調子を見たらオレがすぐに火は消してやる」

 

《うん! じゃ いくよー!!     ・・・メラ!》

 

ポン

 

ダイの 小さな手のひらと同じくらいの 火の玉がでた そしてすぐ消えた・・・勝手に

 

《あれー?  メラ! メラー!! メラだっ!!》

 

ポン  ポン  ポン

 

 

「・・・・・・・まあ呪文は発動しているから 契約は有効のようだな」

 

『・・・・・・ええ! そうですね。

あ、そういえば バーンの魔法などで炎と接する機会が多かったので苦手意識が残っているのかもしれません

他の呪文を試してみては?』

 

「・・・まあおまえの言うことも一理あるな では ヒャド や バギ を試すか」

 

《うん!     ・・・見ててよ!!    ヒャドぉ!!》

 

ポン!

 

《バギーーーーーーーー!!》

 

フワ・・・

 

・・・結果はまあ 先程と大差ない ダイは不思議そうに自分の手のひらを見ているが オレが見る限り 

異常はない ・・・では試しに

 

「・・・メラ」

 

ゴウ!!

 

オレが 発動させた呪文は 問題なく発動し オレの指先で炎が維持されている 

場の問題ではなさそうだ

 

ヒィーーーン

 

『【爪に火をともす】ですか? まあ見たままですね』

 

フ・・・   とりあえず火を消した  

 

「別にバランの一言で集中力を乱したわけではないぞ」

 

《そうだ! アバン先生の授業でも集中力が 大事だって言ってた! よーし今度こそ・・・

メラーーーーーーーーーー!!》

 

ポン!

 

・・・・・・先は長そうだな・・・・・・・・

 

後でダイ本人から聞いた話だが 幼いころからブラスに仕込まれてあらゆる呪文の契約をしたものの

まるでものにならず アバンに指導されたときも 魔法に関してはこんなものだったらしい。

紋章の力なしでまともに呪文に成功したのは 旅立ってから改めて 村の長老に指導を受けてからのようだ

・・・・・・・・・・ブラスもアバンも苦労したのだな・・・

なぜかそれが 今日 一番嬉しいことのような気がした。

 




原作で超魔生物に生まれ変わり武人として一皮むけても 謁見したバーンが老体とみるや 下克上が
頭をよぎり あっさり見破られてあきらめたのもハドラーらしくて 結構好きだったりします
実はストックがほぼ尽きたので これからの更新はゆっくりめです。 

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