ハドラー子育て日記   作:ウジョー

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・・・私は力ずくでも手に入れる! たとえ大人気ないといわれても・・・!!!!

――――――――ダイがたまごから孵って1月ほどたったある日――――――――

 

 たまごの状態のときからずっとオレの腕の中にいたダイがついに地面(といっても天界だが)に

自らの手足で降り立つときがきた

 

「ここまで随分長かったな・・・」

 

『それでも 順調に成長してますよ 普通の赤子なら いくら竜の騎士でも

ここまではやく自分で動けるようにはならないはずです』

 

「人間とは随分不便なのだな 魔族や魔物の世界なら とても生きていけんぞ」

 

『あなたの話に聞く ブラスやバルトスという方達はその魔物の世界でダイ達を育てたということですから

凄いことなのですね 私も尊敬いたします』

 

 こうやってかつての自分の部下が褒められるというのも悪くないものだな

 

 そんなことを考えている間に地面の上で寝返りを繰り返していたいたダイが

うつぶせの体勢で止まっていた

 

『おお ついに這って動くのでしょうか』

 

 聖母竜が期待のまなざしを向けているが、ダイは地上の地面よりも

ややくせのある天界の地面に戸惑っているように見える

 

                う・ うえ・・・・

 

 泣き出しそうになるダイに手をのばそうとする聖母竜を 思わず止めた

 

『なぜ止めるのです?』

 

「さて、な だが心配するようなこともあるまい もうしばらく様子を見ているがいい」

 

              ・・・・・・・・・・・・

 

 ダイはしばらくあまり動かなかったが ついに地面を這って動きだした 

その動きはスライムよりも遅いものだったが確実に前に進んでいた

 

       ヒィーーーーン!      ヒィーーーーン!

 

『バランも大変喜んでいるようですね』

 

「今のは喜んでいたのか・・・」

 

 ダイの紋章がかつてないほど輝いている

 

                ヒィーーーーーーーーーン

 

『あまりの嬉しさについ光ってしまうようですね』

 

「そんなにか!」

 

 と、オレ達が騒いでるあいだに ダイ本人は自分の足で立ち上がろうとしていた

 

 

                 コテン!!

 

 が、そのまま転んだ

 

           ウエーーーーーーーーン!!ウェーーーーーーーン!!       

                ヒィーーーーーーーーン!!

 

 やれやれ結局泣き出したな まあ とりあえず今回はこんなところだろう 

 ダイを抱え上げオレの指を舐めさせた 今は紋章の輝きがオレをにらんでいるようだが・・・・

 

『この調子なら 自分の足で立って歩くことも 喋れるようになるのも 遠くないでしょう』

 

 聖母竜もどこか安堵したような声で言った

 

 

 

 

 ダイが自分で動き回るようになって三日目 だれかにつかまれば 自ら立って歩けるようになった

今は聖母竜にくっついて周りをグルグル回っている

 

『ダイも 随分活発になりましたね  何より笑顔が多くなったようです』

 

 たしかに 自分で這い回るようになる以前は泣いてばかりで笑顔を見せるのは寝顔や

指を夢中でくわえているときぐらいだったが

今では泣いていることよりも笑っていることの方が多い気がする 

 

「それでも いきなり泣き出すこともある まだまだ油断ができん」

 

『たしにそうですが こうやって私の体に触れながら笑って歩いている姿を見ていると安心します 

 これは油断・・・なのでしょうか?』

 

 それはどうだろうか・・・などと考えているとダイが聖母竜を離れまた一人で歩こうとしている。

聖母竜は手をかしたものか どうしようかと 迷っているようだが 

フラフラしながらも倒れずに2本の足で立っているダイをハラハラしながらも見守っているようだ

 

「この調子なら今日中に歩けるようになるかもしれんな」

 

 そう言ったとたんに ダイが前に倒れそうになったが とっさに前足を出してふんばった

そのときダイの顔が 表情が変わった。

そうあの顔はかつてのこいつが 何か とてつもない事をしでかす前に いつもする顔 

・・・今でも・・・オレの一番好きな顔だ・・・!!!

 

           《あー     あー     あー》

 

 一歩 一歩、 と 確実に2本の足だけで歩いている 聖母竜からオレのもとへ 

 そしてオレの目の前まで歩いてきたところで・・・

 

             《ハ・・・ ハ・・・・・・》

 

 ダイの口から はじめての言葉がでそうなところだった・・・ が

 

         ヒィーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

 ダイの額の紋章が一際 輝きだした

 

           《と・・・ とう・さ・・ん》

 

 ダイは自分の額の紋章を手でおさえながら はじめての言葉を紡いだ

 

『今 バランが 自分のことを呼んでもらおうと 自己主張しましたね・・・   

                              私は自重したのに ずるいです』

 

「どういう意味だ?」

 

『それは さておき・・・』

 

 ダイがようやく しゃべることができたので次の目標を聖母竜と相談した。

ちなみに今ダイはオレのひざの上で座っている。

おい こら!オレに鼻水をつけようとするな。

 

「さて、ここからは どうしたものか・・・」

 

『そうですね できることならこのまま 

ダイが自分からやろうとすることを優先させたいところですが・・・』

 

「そろそろ 教育 というのも視野にいれておく ということか」

 

『ええ 本来の竜の騎士以上の力を秘めているのは間違いないのですから

そのコントロールはできるだけ早い段階で取り組むべきでしょう』

 

「教育か・・・アバンの使徒の実力を 肌で感じた身としては おろそかにできんな 

何よりここで アバンのやつを超える成果を是非ともだしたいところだな」

 

『あなたは「アバン」の名がでると 表情が明らかに変わりますね』

 

 オレはそんなに顔にでてるのか・・・・  まあそれはさておいてだな

 

「やはり 体を鍛えるのは第一だろうな あとは魔法修業も必要か」

 

『そうですね 竜の騎士の魔力は魔族の神の管轄でしたから 

あなたの指導の方が合うかもしれませんよ』

 

「ほほう なかなかいいことを言うではないか どうせなら

あのアバンや ブラスも知らないような魔界の秘術を授けてみせるのも一興か」

 

            ヒィーーーーーーーーン!!  ヒィーーーーーーーーン!!

 

「バランも話に加わりたいのか」

 

『そのようですね 竜の騎士の戦いの経験は紋章を通じ伝わる部分もありますが

やはり直接指導した方がいいでしょうし』

 

「フフフ かつて世界を救った勇者ダイが 今は歩きはじめたばかりのハナタレ小僧か。

オレ達の手でここからどう成長するのか 楽しみだな」

 

                 ヒィーーーーン

 

『【おまえがいうなハナタレ魔王】といってますよ』

 

             タラ・・・・

 

 ぬう バランめ・・・

 

           ハドラーはレベルがあがった

 

           ちからが1あがった

 

           すばやさが1あがった

 

           たいりょくが1あがった

 

           かしこさが3あがった

 

           うんのよさが1あがった

 

           さいだいHPが1あがった

 

           さいだいMPが3あがった

 

 




           バランは 念願のわが子の初台詞を てにいれた 

バランが紋章の中からできるのは 意思の疎通や紋章の力の制御ぐらいで(低出力の紋章閃がギリギリ)
ダイ自身を操るほどではないので あくまで横から顔出して自己主張したような感じです。
まだ物言えぬ赤子だったときに 親子引き離されたバランにとってここからは未知で念願の時間なので
このくらいの役得はこれからもあるかも? 

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