ハドラー子育て日記   作:ウジョー

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今やるべきはレベル上げ 次の地は・・・

アバンのもとで料理修業をはじめ1年ほどたったある日 課題でダイに腕前をみせることになった

オレは披露の場所をデルムリン島と定めヒムを伴い食材の採取を終えていた。

 

「では調理にはいるか ヒム、そのカゴを持って来い」

 

{あのハドラー様 それはいいのですが・・・}

 

ヒムが鼻水をたらしながら カゴを持ってこちらに問いかける

 

「どうした 食材に鼻水をつけるなよ」

 

{それは勿論 えーと ですね そのお姿は!?}

 

姿だと?現在の装備は

 

Eおたま

Eピンクのエプロン

Eおなべのふた

Eさんかくきん

 

「特に問題はないな」

 

{いえ、あのですね・・・ ええと そう!ハドラー様には黒い方がお似合いなのではないかと!!}

 

「そうか だが今あるエプロンはアバンが用意したこれしかない

それに今までも調理中はこれを着ていた 別に問題はない」

 

たしかに黒の方が好みではあるがわざわざ自分で用意するほどではない

 

{うらむぜ~ アバンさんよ・・・}

 

 

 

 

 

さて とりあえずできあがったか 

 

「ヒム ダイ達全員連れてこい オレは料理をだしながら まだ調理がある」

 

{了解しました}

 

さて ここからだ・・・

 

―――――――――――――――

 

ヒムが集めた島にいたやつらが揃ったようだな

今 いるのは ダイ、ポップ、マァム、ヒュンケル、クロコダイン、ブラス、獣王遊撃隊にアバンか

 

{すみません ハドラー様。

ラーハルトのやつは ダイの食事中は島の警備に専念すると言って行っちまったんです}

 

「そうか ご苦労だった。 とりあえず おまえら全員食卓についてとっとと食らうがいい」

 

{ハドラー様 オレまだ手伝いますよ。どうせオレ飯食えないですし}

 

「そういえばそうだったな では手を貸せ まだまだつくらねばならん

ブラスにクロコダイン、それにアバン 貴様らも何をしている とっとと食らえ」

 

〈そんな!? おそれおおいです ハドラーさま!? わしもよろこんでお手伝いしますぞ!〉

 

「いいから とっとと食え 貴様にもみせてやろう。

しばらく会わない間にレベルアップしたのはおまえだけではない 魔王時代とは一味違うことをな」

 

〔ブラス老 素直にいただきましょう。そしてハドラーどのの腕前をとくと味わいましょうぞ〕

 

‘ハドラー 課題はダイ君に感想を聞くことだったはずですが これだけの用意をしてみんなにふるまったのは?’

 

「フン、愚問だな 力を示すなら一人二人よりその仲間らも まとめて食らわせてやった方がいい」

 

‘グッドな答えですね ではみなさんいただきましょうか’

 

              \\いっただきまーす//

 

さて おやつはまだ時間がかかるな あとは汁物の追加だが・・・ 

調理中にダイ達の会話が聞こえてくる

 

“あ、ちゃんとおいしい 素朴で食べやすいし”

 

'ほんとだ やるもんだなハドラー でも思ったより地味な感じだな。

もっとこう見た目や味を派手か豪快にやってくるかと思ってたけど'

 

《でもおれは こんな感じが好きだな なんかじいちゃんのごはんみたいな味するし》

 

どうやら思惑どうりにいったようだな さて やはり味加減はこれでいいとして・・・

ム、とりまく気配がふえたな この島の怪物どもか

 

「どうした おまえらもくらうがいい」

 

'そんなこといっていいのかい ハドラーさんよお これっぽっちでこの人数ならすぐになくなるぜ'

 

「ふん なめるなポップ このオレがこの程度の増援予測していないとでも思ったか

すでに追加もできている さっさともっていけ」

 

“あ、じゃあ私が              ・・・・・・アルビナスもここにいれば”

 

マァムがささやくようにアルビナスの名前をだした

そういえばアルビナスが最期に闘ったのはマァムのはずだな

あやつもアバンの使徒に何かを残したようだな

マァムができた料理をもって行く間に 渋い顔のヒュンケルの隣に座っていたアバンが声をかけてきた

 

‘この料理は全てこの島でとれたものを使い 調味料も外から持ち込んでいない、そのこころは?’

 

「以前ダイが お前の料理が一番うまいが ブラスの料理が食べたいと言っていたのでなその方向で攻めてみた」

 

‘そういうことだそうですよ ヒュンケル’

 

なぜ そこでヒュンケルの名前がでる?ヒュンケルがうつむいて震えているようだが

のどにでもつまったか?

 

{ハドラー様 次は何をやりましょうか?}

 

ヒムに指示をだし、調理を続けた・・・

 

 

 

 

 

「まあ こんなところか」

 

『お疲れ様です』

 

用意した食材を全て使い切り オレは片付けをはじめ、ダイ達も最後のおやつを食べているところだった

 

‘ハドラー お茶は私が用意してもよろしいですか?’

 

そうか食後の茶があったか、それは用意してなかったな

 

「任せるが ここには茶葉の類はないぞ」

 

‘詰めが甘いですねぇ この木の葉は食後のお茶に使えるのですよ 少し手を加えますがね’

 

'うわ 懐かしいな アバン先生のその台詞'

 

“あんたいかにも言われ慣れてそうだもんね”

 

そういって アバンとその弟子たちが木の葉を摘み取っている 

茶は盲点だったな

 

『あの若さでどれほど知識を蓄えてるのでしょうね』

 

まったくだ とてもオレの10分の1程度の年齢とは思えんな

 

鼻歌混じりに摘み取った葉を茶葉に加工し 茶を振舞うアバン いつも以上に楽しそうに見える

 

            \\ごちそうさまでしたー//

 

オレも茶を飲んで一息ついた ふむ、茶も無視できんな・・・

 

『お疲れ様でした あなたも本当に成長してるんですね 最初から見ていただけに』

 

余計なことを・・・ 

 

‘さて 課題の結果ですが・・・’

 

そういえばそんな話だったな・・・ いつの間にか何か勝負している気になっていたな

 

‘合格ですよ あくまで基本ですがアバン流お料理教室卒業です アバンのしるしを渡したいほどですが

もう体を構成する一部となっているらしいので 渡せませんが’

 

そういえばオレの蘇生に使われているのだったなアレが まあ欲しくないが

 

‘技術と心構えは十分です あとはあなた自身がこれから積む経験次第です

さて これからどうするのですかハドラー’

 

「ダイ達はこれからも例のゴールデンメタルスライムを探すのだろう

地上で捜索を続けるならこれだけの面子がいるのだ オレが直接護衛をする価値は薄い

ダイに子ができるのはまだ先であろうし 子守り修業の方をやろうかと思うのだが」

 

‘なるほど そういうことなら私にできることはもうあまりありませんね

私もそういった経験がないのでレベルが低いですから 

ヒュンケルの時は既にバルトスさんが立派に育てた後でしたし

マァムの母親のレイラを紹介しましょうか?’

 

たしかアバンに味方していたあの僧侶か

 

'アバン先生 フローラ様とのおめでたい話はまだなんですか~?

そんなこっちゃダイとレオナ姫さんに先こされちまいますよ~'

 

ポップの軽口に隣のマァムやダイが反応 なかなかいい打撃をお見舞いしていた

 

『そのことで提案があるのですが・・・』

 

「どうした聖母竜?」

 

『実は竜の神から神託がありまして。

かつて竜の都とよばれていた地で 長く人が竜の子を育て共に生きる歴史をもつ国があるらしいのです

今では国の規模は小さくなったものの竜の子を預かる「子守り術士」の元で修業をしてはどうかと』

 

「ほう そんな国があるのか 聞いたことはないがそんなところであれば レベル上げにちょうどよいな」

 

《ハドラーじいちゃんそこに行くの?》

 

ダイだけは聖母竜の話が直接聞こえるのだったな

 

‘ハドラー 何か腹案があるなら話してもらえますか?’

 

オレはアバン達に今の聖母竜の話を伝えた

その間にオレの意志は固まったが・・・

 

‘もう気持ちは固まったようですね では今のうちにこれを渡しておきましょう’

 

アバンから黒い布をうけとった

 

「なんだこれは?」

 

‘あなたの卒業のお祝いに お料理教室の女性陣が用意したエプロンですよ

あなたが黒を好んでいるのはみなさん知ってましたから 縫ってくれたそうです’

 

あやつらがか

 

‘私の用意したエプロンとローテーションを組んで清潔を維持してくださいね

清潔第一です’

 

アバンが料理修業で最初に言ったことだったな まあ使ってやるとするか

 

「聖母竜よ その地にはいつ行けるのだ?」

 

『すでに竜の神が便宜を得ているなので、いつでもあなたの声ひとつで「旅の扉」をひらくそうです

ただし条件として行けるのはあなたと私だけ ルーラでいつでもこちらに戻れますが それは変わりません』

 

「では 今から行くぞ 『旅の扉』をだせ」

 

            ブオン

 

{え! もう行ってしまうんですがハドラー様!?}

 

「ヒムよ またしばらくダイの護衛を任せる 次に会うのを楽しみにしているぞ」

 

{わかりました ハドラー様 オレ頑張ります!!}

 

〈ハドラーさま こちらをお持ちください わしがダイを拾ったときから書いていた日記をまとめたものです

何かのお役にたつかもしれません ハドラーさまへのご恩返しにはまだまだ足りませぬが どうか〉

 

ブラスから日記帳を黙って受け取った これは興味深い すぐにでも読みたいところだが出発するか

 

「ダイ もうお前に心配などいらんだろうが・・・」

 

ヒィーン  ・・・・・・ヒィン【いいから行ってこい   ・・・・・・友よ】

 

バラン?!

 

《いってらっしゃい ハドラーじいちゃん ごはん本当においしかった! 

それにうれしかった!!》

 

妙な感覚だな            ・・・まあいい

 

「ああ いってくる」

 

『いってきます ダイ バラン』

 

 

そして「旅の扉」にとびこんだ

 

         グーィーーーーイーーーーーンン

 

その先にあるかつて「竜の都」とよばれた地へ・・・

 

        「ハドラー子育て日記  コーセルテル編」へ つづく




完結 冬眠するといいつつ次回作を書いてたウジョーです
しかも今回つなぎの話のつもりがすごい長さになってしまいました 多分これで最終回です。
もしつづきに興味がありましたら また「ハドラー子育て日記  コーセルテル編」でお会いしましょう
http://novel.syosetu.org/20977/

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