ハドラー子育て日記   作:ウジョー

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家に帰るまでが大冒険です

オレが光に包まれ・・・ そしてその光がおさまったときには聖母竜は姿を消していたが

 

『無事に融合を果たしましたね 私の声が聞こえますか』

 

「ああ、聞こえている」

 

《おれにも聞こえるよ》

 

ヒィン【私も聞こえている】

 

ホゥ バランの声が聞き取れるな これが聖母竜から受け継いだ能力か

 

『そうですハドラー そしてあなたの考えていることも私にはわかります

お互い口にださずとも意思疎通ができるようになったようですね』

 

どうやらそのようだ ついでに聖母竜との融合でオレ自身レベルアップをしたようだ。

魔法力なども上がったように感じる 正直嬉しい誤算といえる。

新しく契約できる呪文もあるかもしれんな

 

『そういったことを試すのはあとにしましょう、ダイ 早速地上に帰るとしましょう準備はいいですか?』

 

《うん! さあ帰ろう》

 

真魔剛竜剣はここに置いて帰ることにした。

ダイが持ち歩くにはまだ大きすぎるし呼べば来るのだから無理して持ち歩くこともない

 

 

「ではいくぞ     ルーラ!」

 

行き先はデルムリン島だ

 

ドオン

 

             ドヒュン

 

                       ドーン!

 

無事に着いたようだな ここは大きめの洞窟の前のようだがクレーターがあるな

 

「ダイ ここは間違いなくデルムリン島か?」

 

《うん! 間違いないよ! ねえ ここってあのときの》

 

「ここは見覚えがあるな たしかこの洞窟はオレがアバン抹殺のためにこの島に来て

おまえとはじめて闘った場所だな」

 

その前のアバンとの再戦で やつのメガンテで洞窟の入り口がふきとんでいたな

このクレーターはあの時のか

 

「ルーラは目的地のイメージに左右されるからな

オレにとってはこの場所以上に印象ある場所はない」

 

《そうだね》

 

〔・・・その声 ダイか!?〕

 

洞窟の奥から声が聞こえると同時にこちらに向かう足音が響く

この声 覚えがある

 

《クロコダイン!!》

 

ダイが飛び出しその巨体に抱きついた

 

〔おお! たしかにダイだ!! 帰ってきたのだな 無事で何よりだ!〕

 

《クロコダイーン 会いたかった 会いたかったよ!》

 

ダイが満面の笑顔になっている 獣王クロコダインも嬉しそうだ

 

〔ダイよ すぐにブラス老や島のみんなにお前の無事をつたえるんだ〕

 

《うん!》

 

ぱぷっ

ヒュロロロローーーーッ  ヒュロロロローーーーッ   ヒュロロロローーーーッ

 

ダイの指笛が響く・・・  そして 島が揺れた

いっせいにこの場所に気配が集まってくるのがわかる

そしてやや離れたところから声が聞こえた

 

〈今の! 今の集合の笛は!?〉

 

そしてダイもその声に向かって飛び出した

 

《じいちゃん!! ブラスじいちゃーーん!!!》

 

ダイが涙声で顔をグシャグシャにしながら向かってきた鬼面道士ブラスに抱きついた

 

《じいちゃん・・・ じいちゃあん・・・》

 

〈おお、ダイ・・・よくぞ よくぞ帰ってきてくれた、このバカタレがどれほど心配したことか〉

 

応えるブラスも涙に顔を濡らしている

気がつけば怪物たちがダイを取り囲むように集まっていた

あの指笛で島中から集まったのだろう なかなかの規模だ やはり魔王としての才能もあるな

 

『ハドラー』

 

聖母竜が釘を指してくるが 別に本気で魔王にしたいわけではない 気にするな

 

〔ハドラー・・・どの どうやらダイが世話になったようですな〕

 

「察しがいいな 流石獣王クロコダイン」

 

久しぶりにこやつから 敬称つきで呼ばれたな

 

〈おお ま、魔王・・・さま な、何故このようなところに それにダイが世話になったとは?〉

 

魔王と呼ばれるのも久しぶりだな ブラスの声が震えているのはダイに会えた喜びだけではないだろう

 

「オレはもう魔王ではないがな ここにいる理由は・・・」

 

ブラスや他の怪物たちから緊張が伝わる 

 

「おまえの息子を返しにきた」

 

ブラス達の顔が驚愕に変わった

 

ヒィーーン

 

「そしてダイの生みの親 父バランからの伝言だ

【私の息子を立派に育てていただき 人の心を教えていただきまことにありがとうございました】

とのことだ たしかに伝えたぞ」

 

〈なんと ダイは父親に会えたのですか 良かった・・・ 本当によかった・・・〉

 

《うん 父さんも母さんも もう死んじゃったけど でもたしかにおれ会えたし

この紋章の中で生きてるんだ、 父さん じいちゃんに本当に感謝してるんだ》

 

ダイが手の紋章を見せて言った そして島に喜びの声が溢れた

これでとりあえず オレの役目は一区切りだな 

さて、そう考えると色々とやりたいことが思いついてきたが・・・

 

〔ハドラーどの 今まで何があったのか説明願いたいのだが・・・〕

 

クロコダインの問いに答えようとした矢先

 

{こっちでいいのかい隊長さん?}

 

(うむ 島のみんなによるとダイ君が帰ってきたらしい!急ぐんだ!!)

 

間違えようのない声が聞こえてきた しかしこの気配は 光の闘気だと?

 

{って ハドラー様?!!!}

 

(おお!本当にダイ君が帰ってるじゃないか)

 

おおねずみをおぶった兵士ヒムがあらわれた

 

「どうやらオレの息子も世話になっていたようだな お互いさまだったな」

 

オレの息子ヒムもその鉄仮面を涙に濡らしていた・・・

 




これにて一区切りです。
おかげさまで最初の構想よりかなり長くなりましたが無事にダイの帰還まで書けました。
まさか年越しするとは、まさか作中でクロコダインやバルトスよりザボエラが話題にでるとは など色々と予想外に話が広がったりしましたが、今後は後日談的な話や天界での生活話を追加するか いっそハドラーのレベル上げに「コーセルテルの竜術士」の世界に放り込むクロスオーバー物を書こうかと頭が回っていたりします(本当に書くかどうかはわかりませんが)。
偉大な原作の知名度のおかげですがのびていくUA数は本当に励みになりました 読んで頂いた方々 本当にありがとうございました。

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