ハドラー子育て日記   作:ウジョー

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たぎる竜と人の血!!!魔王の咆哮の巻

すでにダイの体は以前と同じか 少し大きくなったようにもみえるほどになり

レベルもかつてオレと闘ったときよりも 間違いなく高くなったようだ

機は熟した・・・と言っていいだろう

 

「ついにこのときがきたな、ダイよ」

 

ダイをいつものように見下ろして話しかけたが やはりその顔も少しずつ近づいてきたようだ。

 

『ついにはじめるのですね・・・』

 

ヒィン

 

『バランも同じ考えのようですね そしてダイも・・・』

 

《ということは やっぱり?》

 

「ウム 紋章の力をコントロールし 今おまえの額で一つになっている その紋章を二つにもどし

そうだな やはり以前のように両手に移動させてみるか 

それができればこの天界から地上に帰ることができるだろう」

 

《!!?》

 

ダイの表情が変わった それは喜びであり 不安であり そして覚悟を決めたものであった

 

「流れとしては 現在はバランが抑えている紋章の力を 一度完全に解放し 

その後ダイが独力でコントロールしその紋章を・・・」

 

『ちょっとよろしいですか バランが完全に解放するのはやはり危険では

少しぐらい制御に手を貸すくらいは・・・』

 

「無理だな バランも以前言っていたが 紋章を移動させることは歴代の竜の騎士のだれも

なしえなかった技術 いや母の血をひいたことによる資質に近いもののようだ

はっきり言って 下手にバランが助力しようとしても役に立たないどころか邪魔になるおそれがある」

 

ヒィーン

 

『【一理ある上、自覚もあるがお前に言われたくない】と、まあ二人がそう言うならここは・・・』

 

聖母竜も納得したようなので続きを・・・

 

「どこまで話したか・・・?」

 

《えーと、おれが力をコントールして紋章を、ってところだったよ

それで両手に移動させてそのまま 力を抑えればいいんだよね?》

 

「そういうことだ 今までの修業ではバランが力を抑えていたからな 制御もできるようになったし

急な停止も可能だったが それを解放するということはあの竜魔人以上の力をお前だけで背負うのだが

実はさほど心配しておらんのだ」

 

ヒィン

 

『なぜですバランまで? 竜魔人になればバランでさえ 理性が保てず

ダイと死闘をしてしまったのでしょう』

 

《そうだよ あのバーン相手に使ったときも大変だったんだよ 

戦いが終わった後は力を使いきったせいか元に戻れたけど紋章の分離まではできなかったんだよ》

 

ヒィーーン

 

《【紋章の力の制御に一番重要なのは『人の心』 だから父さんが制御しきれなかった理由で

おれは心配いらない理由】?どういうこと?》

 

どうやらバランもオレと同意見のようだな

 

「お前が地上で積み重ねてきた経験が生きるということだ 難しく考えることはない

ブラス達との生活を アバンの教えを ポップ達との大冒険を思い出せばいいだけのことだ

簡単だろう」

 

《うん! わかった! おれやってみるよ》

 

その目から迷いが消えたように見える フフフいい目だ

あの大魔王バーンをも圧倒したという力・・・ いざというときはオレが命をかけてでも

止めねばなるまい 今の状態でもあのバーンパレスで闘ったときよりも強い・・・

それを間近で見ることができる、正直それは楽しみでもある・・・

 

            ヒィン!

 

『バランの制御が消えます』

 

           カアアァァァァァァーーーーーーーーーーー

              ヒィィィイーーーーーーーー

 

《はああ・・・!!?》

 

                   ドン!

 

「ムゥ これが・・・ 双竜紋を全開にしたダイ!? この圧倒するような竜闘気 そしてあの目

まるで竜魔人のバラン いや竜闘気の出力ならやつを遥かに上回るぞ!?」

 

《ウオオオオオォォン!!!!》

 

これが、大魔王を倒した 『力』!!

だが! ダイの目は殺気を宿しても輝きは失ってない・・・ 理性も記憶も失っていない!!

いける!!!!

 

「ダイよ! 今だ!! その紋章の力を制御し 両手に分離し 落ち着かせるのだ!!!」

 

《う・・・うん・・・!》

 

                 ヒィィーーーン

 

ダイが頭をかかえなにやら頑張っているようだが ダイの額の紋章にあまり変化はない

 

《だめだ うまくいかない・・・ それに こ・こわい・・・》

 

『ダイ!?』

 

ダイが目を閉じ 僅かに震えた 聖母竜も心配そうに声をかけるが聞こえているかどうか

 

「ダイよ 目を開け! そして前を見ろ!! その目に何が見える!!?」

 

《ハ・・・ ハド・ラー・・・》

 

「そう! かつて ダイやバランのその紋章の力をおそれ そして敗れたこのハドラーのなれの果てだ」

 

《!?》

 

「だが今はどうだ オレの顔は恐怖に顔を歪めているか?」

 

《ちがう いつもの・・・ハドラーじいちゃんの、かお だ・・・》

 

「そうだ 敵対していたオレですら その恐怖をのりこえ今おまえの前にいられるのだ!

まして おまえにとって その紋章は元々ともに冒険を乗り越えてきた『力』と 

父バランから受け継いだ『力』であり敵ではない おまえの味方なのだ おそれることはない!

自分を信じろ そしてこれを成功させ 地上に帰るのだ!」

 

『そうです ここでの生活は全てこのときの為! 

あなたの使命はここで過ごすことではありません

あなたが輝くべき場所 地上に帰るための準備だったのですよ!』

 

聖母竜も珍しく声を上げる どうやらダイにも届いているようだ

 

                ヒィーン

                 ヒィーン

 

ム、もしや・・・

 

 

ヒィーーン                               ヒィーーン  

 

                                   

《で・ できた・・・》

 

ついに 今 ダイの両手の甲にひとつずつ紋章が輝きだした

 

「よくやったぞ ダイよ」

 

『ええ バランも大変喜んでいます』

 

《へへ、 けどなんか父さんの声がちょっと遠くなった感じがするんだけど》

 

「まあ 額にあった紋章が手に移動したのだ そういうこともあるだろう」

 

『私には あまり違いは感じないのですが通訳いりますか?』

 

《一応 何言ってるかはわかるから大丈夫だよ》

 

紋章の輝きがおさまり そして消えた、どうやら完全にコントロールができているようだ

 

「何はともあれ ここでの修業も終わったな」

 

オレにとっても感慨深いものになったな・・・

ついにこのときがきたのだから・・・・・・

 

 

              ハドラーはレベルがあがった

 

              ちからが3あがった

 

              すばやさが2あがった

 

              たいりょくが3あがった

 

              かしこさが3あがった

 

              うんのよさが2あがった

 

              さいだいHPが4あがった

 

              さいだいMPが6あがった

 




新年あけましておめでとうございます。
実は執筆前は去年中に終わるくらいの長さのはずだったのですが書いてるうちにおかげさまで何となくのってきたのか年を越してしまいました。
本年も宜しくお願いします。

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