ハドラー子育て日記   作:ウジョー

15 / 21
おっと お塩がききすぎたな こりゃ

《うーん なんかつかれたよ~》

 

マホプラウスを利用した魔法の修業がかなりの成果を上げてきたが 

やはり疲労の蓄積が無視できないレベルだな。

あのザボエラが自身に使う魔法だから害はないはずだが慣れない魔法の使用はやはり疲れるだろう。

 

「今日は一日ゆっくり休むといい やはり魔法力の回復は休息が一番だ」

 

《うん そうする・・・ ねえ 何か食べるものはないの?》

 

「うむ どうなのだ?」

 

聖母竜に聞いてみたが・・・

 

『ありません』

 

こういうときは はっきりとものを言うやつだ

 

「しかし オレ達魔族ですら 人間ほどではないが食事を必要とするのに

天界の連中はどうしているんだ?」

 

『そうは いいますがここではあなたも食事をしていないでしょう 

竜はほとんど食事を必要としませんから その力をもつあなた方がこの天界で

飢えるということはないはずです

人間の血が濃いダイでも この天界なら大丈夫だと思っていたのですが』

 

オレにも竜の力があるのか?

まあそれはそれとして、たしかに今まで ダイが食事を欲するといったことはなかった。

オレ自身空腹を感じたことがなかったしなによりダイに振り回され続けて

そんなことを考えたこともなかった。

 

『ダイ どうしても食事が必要というのなら 善処してみますがどうですか?』

 

《う~ん 言われてみるとべつに腹がへってるわけじゃないんだよな~》

 

「バランよ 本来、竜の騎士は地上で食事を必要とせんのか?」

 

                ヒィン

 

『【食事はするが人間とまったく同じというわけではない 竜の騎士は必要になれば魔界に行くこともあるが

特に不自由を感じなかったほどだったからな】

食事が必要なのは決してマイナスなことではありません 食事によって人が得られるものは大きいですから

竜の騎士も地上にいるときは人間同様食事をとります

ですが竜の特性からある程度食事をとれなくても何とかなるようにはなっています』

 

《ふ~ん そうなんだ》

 

言われてみれば もし竜がその体と能力に見合うだけのエネルギーを他の怪物と同様に

食事で摂取しようとすれば超竜軍団だけで魔王軍の兵糧はすぐに底をつくな

 

《でも地上に帰ったら腹いっぱいご飯くいたいな~》

 

「そうか ところでおまえにとって だれが料理した食事が一番うまかったか?」

 

《そうだね ポップやマァムがつくったのや パプニカで食べた料理もうまかったけど

やっぱりアバン先生のかな?》

 

ほう ここでも あやつの名がでるか

 

《はじめてアバン先生の料理食べたときなんか ほんとびっくりしたもんね

それにハドラーじいちゃんと最後に闘った後 バーンパレスのなかで休憩中に

アバン先生が用意してくれたお弁当食べたんだけどあれもすごかったなあ》

 

「あやつは 大魔王の居城で何をやっておるんだ そんなところはまったく昔と変わっておらんな」

 

《え、そうなの?》

 

「ああ やつがオレを追って勇者をやっていたときも 悪魔の目玉を通した映像では

仲間たちに喜んで料理をふるまうやつの姿があったからな それも危険な場所に行く時ほどな」

 

               ヒィン

 

『やはりバランも気になりますか ダイの師アバンという人間が』

 

《やっぱり先生はすごいや! ・・・でも一番に食べたいのは ブラスじいちゃんのご飯かな・・・

アバン先生のご飯みたいな味はしないし 種類も少なかったけど 

ご飯といって真っ先に浮かぶのはじいちゃんのつくったやつなんだ》

 

そういうダイの顔はなんともいえないものだった・・・

 

「ふむ オレ達魔族にとっては食事は嗜好品に近いせいか うまいに越したことはないが

人間にはそれ以上の要素があるということか」

 

《多分ね おれにもよくわかんないけど》

 

『まあ 何はともあれ 地上でやりたいことが増えるのはいいことです

それだけ修業に身が入り 地上に帰れるときが早くなるでしょう』

 

ダイが地上に帰れるとき・・・か、心身の成長は著しくそのときがそう遠くないような気がしていたが・・・

 

「そのためには その紋章の力のコントロールが最優先だ だからこそ今は休息の時

寝るがいい そして目が覚めたときレベルアップしたおまえを さらにしごいてくれるわ」

 

《うん、そうする じゃ おやすみ~》

 

そういって もう眠りについた。

この小さな体、この安らかな寝顔の額にあの竜魔人以上の力が秘められている・・・

それこそが今 この天界でダイとこのオレ、そして聖母竜がいる理由

そしてダイが地上を離れている、帰れない理由か。

それを乗り越えたとき ダイは・・・、そしてオレは・・・




原作のダイの大冒険 食事のシーンが意外と少ないんですよね、アバン先生絡みだと料理シーンなどもあるんですが ブラス老がまともな食事をとってるシーンや大魔王バーンのテーブルに豪華な料理があったりするので人間も怪物も食事は普通にとるっぽいんですが 色々設定を盛り込んでみました、このくらいの味付けならと、やってる間にもう年末になってしまいました。年内にあと一本ぐらい投稿できるかな?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。