俺の嫁?黒ずくめの二刀流剣士の子ですけどなにか?   作:シャラシャラン

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第六話 竜使いの子

 

 

 

一層の攻略から時間はかなり経ち。

もうかなり長い時間SAOの中にいる。

もちろん外部からの救援なんて来ていない、連絡もない。

 

「カ~ゼキ!」

 

後ろから呼び止められる。

 

「用事は済んだのか?」

「うん。買い足すものは全て買ったよ」

 

ここは最前線の階層。

次のボス戦はまだ先である。

まだマッピングも全て終わっていないしな。

 

「まったくリーダーさんも大変だね」

「本当だよ」

 

俺は最前線で戦う攻略組のリーダー的存在になっている。

ディアベルやキバオウは人脈を使い大規模なギルドを造ったそうだ。

それ以外にもヒースクリフ率いる血盟騎士団や、聖竜連合などがある。

俺とキリナは無所属である。もちろん勧誘は腐るほど受けたが全て断っている。

なんだかそっちの方が落ちつくし、あまり大きい組織には係わりたくない。

俺は攻略会議には進行役として参加している。俺やディアベルの発言力は大きい。何より初代攻略メンバーのリーダー格な上に元βテスターなので(公言済み)御意見番としてもいる。

攻略メンバーも増えていき、今では当初の二、三倍である。だが全員が参加できるわけではないので、実質あまり変わらない。

 

「それじゃあ今日はどこに行こうか?」

「そうだね。また前線に籠る?」

「だな」

 

最近はずっと二人でレベル上げである。

 

「すいません、その、ちょっといいでしょうか?」

 

「「?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は慢心していた。

アイドル扱いされて、ちやほやされて調子に乗っていたのかも知れない。いや絶対にそうである。私があそこで喧嘩せずに我慢できていれば、わがままな事を言わなければ……

 

「ピナ!!」

 

目の前で砕け散る私の大切な相棒。

大きな砕ける音が暗闇の森の中で響く。

そんな。

私は膝から崩れ落ちる。

ゆっくりと迫ってくるモンスター。

 

刹那、一閃。

 

緑色の綺麗なエフェクトが出る。

それはモンスターたちを倒す。すぐにピナと同じように砕け散る。

 

「大丈夫、君!!」

 

後ろから真っ黒の女性と赤い服を着た男性だ現れたのです。

私はただただ泣きました。

 

 

 

 

 

 

「なるほどね」

 

俺とキリナは静かに話を聞く。

それは確かにショックである。

自分の大事な相棒が死ぬだなんて。俺もキリナが死ぬだなんて事があったら気が狂いそうだ。ちなみに彼女の名前はシリカ、有名人である。数少ないモンスターのテイムに成功した。ビーストテイマーである。要するにはそのモンスターを使役して戦えるのだ。

成功した時点で有名人なのだが、それに加えて可愛い美少女ときた。ファンクラブもあるらしい。だがキリナのほうが可愛い。

 

「それは残念だったな」

「うん、私たちがもうちょっと早くかけつけていれば助けられたのにな」

 

キリナはそう言ったが俺らが彼女を発見できたのは大きなエフェクトと音である。結果彼女の相棒、ピナが死んでいなければシリカは助けられなかった。皮肉なことである。

 

「だがまだ大丈夫かもな」

「え?」

「うんそうだね。もしかしたらあなたのびーすとえっと、ピナだったっけ?もしかしたら復活させれるかもよ?」

「ほ、本当ですか!?」

 

シリカが顔を上げる。

 

「ああ、まだ試した奴はいないけどNPCが言っていたらしいぞ」

「四十七層の話だよね?」

「よ、四十七層……?」

ふと彼女は絶望したような顔をした。

恐らくってか絶対にレベルが低いんだろうな。

俺はキリナの顔を見る、正確にはアイコンタクトである。

キリナは軽く微笑む。

 

「よしお前を助けてやる」

「え?」

「私達ちょうど時間空いているし、ビーストも見て見たいからね」

 

シリカは驚く。

一応俺らに悪意や裏が無い事を言っておく。

いや、実際は、な?

 

「それじゃあ一旦町に戻ろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場で転移結晶、とはいかなかった。

どうやら持っていなかったらしく自力でマップを見ながら森から脱出した。

町に戻った後は色々と寄ってくる奴らも居たが俺が片っ端から軽くOHANASHIしたらどこかへと行ったよ。

場所は変わって飲食店。

時間は夜中、今日は夜飯を食べて寝る事に決めた。

なので今はその夕食を食べている。

 

「うんおいしいね!」

 

キリナはどうやらケーキにご満足らしい。

ここはシリカのお勧めのお店らしい。ちなみにマップにもうチェックを付けている。なかなかおいしい。結構いける。

 

「珍しく当たりのお店だな」

「そうなんですよ。ここ最近はここのお店ばかりです」

 

シリカとはかなり打ち解けた。

どうやら同性のキリナと打ち解け、それから俺と話せるようになった。

やはり相方が異性だと他の女子とも気軽に話せるから嬉しいな。

 

「その失礼かもしれませんが訊いてもいいでしょうか?」

「うん?何?」

 

俺は飲み物を置き話に耳を傾ける。

 

 

 

「―――――キリナさんとカゼキさんは付き合っているんですか?」

 

 

 

「ブッ!」

 

キリナが飲み物を吹きだす。

俺はそんなキリナにお手拭きを差し出す。

それで口周りを吹く。

 

「そうだなその答えについてはノーだな」

「え!?そうなんですか!?」

 

シリカは大袈裟に驚いたような声を出す。

そしてキリナは顔を真っ赤にして俯いている。

 

「てっきり付き合っていて、もう結婚しているかと思いましたよ」

「いやいや。違うよ」

 

確かに二人でずっと旅をしているなんて、同じ異性から見てキリナは相当な信頼もしくは関係がないといられないだろう。そんな事を言われてもおかしくない。

まぁ俺とキリナはリアルでも友達だし、長い事一緒にいたからな。

 

「でも俺は結構キリナの事は好きだぞ?」

「え?」

 

みっともない声を出したのはキリナだった。

驚く事なのか?俺は絶大な信頼を彼女においている。

 

「それじゃあもう宿に行くか」

「あ……うん、そうだね」

 

なんだか引っかかったような顔をする。

俺なにか変なこと言ったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、おやすみ」

「うんお休み」

 

カゼキは隣の部屋に入っていく。

私はシリカちゃんと同じ部屋である。

今日はシリカちゃんにとって色々つらい日である。

だから同性の私が面倒をちょっとだけ見てあげるのだ。この仕事をカゼキに任したらまた被害者が増えちゃう。これ以上ライバルが増えるのは私として嬉しくない。

 

「それじゃあ入ろうか」

 

私は鍵をまわしドアを開ける。

部屋の中は簡素なベッドが二つあっただけである。

いつぞやの風呂がついている部屋ではなかった。やはり日本人なのでシャワーや湯船につかりたいのである。

 

「あの、今日はありあがとうございます」

「うんうん。全然大丈夫だよ」

 

私は否定するが本当ならば拒否したいところであるが、それができない状況だ。

服を寝巻に着替える。といっても服を脱いだりする動作は何一つない。ボタン一つでできるものだから楽である。

 

「それよりカゼキさんとカッコイイ方ですね」

「え?あ、うん、そうだね」

 

もしやこの子、もうフラグが建てられている!?

そんな馬鹿な、まだ出会ってから数時間しか経っていないのに!?

いや私の間違いであろうか?

 

「カ、カゼキは渡さないよ!?」

「いやいや大丈夫です。奪おうなんて思っていませんし、何より入る余地がなさそうですし」

 

ホ、よかった。

これ以上敵はもういらない。カゼキは顔もいいし気がきく。気付けばフォローしてくれているし、頼りになるし、何より一緒にいて楽しい。

 

なんとしても!私がカゼキのハートをゲッチュするのだ!

だがそれには勝たなければいけない人たちが……

それは置いておこう。

 

「なんだかすごい顔していますよ?」

「え、そう?」

 

どうやら一人で百面相していたらしい。

もう寝ようこんな時間である。

 

「それじゃあ寝ようか」

「そうですね、ではおやすみなさい」

「うん、おやすみ~」

 

何があっても、カゼキを振り向かせてみるのだ!!

 

 

 




え?
ランキング入り?

……マジで?

今日の十一時ごろ、日間ランキングをみると……
なんと41位にこの小説が!!

んな馬鹿なと思いました。
それじゃあ、何かご褒美に、特別話書こうかな?
どんなのがいいかな?

何はともあれ、ここまで来れたのは皆さんのおかげです!
これからもよろしくお願いします!

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