四肢を投げ出して畳の上に寝転がる。既に布団は敷いてあるのだけど、別に睡眠をとるわけではないし、そちらを使うよりもこちらの方が畳の感触と上質な
頭の下には2つ折りにした座布団。流石高い金を払っただけのことは有り、頭に伝わる感触もなめらかで、折った状態から元に戻ろうとする反発力が伝わってきて、それが程よく心地良い。
傍には黒光りする広く低いテーブル。税の限りを尽くしたという形容詞が似合うような懐石料理がところ狭しと並べられていたのは少し前の話で、今では先程まで興じていたトランプがゲーム終了時そのままに乱雑に置かれている。
身に纏うのは浴衣。肌触りのいいそれはゆったりと着心地が良く、こうして包まれている感触が癖になってしまいそうだ。
私と同じ格好、似たような体勢の同行者その1と共に言葉無くこの空間を全力で堪能していると、廊下から良く知った気配がこの部屋へと近づいてきているのに気づいた。同行者その2が戻ってきたのだ。
通常の歩行速度よりは少し早め程度で移動していたそれは部屋の前で一旦立ち止まると、一拍置いてから勢い良く扉を開け、それを後ろ手に閉めながら室内の私達に声をかけてきた。
「ただいまー。ほれ、飲み物買ってきたぞー」
「あ、おかえりー」
「おっそーい。待ちくたびれて干乾びそうなんですけどー」
まず椎菜が、次いで私が返答する。まったりとしていたこともあって間延びした調子で、しかも寝っ転がったままだ。
こちらへと向かってくる楓の肩より少し上までの焦げ茶の髪は、風呂あがりで湿っているときはまっすぐ降りていたが、乾いた今となってはくせっ毛で外側に跳ねている。
私達の格好を見、私の軽口を受けた彼女は朗らかに笑い、恐らく売店で買ってきたであろう瓶の容器の飲み物を腰を曲げてテーブルに並べながら言った。
「いやいや、流石の私でもこんな高級旅館の廊下をバタバタ走るなんて場違いな真似は出来ないって」
「それも罰ゲームの内だよ?」
「ヤダ! つーかそんなの初耳だわ!」
存在しないはずの条件をいつの間にやら追加した椎菜の冗談にも鋭く切り返す楓。そんなことをしたらすれ違う他の宿泊客や従業員から高確率で変な目で見られるだろう。まぁ彼女は外見がいいから、走ろうが走るまいが意味は違えど視線は浴びたんだろうけど。
3月の終わり頃。私達は今、それなりに有名な温泉街にある温泉旅館に来ていた。それも広い露天風呂や個室風呂などが完備され、内装も良く食事も豪華な結構お高い宿である。
発案当初は海外旅行のはずだったけれど、そういえばメリーって外人だよね? という椎菜の発言を切掛に、彼女達が海外に別段憧れを抱いていなかったということも相まって、ならばジャポンの良さを知ってもらおう! と楓が泊まりがけの温泉旅行を提案したため行き先が変更になったのだ。それは無事彼女達の合格が決まり、お祝いも兼ねて遊びに行った先の会話での流れだった。
私としてもジャポン以外にも数多くの国に行った経験はあれども、それは観光目的ではなかったため旅行に行っても彼女達を案内できるか不安だったし、彼女達の出資者を立てる気遣いが嬉しかったし、なにより温泉は未経験ということで2つ返事で了承した。
海外旅行から国内旅行に規模を縮小したこともあって、本来であれば交通費に当てたぶんの金を宿泊費に回すという名目で、中学卒業直後の身空でお高い宿に泊まるのを遠慮していた彼女達を説き伏せ、こうして高い旅館に3泊4日の旅行と相成ったのである。そして今は、その旅行初日の夜。
「よっし、じゃあ今度は誰がどれ飲むかを決めよっかー」
立ったまま腕を組み、不敵な笑顔でそう宣言する楓。
テーブルに立ち並ぶ3つの飲み物は、真っ白い通常の牛乳と、茶色がかったコーヒー牛乳、クリーム色とオレンジ色の中間のような色のフルーツ牛乳の3種類が置かれていた。すべて牛乳系統なのは、風呂あがりには牛乳というジャポン流のこだわりということだろうか。とは言っても風呂から上がったの結構前だけど。
「勝負はさっきと同じ大富豪でいいよね? 階級とかはそのまんまで」
「異議なし!」
私はゆっくりと上体を起こしながらそう提案する。今日は温泉でゆっくりするから、と前日までにハードなトレーニングを行なっていたため、全身筋肉痛で一挙手一投足が体に響く。幸い温泉には湯治効果、という回復力を高める効果があるようなので、同じ効果を持つ念の四大行の1つ”絶”と組み合わせると結構な効果が見込めそうだ。単なるプラシーボ効果かも知れないけど実際に身体は楽になっているし、温泉が癖になりそうだ。
私の言葉に賛成の声を挙げた椎菜は、肩に少しかかる長さのミディアムボブを揺すりながら激しく身体を起こした。これで賛成2、飲み物が温くなる前にさっさと勝負を付けたいところだったので、素早く私の案に表を入れてくれた彼女には感謝だ。
「それって私に不利……、……いや、やってやろーじゃん!」
楓にとっては不利なこの提案だったけれど、覆しようがない事を悟ったのか弱気を吹き飛ばしてやる気を滾らせた。
先ほど楓が飲み物を買いに行ったのだって、この大富豪でビリになった者に対する罰ゲームでのこと。お金は私持ちだけれど、部屋でダラダラしている奴等にパシらされるという屈辱感は与えられる。
まぁつまりさっきのゲームで罰ゲームを受ける立場だった彼女は、今回のゲーム開始時の階級が最下層なのである。
目の前では楓がビリに課せられた任務として、カードを混ぜて配る役目に勤しんでいる。前回の私の成績はトップ。ビリの楓から良いカードを交換できるという好条件でゲームを開始できた、と内心ほくそ笑んだ。
勝負は時の運、と言うのはよく聞く言葉。それもトランプゲームという、イカサマをしない限りは運の要素が大局を支配すると言っても過言ではないものであれば、勝負においてそれは重要なファクターとなる。
端的に言って私は負けた。今回は椎菜のカードの引きが異常に良く、逆に私は余り奮わなかった。結果として椎菜がトップの座に収まり、私は都落ちという前回トップがトップを奪われたら強制的にビリ、というルールによってビリになり、2位には楓が収まった。
椎菜はフルーツ牛乳を、楓はコーヒー牛乳を選択し、彼女達は美味しそうにそれを煽っている。私の飲んでいる牛乳も濃厚で美味しいけれど、敗北という苦味のエッセンスが効いているようなきがするのは気のせいだろうか。ちくしょうめ。
「そういえばさ、メリーに聞きたいことがあるんだけど」
口に残る敗北の味を噛み締めつつカードを混ぜていると、不意に椎菜から声が上がった。
断る理由もないので承諾し、混ぜ終えたカードを揃えて一旦テーブルに置き、飲みかけの牛乳を口に運ぶ。
椎菜は位置とちらりと楓の方を見てから、トランプに視線を落として意を決したように口を開いた。
「こないだ楓とネットで動画見ててね、偶々見つけたんだけど……。天空闘技場っていう施設で、なんかスケボーで空を飛んでいる人が居たの」
聞いてて思いっきり顔をしかめる。今、なんかすごく聞きたくないことを聞かされたような気がした。
天空闘技場自体は、格闘家達が腕試しや金稼ぎに集うことから世界的にも有名で、関連動画も電脳ページ上に大量にある。が、椎菜の言うような動画は通常であれば一般人は見ることが出来ないような動画だ。
空飛ぶスケボーが開発されたなんて聞いたことがないし、それを天空闘技場で使うなんてありえない。まず間違いなく念能力によるものである。
ああ、そういえばキルアはゴンと一緒に今あそこにいるんだったか。なんか200階に行くには念ってのが必要で、お前なにか知ってるだろとメールで聞かれたなぁ。何時だっけ、3月10日くらいだったかな。
ちょっと現実から逃れながら今のが空耳であることを祈る。事情等諸々の確認のためにも楓の方に視線を動かして話を求めるが、返ってきたのはそれを肯定する言葉。
「メリーがハンターってことは強いんだろーなーって思って、なんか強い人が戦う動画とか探しててさー。動画は見てる途中で消されちゃったから後半は読み込まなくて見れなかったんだけど、相手のほうもトランプ飛ばしたりして戦ってたし……ああいうのって出来るもんなの?」
今度こそ私は頭を抱える。楓も言うってことはマジで2人は見たのか。しかも後半出てきた奴は選手については似たようなのが実在するのを知っている分、彼女達の冗談だと笑い飛ばすのは不可能。
あそこは超高層施設で、勝ち上がれば勝ち上がるほど階層と勝利時の賞金が上がっていく。いくらかは忘れたけど個人が受け取れる金額に上限があるから際限なく稼ぐことこそ不可能だけれど、確か100階らへんで100万、最高で一回の勝利で2億くらいもらえる、という鍛えると同時に金を稼げる人気のスポットで、選手の数も多ければ観客も数もかなり多い。私の場合は相手と差がありすぎて経験もクソもないけど。
200階まではそんな感じの賭博施設だが、それ以降は全く毛色が違ってくる。200階以降賞金が無くなったりルールが変更になる上、選手の全員が念能力者になるのだ。
数10万払えばだれでも見ることは可能だけれど、一応秘匿技術扱いの念能力を用いた戦闘である。当然情報規制はされるし、特にネット上への試合動画のアップロードには厳しい監視体制が敷かれ、見つけ次第即削除しているらしい、けど。
ネットポリスは何やってるんだ。200階以上の試合動画を一般人に見られているじゃないか。電脳ページ上で起こっていることなんだからハッカーハンターの管轄内でもあるじゃないか。
まぁそもそもあんなふうに大々的に観客まで動員して試合しているし、ハンター制度なんてものもあるわけだし、人の口に戸は立てられないとも言うし。そりゃ隠し通すのには無理があるとは思うし、秘匿技術かっこ笑い、な状態の念能力だけど、流石にこれはザルすぎるだろう。
彼女達の顔を見るに興味津々だし、こちらとしても看過できない情報を聞かされたし教えるのは吝かではないんだけど。
テーブルに肘を乗せ、額に手のひらを当て、気を落ち着かせるように息を吐きだしてから苦い顔のまま一先ず問いかける。
「……その前に、一個だけ質問させて。トランプ使ってた奴はどんな風貌だったか覚えてる?」
「え、と。画面が荒かったから細かくは見えなかったけど……」
「たしか顔に変なメイク入れてたっぽいかなー。ひょっとして知り合い?」
「……あぁ、うん……わかった、ありがと……」
楓の言ったメイクという言葉によって確信を得た。それ絶対ヒソカだ。変なメイクしてトランプで戦う変態野郎なんてヒソカ以外にはいない。別に彼女達は変態とは言わなかったけど、まぁ実際変態だから付け加えても問題なし。
途中で見終わったということは、ヒソカが織り成す愉快な虐殺ショーは見ないで済んだようだ。彼女達がそんなものを見なくてよかった。
それに知ったからといってどうこうなるものでもない。ちょっと世界の真実を垣間見ただけと思えば、この情報は私にとって非常に有益なものではなかろうか。
なんせヒソカが天空闘技場の200階クラスで戦っていると言う情報だ。普段の蜘蛛の仕事での彼は、相手が弱すぎて能力を使うことはあまりない。上手い具合に強い相手と対戦して、それをヒソカに知られること無く現地で観戦出来れば、彼の能力活用法を今以上に知れるのではなかろうか。
幸い今の私には1年間で培ったとある技能もある。バレずに観戦するのはそう難しい話ではない。ならばこそ、情報量として彼女達にいくらか教えてあげてもいいだろう。
そこまで考えて、歪めていた表情を元に戻す。最初からポーカーフェイスでいても良かったけれど、表情を変えるのもコミュニケーションの内。友達相手に腹の探り合いは必要ないし、こうして顔を変えることで彼女達にも私の内心が少しは伝わる。今は緩めた表情を見て、やばいことを聞いたのかと不安げな表情は緩和された。
「結論から言うと可能だよ。むしろそれはハンターであるならば出来るようにしなきゃならないことだし、私にだってできる。こんなふうに」
そう言ってテーブルの隅に寄せられた容器に入っている袋入りの煎餅を1つ手に取り、山札の一番上のトランプをもう片方の手で持ち”周”でオーラを流して強化、横一文字に薙ぐ。
真っ二つになった煎餅を片方ずつ投げ渡し、まだ中身が残っている牛乳瓶を、中身が零れないよう余裕を持たせて上部を切り取ってテーブルに転がす。その綺麗な断面を見て目を丸くする彼女達に続きを話す。
「トランプだろうが葉っぱだろうがどんなものでも凶器に出来る。当然こういうのを悪用する奴は出るし、葉っぱ一枚投げるだけで人を殺せるような奴等は武装した警官程度じゃ無駄な犠牲を出すだけ。そういう輩を取り締まるのもハンターの仕事ってわけ」
まぁ私はむしろ取り締まられる側なんですけどね。ただそれは今は関係ない。関係ないったらない。
手にとって断面を指で触ったりして確かめる楓。トリックの類ではないことは実際に買ってきた彼女が一番知っているはずだ。
ペタペタと確かめるように何度も触り、それを椎菜が覗きこむ。やがて楓が感嘆の声を上げた。
「おおぉぉぉ……! こ、こういうのって誰でもできるもんなの!?」
まぁ、当然の疑問か。
ただ私としては彼女達にはこういうのとは無縁でいて欲しい。こうやって話したのだって、念能力を大々的に使う奴が居る現状では、彼女達がみた動画を足がかりに念に辿り着くことを懸念してのことだ。
私の与り知らぬところで念に触れ、それに轢かれてしまっては目も当てられない事になる可能性がある。自分を守り通せる力がない場合、この力は毒にしか成り得ない。
「……理論上は誰でも可能だけど。でも私の見立てだと2人とも習得直後に死ぬよ。極一部の先天的才能がある奴等を除いて、身体能力が低い場合は発現時のリスクが高いし。それに無事習得できても、今度は動画で見たピエロみたいな奴、俗にいう戦闘狂に戯れに命を狙われることもあるしね。動画のスケボの人、十中八九もうこの世にはいないよ」
ならばせめて私が彼女達に教え、その上で遠ざけなくては、と敢えて彼女達が興味を無くすような言葉を選ぶ。とは言っても、これは決して嘘ではない。
念で扱うオーラとは普段垂れ流されている生命エネルギー。念能力者として鍛える前の量は、素体の身体能力――体力と言い換えてもいい――に比例する。当然だ、身体に宿っているエネルギーなのだから。
その前提があった上で、念を習得するためには精孔という体内の穴を開けてオーラを身体に巡らせる必要があり、それには2種類の方法が存在する。精神統一によって徐々にオーラを知覚し目覚めさせるか、外部からのオーラの刺激で無理やり精孔をこじ開けるか。
前者の場合でも、身体能力が低いとオーラの総量が低く、またオーラを知覚して起こすのとそれを制御するのは結構勝手が違う。自身に留める感覚を掴む前にオーラが枯渇してしまうと、際限なく生命力を絞られた肉体は死に至る。後者はそもそも体内に眠るオーラや精孔を知覚する工程を省いているからリスクはかなり高い。少なくとも彼女達からは才能を感じないし、やろうとしても高確率で死ぬのは本当の話。偶に一般人程度の身体能力でも自然に能力が発現することはあるけれど、本当にごく一部の限られた者だけだ。
この辺りの話はせめてもの気遣いとキルアにもメールで教えたことだ。その後彼からは現地へ来て念を教えるよう頼まれたが、そのためには彼らを長期間指導しなければならないため却下し、適当な人材を自分で捕まえろといった。結果彼らは師を見つけて無理やり精孔を開いて念を習得したらしいけど、私は適当な人材と言ったのであって、テキトウな人材とは言っていない。その師匠はちゃんと選んだのだろうか。無理やりやってよく死ななかったなアイツら。
「……うわー、現実突きつけられるとロマンが一気にぶっとぶなー……」
「うん……。変なのに狙われるのはちょっとね……。それに死にたくないなぁ私」
楓と椎菜がそうぼやく。彼女達の様子からして私の目論見は成功したようで、念を自分たちで使ってみたいという気は失せたようだ。
まぁぶっちゃけ変態に狙われることなんて滅多に無いんだけど。それでも可能性はあるわけだし、目を付けられても彼女達の身体能力じゃどうすることも出来ないから、余計な危険が増えるだけだ。暴漢対策とかはスタンガンとかで我慢してください。
うーん、と苦い顔をしながら私が切った煎餅を貪っていた椎菜が、突然何かに気づいたように顔を上げ、勢い良く私の居る方へ身体を投げ出して声を上げた。あ、食べかすこぼれた。
「っていうかスケボの人、トランプピエロに殺されたかもなんでしょ? そんなのと知り合いってダイジョブなの!?」
「ん? あんまだいじょばないけど?」
「だいじょばないけど、じゃねーよっ!!」
それに対する返答に、今度は楓からツッコミとチョップが飛んできた。流石楓、良い切れしてやがる。
まぁ余り心配させるのも悪い気がするし、へらりと笑って手をプラプラさせながら軽い調子で弁明する。
「あはははは、まぁまぁまぁまぁ、あのクソ野郎については近い内にブチ殺す予定だから、そう気にすんなってぇ」
「そうなの? んー、それならまぁ……」
「いやいやいやいや、今の納得するとこ違うから!」
顎に人差し指を当てて納得しかけた椎菜に、楓が激しく首を横に振りながらまたもやツッコミを入れる。
楓にどう納得させようか、と次の発言に思考を巡らせる前に、椎菜が彼女の肩に手をおいて諭した。
「多分大丈夫だって。ほら、ハンター試験の時だってメリー自信満々で行って無事に帰ってきたでしょ? だから今回も信じて大丈夫だよ、多分」
「そーそー、友達の言うことは信じなさいな。いやぁ椎菜は良い事言うよね、椎菜ちゃんマジ天使だわー」
「そ、そうなのかな……? 何か多分2回も使ってるんですけどー……?」
これ幸いとそれに便乗する。おかげで楓の勢いも削がれたようだ。椎菜の物言いに引っかかっているようではあるけれど。
私に褒められて、うへへへへとにやける椎菜と、ブチ殺すとか物騒なこと言ってたんだけど、とまだ少し首をひねる楓。
2人を見て、ココら辺が潮時だろう、と両手を打ち合わせて笑顔で宣言した。
「ハイ、じゃあ世界の真実をちょろっと垣間見たってことで。この話はオシマイです! もっかい風呂でも入りに行こっか!」
異論は無いようで、2人は私の言葉を受け入れた。楓も渋々ながら納得してくれたようだ。
こんな話はこんな場所、こんな優しい人達には似つかわしくないだろう。
彼女達は血なまぐさいものとは無縁でいるべきだ。欲を言えば念についても知り得てほしくなかったけど、私が今日こうやって対処できただけでも及第点だろう。
もっと別の、明るく楽しい話がしたい。その思いから、私は話題を強制的に断ち切った。
大学時代に大富豪のローカルルール、5スキップと7渡しと10捨てに出会った時の衝撃は忘れられません。9が3枚で銀河鉄道はもはやギャグですね。まだクーデターの方が……。
スペ3や8切りやJバックなんかは知ってたんですが、地方や学校で色々違うみたいですね。名前も大貧民って呼ぶこともあるんだとか。
ちなみに入浴シーンは尽くスキップします。