では、本編へどうぞ!
「はぁ・・・やっぱり無理か」
俺はそう呟きながら、学校の正門から出る。
とはいえ、そうもしていられないので、次の手段に移すためにも一番近くのバス停まで向かい・・・
「お、氷柱。何やってるんだ?」
「そう言う兄貴こそ」
バス停で氷柱にあった。
今日は土曜日なんだが・・・なんで制服でこんなところにいるんだろう?
もう夕方だし。
「とりあえず、俺は生徒会の仕事と、図書室で調べ物をな」
「ああ、そういえば兄貴は生徒会だったわね」
「そういえば、じゃねえよ。中二のころからずっと会計やってるよ」
「お疲れ様。私は、恵那さんに頼まれていくつか確認してた」
「ああ、あの仕込みか」
氷柱に言われて、俺はすぐに理解した。
恵那が頼むとしたら、まず氷柱だろうしな。
「はぁ・・・あれ、間違いなく面倒ごとになってるよな」
「なってるでしょうね。私のところに霊視が降りてきたくらいだし」
「やっぱりか・・・ま、何とかうまいこと収まるだろ」
護堂の権能はまだ一個だけとはいえ、様々な場面においてに優れている。
それに鋼同士だからそこまで相性も悪くないだろうし。
「で?何でわざわざバス停にいるのよ。歩いて帰れる距離でしょ?」
「それは氷柱もだろ」
ま、俺のほうから説明するか。
「俺は、午前中は生徒会やってて、午後からは学校の図書室ひっくり返す勢いで文献あさってた」
「ああ・・・それでも分からなかったから、今度は図書館に行こう、って算段?」
「お、正解」
何でばれたのか・・・
「いや、その話とここにいることをあわせれば分かるわよ・・・」
「なるほど・・・じゃあ、何で氷柱はここに?」
「それは・・・兄貴と同じよ。時間が空いたから、図書館に行こうと思ったの。武将が顕現したんなら、鋼の神様だからアテ姉様も危ないし。そうよ、アテ姉様のためよ」
一体誰に説明しているんだ・・・?
「だから、勘違いしないこと!いいわね!?」
「いや、何がだよ・・・」
俺相手の説明だったみたいだが・・・結局、その意図が分からない。
「ま、目的地は同じ、ってことか。じゃあ一緒に探すか?」
「え?なんでそんな、非効率的なことをするのよ。別々に色んな文献を探った方がいいに決まってるじゃない」
あっさりと、正論で返された・・・
「
「じゃあ、帰るときは連絡してくれよ。一緒に帰りたいし」
「・・・・・・・・・」
俺がそう言うと氷柱は顔をそらして・・・
「仕方ないわね。いいわ、一緒に帰ってあげる」
「ありがとうございます、氷柱」
何故だか、そんな氷柱の表情が可愛らしくて、俺は氷柱の頭を撫でた。
氷柱も、撫でられるままになっている。
こうやって氷柱の頭撫でるの、何年ぶりかなぁ・・・
と、そんな事を考えていたらバスが来た。
・・・あれ?
「ほ、ほら!バス来たわよ!」
「あ、ああ・・・って、ちょい待ち」
「急ぐ!」
俺は気になることがあったので乗りたくなかったのだが、氷柱に腕を引っ張られてそうも行かなくなる。
このまま氷柱だけ乗せるよりは・・・仕方ない。このままのろう。
「・・・って、誰も乗ってないわね。この時間帯にしては珍しい・・・」
「確かに、珍しいな。ついでに、本来のバスの時間にはまだ後十分はあるぞ」
俺が携帯で調べながらそう言うと、氷柱が怪訝そうな顔をする。
「何いってんのよ・・・」
そう言いながら氷柱が席についたので、俺はその隣に座る。
「そんなに早くに来るはずないでしょ?どうせ兄貴のことだし、平日用のでも見たんじゃないの?」
「そうじゃねえよ。ほら」
俺が携帯を渡すと、氷柱もそれを確認したらしい。
怪訝そうな顔をして・・・ふと、何かに気付いた。
「そういえば、兄貴。さっきからカンピオーネの気配が出すぎてて、結構辛いんだけど・・・」
「ん?・・・ああ、霊視が降りてきかねないのか」
といわれてもなぁ・・・
「悪い。俺、これを抑えれそうにない」
「なんでよ?」
「勝手に、体が戦うための準備をしてる」
そう、体が勝手に戦うための準備をしているのだ。
つまりは・・・
「まつろわぬ神が近くにいる、ってこと?」
「そういうこと。・・・って、その表情は」
「・・・見たくない現実から、目をそらしてたのに・・・」
氷柱もまた、その気配は感じていたらしい。
「そうよ。さっきからずっと、前に話した内容が霊視されてるのよ」
「なら、近くにいるのは問題になってる神なんだろうなぁ・・・ついでに、このバスも」
俺はそう言いながら、窓の外の光景を見る。
そこは、見覚えのある場所ではなかった。
「ちょ・・・ここどこよ!?」
「どこかの山の中、又は異空間」
恐らくは後者だろう。
こんな短時間での移動で、どこかの山に向かえるとは思えない。
「・・・ゴメン、兄貴。つい焦ってこのバスに乗り込んじゃった」
「いいよ、もう。それより、今はこの状況をどうするかなんだけど・・・」
「兄貴の好きなようにして」
俺の問いに、氷柱はノータイムで答えた。
神と神殺しとの戦いで口を挟むのは、どれだけ無駄か分かっているのだろう。
だからこそ、全部を俺に託してきた。
そして、話がつくと同時にバスのスピードが落ちで行く。
後はこのまま、止まるのを待って・・・
「っ!氷柱!!」
「え、ちょ、きゃああぁぁぁ!」
俺は反射的に、氷柱の手をとって開けた窓から投げ出す。
次の瞬間、俺の視界は巨大な布でみたされ、そして・・・
こんな感じになりました。
バトル開始です!
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