結果、後者にしました
楽しんでもらえると幸いです
放課後、カレンに呼び出されたはいいけど、俺は何所に行けばいいんだろ。
場所がわからないとなると仕方がないからカレンのクラスにでも行くか…。
カレンは国際教養科だから一年J組に行けばいいかな。
俺が教室を出ようとしたら雪ノ下さんが
「岸波くん、一緒に部室に行きましょ」
「ごめん。ちょっと用事があるから部活には遅れるよ。それじゃあまた部室で…」
俺が雪ノ下さんの誘いを断りカレンを探しに行こうかとしたら、雪ノ下さんに腕を掴まれた。
「えーっと…、雪ノ下さん?」
なんだろ…、この威圧感。
「岸波くん、一緒に部室に行きましょ」
「いや、だから」
「行きましょ」
「……。はい…」
仕方がない。部室に鞄を置いてからカレンに会いに行こう。
一応メールしておくか。カレン、メールぐらいは見れるよな。変換ミスはあっても携帯の使い方は前よりはうまくなってるし、ついでに何処に行くか聞いてみるか。
『少し遅れるので、行く場所を教えてもらえると嬉しいかな』
こんな感じでいいかな。送信。
「岸波くん。歩きながら携帯を使うのは行儀が悪いわよ」
「ご、ごめん。少し遅れるってメールを送ってたんだよ」
「そんなに言峰さんに会いに行きたいのかしら?」
「会いに行きたくはないけど、あとが怖いんだよ」
まぁ行っても怖いが。
「それでどうしてわかったの?」
「あなたが部活に遅れる理由は頼まれ事がほとんどでしょ」
確かにそうだな。
「遅れるということは学校内にはいるということで桜さんの可能性はなくなり、メールを送る辺りで先生方ではない。そうなると奉仕部部員か言峰さんのどちらかになる。そして部員に会うなら部室で待てばいい。だからあなたが言峰さんに会うことがわかったのよ」
「すごい推理力だね」
「これぐらいは簡単よ。あなたや姉さんほどではないもの」
「俺は陽乃さんほどすごくはないよ」
「どうだか」
俺と雪ノ下さんが部室についてもカレンからメールはこなかった。返信ができないのか?
「それじゃあ、俺、少し行ってくるよ」
「ええ、いってらっしゃい」
俺は部室を出て電子手帳を取り出し「view-map()」遠見の水晶玉でカレンの位置を確かめる。
「ここって校舎裏だよな」
いかにもな場所に呼ばれたな…。
覚悟して行くぞ。前のお仕置きはかなり辛かったからな。今回はどうなることやら…。
校舎裏、カレンを発見。
「カレン、ごめんね。少し遅れたよ」
俺が話しかけながらカレンに近付くとさっきまで物影で見えなかった二、三人の女生徒。
女生徒たちは俺の姿を見てから少しざわめいた。
どういう状況?
「ほ、本当だったんだ」
「うそ…」
何がだろう?
「ウソではありませんよ。彼は、岸波白野先輩は私の彼氏ですよ。そうですよね、白野先輩」
「あ、はい」
ん?彼氏…?ええぇぇぇ!!
「ということです」
「そういうことですか…」
女生徒たちがいなくなった後、どういうことかをカレンに尋ねたら、わからなくもない理由であった。
どうやらカレンは一年のほうでは有名な方で、告白してくる男子も多いらしい。
カレンはその告白を片っ端から一刀両断しているため、カレンのことをよく思っていない女生徒達が「あなたモテるからって調子にのってない?」みたいに言われ。
告白を断っている理由は彼氏がいるからとウソをついたようだ。で、仲のいい俺に白羽の矢が立ったわけだ。
「他にいい手はなかったのかな?」
「恋愛に興味がないと言うのもよかったのですが、その場合だと相手からさらに文句を言われそうなので」
「それもそうか」
そうなるとカレンには俺が今日コードキャッストを使ったことがバレてはいない!
カレンはあの場にいなかったし、この学園の生徒は俺の名前は知らないはずだから、カレンにバレるはずがない。
この勝負俺の勝ちだ!
「ならカレン、用事も済んだみたいだから俺は部活にむかうね!」
俺は颯爽とこの場を去ろうとしたら、カレンに腕を掴まれた。ナニコレ、デジャヴ?
「それでは本題に入りましょうか。白野先輩」
「カ、カレンさん?ほ、本題とは?笑顔が怖いですよ」
「しらを切るつもりですか?あれほど使うなと言ったはずなのに」
「なんのことでしょう?俺にはわからないなぁ」
「わかりました。しらを切るというならこっちにも考えがあります」
ふ、カレン。俺はそう簡単には言わないさ、暴力だろうと罵倒だろうと耐えてみせる!
「今度からマカナイの麻婆豆腐を甘くしてあげましょう」
「すいませんでした!!」
俺は全力で土下座をした。俺の中で一番じゃないか?
麻婆豆腐が甘いなんて…。無理だ!考えたくない…。
エリザベートの料理を思い出すのと同じぐらい嫌だ。
それにカレンならやりかねない。麻婆豆腐がエリザベートの妄想(甘いケーキに甘いハチミツをかけた感じ)みたいな甘いスイーツに…。
「白野先輩。素直に謝ったことは許してあげます」
「カレンさん?」
「はい、なんでしょうか」
「なぜ俺の頭に足を乗けて踏みつけてくるのでしょうか?」
俺が土下座してからずっとグイグイと踏みつけてきてるし…。
「主の命令を背くペットには躾が必要でしょうから」
「俺はいつからカレンのペットになったの!?それに俺のほうが目上だよ!」
「それは白野先輩が忠誠の誓いに私の足を舐めたあの日からです」
「そんな日はなかったよ!あとこれからも絶対にこないからね!」
「白野先輩、泣くなんて男らしくありませんよ」
「泣いてないよ!」
実は少し泣きそうだよ…。もしかしたら人が来るかもしれない場所で、後輩の女の子に踏まれている状況とか、知り合い、特に奉仕部メンバーには見られたくない。もし見られたら今後地獄だろ。
「顔を上げて下さい。白野先輩」
カレンがそう言ってくれるのだが…
「それなら足をどかして下さい。カレンさん」
「ああ、すみません。踏み心地がよかったもので、つい」
カレンは名残惜しそうに足をどけたので、俺は顔を上げる。
この角度はアレだな。カレンの下着が見えてしまいそうだ…。
俺も男だから女性に下着の色には興味はある。でも男である以前にカレンの兄のような立場。そんなことはしない。俺の中のオヤジは見たがっているが…。
俺は立ち上がろうとしたが
「頭は上げて下さいとは言いましたけど、立っていいとは言っていませんよ」
「……」
仕方がない。顔を逸らそう。
「白野先輩は話している相手の顔を見ないんですか?」
見れないんだよ!わざとか?わざと俺をからかっているのか?もしそうだとしたら相当の悪女ですよカレンさん。
もういい!いいだろう、からかっているのならこっちはそれを全力で受け止めてやるまでだ!
俺はカレンの顔を見る。ついでに下着が見えた。カレンは制服のときはいつもタイツを穿いているから正しい色はわからないが、白だ!俺の目に狂いはない。
サクラメイキュウでのSG回収のときも何故か一緒に好きな下着の色も調べていた俺の目にはわかる。というかなんで調べてたんだ?
まぁラニとBBとメルトは調べるまでもなかったような…。
でも白ですか…、カレンらしいといえばカレンらしい色だけど、なんだろうなぁもう少し…って何を考えてるんだ俺は。
「それでは約束も守れない白野先輩にはどんなお仕置きをしましょうか」
「あ、あのー、なしって方向性は…」
「可愛い後輩の下着に夢中な変態に拒否権があるとでも?」
気付かれていた!っていうか仕向けられてた!?
「カレンが可愛いのは認めるが、俺が変態のなのは間違い…ではない気がするな」
どうなんだ?俺ってオヤジがいなくても十分変態なのだろうか?
「って、気付いているならなんで何も言わずにいるの!?女の子なんだから恥じらいぐらい持ちなよ!!」
「白野先輩は自分のペットを相手に恥じらいを持つんですか?」
「そ、そういうことですか…。後輩からペット扱いっての俺って」
カレンにとっての俺って人間じゃあないんだな…。
まさかここまで辛いとは、こっちは妹のように思っていたのに、むこうはペットかぁ。スペシャル犬空間に落とされたりして。
そんなのは嫌だ!
なら俺の取る行動は一つ。俺は立ち上がる。
「白野先輩。どうして立ち上がるんですか?まだ座ってい―――」
「カレン!」
俺はカレンの肩に手を置く。
「は、はい」
「俺はカレンとの関係(ペットと主)を終わらせたい」
「え…」
俺の言葉にカレンは泣きそうになった。そんなに俺と対等になるのが嫌なの…。
「は、白野先輩は私のことが嫌いなんですか?」
「そうじゃない。俺は君を大切(な妹のよう)に思っている。だから、カレンには俺のことしっかりと(人として)見てほしいんだよ。今の(ペット)ままじゃ嫌なんだ」
今度は顔を赤くした。
「わ、私もそ、その、白野先輩と…そういうのは、とてもう、嬉しいですけど…、ま、まだ少し早いかと、それにこ、心の準備が…」
なんか少し会話がかみ合っていない気がするが、まだダメってことなんだな。
「そ、そうか…ごめんね。わかったよ。俺はもう少し頑張ってみる。カレンに(人として)認められるように」
なんかすごく重い空気になったな…。
「カレン。俺はどんなお仕置きを受ければいいかな?」
「い、いいえ。今回は許してあげます」
「え?」
「こ、今回だけですから。それでは…」
カレンは帰ってしまった。
「どうしたんだろう?助かったからいいけど、俺変なこととか言っちゃったかな」
カレンはあの日以降は特に変化もなく、前と同じように接してくれている。
こうして数日、ゴールデンウィークが始まり、俺は勉強とプログラムの息抜きに縁側でボーっと緑茶を飲んでいた。
数分前に元子猫ことエルが膝の上で寝ている。エルは野良猫とは思えないほど綺麗な毛並みをしている白猫(メス)。一人称はボク。俺のことを何故かマスターと呼んでいる。
俺はエルの頭を撫でたりして、お茶を飲んだりしている。
「いやぁ、平和だな。ん?」
なんか門のところに誰か立ってる。ってアレ雪ノ下さんだよね。
「エル少しどいてくれるかな?」
『どうしたのマスター?』
「知り合いの人がいたから話してこようかなって」
『そうなんだ。わかったよマスター』
エルは俺の膝の上から降りて俺の横で丸くなる。
俺が頭を撫でると気持ちよさそうに寝始めた。
「よいしょっと」
俺は縁側にあるサンダルを履いて雪ノ下さんに近付く。
「えーっと、雪ノ下さん?」
「ひゃっ、き、岸波くん」
「どうかしたの?」
「ええ、前言ったと思うけど猫を見に来たのよ。だからあなたにメールをしようと思ったのだけど、携帯を忘れてしまったから、入ろうか悩んでいたのよ」
なるほど…。
「予め連絡してくれれば迎えにいたのに、それに何もお持て成し用意してないよ」
「別に構わないわ。猫を見せてもらえて、泊まらせてもらえれば」
「そうかわかった。って泊まってくの!?」
「あなたが休日なら泊まってもいいて言ったじゃない。岸波くんは記憶力はまぁまぁいい方だと思ったのだけれど考え直す必要がありそうね」
「忘れてはないよ。それに泊まってもらえるなら俺も桜も嬉しいんだけど、さすがに急すぎたから」
俺はてっきりみんなで集まると思ってたし。
「それで、泊まっていってもいいのかしら?」
「いいけど荷物とかは大丈夫だった?」
雪ノ下さんは高校から親元を離れて一人暮らしをしているから家のことの心配は少ないけど。
「ええ、心配はいらないわ。しっかりと持ってきたわ」
携帯を忘れている時点で少し心配だよなぁ…。
「ここで立ち話しているわけにもいかないから中に入ってよ。それともエルに会う?」
「そうにならその猫に会わせてもらえるかしら」
「わかった。付いてきてよ」
俺は雪ノ下さんを連れてさっきまで俺とエルがいた縁側に行く。
雪ノ下さんは縁側で丸くなっている白猫を見て目を輝かせる。
「エル」
エルは俺の声を聞いてこっちを向く。
『なにマスター?その隣に人は今度こそマスターの彼女?』
今度こそってなんだよ。
雪ノ下さんにはニャーニャー言っているようにしか聞こえないだろうな。
「違うよ。この人は俺の…友達候補?」
『よくわからないけど、マスターがさっき言ってた知り合いの人?』
「そうだよ。この人は雪ノ下雪乃さんって言うんだよ。エルとエルの子どもたちを見に来たんだって」
『優しい人?』
「うん。それは大丈夫。この人はいい人だからエルも気に入ると思うよ」
それを聞いてエルは雪ノ下さんに近付いてじーっと見て観察を始める。
「岸波くん、さっきから何を話していたの?というより本当に話ができたのね」
「ウソだと思ってたんだね。でも話はできても会話は聞こえないんだよね」
「どういうことかしら?」
「俺は自分が話そうとしている猫と会話ができて、それ以外の猫同士の会話や話をしている対象の猫以外の言葉はわからないんだよ」
「なるほど、同時に会話したり猫たちが何を話しているかはわからないのね」
「そういうことだね。これから聞こえるようにはなるかもだけど」
エルは雪ノ下さん観察を終えて俺の胸に飛び込んできた。
「どうだった?」
『うん。この人は優しい人だね。少しマスターと似てるところがあるし、ボクと同じでマスターのことを信頼してると思う』
思うなんだ…。そこははっきりしてほしかった。
「そうか。はい、雪ノ下さん、エルが雪ノ下さんのこと気に入ったって」
俺は雪ノ下さんにエルを渡す。
「そうなの?」
「そうみたいだよ。それじゃあ俺は雪ノ下さんのお茶持ってくるからエルと遊んでて」
「ええ、わかったわ。それよりも桜さんは?」
「桜は今日は部活だって。もうじき大会もあるし今年が中学の最後だからね」
俺は中学のときは帰宅部だった。
桜は弓道部に所属している。顧問はあのムーンセルにいたタイガーこと藤村大河先生だ。
俺も同じ中学だから最初は驚いたけど、父さんや桜、店長がいたからもうどうでもいいかなって感じになっている。
「そう。何時くらいに帰ってくるのかしら」
雪ノ下さんはエルの顎を撫でてゴロゴロ言わせたり、肉球を触ったりしながら話してくる。
「そうだなぁ。終わるのが夕方くらいだから帰って来るのは六時ぐらいかな」
「そうなるとその時間までは私たちだけというわけね」
「そうだね。じゃあお茶持ってくるから待ってて」
「でも、驚いたな。今度って今日だったんだな」
お茶受けになりそうなモノはあったかな?今から作るのもさすがに時間が掛かるからな。
それにもうじきお昼の時間だからな。どこかに食べに行こうかと思ってたんだけど雪ノ下さんが来たなら何か作った方がいいよな。
「あ、そういえば昨日作ったプレミアムロールケーキがあったな」
ムーンセルの購買で売ってモノを自分なりに再現してみたんだよな。
桜も美味しいって言ってくれたし、自分でも自信作だって言えるぐらいには仕上がっていたからな。雪ノ下さんも満足してくれればいいけど。
「ポットと急須、緑茶の茶葉はあるから、雪ノ下さんの分の茶飲み茶碗を持って行けばいいかな」
俺はお盆に雪ノ下さんの分の茶飲み茶碗と二人分のロールケーキ乗せて持っていく。
紅茶のほうがいいかな?そうなったら紅茶を用意すればいいか。
それと今は快晴でかなりいい天気だから雪ノ下さんの寝る布団も干しとかないとな。
縁側にむかうとエルが雪ノ下さんの膝の上で気持ち良さそうに寝ている。
エルって寝るの好きだよなぁ、それだけ雪ノ下さんのことを気に入ったんだな
「雪ノ下さん、お茶受けとか持って来たけど紅茶のほうがよかった?」
「いえ、出してもらっているのだから文句は言わないわ」
「雪ノ下さんはお客さんだからそんなことを気にしなくてもいいのに。それにその要望に答えるのもこっちの仕事みたいなものだし」
「岸波くんはお嫁さんよりも執事のほうが正しかったかしら」
岸波白野、バトラーデビューか…。確かにアーチャーからあの服を貰ったけどさ、俺のサイズの。
俺のクローゼットの中には普通は着ないであろう服が二つある。執事服と店長のお下がりのカソック。
いつ着るべきだろか。この前着たみたら二つともピッタリでびっくりしたんだよな。
「執事って言っても仕える主がいないけどね」
お嫁さんだとしてももらい手がいないよ。それならお嫁さんをもらって専業主夫にならせてもらう。
「もし岸波くんが執事になったら、私のところで働かせてあげるわ」
「あ、ありがとう。なんかすごく現実化しそうで怖いよ。陽乃さんあたりから扱き使われた後、使い古された雑巾みたいに捨てられそうだな…」
「ふふふ、大丈夫よ。私は姉さんと違って最後まで使い切ってあげるわ」
それはそれで怖い。
「でもあなたが私の家で働くことはないと思うわよ。むしろさせないわ」
「どうして?」
「私のところで執事として働きたかったの?」
「いや、そういうわけではないけど、どうしてかなぁって思ったから」
「あなたにあんな家で働いてほしくないの。あなたにはあなたの生きたいように生きてほしいわ」
なるほど。そういうことか雪ノ下さんらしいな。
「ありがとう…。そうだ。このロールケーキ食べてみてよ。口に合うかはわからないけど」
雪ノ下さんにロールケーキが乗っているお皿とフォークを渡す。
雪ノ下さんはそれを受け取ってロールケーキをフォークで一口サイズに切って口に入れる。
「おいしい…。岸波くん、このロールケーキは何所かで買って来たのかしら?」
「いや、俺が昨日暇だったから作ってみたんだよ。昔さ食べたことがあったんだけどもう手に入らないだろうから、自分で作ってみようかなぁって」
「あなたはやっぱりすごいわね。ジャンケンと体力と料理だけは私よりも上だと思うわ」
「俺は君に勝っているモノって、その三つしかないんだね…。でも料理に限っては俺は君とそれほど大差なんてないよ。料理の勝負だってだいたいは引き分けだし、俺が勝っていたのだって君がまだ作ったことがない料理なわけだし」
「そ、あなたがそう言うならそうなんでしょ」
「それじゃあ俺は布団でも干すかな」
俺は立ち上がって客用の布団が入っている押入れに雪ノ下さんの使う布団を取りに行く。
布団を干し終わってからは、雪ノ下さんに使ってもらう部屋に案内して、一緒に昼食を作って一緒に食べた。
現在、二時半を過ぎ俺は雪ノ下さん一緒に倉庫へエルの子猫たちの見に行くことにした。
エルにはすでに話は済ましているため、雪ノ下さんは子猫たちから警戒されることはないだろう。
倉庫に入ってすぐに雪ノ下さんはあるモノに目が行った。
「岸波くん。このバイクってトワイス医師のモノ?前は無かったと思うのだけど」
雪ノ下さんは小学生のころはたまにこの家に遊び(勝負)に来ていたため、なんとなく覚えているようだな。あんまり変わらないからなこの家。
「このバイクは俺のだよ」
「岸波くん免許持ってるの?」
「一応ね。春休み中に取ったんだよ」
「どうして急にバイクの免許を取ろうなんて思ったのかしら?」
「このバイクが何故か俺宛てに届いたから、乗らないと勿体ないかなって思って免許を取ったんだよ」
さすがの雪ノ下さんも驚くよな。
「意味がわからないわね」
まさにその通りだ。ムーンセルの事情も知らない人からすればおかしいにもほどがある。
桜も驚いていたし、まぁ父さんは冷静に判断した上で俺に免許を取るように言ってきたし。
そのあとは雪ノ下さんは子猫たちを見て少しテンションが上がっているのか笑顔に見えた。
雪ノ下さん、グッドスマイル(良い笑顔)。
原作では一巻と二巻の間にゴールデンウィークなる連休があったみたいなので、そこを使わせてもらいました
次回はこの続きと、原作のほうの流れに入れればいいですかね
雪ノ下さんに猫についてをメルトのドールマニアのように熱論して欲しいですね
「猫はいいわ」から始まって、「グッドスマイル」で閉めてほしいです
それではまた次回!