ここでももちろん事件が起こります。
最後はある意味最悪かもしれない。
SIDE 鋼鬼。
「・・・ほう。」
俺は黒歌のスマホに渡から送られてきた動画を皆にも見せる。
「これはめでたいが・・・これは・・・。」
サイラオーグの奴も察しているだろう。
これはおそらく事故だと。
「にゃはははは・・・でも、いつか言おうとしていたみたいにゃ。結果的はそれをダンテ様が後押した形にゃ。明日、ユウナ達とそのドレスを見つくろいにいってくるにゃ。しかし・・・ヒナって誰の事にゃ?」
あいつのことだ。引くに引けない状態だろう。
「にゃふふふ・・・他のみんなに送信してくれ?ユウナちゃんも中々の悪よのお・・・にゃふふふふふふふふふふふふ・・・。」
『・・・・・・。』
その後ユウナから送られたメールを見て嬉々として、そのミッションをこなしていく黒歌。
我が妻ながら、スパーダ眷属と交流を始めているな。
「冥界のお祭り騒ぎはまだ続くな。」
「ああ。」
サイラオーグと語らいながら酒を飲む。
「合宿・・・お前の眷属も連れて行くのだな?」
「俺達の眷属の底上げにちょうどいい。」
「眷属全員・・・お前を含めてこっちが出した課題をクリアしているとはな・・・。」
俺はサイラオーグに彼に眷属用のトレーニングメニューをあらかじめ渡していた。
「・・・鬼って凄まじいですね。」
あいつの女王であるクイ―シャ・アバドンは遠目になって振り返っていた。
「にゃはははは・・・もうすぐで鬼になれるところまでは鍛えたれたみたいね。」
「はい。まったく・・・王が非常識だから私達もそれに習わないといけない。」
「そもそも修行はお前が言いだしたことだろう?」
「私達全員、あなたに付いていくと決めているのです。そのために苦労はしましたが・・・。」
鬼の修行・・・やっぱりきつかったか。
それでもこいつら・・・それに耐えきるだけのものがあった。
「俺の義妹と一緒の合宿だ。こっちもさらに高みを目指すべくやらせてもらうぞ。」
「それはこっちのセリフだ。」
俺達は本当に拳を軽くぶつけ合う。
「残念なのはあの愉快な男がここにいないことか。ミカエル殿を迎えにいかないといけないらしくて。」
「・・・天界の二枚のジョーカーの片割れか。あいつも出世したものだ。」
サイラオーグの言うとおり、あいつがやってきているらしい。しかも・・・。
「天界も仕事が早い。転生天使をもう生み出したか。しかもジョーカーをすぐに二人用意して。」
対象者はすぐに決めていた。
そうして天使となった天界の二枚の切り札。その片割れは同じく天使になった妹と共にやってきている。
実質的に天界三枚目の切り札となる彼女と共に。
「・・・イッセ―の奴が聞いたら驚くぞ。あいつは俺が知る限り誰よりも精神的に強い。」
あの精神的な強さは俺達でさえ敬意を払うほどだ。
「ああ。よく立ち直ったものだ。さあて、神様候補達に負けないように頑張ろうか。」
「ただいま兄様!!」
その時・・・あいつの弟、アスフェイが戻ってくる。
あちこちボロボロで。
「・・・無我夢中でやったな。」
「もうすごく面白くて。」
「・・・鍛えがいありますよ。もう分身の術をマスターして。」
分身の術だと?
「ちなみに本物はこっち。」
後から入ってくるアスフェイ。
「驚いた?」
「あっ・・・ああ。」
完璧にだまされた。
「・・・恐ろしい子。」
サイラオーグも面喰らっているぞ。
「こっちも滅びの力が無い分は色々と補うぞ!!」
修行に燃えている彼。
あの歳にしては十分すぎる・・・いや、異常と言える実力だぞ?
「ふふふ、兄弟揃って滅びの力はないが、あいつにはそれを補って有り余る物があったな。忍びの才能と言う・・・。」
サイラオーグの言うとおりだ。
この子、忍びの力はないがそれを補って有り余る才能を持っている。
だが・・それが開花したのにはもう一つ要員がある。
「兄であるお前の背中を追いかけてきたのもその理由だろう。違う道、違う方法でやるあたり、己の可能性に気付いているようだ。」
そこにはサイラオーグの背中を見て、それに負けないようにしたい。その背中に追いつきたいという思いがある。
現にアスフェイは強くサイラオーグを慕っている。
目指すべき背中として。
「・・・成長し、鬼の力も得る日が楽しみだ。あいつ・・・冥界に忍軍を作るのが夢の一つだと言っていた。」
サイラオーグは楽しみらしい。
弟の成長を。
「・・・うっぷ。ちょっとごめんにゃ。」
そこで何故か黒歌が気持ち悪いと言って席を外す。
そう言えば昨日からそういう傾向がみられる。
何があった?
「・・・・・・あれ?こういった症状どこかで見たような・・・。」
「合宿は大丈夫なのか?」
「本人は平気だと言っている。まあ、無茶はさせんつもりだが・・・。」
黒歌の体調が心配である。黒歌はすでに鎧化に至っている。今回はそこまで無理させないつもりだが・・・。
「・・・すまん。クイ―シャ、すまないが彼女の様子をみてくれないか?」
「えっ?・・・あっ、はい。任せてください。」
何やら黒歌の様子を見て考え込んでいたクイ―シャはサイラオーグの言葉に頷き、後を追う。
どうも、その症状に心辺りがある様子だ。
「・・・すまないな。」
「いいことだ。」
礼ついでに俺はあいつに言ってやる。
「彼女の思いどうするつもりだ?」
「・・・・・・。」
その言葉に押し黙るサイラオーグ。
その彼女とはもちろんクイーシャのことだ。
「見ていればわかる。まあ・・・余計な節介なのは自覚しているがな。」
「ふう・・・気付いて入る。だが俺はまだ次期当主だ。」
聞いていてなんだが、まだ応じない理由も何となく分かってはいた。
今のままじゃ応えられないと。
「・・・彼女の気持ちに応えるためにも夢に早く叶えろ。俺も応援してやる。
後ろ盾になってやるから。」
「言ってくれるな。だが、お前の後ろ盾は心強い。」
俺達は乾杯をする。
「・・・しかし、うまい。お前のパートナーが作った酒は本当にいいな。」
「そうだろ?」
「俺もお前みたいなパートナーが欲しい物だ。」
サイラオーグは酒をあおる。
「その獅子がいるだけでも十分なのにか?」
「・・・お前、レグルスの事を・・・。」
「ふっ・・・何となくな。鬼のためのメニューもどうもおかしかった。だが、あいつがあれなら説明が付く。まったくとんでもない切り札をもっているな。」
「ああ。だが、これはバアル家の重要機密だ。」
「わかっているさ。」
外交問題にもなりかねないが・・・まあいいだろう。この程度で驚いていたら身が持たん。
「・・・あと、お前に伝えておくことがある。」
サイラオーグは酒を飲みほした後に告げる。
「お前の奥さんの命を狙うやつがいる。」
それを聞いただけで・・・十分だった。
「・・・どいつだ?」
俺はグラスを粉々に握りつぶしながら問う。
黒歌を狙う奴がいる。
せっかく幸せになったあいつを不幸に陥れようとする奴がいる。
許せるわけが無い。
「・・・落ちつけ。まあ・・・お前ら本当にいい夫婦している。」
サイラオーグは不敵な笑みを浮かべる。
「俺の総てを賭けてでも、そんなの許すわけが無いだろう。」
「・・・ありがとう。」
「おう。」
俺達はまた飲む。
後で一緒にその不届き物にお仕置きしないとな。
――――――・・・面白い男達がいる物だな。
そこに突然声が聞こえてきた。
『!?』
―――――鋼鬼。奴は鏡だ。
ヤマタの声に俺達は窓を見る。
そこには・・・白に蒼い縞が入った虎のような奴がいた。
――――契約者がいたのか・・・ふん!!
それは姿を現す。
人と同じような四肢。だが、腕には鋭い五本の爪が付いた手の甲となり、全身の体格もサイラオーグにも負けないくらいにだ。
「初にお目にかかる。我が名はデストワイルダー。契約者に足る猛者を探しあちこちを放浪している。」
こいつ・・・ミラーワールドのモンスターか。
「クレア達の知り合いか?」
「クレア?」
「ドラグレッターのことだ。」
「ほう・・・知っているのか?」
「知っているも何もそいつの契約者は俺の弟分だ。妹のドラグブラッカ―も一緒だ。」
「我と互角のあいつが契約?それにあの妹まで。奴も面白い御仁をみつけたようだ。」
なっ・・・何?
あいつ・・・無双龍クラスの実力者だというのか!?
「それは良い事聞いたぞ。」
サイラオーグが上着を脱ぎ捨てて歩き出す。
「お前・・・俺と拳を交えてみないか?」
「・・・何?」
「俺はお前のような奴を探していた。その力の身を信じる覇気、そしてにじみ出る強さ。総て申し分ない。」
サイラオーグは拳を突きつける。
「その拳で語り、気にったら俺と契約してくれないか?」
「・・・なるほど。我がお前が契約に値する猛者かどうか確かめてみろということか。だが、何故力を求める?」
「ふっ・・・夢のためだ。この悪魔の世界を「実力と志」のある者にふさわしい実力社会に変えたい。その夢のための力を欲している。」
「我の力を夢のために使うというのか?」
デストワイルダーは唖然としている。
「そのために俺は拳一つでここまでのし上がってきた。それが答えだ。」
「・・・・・・そうか。」
デストワイルダーは驚いているらしく茫然としている。
「いいだろう。個人的にお前の奴は嫌いではないぞ!!」
デストワイルダーが構える。
「名乗れ。少なくとも名を聞く価値がある御仁だ。」
「サイラオーグ・バアル。魔力を持たない身に生まれ、拳一つで次期当主にまで登りつめた男だ!!」
サイラオーグは手にした音叉を鳴らし、額に当てる。
すると鬼の顔が浮かびあがり、その全身が炎に包まれる。
そして炎の中から・・・鬼が現れる。
それは茶色の肌に黒く長い髪をした鬼。
彼に俺は鬼としての名前も送っている。
その名は獅鬼(シキ)
獅子のごとき鬼故に、それが送ってやった名前だ。
「・・・ほう。面白い。」
2人が構えるが・・・。
「待った。」
俺がその間に入って一度止める。
「・・・場所を変えろ。お前達がぶつかると屋敷が粉々になる。」
そう言って親指で二人に外に出るように促す。
「・・・ああ。すまない。お前もそれでいいか?」
「ふっ・・・いい友がいるようだな。」
幸いにも二人ともそれを聞き届けてくれる。2人とも相当猛っているから流石に冷や冷やしたが、止めれてよかった。
場所を変えないと被害がどれだけでるか想像できんぞ。
この二人を止めるのならこっちも全力をださないといけない。
そうなったら、戦いの余波だけで屋敷が崩壊するぞ。
「ついでに見届け人になってやる。俺にその資格はあるか?」
『上等!!』
俺は二人と共に窓から飛び出す。ちなみにここは四階だが、それがどうした?
そんなの問題なく着地できる。
何しろ俺達は・・・。
『鍛えていますから。』
・・・俺のセリフをサイラオーグとデストワイルダーに取られてしまったのが悔しい。
SIDE 黒歌
うう・・・気持ち悪いにゃ・・・。
「あの・・・大丈夫ですか?」
クイ―シャがこっちに話しかけてくる。
「うん・・落ち着いた。」
そして、その子は私を真剣なまなざしで見る。
「あの・・・もしかして、黒歌さん。あなた・・・。」
・・・やっぱりばれてしまったか。
「うん。察しの通りにゃ。」
多分まだ一か月もたっていない。
ほんの初期にゃ。
「・・・まだ言わないのですか?」
「正直言うのは少し怖いにゃ。」
私も今日初めて知った。
冥界行きの列車の中で使った検査薬でも陽性。
「・・・でも、言う。この合宿が終わった後に。」
「・・・ご自愛してください。」
「気遣い感謝。」
いつ言うかにゃ~。
正直色々と覚悟がいる。
でも・・・。
私が悩んでいた時だった。
突然・・・爆発のような轟音が轟いてきたのだ。
「にゃっ・・・にゃに!?」
それは外からだった。
私達は外に出てみると。
「・・・丁度よかった。黒歌、結界頼む。」
『うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!』
鬼に変身したサイラオーグさんとなんか虎が人型になり、そのまま恐ろしい程マッチョになったような奴と殴りあっていた。
「なっ・・・何これ?」
そしてサイラ―グさんが殴り飛ばされる。
「サイラオーグ様!?」
「フハハハハハ!!流石だ!!俺と正面から殴りあえる奴はそうそういないのでな。楽しいぞ!!これでもまだ力不足とはな。」
「それはこっちのセリフ。いい・・・いいぞ!!お前の力・・・信念、そして全力を俺にぶつけてみろ!!お前の全力を俺は受け止める用意がある!!」
「・・・いいだろう。レグルス!!」
サイラオーグさんの傍に仮面をつけた謎の少年が現れる。
「さっ・・・サイラオーグ様!!まさか全力でいくつもりですか!?」
「ああ!!この戦いを死戦と断定する!!それくらいしないと失礼だ!!」
「上等。お前の全力・・・見せてみろ!!」
どんどんヒートアップしていく二人。
「黒歌。結界を張ってやれ。秘密にしてやったほうがあとあと面白そうだ。」
「・・・すまねえ。」
「いいってことだ。俺もお前の全力をみたいのでな。」
鋼チン・・・すっかり燃えている。本当に男の子って馬鹿ねえ。
嫌いじゃにゃいけど。
あたしは鋼ちんの言葉に頷き、急いで結界を展開。
そして、私は・・・とんでもない化け物同士の死闘をみることになる。
いつから私の周りにはこんな馬鹿みたいに強い連中ばかりになったのだろうかねえ。
この後私は急いでアーシアを呼び出したのは言うまでも無いにゃ。
向うも向うでとんでもないことになっていたけど。
SIDE イッセ―
さて・・・怪物ぞろいの部長の眷属参上となりました。
「・・・うむむむむ・・・本当にすごいな。これでまだ原石だというのが信じられん。」
部長のお父様はまじまじと俺達を見る。
それだけならまだいいかもしれない。
「あなたもそう思うか。リアス殿の眷属は俺から見ても将来有望。まあ、我が好敵手であるイッセ―はまた格別だが。」
その家に何故か堂々とヴァ―リがいるとなるとなあ。
「・・・屋敷に二天龍とその家族が勢ぞろい。」
グレイフィアさんがすごく頭痛そうにしている。
その足元では相棒達の娘が遊んでいる。
そして剣崎さんは・・・傍のソファーで呑気に寝ている。
緊張の欠片もない。ある意味大物だ。
「仕方ないだろう。相棒の娘達がそっちの娘達と姉妹みたいな状態になっているのだから。」
ずっと一緒にいるのが当たり前になっている。
ヴァ―リの奴。意外と子供には甘い。
「・・・本当にすごいな。」
「まったく、イッセーがどんなやつが期待していたが・・・ある意味想像を超えていたぞ。ってお前ら俺で遊ぶな!!」
腕だけとなったアンクがあの子達に遊ばれる光景。
「・・・そっちは本当にすごいことになっていたんだね。」
エイジ兄さんと色々とからたっていた。
はあ・・・そうか。
エイジ兄さんまで人間をやめていたのか・・・。
「ふふふふふ・・・。やっぱり人外だったわ。でも、その程度で私は驚かないわ。」
部長はなんとか持ちこたえている。
「でも・・・私はヒナさんに驚いていますわ。あの・・・。」
「私って冥界でそんなに有名なの?」
新鋭ファッションデザイナー。それがエイジ兄さんの同行者であるヒナさんだ。
「有名ですよ。あっ・・・実は知り合いのドレスを作って欲しいという依頼がありまして。」
朱乃さんがヒナさんに頼み込んでいる。
「えっ?私がドレスを?」
「しかもウェディングドレスです。」
「・・・うむ。誰が着るのか、それをまず確かめたいねえ。」
黒歌からのメールはばっちり届いていた。
うん・・・。
ネロ。
末永く爆発しろ!!
「それでエイジ兄さんたちはグレモリー家にやっかいになっていると。」
エイジ兄さんはミリキャスたちのピンチを助け、客人として招待されていたのだ。
「・・・どうやら、リアス。君の運命という名の才能はここでも発揮されているようだね。」
「はい。私は今後どれだけイッセーの幼馴染に出会えるのか、むしろ楽しみになってきました。」
「・・・その開き直り、わが娘ながら天晴れよ。」
部長の父様と母様が慰めている。
「私の眷属も全員がイッセーと間接的にですけど関わりがあることが判明しましたしね。もう私は開き直りました。このメンバーなら大抵のことはなんとかなると。」
「・・・リアス。たくましくなって。」
二人共涙目になっている。
「私たちからしたら本当に卒倒するかと思ったわ。あなたとんでもない子達を眷属にしたから。」
「・・・その筆頭がイッセーか。」
・・・俺のせいなのね。
「仕方ないだろう。二天龍の力を持つということはそういうことだ。」
開き直るのは俺のほうだ。
せめて・・・せめてもう死なないようにしたい。
「・・・ともに頑張ろう。」
ヴァーリが俺の肩に手を置いて頑張ろうと言ってくれる。
この時だけはお前の友情に感謝したい。
「宿命のライバルでもあるけど・・・なんかこう・・・同情したい部分もある。」
そういえば、お前もそうだったな。周りに変な連中が集まりまくって。
「ついに会えました。君がオーガの使い手。」
「そういう君は・・・カイザか。」
祐斗とエイジ兄さんの連れだった、アーサーさんが対峙する。
二人共揃ってオルフェノクの姿に。
「・・・二人共オリジナルオルフェノクなの?」
しかも、二人とも五大ギアの所有者。
「手合わせを願いたいところですが・・・。まだそっちは伸びしろがありそうです。こっちもまだ十分とは言えませんし・・・。そっちの修行に参加してもいいですか?」
「・・・へっ?」
緊張していた祐斗が間抜けな声をあげる。
「・・・まさかアーサー。」
「私にはアギトの勘はありません。でも、それでも一剣士として予感がするのです。目の前の男こそが私の待望していた男だと。」
こいつ・・・ヴァーリと同類か!?
しかも肩には蠍みたいなグリードも。
「・・・アーサー。遂に見つけたのか?己の欲望を満たすにたる相手を。」
「まだこれからです。でもこの目の前の相手は間違いなく強くなる。」
「・・・う~ん・・・。」
アーシアが苦笑しながら二人を見て何かを悟る。
「冥剣帝と聖剣王・・・か。」
そうか。それがこの二人の未来か。
すごい二つ名。
「はははははははははっ。化物ぞろいもいいところじゃないの!!」
部長。本当に苦労していますね。
「よしよし。リアス姉さま。落ち着いてください。その分すごく頼りになるナイトになりますし、そのライバル、かつ盟友になる方ですので。頼りになる見方ですよ。」
「私の眷属の未来・・・明るいのかな?」
「失礼します。あっ、ヴァーリさん久しぶりです。」
ミリキャスとともに現れたのはとんがり帽子をかぶった小柄な女の子。
「あっ・・・。」
「?」
そして、その女の子が俺を見て声をあげる。
「えっ?嘘・・・。なんで・・・。」
それで口元を覆って驚いている。
いったい誰だ?
「あっ・・・あの!私の顔に見覚えありませんか?」
「・・・えっと・・・。」
俺は彼女の顔を見て頭をひねる。
ひねって・・・ひねって・・・。
そして思い出したのだ。
「・・・もしかして、ルーちゃん?」
「はい。久しぶりです。」
思い出した。
両親の海外旅行でイギリスに行った時に遊んでいた女の子だ。
本名はルフェイ。愛称でルーちゃんと呼んでいた。
まあ、拙い英語でなんとかやり取りしようとして、向こうが翻訳魔法をつかいずっこけた思い出が苦いぜ。
「覚えていてくれましたか。」
「あっ・・・ああ。」
歳下なのに、それでいて不思議な術を使う子だということで覚えていたのだ。
『・・・・・・・。』
その展開にほかの皆が固まっている。
「ほい。」
そして、ルーちゃんが軽く指を鳴らすと・・・。
無数の花々。あれって出会いの時に使った魔法。
「あれから魔法の勉強がんばりました。おかげで魔法学校、飛び級アンド主席卒業です。まあ、オルフェノクでしたから、もうすぐ死んじゃう危機だったんですけど。」
「なっ・・・。」
その事実に、俺は思わず彼女の肩を掴む。
まさかこの子も巧と同じ運命を・・・。
「・・・あれ?」
でも、滅びの気配は感じない。巧が死にそうになっていたようなものは感じなかったのだ。
「でもメズールさんのおかげで永らえることができました。」
えっ?
「ふふふ。愛が溢れて満たされるわ~。」
ルーちゃんの方の上に・・・シャチみたいな奴が?
「グリードの一人。ヒナもアーサーもそうだが、彼女にも憑いている。」
「私はようやく愛を知ることができたわ。それだけで十分よ。」
愛?
一応エイジ兄さんからグリードの詳細は聞いている。
「はい・・・。私は死にたくありませんでした。必死で生きたかった。だって、あなたと約束がありましたから。」
「・・・・・・・・。」
えっと・・・たしかその約束は・・・。
「私はもうすぐ結婚できる歳になります。その時にはぜひお嫁に。」
そっ・・・そうだった!!
まずい。ホンマにまずい。
あの時は。
「あっ・・・安心してください。イッセーさんが異様にモテるのは知っています。ずっと見守っていましたので。」
ずっと見守っていた?
「ハルト師匠からある程度話は聞いていました。私は魔女としての勘でピンときましたよ。それでプラモンスターを放ったら、イッセーさんでしたし。」
「・・・・・・。」
「すごくモテるなと思いました。いや~でもみなさんの事情を知ったら納得です。というわけで私も末席でいいですので加えてください。ドラゴン、そしてアギトのハーレムに。」
「・・・・・・。」
パクパクしているのは俺だけじゃない。
部長たちも顔を真っ赤だ。
「・・・気づきませんでした。あなた・・・すごい魔法使いですね。」
アーシアが気付かなかっただと!?
「いえいえ。まだまだ未熟です。」
「この子・・・大魔法使いになる素質ありますよ。それこそ・・・かのマーリンすら超えかねないくらいに。」
アーシアの鑑定にその場の皆が絶句していた。
・・・まじですか。
マーリンって、ケルト神話に出てくる有名な大魔法使いじゃないですか!!
現時点でもアギトを騙すくらいの魔法の使い手なのに?
「ふふふふふふ・・・そうでしたか。そういうことでしたか。」
あれ?
アーサーさんが素晴らしい笑みを浮かべてこっちを見ている。
「あなたが私の妹をたぶらかした犯人。あえて光栄です。ええ・・・ものすごく。」
目は全く笑っていない。
「お兄様?」
「私の可愛い妹が生きる支え。それが一週間だけ一緒に遊んだ日本人とは聞いていました。名前は教えてくれませんでしたけど。その人の言葉が生きる支えでした。ええそりゃもうこっちが羨ましくて嫉妬しまくって仕方ないくらいにね!!」
あっ・・・あれ?
段々と殺気が。
「ここであったが百年目。あなたとじっくり語らいたかった。この剣でね!!」
まさかだけど、このアーサーさんってシスコン!?
「私を負かす男でないと・・・ルフェイはやらん!!」
すごいレベルのシスコンなの?
「相変わらずの妹馬鹿だな。」
ヴァーリは呆れている始末。
「・・・ふふふふ我が聖剣が神殺しの剣になる日が来たようですね。」
まて!!その聖剣を俺に向けるのか?
めちゃくちゃ私怨じゃねえか!!
「待て。」
おおぉぉぉ・・・祐斗。
アーサーを止めてくれたよ。俺の友よ・・・。
「君の気持ちは痛いほどわかる。」
あっ・・・あれ?
佑斗さん~。何でそんなに爽やかな笑みなの?
「僕にも双子の妹がいてねえ。でも・・・すでにイッセー君の毒牙に・・・。」
「・・・・・・そうか。」
そして、ふたりはがっちり握手。
『同志よ!!』
ここに・・・シスコン同盟が結ばれた。
「ともに罪深い神様を懲らしめよう。」
「うん。そうだね。」
待て待て待て待て待て待て待て待て!!
そこで二人で組むな!!めちゃくちゃ怖いから!!
部長たちもとめて・・・。
「カーミラ。」
「あいあい。お仕置きタイムの時間ですかい?」
――――ドライバーオン!!
「カ―ミラちゃん、いけないわね。私の決めセリフを取らないでくださいな。」
なんでお姉さま方変身準備しているのですか?
「私は思うのよ。イッセー、あなたは色々とやりすぎだとね。幼馴染だけでも苦労しているのにハーレム要員までガンガン増やしちゃって。・・・・・・教育が必要ね。」
「そんないけない子にはお仕置きです。」
待ってくれ!!なんでそこでお仕置きなの?
俺が何をしたというの!?
「・・・デュランダル。」
待て!!ゼノヴィアまでいい笑顔!?
こうなったら・・・助けてアーシア!!
「・・・知りません。(*´`@)プィ。」
あああああああぁぁっぁ、アーシアちゃんがすねちゃった!!
可愛いけど今はそれどころじゃない!!!
「・・・お前の弟分は相当な猛者みたいだな。」
「うん。まさか夢を叶えている上に、どんどんフラグを立てているなんて。こりゃ、すげえ業が深い。」
グリードから業が深いって言われるのはなんか・・・嫌。
「あなたも面白い子を契約者に選んだわね。」
「うう・・・完全に教育に失敗した。」
「どうどう。おかげで私もイッセ―の事が好きになれた。」
アルファさんはすごく嘆いております。
「あっ・・・母上!!探しましだぞ!!」
「・・・ただいま戻りました。」
「お腹すいたよ~。」
そのアルファさんにミリキャスと共にデフォルメ化した青い一角をもつ小さな白と銀の麒麟みたいな子が頭、黄金の翼竜、銀色の翼竜みたいな子が両肩に乗ってやってきた。
「・・・あら。その子があなたの子供なの?」
「一人は私の娘。2人はゴルドの娘と息子よ。」
『・・・えっ?ゴルドの子供?』
クレア達がアルファの言葉に驚く。
「挨拶なさい。三人とも。」
『はい!!』
まず麒麟の子が挨拶する。
「私は白雷(ハクライ)というぞ。アルファ母上と・・・炎駒父上の娘だ。」
偉い尊大な話し方をするけど・・・まあ、悪い気はしない。
そして、炎駒?
「お兄様の眷属で・・・麒麟よ。」
キッ・・・麒麟!?あの伝説の聖獣の・・・。
その事実に俺だけでなくアーサー達も驚いて止まってくれた事に、内心ほっとしているのだが。
「へえ・・・あなたも素敵な殿方を。」
「まあね。今旦那はいないけど・・・まあ冥界にいる間に紹介するわ。」
「・・・ふっ。」
少し照れたような様子のアルファに、グレイフィアが笑う。
「なっ・・・なによ。」
「あなたも本当にいつまで新婚なのやらってね。」
「・・・それをあんただけに言われたくないわ!!」
「・・・新婚って・・・アルファ、あんた・・・。」
「予想以上にいい縁だったみたいね。」
呆れかえった様子のクレアとベノに、アルファは慌てて釈明。
「違うわよ。その・・・まあ良い夫婦はしているつもりだけど。」
「ええ・・・本当にいい夫婦しているわ。うんうん。」
「だ・か・ら、他の人ならともかくグレイフィア、あなただけには絶対に言われたくないわ!!」
「えっと・・・なんのことやら・・・。」
「言っていいのかな~この馬鹿ップルが!!」
グレイフィアさんは顔を真っ赤にし、目をそらしながらアルファの追及をかわす。
「・・・まあ、あの二人は結構似た物同士ということで・・・。どっちの夫婦も円満と思ってもらえればいいわ。」
部長の説明がすごく分かりやすいです。
「私達はゴルド父様の子です。」
残った二体の翼竜は・・・どうやら双子らしい。
銀色の子は冷静で、淡々とした喋り方。
金色の子は・・・うんアホのこっぽいけどすごく元気だ。
ちなみに銀が男の子、金色が女の子。
「銀色の私はシルウス。」
「金色の僕はゴルイア。」
「・・・・ゴルドの子供・・・なのよね?」
黄金の不死鳥であるゴルドことゴルドフェニックス。
その彼の子供が双子の翼竜。
そうなると・・・母親は・・・。
「この世界のドラゴン・・・なんだろうな。一体誰だ?」
ドライクもその結論に至ったようだ。
「母様ならもう来ています。」
「うん、外を見ればいいよ。驚くとおもうよ。」
「んん?」
俺達が外を見ると・・・そこには青い巨大なドラゴンがいた。
「げえええェェェ!!きっ・・貴様は!!」
ドライクはそれを見て大層驚いている。
「なん・・・だと。」
アルビオンですらもだ。
「はあぃ、久しぶりねドライク、アルビオン。」
青いドラゴンはすごく軽いノリで話しかけてきたぞ。
「ごっ・・・五大龍王、ティアマット。」
五大龍王ですと!?
「私の娘と息子はどうだったかしら?」
「・・・・・・。」
「いやね。私はあのドライクとアルビオンが復活したあげくに、妻子を持ったと聞いて慌てて戻ってきたわけよ。ふふふふ。」
ティアマットはそのままデフォルメ化して窓から屋敷に入ってくる。
「本当に・・・あのやんちゃな子が立派な父親になって、お姉さんはなんといえばいいのか。」
「ちょっ!?」
んん?ティアマットがお姉さんっていった?
「アルビオンまで同じ様な事になって、本当に世界って面白いわねえ。」
「・・・まさかお前の子とは・・・・。」
アルビオンまで震えている。
「なあ・・・ドライク。あのティアマットとどんな関係だ?」
「俺も気になるぞ。アルビオン。」
『・・・・・・。』
俺とヴァ―リの質問に二天龍ズは黙秘。
だったら・・・。
俺の視線はアーシアと当事者であるティアマットに向けられる。
「まあ、私とあいつらは昔馴染みでね。小さい頃からの縁なのよ。」
あの二人の幼馴染でしたか。
「あはははは・・・そしてそのティアマットさんがお姉さん的存在で、ドライクさんとアルビオンさんが頭の上がらない方だそうです。」
『ちょっ!?』
アーシアの前では誰も嘘をつけず、隠し事もできない。例え神であってもだ。
「へえ・・・あなたがそんな方だったとは。えっと私はドライクの妻で、ドラクレッタ―こと、クレアです。」
「同じくアルビオンの妻のベノスネ―カ―ことベノです。」
「いやいや、ご丁寧に。五大龍王のティアマットです。夫からはディアと呼ばれているわ。」
三体のデフォルメドラゴンが深く頭をさげて自己紹介しあっている光景。
『さっ・・・最悪だ。』
その夫達の表情が青ざめている。
「・・・そうか。お前達がディアの言っていた弟分達。世間は狭い物だよな。」
ゴルドさんはそんな二人の方に優しく翼を置いてある。
「ちなみにこの子達・・・三人共ミリキャスと契約しているわよ。」
アルファさんの言葉に俺達は驚いたね。
三体も契約ですか。
「あの・・・遊んでもいいでしょうか?」
「私達にあの子達が興味深々で・・・。」
「そうそう。僕もそれが気になった。」
二天龍の娘達、アカリちゃんとラッセ―、そして新参のメトロイドと言う謎の生命体であるメリスちゃんが興味深そうに三体を見ていたのだ。
ちなみにメリスは部長の名前をもじったらしい。
「ふん、まあ私達が遊んでもやってもいいが・・・。」
そのハクライの言葉がきっかけで二天龍の娘達が一斉に走り出す。
良いタックルでハクライちゃんが押し倒される。
「ちょっ・・・おっ・・・お前ら落ちつけ。」
ハクライちゃんは尊大な言い方をしながらも必死で皆をなだめている。
「相変わらず、面倒見がいいですね。」
「うんうん。」
「お前達!!感心していないで・・・。ってお主!!何で頭に噛みついておるおおっ・・・力が吸われる!!」
どうやらあの子はかなり面白いツンデレみたいだ。でもまとめる力はある。
皆をなだめている。
でもメリスちゃんが頭に喰いつき、エネルギーを吸っているけど。
それが彼女なりの挨拶になっている。そんなに吸わないが、相手の力を取り込みそれを記憶させるのがメリスちゃんの中の友達認定となっているのだ。
まあ・・・すごく個性的な方法だけどね。
「う~ん。あの子達、仲良くできそうだわ。」
「いい友達になってもらえませんか?」
「ええ。」
「こっちもいいわよ。まあ・・・ラッセ―君が一人だけ男の子だったからシリウス君とはいい友達になってくれるかも。」
子供達がどんどん増えて行く。
それも将来が末恐ろしい連中ばかり。
「グレモリ―家・・・ドラゴン大集合だわ。ふふふふ・・・もう私達単独で一つの神話勢力が作れそうなくらいよ。」
力の塊であるドラゴンがすごい勢いで増えている。
部長の言うとおりだ。
そんなやりとりをしている中、最悪の事件が起きようとしていた。
「・・・・・・お前にメダルを入れたらどんなヤミ―が出るのか試していいか?」
アンクが手にセルメダルを出現させ、それを俺に入れようとしたのだ。
「あのな・・・。」
「こいつはすごくいい欲を持っている。どんなヤミ―が出るか試したい。」
「あっ・・・それいいかも。私ならどんな魚の群れになるのかな?」
「僕もー!!」
「なら私も試して・・・。」
他のグリードのみなさんも興味深々だ!!
「ヤミ―は迷惑かかるから、いつも通り屑ヤミ―の応用でコツコツやったらどうなの?」
エイジ兄さんが呆れた時だった。
「やめたまえ!!君は世界を滅ぼすつもりかい!!?」
そのセルメダルを必死の形相で弾き飛ばす佑斗。
「世界を滅ぼす?ハッ、ヤミ―程度でそんなことが起きるわけないだろうが。ったく、いきなり何をする。」
その過剰なまでの反応にアンクは鼻で笑う。
「いいから止めなさい!!あなたはこのイッセ―の業の深さを何もわかっちゃいないから!!」
部長まで?その前に俺の業ってなんなの!?
「お願いだからイッセ―君のヤミーだけは勘弁してほしいわ。何が飛び出してくるか全く分からないから。」
「最初からクライマックスなイッセー先輩のヤミ―はもう怪獣、または災厄クラス。」
あれ?朱乃さん、そして、小猫ちゃんまで止めにかかっている。
「・・・えっ?どうなるの?」
「そんなにすごいのか?」
「・・・想像できませんけど。」
―――――その前に俺の決め台詞をとるな!!
何も知らない良太郎とゼノヴィア、ギャー助はただ戸惑うばかり。
確かに自分でもあれは引いたよ。
「私も全力で止めます。ええもう・・・あなたのヤミ―のおかげで結婚式場が半壊したんですからね!!」
「・・・ははははは・・・おっぱいライオンは勘弁してほしい。」
グレイフィアさんやサーゼクス様までそれに加わっている?
「ほう・・・魔王様が恐れるほどのヤミ―か。どうするメズ―ル。」
「えい。あらら・・・手がすべちゃった。」
あれ?俺の中にメズ―ルさんのメダルが入りこんで・・・。
『あーーーー!!』
俺の周りに一気に大量の卵が・・・。
「・・・・・・あれ?入れたばかりなのにすごい数。」
その数・・・部屋を埋め尽くす程。いや部屋どころかグレモリ―家の屋敷のあちこちに出現。
それを見てメズ―ルさんの笑みがひきつる。
「メズ―ル、これって大丈夫なの?あなたのヤミ―は何度か作りだした事あるけど、これは流石に異常だよ。」
ルフェイちゃんですら青ざめている。
「・・・大丈夫じゃないわ。コントロールできない。」
「・・・さいですか。」
『・・・・・・。』
アーサーさんとノブナガさん、ヒナさんは驚きのあまりに呆けている。
「・・・なるほど、お前達が恐れる理由が良く分かった。お前、グリードになるつもりはないか?それだけの欲望、そのままにしているのがもったいないぞ。」
アンクはマイペースに俺を勧誘してくる。
「あいつのセリフを取るなら、イッセ―、お前のその欲望・・・素晴らしい!!流石神の後継だけはあるな!!」
「確かにすごいや、ヤバいというレベルと通り越してある意味素晴らしいよ!!」
エイジ兄さんですらやけくそ気味の発言。
そして卵から一匹孵化。
それは人の頭位の大きさのピラニアだった。
全身銀色の装甲に包まれたピラニアだ。
その一言は・・・。
「おっぱい。」
『やっぱりかぁ!!』
流石は俺の欲望。俺の分身だわ。
唐突に部長に襲いかかりその服を食いちぎったのだ。
「へっ?きゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
瞬く間に服だけ食いちぎって裸にしようとするところを・・・。
「ふん!!」
小猫ちゃんの強烈パンチが入る。
それでも砕け散らずぴちぴちと跳ね回り・・・。
「なんて事をするのよ!!」
ヒナさんが怒って、強烈な重力波によって地面に縛り付けられた。
「・・・一応重力百倍。でも・・・これは・・・。」
重力百倍の中、そのピラニアは動いている。
「おっぱい・・・おっぱい・・・。」
執念で女性の服を食い荒らし、おっぱいを堪能しようと動いていたのだ。
「なっ・・・なんて執念。」
しぶとい。すごくしぶとい。
「やらせると思うか!!」
「消し飛べ!!」
アーサーさんと佑斗のダブルの剣撃でようやくセルメダルに還った。
「・・・一体でこれか。並のヤミ―クラスはあるな。」
そのセルメダルは・・・かなり多い。
「そうなるとこいつらが一斉に孵化したら。」
エイジ兄さんの言葉に皆が凍りつく。
『・・・・・・・・・。』
その卵から一斉に俺の欲望を元に生まれたおっぱいピラニア共が孵化する。
最初からその勢い、数共に・・・うん、世界の終末を見た。
『おっぱーいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』
「なっ・・・なななななななな。」
「呆れて言葉もでない。」
「ほえ・・・・。」
あのアーサーやヴァ―リですら呆れかえっている。
「ゼ―ルズ全員緊急召喚!!アルファ、サバイブの準備!!」
―――わかったわ。ハクライ!!あなたはミリキャスや他の子達を守りなさい。
グレイフィアさんはゼ―ルズ達を一斉に呼びだす。
「ゴルド!久々に本気でいくぞ!!ティア君も手伝ってくれ。父様と母様は無理せずに・・・。」
――――――承知。まさかこんなことになるとは。
――――――まさに何が飛び出すか分からない。歴代で最も危険な赤龍帝なのも納得よ。
「おい、赤いの!!お前の相棒はとんでもない奴だな!!なんだこれは!?」
「本当に呆れて何も言えん。ああ・・・前よりもひどいぞ!!相棒!!お前煩悩がパワーアップしているだろ!?」
しかたないじゃん!!だって、桐生の策略でみんな裸でせまってくるなど煩悩刺激されまくっていたのを我慢していたんだもん!!
うん、我ながらすごい煩悩だわ。
ここまで来ると別の意味で賢者モードになれる。
「ああもう・・・カ―ミラ!!」
「あいよ、久々の絶滅タイム、行っちゃいましょう!!みなさん準備はいいかな?こいつら根絶やしにしないと冥界がヤバいわ。」
『こうなったらやるしかない(わ)!!さあ・・・絶滅タイムだ!!』
カ―ミラの一言に皆は腹を括った。
グレモリ―家全員・・・全力です。
「んん、何か嫌な予感がって、でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
剣崎さんも覚醒。ぐっすり眠っていたのに目をさましましたね。
こうしてグレモリ―家でのおっぱいピラニアとの死闘が始まる。
本当に死闘だった。
主に女性陣の被害が甚大だったという事は追記しておく。
そのたびにおっぱいピラニア共は分裂し、数を爆発的に増やしていた。
そして、その分裂のたびに、俺は心の中ですごく感動していたけど・・・。
『お前・・・あとで覚えておけ。』
と理不尽な怒りを皆から向けられていた。
ちなみにその数は後で分かった事だけどおっぱいピラニア共は一億体は確実だったらしい。
そして、集まったセルメダルは・・・兆すら超えるとてつもない数だった。
前よりもパワーアップしていたぜ。
アンク曰く「ハイリスク、ハイリターンの極致。恐ろしいほど儲かった。」だそうだ。
今回は二話で終わりです。
・・・二作品同時投稿は本当に大変です。ふう・・・台風に閉じ込められた状態である意味よかったかもしれません。
今回の事件はどうでしたか?
新たに登場したおっぱいピラニア。・・・ある意味おっぱいライオンよりも厄介だと個人的には思うのですがどうでしょう?