赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 さて・・・ここで新キャラが一気に登場します。

 これを考えるのにエネルギーを使ってしまった。

 この合宿中に起こる事件がどういったものか概要が分かります。

 では、二連続投稿二話目どうぞ!!


闇夜の仕置き人と冥界大歓迎です。

SIDE ???

 

 冥界にいよいよあいつらがやってくる。

 

「我が主を殺した・・・あいつが・・・。」

 

 俺達は憎いあいつをやる。

 

「あいつのおかげで我らは地の底へと追いやられた。だから・・・だからこそ・・・。」

 

 俺達の狙いはただ一人。

 

「黒歌・・・お前の命、我らが貰い受ける。」

 

 黒歌。いまや日本神話勢力の中心にいる元猫又の悪魔。

 

 俺達はあいつとその妹を捕まえ、姉である黒歌を無理やり眷属にした。

 

 だが、あいつは反抗し、妹をグレモリ―へ逃がして逃走。

 

 私も瀕死の重傷を負った。

 

 俺達はそいつに復讐する機会をうかがっていたが・・・バアル家を通じてこっちを粛清にきやがった。

 

 おかげで散々だ。

 

 だが、悪魔でも拾ってくれる神はいるらしい。

 

 俺の中にはある力が宿った。

 

 そして、手駒も大勢増えた。

 

 待っていろ。お前が一番大切にしていた妹からじわじわとやってくれる。

 

 泣き叫ぶお前の姿を堪能して・・・。

 

「・・・そんな事をさせると思った?」

 

 誰だ?!

 

「いや~本当にいい仕事しているわ。こんなところに屑がいたなんて。」

 

 どこにいる!?

 

「元七十二柱・・・ヴァサゴ家。その元当主、ジャルバ・ヴァサゴ。眷属を酷い手段で得ルなど数々の非道な行いを告発され、当主を追われた悪魔。」

 

 こいつら、俺の素性を・・・。

 

「ふふふふふ、久しぶりに義姉ちゃん達が帰ってくるというのに、こんな火種があるのはだめだよ。」

 

 聞こえてくるのは誰か分からない正体不明の二人の声。

 

 でも何処にいるのか分からない。

 

「いい加減でてきやがれ!!」

 

 俺達は必死で辺りを見回す。

 

 その時、二つの音声が聞こえてきた。

 

―――――アップル。

 

―――――マスカット。

 

 そして、それは現れる。

 

―――――ロック・オン!!

 

 歩きながら二人の上空がファスナのような物で切り取られ、そこからそれぞれ赤のリンゴとマスカットのような物があらわれる。

 

それぞれ二人はそれを頭から被る。

 

―――――アップルアームズ・・・いざ天誅タイム!!

 

 一体は腰に赤のリンゴをつけ、青の空手道着を思わせる様なインナーの上から銀のアーマーを纏い、背中に内側が赤、外側が闇夜のような闇色となったマント、そして右手に直剣、左手に無双セイバーを手にした存在が姿をあらわる。

 

 

―――――マスカットアームズ・・・ザ バレット クイーン。

 

 もう一体はマスカットを模した物を腰につけ、ライダースーツを意識したかのような黒のインナーの上から緑のマスカットを模したアーマーとヘルメットを纏っている。飾りみたいな物がついた両手に拳銃。何故か足、踵にくっつく形でも大型の拳銃が四丁もついている。

 

「こっ・・・こいつら・・・。」

 

 それは最近冥界を騒がせている怪傑達。

 

「仮面ライダ―ナイトブレード。」

 

 一体は紅刃の異名を持つナイトブレード。

 

「仮面ライダ―ベロニカ。」

 

 もう一体は魔弾の異名を持つベロニカ。

 

 なんてこったい!!どうして俺達の計画がばれた!?

 

 それは怪傑「ナイトカーニバル」と呼ばれる連中。

 

「・・・だが、たった二人で何ができる?」

 

 俺達は得た力の一つ・・・ロックシードを発動。

 

 そこからインべス達を召喚。

 

 こいつらを囮にしてにげ・・・。

 

 用と思ったらその行く手を阻む三つの影があった。

 

「まったく、二人とも自重しやがれ!!」

 

――――――ピーナッツ!!

 

「そうですわ。本当に振り回されまくって!!」

 

――――――イチジク!!

 

「はあ・・・でもあの二人らしいわ。」

 

――――――グレープ!!

 

ナイトカーニバルは全部で五人。

 

―――――ロック・・・オン!!

 

 黒い忍び装束を思わせるインナーの上からピーナッツみたいな物を被った戦士。ピーナッツを模した光沢を消した胸当てとハチガネ付きのフードをかぶっている。両手にトンファーと銃、そして光剣の三つを複合させたトンファーガンブレードを手にした忍びのような戦士。

 

――――――ピーナッツアームズ 我、闇に忍び、闇に躍る牙!

 

 仮面ライダ―影牙(エイガ)

 

ワンピースを思わせる紺のインナーの上からライチみたいな物を被った戦士。エプロンのような装甲を纏い、頭にはカチューシャ付きのヘルメット。両手にはイチジクを模した爪付きのグローブをはめ、イチジクを模した傘を手にしている。

 

―――――イチジクアームズ  必殺仕事人 皆様、冥土へご案内~!!

 

 仮面ライダ―冥花(メイカ)

 

赤のチャイナドレスのようなインナーの上からグレープフルーツを被った戦士。紅の飾り尾に、弓道の胸当てみたいな装甲。両手は厚めの篭手に覆われ、左肩の装甲が盾みたいになっている。 頭には猫の耳みたいなパーツがあり、尻尾みたいな物もついている。

 両手足の先が鋭い爪となっている。

そして、最大の特徴が手にしている武器だ。グレープ断面図みたいな円状のクリアパーツが横についた大型の弓矢。弓の中央部に矢のようなパーツがくっついている。ただ・・・その弓の部分が刃になっており、接近戦での斬撃とブーメランのようにも使ええる・

 

―――――グレープアームズ  CAT & ARROW!!

 

 仮面ライダーキャットテイル

 

 この五人がそろって「ナイトカーニバル」となる。

 

 旧魔王派達にとって魔王達以上に憎い相手だ。こいつらのおかげで冥界にて起こそうとした数々のテロがすべてつぶされたのだ。

 

「ごめん。でもこいつらだけは放置してはいけない。」

 

「まあ・・・気持ちはわからんでもない。黒歌って人。無関係じゃないし。」

 

 ナイトブレードの言葉に皆が頷く。彼が先導した結果らしい。

 

「やれやれ、二人とも男の子しちゃって。」

 

「それがあの二人ですって。」

 

「フォローするのはうまいので。」

 

 俺は何とか逃げようと算段をする。

 

 こいつらとまともに戦う理由はない。

 

「仕方ない。」

 

 そこに助っ人が現れた。

 

―――――チェック。

 

「変身。」

 

 その言葉共に現れたのは五大ギアが一人。「原初の魔王」デルタ。

 

 ある組織から助っ人として着てくれたドラゴンオルフェノクこと・・・北崎さん。

 

「君達・・・調子に乗り過ぎだよ。こっちが強者の戦い方という物を教えてあげる。」

 

 デルタの全身から凄まじい電撃がほとばしる。

 

 その電撃をあいつら五人は一斉に飛び退いて避け、攻撃を始める。

 

 そして、こっちが召喚した無数のインベス達に命中し、倒していく。

 

「面白いねえ。雑魚程度じゃ相手にならない。まあ、僕達を邪魔してきたのだからそれくらいじゃないと。ふん!!」

 

 デルタとなった北崎さんがキャットテイルを殴りつける。

 

 重厚な一撃に吹っ飛ぶが、あいつは宙返りし、身を翻しながら弓を構え、北崎さんに向けて無数の矢を放ってきたのだ。

 

「ぐっ・・・。生意気な。」

 

 そこに影牙が突っ込んでくる。

 

 殴ろうとするが、それを急静止してからの後転でかわす。そして素早く左右のトンファーで斬りつける。

 

「・・・ちょこまかと動くのなら・・・。」

 

 北崎の姿が消える。得意の高速移動なのだろう。

 

 だが・・・。

 

「その手の攻撃ができるのはあんただけじゃないわ!!」

 

「がっ・・・馬鹿な・・・。」

 

 無数の炸裂音と共に北崎さんが吹っ飛ぶ。そこにいたのはベロニカだ。

 

 他のインベス達はナイトブレードが手にした武器を一閃するたびに爆発、消滅していく。

 

 不可思議な紅いエネルギーがそれを可能としている。なんだ?あの力は。

 

 しかしヤバい。北崎が押されている。

 

――――ヒートウェイブ ナウ!!

 

 だが、突然の業火の嵐が起き、インデスごとナイトカーニバルの五人を飲み込んだ。

 

「情けねえ。だが、俺の新たな力を試すにはいい機会だぜ。」

 

 全身から炎を吹き出しているユウゴことフェニックスファントム。

 

「手ごろな相手だからね、でも今のでつぶれちゃったんじゃない?」

 

 その後ろからソラことグレムリンファントムも登場。

 

 流石としか言いようがない。たった一撃であのナイトカーニバルを・・・。

 

―――ディフェンド・・・。

 

「ほう。向うに指輪の魔法使いがいやがったか。」

 

 炎が一瞬で消える。そこには冥花が手に指輪をした状態で傘を開きながら皆を守っていたのだ。その傘には凄まじい冷気が流れている

 

 それでも完全に防ぎきれなかったらしく、皆が膝をついている。

 

「みんな大丈夫ですか?」

 

「なんとか。でもいきなり化け物が揃いすぎ。」

 

 最上級悪魔クラスが三体もいるのですからそれは当然。

 

 むしろ良く圧倒していたというべきですかね。

 

「しかたない。正体がばれる恐れがあるからあれを使いたくなかったけど・・・。」

 

 立ち上がるナイトカーニバルの五人。何かを取り出そうとするが、その切り札で何とかなる相手なのかな?

 

 こいつらを始末すれば、黒歌への復讐の邪魔はなくなる。

 

 でもですよ。

 

「うら!!」

 

 彼らに迫ろうとした一体のインぺスが突然乱入してきた青年の回し蹴りにふっ飛ばされたのをみたら唖然する。

 

 その人を見たソラさん。いや、その肩の上に現れた変なライオンが唸る。

 

「この世界にまでやってくるか。オ―ズ!!」

 

・・・・・・オ―ズってなんですか?

 

 

 SIDE ???

 

 僕達のピンチを救ってくれた男の人。

 

「あなたは?」

 

 その人はどうも旅人らしい。

 

「カザリにウヴァか。お互いに似たような状況になっているな。」

 

 その後ろから右手だけが宙に浮いて現れたよ!?

 

「アンク・・・。」

 

 向うが唸るって言うか・・・どうして右手だけ!?

 

「あっ・・・あなたは?どうして助けてくれたの?」

 

 色々と戸惑いながら僕は彼に問う。

 

「まあ、いうなら仮面ライダーは助け合いだから・・・かな?」

 

 仮面ライダー?

 

 そう言いながらその人が腰に三つの円が付いた長方形の何かを装着。それが瞬く間にベルトになった?

 

 まさかこの人も?

 

 その人は三つのメダルをまず左右同時に赤、緑、最後に中央に黄と入れて行く。

 

 腰に付いていたスキャナーみたいなものを手に取る。

 

「変身。」

 

 その言葉と共にそのメダルをスキャナーで読み込んだ。

 

 それと共にその人の周りに無数のメダルが現れる。

 

―――――タカ、トラ バッタ

 

 頭が赤、上半身が黄、下半身が緑となる。

 

 そして変身する。

 

―――――タ・ト・バ!!タトバ、タ・ト・バ!!

 

 変な唄みたいな音声と共に姿を見せたのは仮面ライダー!?

 

『オ―ズ。』

 

 二人が忌々しげに見ていますよ?

 

「・・・あれが欲望の王オ―ズ。面白そうだ。」

 

 デルタがその姿を見て唸っている。

 

「へえ、僕達とおんなじ状態だなんて、面白いね。せっかく残りのコアメダルを探しに来たというのに、こんな形で見つかるなんてね。」

 

「こいつからメダルを奪えばさらに僕達は強くなるのか!!そりゃいい!!」

 

 そこにクレムリンが急襲。肩のカザリと共に笑っている。

 

「根こそぎ頂くぜ!!いくらお前達でも俺達には・・・。」

 

 フェニックスとデルタもそこに加わろうとする。

 

「させるか。」

 

 僕達は立ち上がる。

 

 ――――仮面ライダーは助け合いでしょ?

 

 そんな理由で僕達を助けてくれた人を放っておけるわけがない!!

 

それを阻止しようとした時だった。

 

「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 あれ?その二人の内、フェニックスに向かって誰かがまるで弾丸みたいに突っ込んできた。

 

「そうそう。お前達。とんでもない怪物女に注意しろよ。」

 

「がばろぶられりゃ!?」

 

 そのままフェニックスの首にラリアットが決まり、それは転がるようにして着地。

 

「痛い~。」

 

 そして現れたのは・・・なんとごく普通の女の人だった。

 

「ガメル!!もう少し加減してよ。」

 

「ごめん。」

 

 その女の人の肩には変なサイがあやまっている。

 

「重力操作。使いこなされるとここまですごい事になるなんて思わなかったぜ。」

 

「ガメルまで!!げぇ、しっ、しかもあの女は・・・。そんな組み合わせは流石に不味いって!!」

 

「カザリ、何を青ざめているの?まあいい。ユウゴ君何時まで眠っているの?いい加減起きて・・・。」

 

 そこでクレムリンも気付いたみたいだ。

 

「・・・・・・・・・・ぶくぶくぶく。」

 

 目を回し、口から泡を吹いて完全に気を失っているフェニックスに。

 

「・・・・・・え゛?」

 

「忠告しておく。あの女。人間というカテゴリーを逸脱している。」

 

「・・・・人間?ベースになっているのが普通の人間なの!?」

 

 カザリの説明にグレムリンは固まる。そこにオ―ズと呼ばれた仮面ライダーが斬りとばしながら駆けていた。

 

「ヒッ・・・ヒナちゃん!!」

 

「えっ?」

 

「うう・・・おっ・・おおっ。首が・・・首が吹っ飛ぶかと思った。」

 

 彼が駆けていたのは、気を失っていたフェニックスが意識を取り戻したからだ。手に巨大な剣を召喚しながら立ち上がってくる。

 

 それを見たオ―ズの周りにインべス達が阻む。

 

「舐めた真似をしやがって!!前の戦いで拷問に慣れていなかったらそのままお陀仏だったわ!!」

 

「キャッ!?」

 

 その剣を女の人に向けて振り下ろす。

 

 それを女の人が片手で白刃取り。

 

「何!?」

 

 本来ならありえないけど、何人かは考えつくことかもしれない。

 

「えい!!」

 

 でも、そこから大剣をまるで板チョコを割るようにバキッと簡単にへし折るなんて誰も想像できないよ。

 

「・・・・・・・・。」

 

 へし折れた剣を見て目を点にし、言葉を失っているフェニックス。

 

「なっ・・・なんじゃ・・・そりゃ・・・。」

 

 ようやく出てきた言葉がそれだった。

 

「嘘ぉぉ・・・。」

 

 オ―ズとつばぜり合いをしているグレムリンですら引いている。

 

「あっ・・・ああ。またやっちゃった。」

 

 それを見て嘆き悲しむヒナさん。剣を無造作に投げ捨てる。

 

「げっ・・・まっ、待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・・」

 

 超音速で飛んできた剣の破片が刺さったインペスが粉々になりました。

 

 しかも複数まとめて。

 

 ついでに放り投げる際の腕に当たって、フェニックスが轟音と共に超音速でその場から吹っ飛んで消えてしまいました。

 

 悲鳴すら上げる暇も無く一体の敵が「待て」の一言を残して退場。

 

『・・・・・・・。』

 

「お願いだからそこで重力操作しないでよ!!放り投げただけで恐ろしいことになっていますけど!?」

 

「面白そうからつい。」

 

 その女の人は肩に止まったサイと色々と言い合っています。

 

「・・・すごい。」

 

 僕達はそうつぶやく事しかできない。

 

「・・・もうお前、グリード超えたな。ガメルの力を繊細かつ、あそこまで昇華させられると俺でもお手上げだ。」

 

「はははははははは・・・。」

 

 アンクと呼ばれた腕の言葉にオ―ズは笑うだけだ。

 

「・・・最悪だ。最悪すぎる。なんだ・・・こいつ?本当に人間か?」

 

 グレムリンが下がる。

 

「うう。私ついに人外になっちゃった。」

 

 一方のヒナさんは涙目になっている。

 

「いくら君でもあいつを真正面から戦うのは止めた方がいい。」

 

「そうだね。接近戦は頼まれても絶対にしたくない・・・うおっ!?」

 

 デルタの足元に無数の弾丸が命中。

 

「五大ギアの内の一つ、ようやく見つけた。手合わせを願おうか?」

 

 そこにいたのは顔がXの字みたいになった存在。

 

 それはデルタと同じオルフェノク、五大ギアの一つ。

 

「カイザだと・・・。」

 

 今まで確認されなかった最期のギアまででてきたの!?

 

 五大ギア。ついに全部表に出てきたよ。

 

「転送完了。やっと見つけたよ。」

 

 そこにとんがり帽子をかぶったお姉さんもいる。周囲に無数の青い蝶が舞うのが気になるけど。

 

「・・・なんじゃこりゃ?」

 

 そして、そこにもう一人。

 

 残ったインベス達を蹴り飛ばし、オ―ズに加勢してきた奴がいた。

 

―――――噂のナイトカーニバルと遭遇か。面白い事になってきた。それと・・。

 

「久しぶりだな。オ―ズ。」

 

「あっ・・・君はW。」

 

 それはベルゼブブ眷属の切り札・・・仮面ライダーW

 

 しかもオ―ズと知り合いらしい。

 

「・・・まずいぞ。」

 

 一気にやってきた戦力。

 

「・・・・・・状況が悪いね。仕込みもあるからこれ以上は戦闘したくないし。」

 

「ぐっ・・・しかたない。撤退だ!!」

 

 その言葉とともにデルタが無数の電撃を一斉に落とす。

 

――――テレポート ナウ!!

 

 その爆発にまぎれ、グレムリンの魔法で転送して逃げてしまった。

 

「ぐぅ・・・。」

 

 みすみす逃がしてしまった事に僕達は呻く。

 

「・・・あいつらをあのままにしておくと・・・黒歌さんが・・・。」

 

「黒歌?どういうこと?」

 

「話をきかせてくれないか?彼女とは知り合いだ。」

 

 僕達を助けてくれた人達がこっちにやってくる。

 

「どうやら、こっちも事情を知る必要があるみたいだな。」

 

―――――彼女に危機とはどういうことだい?

 

 Wも変身を解く。

 

 どうやら僕達も変身を解いて、皆の協力を仰がないといけないらしい。

 

 これが僕達「ナイトカーニバル」と欲望の王。そして騎士王の子孫達と、二人で一つの探偵たちの出会い。

 

 僕達にとってかけがえのない友人となる彼らとの話がここから始まる。

 

 

 

 

SIDE イッセ―

 

 さあ。俺達はついに冥界に足を踏み入れる。

 

 まさか駒王町の電車の遥か地下に冥界へのプラットフォームがあったなんて。

 

「・・・はあ。でも私はあえてツッコミたい。ゼノヴィア、お願いだからあなたの電車をこの電車に連結させないでよ。」

 

 まあ、その電車にゼロライナーが後ろに連結してしまったけど。

 

「冥界への道を走ってみたいと思って。一度通れば、自由に冥界にいける。パスもできたし。良太郎もデンライナーを連結させとけ。覚えて損はない。」

 

「うん。それもそうだね。」

 

「・・・はあ。時を走る列車が冥界を走る日がくるか。それも乙かも。」

 

「いいのか?それって本当にいいのか!?」

 

「・・・外交問題にならないかい?」

 

 ネロのツッコミと渡の心配にたいして、部長は平然としていた。

 

「はあ、まあ考えてもみれば、覚えて損はないわ。いざという時のためにやっておく。ゼノヴィアも良太郎はこっちの眷属なんだし使える物は増やしておいて問題ないわ。」

 

 部長、決断早っ!!

 

 その後ろからデンライナーまで連結。こいつらやりたい放題だな。

 

 そんな感じで冥界列車の旅を存分に楽しんだわけだ。列車も、そしてゼロライナーとデンライナーも皆で堪能した。

 

 正直・・・はしゃぎ過ぎて疲れたくらいだ。

 

 そんな感じでいざ冥界へ。

 

 そして、たどり着いた先には・・・。

 

 何故か匙と浩介の姿が駅のフォームに。

 

「やっと来たか。」

 

「待ちくたびれたぜ。」

 

 その後ろからソーナ会長まで・・・。

 

「はあ・・・お姉様とサーゼクス様の提案です。今回は大騒ぎになるからまとめてしたほうがいいと。」

 

 ソーナ会長の言葉の意味を俺達は身を持ってしった。

 

 駅の先は・・・まるでパレードのような大歓迎だったからだ。

 

「・・・・・・。」

 

 何でそんなに大歓迎を?

 

「その理由の一つはサイガ君です。」

 

「へっ?私?」

 

「・・・何しろ、ようやくお姉様が見つけた女王にして、婚約者です。」

 

「・・・えっ?婚約者!?」

 

 婚約の話にサイガの奴がびっくりしてやがる。

 

「お付き合いはしているけど・・・、婚約って。」

 

「それだけのことなのを自覚してください。何しろ五大魔王の紅一点にして、中々決まった相手を見つけなかった姉様。その姉様がついに結婚。その生涯の相方となる女王。冥界中のマスコミがそのお姿を見たくて殺到しているのですよ。ようやくレヴァイアタン眷属、最強と名高い女王のお披露目ですかね。」

 

 魔王の眷属にして、婚約者。それってすごいことなのね。

 

「・・・えっと。そんなすごい騒ぎに。」

 

「そうだよ。私と付き合うって言う事はそう言う事なの。」

 

 そこに正装をしたセラ様がやってくる。

 

「私が見つけた運命の相手だもん。それくらいは覚悟してほしいわ。あなたの夢のためにもね。」

 

 セラ様がサイガの元に飛び込むようにやってきて。

 

 何とキス!?

 

 突然の行動にびっくりする俺達。

 

「・・・もう。不意打ちはずるい。」

 

「この前のお返し☆」

 

「もう、今度は私が先にって予約していたのに。」

 

 あれ?なんかすごく恋人らしい会話。それもすげえラブラブな・・・。

 

「あまり時間は取れないんだよ?サイガ君はここで合宿することは決定しているし。・・・今日は実家でお父様とお母様に挨拶を・・・。」

 

「・・・マジなの。」

 

「そう言う関係で、そのサイガ君の女王でもあるポルム君も一緒にね。」

 

「・・・うわ~、勘弁してほしいな。何が悲しくてこんなラブラブを見せつけられにゃならんのだ。」

 

 ポルムの半端じゃない嘆き。こいつは結構サイガとセラ様、ツクヨミ先生のデートを目撃。女王でもあるので一応監視している。

 

 だが、その監視の跡、決まってこいつげっそりした様子で帰ってくるのだ。

 

 その時のポルムの一言。

 

「・・・砂糖を吐きそうな気分が良く分かった。甘い物は当分食べたくない。おのれ・・・余にここまでの精神的ダメージを。」

 

 仲よろしくてよかったですね!!チクショウ!!

 

 実際、セラ様は魔王として忙しく、サイガも魔戒騎士として仕事もある。ツクヨミ先生も神様の仕事があるのでので時間を取るのが大変らしい。それをポルムが頑張ってセッティングしている。

 

 短い時間の中で必死に絆を深めあっている形だ。

 

 あいつ・・・それを色々とフォローしているな。

 

「・・・覚悟はしていましたが、歳下の義兄ができるのは私としては少々複雑です。」

 

 ソーナ会長はため息をついている。

 

「そして、二つ目の理由ですけど、巧さんとネロさんです。新たなスパーダ眷属の兵士。お二人にもすごい注目が集まっているのです。」

 

「俺が?」

 

「目立つのは得意じゃないが・・・。」

 

 ネロと巧はそれぞれびっくりしている様子だ。

 

「仕方ないでしょう。ネロさんはスパーダの血を引く、五大魔王ダンテ様の甥にして、ギルスの力を持っています。冥界最強の兵士になるだけのスペックを持つ。巧さんだって、オリジナルオルフェノクにして、五大ギアの一つ、ファイズでもあるのですから。ファイズの活躍は冥界でも有名ですし。あなたは冥界では堕天使、悪魔関係なく子供達をたすけていましたよね?実はあなた・・・子供達からすごい人気なのですよ?」

 

 そう言えばこいつらもその生まれの背景も活躍もすごかったわ。

 

「まあ、ネロ君の場合はあの四大天使ミカエルの娘、キリエさんと恋人で、巧君の場合はグレゴリの王子にして、あの総督アザゼルが溺愛する息子。ついでに猫舌と言う事も大きいよ。いや~冥界特番でその情報が流れた時には唖然とするみんなの顔ったら・・・。」

 

『ちょっとまて!!どこまでプライベートが暴露されている!!?』

 

 セラ様が語るとんでもない情報に詰め寄る二人の気持ち分かるわ~。

 

 すげえな。おい!!冥界のマスコミが怖い!!

 

「はあ、そして最後は兵藤君とアーシア。貴方達です。」

 

 あれ?最期、なんで俺とアーシアなの?

 

「おいおい。お前、自分の立場を考えてみろ。」

 

 呆れた様子の鋼兄。

 

 そう言えば俺って、正式に神様の後継になったか?それでその騒ぎ?

 

 呆れた部長が説明してくれる。

 

「イッセ―。あなたの存在は冥界にとっても特別なの。あなたは冥界、天界の両方を平等に、そして平和にすることができる存在。いわば三勢力和平の象徴なの。」

 

 えっ?三勢力和平の象徴?

 

 俺が?

 

「あなたが神になれば、私達は争う必要もない。三勢力の皆から認められたあなたはいわば冥界の希望。そして、天界はもちろんそれは世界にとっても一緒。あなたは世界にとって今や、最重要人物なのよ。アーシアにいたっては、最も進化し、数々の奇跡を起こす極めて神に近い存在。イッセ―と共に世界を平和に導く大切な女神とされているわ。」

 

「それをリアス。あなたが二人とも眷属にした子なのだから・・・。グレモリ―家は大騒ぎでしたよ。神となる子と縁を結んでしまったと。」

 

 ソーナ会長と部長のため息は深い。

 

「ほんと・・・お母様が気を失うなんて、私が知る限り初めてのことよ。実家の皆が、どうやったらそんな怪物という言葉ですら生温い連中を眷属にできるのかと戦慄していたし。他のメンツも大概な事になっていることを知ったらお父様ですら卒倒しちゃったし。止めに剣崎。あなたを使い魔にしたことかな?」

 

「えっ?」

 

「君は駒価値で言うなら軽く見積もっても兵士の駒八個じゃ足りない。スペックだけ見ても龍王クラスは確実だからね。」

 

 サーゼクス様が剣崎さんを的確に分析している。しかし龍王クラスは確実って・・・。

 

「・・・あなたそんなにすごいの?」

 

 流石にこれは予想外だったのだろう。部長が剣崎におそるおそる問いかける。

 

「そんなに強かったかな?」

 

 色々と残念な部分はあるけど、決めると事は決めるよね?

 

「いやいや・・・剣崎さんレベルのテクニックで強くなかったら僕はどうなるの?」

 

 佑斗の奴が必死で否定している。

 

 どうやらあいつは剣崎さんのとんでもない何かをみてしまったらしい。

 

「それに加えて、高すぎて、最早意味不明なレベルのテクニック。もう神業と言うべきだろう。それについても報告は貰っているよ。異世界の旅で我々の世界の外の超人的な技を得ていることをね。そして、あの二天龍の娘たちを弟子にして色々と教えていることもね。」

 

「・・・・・・・。」

 

 二天龍の娘たちの師匠となる男。それが部長の使い魔だ。

 

「私・・・またやっちゃったの?またイッセ―繋がりでとんでもない規格外を引きいれたの?すごく有能なのはわかっていたけど、あの子達の師匠になっているのは初耳よ!?」

 

「リアス。君のその出会いと言う名の才能、いや最早「奇跡」は冥界どころか全世界に轟いているよ。我が妹ながら・・・恐ろしいよ。」

 

サーゼクス様ですら戦慄しているほどか。

 

 ・・・話を聞けば聞くほど。俺達すごい事になっているみたいだ。

 

 今更ながら実感が・・・。

 

「ははははは・・・まあ、そんな政治的な事情は置いといて、歓迎するよ。イッセ―君!!我が義弟として!!」

 

「そう言う事だ。俺達が直々に歓迎してやるぜ。ようこそ、冥界へ。」

 

 サーゼクス様とダンテ様が直々に出迎えてきた!?

 

「はあ・・・面倒臭いけど、こればかりはしかたない。」

 

「ふう・・・初めて会えたよ。子達の幼馴染に。」

 

 その後ろから見慣れない方がお二人?

 

「・・・アシュ君、ファルビー君まで。五大魔王、公の場では久しぶりに大集合だね。」

 

 えっ?あの方たちも魔王?

 

 つまり俺って・・・五大魔王全員から歓迎されているのですか!?

 

「・・・すごいです。」

 

 俺達ってすごいことになっているよな?

 

「へえ・・・この人が僕の義兄様になる人なんだ。」

 

 サーゼクス様の傍にグレイフィアさんと一緒に赤毛の子がやってくる。

 

「ミリキャス。久しぶりね。」

 

「はい。リアス姉様。」

 

 後からその子がサーゼクス様とグレイフィアさんの間の子供だと知って俺はびっくりする。

 

 サーゼクス様って自分の女王と結婚していたんだ。

 

 そして・・・。

 

「へえ・・・。この人がユウナお姉様の・・・。」

 

 ダンテ様の傍には銀色の長い髪をポニーテールにしたミリキャスと同じくらいの女の子がいます。

 

 ユウナの名前を出しながらまじまじとみている。

 

 すごく可愛い。将来は絶対に美人になる。断言してもいいぜ。

 

 純粋可憐なお嬢様って感じがする。

 

「そんで、この人が私のいとこなんだ。」

 

 次にその女の子がネロをマジマジと見ていとこ発言だと!?

 

「いとこ?んん?」

 

 ネロが固まる。その目で魔力などを見ているのだろう。段々とその顔が驚愕に染まっていく。

 

「おっ・・・おい、ダンテ。まさかとは思うがこいつってまさか・・・。」

 

「挨拶しろ。一応公の場なんだから。」

 

「まったくお父様ったら、相変わらず驚かせるのが大好き。でも、私も大好きなの。いい止めになりそう。」

 

 いたずらめいた不敵な笑みは・・・ダンテ様も女の子もそっくりだった。

 

 しかもダンテ様に対するお父様発言。これは・・・。

 

「初めましてネロさん。私はテレサ・スパーダ。五大魔王ダンテ・スパーダの一人娘です。」

 

 大変可憐な笑みでとんでもないことを言ってきやがった!!

 

「だっ・・・ダンテの娘だとぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 ネロの絶叫が辺りに轟く。

 

「はあ、ネロ。お前はなんていいリアクションをする。」

 

 その後ろから出てきたクレドさんが苦笑している。

 

「あらま・・・かわいらしい子ですね。」

 

「あら?あなたがクレド伯父さまの妹なんだ。へえ~すごく綺麗な人。」

 

 キリエさんを見てはしゃぐテレサちゃん。

 

「そうそう、私。ついでに言うならミリキャスの許嫁です♡。」

 

・・・許嫁?

 

 目を点にする俺。

 

 苦笑する部長達から見て、どうやら本当らしい。

 

 ミリキャスの腕を組んでくるテレサちゃん。

 

 こっ・・・この歳でもう・・・リア充だというのか!?

 

「ミリキャス、テレサったらもう・・・あっ、ソーナお姉様!!」

 

 その後ろからミリキャスとテレサと同じくらいの歳のメイド服を着た黒髪の女の子がやっていたぞ。

 

「ふふふ・・・久しぶりですね。」

 

「はい。セラお姉様と合わせて姉妹三人が揃うなんて久しぶりです。リアス様も久しぶりです。」

 

 ・・・どうやらまだ身内がいるらしい。

 

 こんどはシトリー家か。

 

「あっ・・・初めまして。特に・・義兄様になるサイガさんには。私はレイア・シトリー。シトリー家の末っ子です。」

 

 しかもメイドの姿をしている。

 

「レイアちゃんはメイドマニアなの。その関係でグレイフィアにメイドとしての色々な指導をうけてねえ。まあ・・・メイドのたしなみとは思えない技能も幾つも持っているけどね。」

 

 ・・・また濃い子が増えたぞ。

 

「ふふふふふ・・・久しぶりだな友よ!!」

 

 あれ?そこにすげえ背の高い男がやってきたぞ。

 

 赤髪をして・・・なんかサーゼクス様と少し似た風貌の男。

 

「ああ。久しぶりだ。」

 

 その彼と鋼兄が互いに視線を交わし合い・・・。

 

『ふん!!』

 

 唐突に拳をぶつけ合った!?

 

 ぶつけ合った時の衝撃は凄まじく、あたりに大爆発のような轟音と凄まじい暴風のような衝撃波が撒き散らされる。

 

 なっ・・・なんていうパワーだ。

 

 俺達が吹っ飛びそうになったぞ。

 

『・・・・・・。』

 

 二人は無言で拳を引く。

 

『・・・フ。』

 

 そして、笑う。

 

「さらに強くなったな。すでに鬼にはなれるのか?」

 

「ああ。それにそっちこそ、さらに出来るようになった。強敵と戦ったみたいだな。」

 

 二人はそう言葉を交わしあう。

 

「歓迎しよう。友よ!!」

 

 そして次の時には拳を軽く差し出し、上、下とぶつけ合って最期に握手。

 

「・・・お前もそれを知っているのか?まさか・・・。」

 

「最近、もう一人友ができてな。そいつから教えてもらった。あとで紹介する。まあ必要はないだろうがな。」

 

 その男は苦笑しているあたり、大体誰か想像できる。

 

「あの時は本当にお世話になったにゃ。」

 

 黒歌の頭を深く下げる。

 

「お前達は、俺達バアル家も歓迎する。俺の夢のために鬼という物を教えてくれた友。そして・・・。」

 

 そいつが俺に向けて拳を突き出す。

 

「おれの名はサイラオ―グ・バアル。バアル家の次期当主だ。よろしく頼むぞ。次期神様。」

 

「ちなみに私のいとこでもあるの。」

 

「はっ・・・はい。」

 

 俺はサイラオ―グさんの拳に応じ、拳を上、下とぶつけ合い、握手をした。

 

 そして、それだけで分かった。アギトの力を介して伝わってくるのだ。

 

「・・・すごく苦労したんだ。」

 

 その言葉にサイラオ―グさんは軽く驚いた様子。

 

「ほう。分かるか?」

 

 その人が血をにじむような努力と数々の挫折を乗り越えてきた猛者であることを。

 

「こっちはまだまだですよ。まだ力に俺自身が追いついていない。魔法の才能もあまりないですし。」

 

「そうか・・・。お前もまた努力をして来た男ということか。その身に余る力と向き合うために。ある意味俺とは逆だが、ある意味俺と同じということか、面白い。」

 

 俺達はそれだけで分かりあってしまった。

 

「鋼鬼。お前が気にいることはある。こいつとは手合わせをしてみたいものだ。己の総てを賭けてぶつかり合う価値があるぞ。」

 

「わかってくれるか?この熱血馬鹿のことを。」

 

「ああ。」

 

「・・・サイラオーグ。あなたまでイッセ―を気にいるの?」

 

「少なくとも、お前が神になれば、この世界はより面白くなる、それは確信したよ。」

 

 何がどうなったらそう言う評価になるの!?

 

「すごい。これが兄様の認めた男達。」

 

 んん?サイラオーグの傍にミリキャスにと同じくらいの歳の男の子がいるぞ。長い赤髪をした・・・なんかやんちゃそうな子だ。まるで赤い獅子のような子。

 

「来たかいはあるだろう?」

 

「はい。なんか燃えてきた!!」

 

「ああ・・・この子がお前の手紙にあった・・・。」

 

「初めましてみなさん。俺はアスフェイ・バアル。サイラオーグ兄様の弟です。」

 

 この人に弟がいたのか?

 

「・・・あの・・・鋼鬼さん。」

 

「ああ。嵐、来ているよな?」

 

「はいはい。」

 

 いつの間にか嵐さんが鋼兄の後ろに登場しましたよ!?

 

 この人・・・列車についてきたのか?まじで?

 

「話にあったお前の忍術をご所望の子だ。忍びとして色々と教えてやってほしい。」

 

「へえ・・・彼が。鬼の修行も一緒にやっていると聞きましたが?」

 

「だが、まだ鬼になることはできん。身体が出来ていないからな。」

 

 鬼になるにはちゃんと身体が出来上がってからでないと無理らしい。まあ、響鬼という鬼の中で子供ながら変身したという例外はあるが少なくともあの子にはまだ早いという判断だ。

 

「でも、今のうちに色々と勉強したくて。特に忍者その響きが大好きで!!」

 

「そして、こいつは忍者マニアだ。すでに独自の研究はかなり者のだぞ。俺だって油断ができん。」

 

「いいでしょう。色々と教えてみましょうか。」

 

 忍者マニアの弟。

 

 そして・・・ある子がひっそりとやってくる。

 

「やっと見つけた。」

 

 淡いグリーンがかかったブロンドの髪をツインテールにしたその子。歳はうん・・・アスフェイ君と同じくらいに見える。何処となく猫っぽい子だ。

 

 服がチャイナドレスっぽいのが気になるけど。

 

 その彼女をみたユウナが「あら?」と少し驚いている様子だ。

 

 それが、まっすぐと巧に向けてやってくる。

 

「お久しぶりです、巧様。私の名はイリーティ・アガレスです。えっと・・・巧様にお聞きしたい事があります。私の姉の事覚えていますか?」

 

「・・・姉?ああ、アガレスっていうと、お前は確かあいつ・・・シ―グちゃんの妹。そうか、あの時の子か。大きくなったな。気付くのに時間がかかった。」

 

「はあ、私のことも何となく覚えていましたか。はい、察しの通りアガレス家次期当主。シ―グヴァイラ姉様のことです。四年前にあなたが助けていただいた・・・。」

 

「・・・あいつもそう言えば次期当主になったんだっけな。その緑のブロンド。シ―グちゃんにそっくりだ。」

 

 あっ・・・あれ?巧の知られざる交友関係が明らかに・・・。

 

「今は別の要件でいませんが、姉様から伝言があります。「助かったのなら顔位みせなさい!!」と。」

 

「・・・はあ。まあ、あいつには一応助かったとメールは送ったんだが。んん?」

 

 俺を初めとした皆が一斉に巧を見る。

 

 もちろんジト目だ。

 

「巧?あなた・・・シ―グヴァイラと知り合いなの?」

 

「意外な繋がりが・・・。」

 

「ああ。まあ、知らない仲じゃねえよ。一日一回ほどメールのやり取りをする仲。」

 

「巧。まさかお前・・・女なのか?それはお前の女なのか!?」

 

 アザゼル先生ですら知らなかったのですか?

 

「俺も初耳だ。いや・・・ショックだよ。まさか彼女がいるなんて。どうしておしえてくれなかったのかな?」

 

 ハルトが優しく、巧を問い詰める。

 

「うそ・・・シ―グの言っていた彼って巧君の事なの?ねえ、あなたシ―グの・・・。」

 

 ユウナが驚いた様子で巧に詰め寄る。

 

「・・・あのな。彼女じゃねえよ。ただ四年前に助けただけで・・・。」

 

「そのことについては報告を受けている。だが、交流は今でも続いていることは聞いていない!!一体どんな女だ!?」

 

 そして、誰よりも必死の形相で問い詰めるアザゼル先生。

 

「だから・・・シ―グちゃんとは。」

 

『・・・・・・。』

 

「・・・驚いた。まさかあの子達にそんなつながりが。しかも愛称で呼ぶ程だなんて。」

 

「巧君を助ける件で、アガレス家から秘密裏に協力はあったんだ。彼には大きすぎる借りがある。そのために手を貸すと言う感じでね。でも、そんな裏があっただなんて。」

 

「へえ~。面白いことになってんじゃねえか。俺もすげえ奴を眷属にしたもんだ。」

 

 魔王様同士で感慨深く話しあっている。

 

 だがあえて俺は言ってやる。

 

「この裏切り者・・・。」

 

 女の気配など全くないと思わせておいて、巧の奴・・・しっかりとそう言う奴がいやがった。

 

「・・・あのね。イッセ―君。君はそのセリフを言う資格はないよ。」

 

「うんうん。」

 

 佑斗と良太郎の奴がそういうが、それでも結構ショックなんだぞ!!

 

「・・・はあ。これはお姉様も苦労するわ。共通の趣味を持っているから意気投合はしているのに・・・。」

 

「私達で何とかフォロー出来ればいいですけど。」

 

「でも、典型的な厄介なパターンよ。これって。」

 

 あそこではため息をつくイリ―ティちゃんにレイアちゃんとテレサちゃんが加わってひそひそと話しあっている。」

 

「私達のお姉様達に相談すべきよ。特にセラお姉様は参考になると思うわ。」

 

「お姉様。実はユウナ様と交流がありまして、すでに色々と相談しているとか。」

 

「まあ・・・私達の繋がりですでに顔見知りではあったからねえ。」

 

 あの三人娘・・・仲良いな。

 

「あの子達・・・幼馴染だから。ついでに言うならアスフェイとミリキャスもね。あの五人ですでにグループが出来てしまっているわ。」

 

 悪魔っ子五人グループか。

 

「さて・・・リアスの眷属達はグレモリ―家でもてなす。」

 

 俺達はどうやらグレモリ―家に行くみたいです。

 

「俺の新しい眷属は当然、俺の家だわな。スパーダ家に招待してやる。アザゼル、渡。お前達も招待してやるぜ?俺のカミサンの料理でも食べていけ。」

 

「ああ。ダンテ、あんたの奥さんの顔を見せてもらうぜ。」

 

 ネロ、巧の奴はアザゼル先生とユウナと共にスパーダ家へ。

 

「鋼鬼。そこの奥さんと一緒に来るがいい。もうすぐ行われる鬼の修行の打ち合わせをしたい。嵐殿も・・・」

 

「あらら・・・まさかこの私がバアル家の客人となる日がくるにゃんて。」

 

「俺の相棒が作ってくれた酒・・・共に飲もうか?」

 

「おう。一度飲んでみたかった。」

 

 鋼兄と黒歌は嵐と共にバアル家へ。

 

「サイガ君とポルム君、ツクヨミちゃんは私の実家だよ。三人でお父様達に御挨拶だ~!!」

 

「まさかこんな日が早くも来るなんて。」

 

「・・・まあ、がんばれ。」

 

 頭を抱えるサイガはポルムと共にシトリー家へ。

 

「それでツクヨミちゃん、いよいよ今晩だよ?覚悟はいい。」

 

「えっ・・・ええ///!!覚悟はできましたとも。勝負下着も・・・。」

 

 サイガにはせいぜい爆発しろと言ってやるぞ!!!

 

 お二人がなんか顔を赤らめながらひそひそと話しあっているし。

 

――――ちなみに僕達は影から護衛と言う形で見守っているからよろしく。

 

――――まったく、お前達が来ると冥界が大騒ぎだぞ。

 

 テレパシーで翔太郎とフィリップの意思が伝わってくる。あいつらもここにまぎれて俺達を護衛しているらしい。

 

「・・・ははは。本当にすごいことになっている。久しぶりだね。」

 

 そこに見覚えのある顔がやってくる。

 

「そうそう、リアス。この人を紹介しよう。ミリキャス達を助けてくれたみたいでね。まあ、純粋な人間ではないがいい人だよ名前は・・・。」

 

「・・・エイジ兄・・・。」

 

 俺は思わず名前を呼んでしまう。

 

『え゛?』

 

 その名に皆が固まる。

 

 俺の声を聞いたエイジ兄さんは微笑む。

 

「久しぶりだね!!元気そうでよかったよ!!しかし、驚いたよ。イッセ―君達はなんでこんなに大歓迎されているのさ。」

 

「いや、驚いたのはこっちもだって!!なんでここにいるの!?」

 

 あちこちを旅していたエイジ兄さん。どうして冥界に来ているの!?

 

 そんな時だった。

 

 部長が俺の肩を優しく叩く。

 

「また・・・あなたの幼馴染なの?」

 

 その言葉はその場にいる皆の意思を代表したものだったらしい。

 

 視線で皆も同じ様な意思を伝えてくる。

 

「はい。昔近所にいたお兄さんです。あちこち旅をしていてその話を色々と・・・。」

 

 懐かしい。いや本当に。

 

「・・・エイジさん。久しぶりです。それとアンクも。」

 

 あれ?渡の奴知り合いか?

 

 それとアンクってだれ?

 

「お前さんも相変わらずだな。」

 

 そこに紅い腕だけの何かが現れた!?

 

「・・・イッセ―。あえて聞くわ。今度の幼馴染はどんな人外かしら?」

 

 すごく頭痛そうな部長ですけど、俺にだってわからん!!

 

「あのさ・・・エイジ兄・・・。一体何があったの?」

 

「それはこっちのセリフだよ。」

 

 どうやら・・・色々と語り会う必要がありそうだ。お互いに。

 

 

 




 ついにこの章で合流するエイジさん登場です。

 でも・・・ひなさんを無双させすぎました。


 いや・・・敵からしたら最悪の組み合わせですわWW



 さて次回はそれぞれの家での歓迎風景をまず書きたいです。

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