赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 今回は二話だけですが、これで幕間は終わりです。


 次回の投稿から五章にはいります。

 その前に色々と予告も入っています。


別れと新たな出会い、そして嵐の予感です。

SIDE とあるエリートパイレーツ。

 

 今自分たちは大変興味深いサンプルを捕まえた。

 

 一体はこの星の生命体の中でも上位にいると思われる三つ首の生命体。

 

 後二体は、ヒーリングを使う二体の生命体だ。

 

 その力・・・大変強力と見た。

 

それを解析すれば・・・。

 

「はえ~景色が全然見えないです。」

 

「音速で飛んでいるからですね。」

 

 あっ・・・あれ?

 

 なんでこいつら普通に喋っているの?

 

 言語その物は翻訳できている。

 

 だが、問題はそこじゃない。

 

今自分達四人は音速で飛んでいるといる。

 

それに伴いこいつらに凄まじい気流などが襲っているはずなのに、何でこいつら平気なの?

 

 あの生命体にヒーリングをかけ続けているし。

 

「あっ・・・私が障壁を張っていますので喋れるのですよ。」

 

「そうなんですか。この世界の私って色々できますね。」

 

 なん・・・だと?

 

 そんな力を有しているというのか。

 

「その気になればテレポートで逃げる事が出来るのですが・・・せっかく追いかけてくれているのでそのまま捕まったままにしましょう。」

 

 なんでこいつら、平然としている?

 

 あれ?そう言えばこいつら、とんでもないことを言っていなかったか?

 

 追いかけてきていると。

 

「アーシアちゃん無事か!!」

 

 その声がした方を見て、自分の頭が可笑しくなったかと思った。

 

「サイガさん。冥界の用事は大丈夫ですか?」

 

「一応片付いたよ。セラさんと一緒に戻ってきたんだけど、いきなりお祭り騒ぎで、驚いたよ。これが日常になりそうで怖いし。」

 

 それは鎧の騎士だった。まるで龍のような鎧。それが黄金に輝いている。

 

 それが乗るのは、馬と呼ばれる生命体と思われる。

 

「轟竜さん・・・黄金に輝いていますね。」

 

「俺はどうやらサイガの力を受け止めるだけの器だったらしい。まったく、阿呆みたいな力を発揮して。俺の力がさらに上がってしまったぞ。体の色も変わったし。ふふふ黄金というのも悪くない。」

 

 その馬は呑気に喋っている。

 

「格好いいです~。あの人誰です?」

 

 呑気なやり取りをしているが、可笑しい事に気付いてほしい。

 

 今自分達、四人は音速で飛んで逃げている。

 

 それにあの馬は・・・平然と追いついているのだ。

 

 しかも息を切らさずに平然と喋る余裕すらある。一体どんな化け物だ?

 

こんな阿呆みたいなスペックを誇る生命体、見た事がないぞ!!

 

「・・・・・・えっと。この世界はそう言うのはごろごろいますので気にしない方が。」

 

「ああ、すまないって・・・えっ?」

 

 あれ?今、心読まれていませんか?

 

「ははは・・・はい。出来れば降参を薦めます。」

 

 どうして、そう言ったのかその答えが追いついてきた。

 

「うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ドッ・・・どんなバイク何だよこれ!!」

 

 そこには二人乗っていた。

 

――――二人乗りでも爆走だぜい!!

 

 それはバイクと呼ばれる物。それが追いついてきたのだ。

 

 しかもバイクが喋っている。

 

「でも、仮面ライダ―って言えばバイクだよな!!それは納得したぜ!」

 

「分かるか?このロマン!!」

 

「おうよ。まあ、生きたバイクって言うのもまたすげえがな。」

 

 他にも色々と追いついてきた。

 

「行け・・・ガメラ。」

 

「最初からこうやって飛んで欲しい。」

 

 空飛ぶ亀らしき物体。その上に二人の少女がいる。前足を翼のようにし、顔を出し、後ろ足の部分からジェット噴射で飛んでいるのだ。

 

「久々に全力で走れるな!!レイダ―!!」

 

――――そうだぜあんちゃん!!

 

「今回はお前にアクセルメモリを使う必要はなかったが・・・捕まえる競争をすんのなら使うか?」

 

―――――アクセル。

 

「共に、ぶっちぎろうぜ?」

 

―――――これで俺は最速だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

「あなた達何をやっているのですか!!」

 

 そこに白い翼を生やした女性がやってきただと!?

 

「げっ、キリエ?なんでお前・・・。」

 

「父様に高速で飛行するための訓練をしていますから。天界の研修帰りにこの騒ぎを聞きつけてやってきたの。」

 

「みんな頑張っているね。」

 

 そこに金と赤の翼竜みたいな奴までいる。

 

――――なあ、渡、お前意図的にその姿になれたか?

 

「・・・それに関しては分からない。エンペラーバットに意図的になれはしたけど、ここまで理性を残せるのは・・・。前の暴走の影響かな?」

 

――――もしかしたらオ―フィスの譲ちゃんが関係しているかもな。

 

 腰に着いている変なコウモリモドキとのんきに喋っている。

 

 その上には同じ顔をした少年が二人。

 

「狙いをつけます。いきましょう!!」

 

「すべて・・・止めます。」

 

 何か二人ともこっちを凝視している。何をしようとしているのだ!?

 

 突然凄まじい衝撃波と光が襲いかかってくる。

 

 後ろを見ると天まで届く尾様な凄まじい火柱がまるで壁のように一斉に上がっていたのだ。

 

 その数・・・軽く見て百・・・二百を超え、空一面を覆う炎の壁となっていた。

 

 その火柱を突破してドラゴンと呼ばれる生命体が四体出現。

 

 小さいのも四体。

 

 あと謎のいも虫みたいな奴もやってきている。

 

 どうやら、あっちの連中は一瞬で全滅か。一万体の同胞が、時間稼ぎにもならない。

 

なんだ、あいつらは化け物か?

 

 そろそろ覚悟した方がいいのかもしれない。

 

 なんだ、この星は?タ―ロンやフェイザすら生温く感じるぞ。

 

「・・・降参するのなら伝えますよ?」

 

 彼女が全く不安に感じなかった理由はそこにあった。

 

 どんな事態にも対応できるという自信があったからだ。

 

「是非頼む。」

 

 自分は他の奴らに視線を向ける。そして、皆が同じ思いだと知る。

 

 逃げ切れれない上に、戦っても敵わない。

 

 自分達は、こいつらの元に下ることを決意した。

 

 のちにその判断が正しかった事を思い知ることになる。

 

 呪われていると思っていた自分達の人生の大転換となった。

 

 

 

Side イッセ―

 

 はあ・・・終わった終わった。

 

 しかし、四人ほど降参してくるのには驚いた。

 

 ラッセ―とアーシアをさらった連中なんだけど、こっちが追いかけてくる光景と、アーシアの説得に、降参を決めたらしい。

 

 それ以外に・・・朱乃さん達とユウナに調教された連中も・・・。

 

「この世界、エイリアンがでてくるんだな。いや・・・俺達の世界よりも色々と混沌として・・・。」

 

「いや、さすがにエイリアンは想定外だぞ。」

 

 ついにエイリアンまででるようになったか。ドラゴンはもとより、ホラーに魔化魍、怪獣も現れていたけど、ついに宇宙か。

 

「ははは!!今度は宇宙怪獣の出番かな?」

 

『!?』

 

 その言葉に皆が固まってしまった。

 

「お願いだからあなたがそれを考えないで。アギトが言うと、現実になるフラグでしかないから。」

 

 部長が疲れた様子で俺に注意をする。

 

 あれ?そんなフラグってありましたっけ?

 

――――――エマージェンシー。えっと・・・宇宙から何かが接近しているよ。

 

 その時、何故かフィリップの奴からテレパシーにてとんでもないセリフが出てくる。

 

 現れたのは銀色の謎の物体。その中から銀色の物体が降り立ち・・・巨大な怪獣に変身した。

 

『・・・・・・・。』

 

 皆の視線が俺に注がれる。

 

 その視線にはこのような意思が込められていた。

 

――――――お前のせいか。

 

 ちょっと!!俺のせいだというのか!?

 

「口は災いの元ね。皆・・・もてなしの準備はいいかしら?」

 

 こちらの世界の部長の声に反応したのか巨大な宇宙怪獣・・・オルガがこっちに向かって走り出すが・・・。

 

 上空からすごい勢いで落ちてきたある人物がオルガを殴り飛ばした。

 

 五十メートル以上の高さはある巨体が吹っ飛び転がっていく。

 

『・・・・・・・。』

 

 それを唖然として見る異世界の俺達。

 

「もてなしってこっちのほうでいいのか?」

 

「ええ。食前酒にはなるわね。」

 

 それはでかい相手に関して安定の破壊力を誇る鋼兄です。

 

 もちろん変身している状態ですが・・・はあ、怪獣を殴りとばしますか。

 

「最近活躍あまり出来ていない気がする。思い切り暴れてくれる。」

 

 すごくやる気を出している。

 

「前菜はこっちがやろうかしら?変身。」

 

 部長が再び紅のキバに変身しましたよ?

 

「おっ・・・おい、お前らツッコミはなしか?」

 

 まあ、あんな光景、異世界の俺から見たら可笑しいか。

 

 察することはできる。

 

 でもな、厳しいがこの世界って奴は・・・。

 

「この程度で突っ込んでいたらこの世界では生きていけない。」

 

「・・・何その世界!?」

 

 何その世界って、それが俺達の世界だから仕方ない。

 

「この世界のイッセ―の幼馴染という名の怪物連中にもまれてみなさい。常識というのがいかに脆く、そして、どれだけ馬鹿馬鹿しいものだと悟りが開けるから。」

 

 俺のコメントに続いて部長が言う。

 

「・・・そう。この世界の私・・・苦労しているのね。」

 

 異世界の部長が察したようで軽く肩を置く。

 

「・・・こうなったら総力戦だ。みんな鋼兄に負けるな!!」

 

『おう!!』

 

 その言葉に立ちあがりつつあった宇宙怪獣オルガが悲鳴を上げたような気がした。

 

 そこからはもう・・・やりたい放題だったとだけ言っておく。

 

 

 

Side ポルム

 

「へえ・・・これが宇宙戦艦ねえ。」

 

 僕達はあのエイリアン達がいた宇宙戦艦を発見し、そこにいた連中を片付けながら、色々と見て回っていた。

 

「興味深い。いやいや、異世界のテクノロジーをこうやって見れるなんて!!」

 

 フィリップ殿を誘ったら、すごい喰い付きだった。

 

「う~む。なるほどねえ。一度宇宙船という物作ってみたいと思っていたんだ。あと、かなり先のことだけど、人口増加も考えてコロニ―建設も・・・。う~ん夢が広がる!!」

 

 アシュカ殿まで来ているのには驚いたけど。

 

「全くだぜ、いや~これはすごい。」

 

 異世界のアザゼルさんとこの世界のアザゼルさんもしみじみとみている。

 

「・・・あの世界のごたごたが終わったら宇宙旅行っていうのも乙だな。そのためのテクノロジーを今のうちに収集しておこうかね。」

 

「いいねえ。でも、ポルム。お前は知っているみたいだな?」

 

「まあ、行ったことのある世界の文明の物ですので。」

 

 まさか、あの世界の宇宙船が落ちてくるとは。

 

「スペースパイレーツがこの世界に来るなんて、予想外もいい所だ。まさか・・・マザーブレインまで来ているわけ・・・ないよな?あの攻撃で消滅させたはずだし。」

 

 まずい。航行記録を見ても事故で途方もない距離をワープしてしまい、この星に来てしまった事が分かった。

 

 つまり・・・あの銀河連邦はコッチの世界と物理的に繋がっているという事。

 

「・・・マジですか。」

 

 頭が痛くなる。あの銀河連邦に怒りに任せて、やりたい放題やってしまいましたよ。

 

 これがきっかけで宇宙にも目が向けられる。ははは・・・どうしようか。

 

「・・・どうする?お前が崩壊寸前までに暴れまわった世界だろ?」

 

 アザゼル。頼むから痛いところ突かないでくれ。

 

「・・・交渉は何とかしよう。ある意味色々と勝手が分かっている世界だ。」

 

「ハーハハハハッ!!色々な意味で効果的だな。」

 

 笑いごとじゃないって。はあ・・・向うで大魔王認定されているからな。

 

「しかし、平行世界って言うのもおもしれえ。あの機械・・・また詳しく原理を教えてくれ。こっちの世界にも招待したい。」

 

「おう。まず・・・ポルム、お前も共犯だろうが、説明を頼む。」

 

「はいはい。」

 

 しかし・・・予想以上に混沌としてしまった。

 

 異世界へのゲートを開くための装置。それをアザゼルと一緒に作ってみたら・・・まさか異世界のイッセ―達を召喚することになってしまうなんて。

 

「いいデータが取れた。まあ・・・大騒ぎになってしまったけど。」

 

 まさかこの街で起きた騒動の原因が僕達だなんて口が裂けても言えない。

 

「俺の試作機と共鳴するなんて・・・いや、面白い事が起きるもんだわ。」

 

 向うの世界のアザゼルが作っていたワープ装置と共鳴してしまった結果だなんて。

 

 言ったらお仕置き確定だ。

 

 このことは内密にして次回作をまた・・・。

 

―――ガッシ×3

 

『・・・ほう。やっぱりそうだったのか。』

 

 その頭を誰かに掴まれる。

 

「・・・口は災いの元だったか。」

 

 我ながら迂闊だった。

 

「やっぱり騒動の大元を逃がすわけにはいかない。」

 

 流石、ハルト。グレゴリの処刑人だけのことはある。

 

 しかもきっちり三人に分身している。

 

「ありがとうハルト。おかげでじっくりと処刑できるわ。」

 

「ええ。本当に。」

 

「ふふふふ・・・どうしてくれようか。」

 

「楽しみでしかたないぞ。」

 

 その後ろでは、本来の姿で怒気を放っている親ドラゴンズ。

 

 そして、異世界から来た連中も含めたオ―ルメンバーが・・・。

 

「なんだこれ?」

 

「・・・これがこの世界におけるグレゴリの名物みたいなもんだ。」

 

「え゛?」

 

 悟った様なセリフを聞いたあっちの世界のアザゼルの反応は分かるよ。だって・・・もうグレゴリの名物だし。

 

『みんな~判決を頼む。』

 

 怒り心頭の皆を見てハルトが微笑む。

 

 みんなの視線が・・・アーシアちゃんに向けられる。

 

 ああ、彼女なら安心だ。

 

 慈愛に満ちた天使、または女神のような彼女なら恩情が・・・。

 

 天使の様は微笑みが俺達の救い・・・。

 

「ポルムさんとアザゼルさん達のおかげでラッセ―とアカリがすごい事になりました。」

 

 あれ?救いが・・・。

 

 すやすやと眠っているラッセ―。あちこちに包帯が・・・。

 

 そしてアカリちゃんは泣いていたのか疲れて眠っている。

 

『・・・・・・。』

 

 かつてない出来事にアザゼル達も冷や汗を流している。

 

 アーシアちゃんが笑顔のまま怒っている。

 

―――――ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・。

 

 それも後ろにいる親ドラゴンズ達と同レベルか、それすらも上回るような凄まじい迫力を伴って。

 

『・・・・・・。』

 

 いっ・・・いや、あまりの怒りに親ドラゴンズすら冷や汗流して引いているぞ。

 

 みんなもガタガタ震えながらそれを見守っている。

 

 余が見誤るとはな・・・。

 

 まさか、このメンバーで一番怒らせてはいけない存在が彼女だったとは。

 

「・・・俺もアーシアちゃんは怒らせないようにしよう。あれは流石に怖い。さあアーシアちゃん、君が代表で判決を頼む。」

 

 アーシアちゃんは言う。

 

 何故か俺の背後で○か×が交互に点滅しているように見える。

 

 そして・・・結果は○。

 

「・・・・・・ニコッ。」

 

 それはもう天使の様は微笑みをたたえ、なおかつ怒りの四つ角を四つも出した状態で。

 

「・・・デリート許可。」

 

 すごく黒い一言で処刑を宣告。

 

 その黒さに皆が引きながらもハルトは執行する。

 

『執行・・・総督殺し。』

 

『ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 俺達の頭を握りつぶさんとするほどの強烈なアイアンクロ―ががぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

 何気に初体験だけど・・・これは今までに味わったことのない激痛。

 

 ただ力が強いだけじゃない。

 

 ほっ、本当に繊細に、そして容赦なく激痛のつぼを攻撃してきている。

 

 残虐さ以外は魔界一だと自負していたけど、すくなくともこのドSさは敵わない。

 

 認めるよ・・・友よ。お前は余ですら敵わぬ物を持つと。

 

 ああ・・・意識が遠のく。悲鳴をあげているのに意識が・・・。

 

 意識がデリートされる!!

 

 二人のアザゼルの全身から力が抜け、だらりとする。

 

 余も・・・イッ・・・意識が・・・。

 

 その悲鳴をよそに皆が揃って言う。

 

『ゴッチュー!!』

 

 そして、締めを二人のイッセ―が務める。

 

「・・・これにて一件コンプリート。」

 

「今日も駒王町は日本晴れ・・・・・ってか?」

 

 敵に止めさせた後の決め台詞か。

 

 ・・・ある意味ラスボスたちの最期にふさわしい。

 

 

 

 

SIDE イッセ―

 

 とりあえず処刑のあと、戻るための方法は確立していると聞いて安心していた。

 

 すでにその装置は作っていると。

 

 ただ、エネルギーチャージのために明日の朝まで待ってほしいと。

 

 破壊された街の修繕。町の人々の記憶改竄を二人に押し付けておいた。

 

 まあ、騒動が起きた時点で結界を発動。隔離したために被害は軽微で済んだみたいですが。

 

 さて、異世界からの客人達は帰宅するまで家で泊ってもらう事にわけで。

 

 そして、宴会になる。

 

 そうなるとこっちが腕を振るわないといけないな!!

 

 腕が鳴る。作り甲斐があるってもんだぜ!!

 

『・・・・・・。』

 

 ということになったのだけど、なんだ?異世界の連中(おもに女子達)が目を点にしているぞ?

 

「えっ?この世界のイッセ―って何でこんなに女子力が高いの?」

 

 女子力ってもんじゃないけど。

 

「・・・天道師匠のおかげです。イッセ―君の師匠は料理の達人で・・・。」

 

「えっと、一応確認するが、その師匠でもしかして「天の道を往き、総てを司る」男じゃ。」

 

『まさにその通り!!』

 

 俺と朱乃さんの声が重なる。

 

「カブトかよ!!」

 

 向うの俺が頭を抱えてシャウトしている。

 

「もしかして師匠も仮面ライダーに変身するのか?」

 

 向うの俺から話は聞いている。仮面ライダ―という名のヒ―ロー特撮番組がある事を。

 

 剣崎さんに何があったのか、それがその中の物語そのものだったこともだ。

 

 剣崎さんだけじゃない。良太郎の話もそうだ。

 

 異世界では自分達の活躍がテレビで放送されていたことに「それってどんな羞恥プレイ!?」って悶えていたよ。

 

 まあ・・・渡と巧の場合は少し違っていたが共通している部分は多い。

 

 そして、怪しい奴が一人いる。

 

 それはハルトだ。

 

 あいつは否定はしているが、もしかして・・・。

 

 うん・・・いや、有用な情報だ。しかも、平成ライダーだけじゃなく、昭和に活躍した「昭和ライダー」もいる。

 

 その情報はかなり大きい。この世界での仮面ライダ―と向うの世界の特撮番組の仮面ライダ―との共通点はあまりにも多い。

 

 まだ遭遇していないのは、クウガ、ディケイド、オ―ズとカブト、最新作である鎧武か。

 

 どれも主人公と同じ名前の奴とは知り合いだし。

 

 カブトに関しては念のため、師匠に会った時に確認しておこう。

 

「・・・すごく美味しいわ。」

 

「まっ・・・負けた。」

 

「なんでこの世界のイッセ―って女子力が無駄に高いの?」

 

 あの・・・。だから何で異世界のみんなはそんな敗北感に打ちひしがれているのですか?

 

 そんな大した物は作っていないけど。

 

「ははは・・・私達の師匠になっています。」

 

 最近はゼノヴィアにいかに料理を覚えさせるか悪戦苦闘中。

 

「あっ、イッセ―。こんな感じで。」

 

「おう。ありがとうなデネブ。」

 

 その相棒であるデネブはすごく料理が上手でいい助手になるよ。

 

「・・・イマジンがいる家。」

 

 イマジンって奴も知っているみたいだけど、一緒に暮らしていることに面食らっているな。

 

 実体化させることに成功した良太郎のイマジン達は。

 

「ちょっと待てぇぇぇぇぇ!!」

 

 相棒達の娘と絡んで遊んでおります。

 

 悪影響も心配したけど、良い遊び相手になるんだわ。

 

「ふっ・・・君とは読み合いができるね。」

 

「ぐが~。」

 

「そうそう。僕がお兄ちゃんだからね!!」

 

「うん~下々が戯れる光景もいいものだ。」

 

 何か二人、遊んでいない奴がいると思うけど気にしないでおこう。

 

「なあ・・・一つ相談がある。」

 

 そんな時ヴァ―リが真剣な表情で相談してきた。

 

「俺も・・・バイクが欲しい。」

 

 ヴァ―リはバイクを持っていなかった。

 

「しかもただのバイクじゃない。お前達が得ているような生きた相棒としての奴がほしい。」

 

 ライバルと言うからにはバイクもそれに見合う物が必要だ。

 

「その気持ち分からなくはない。」

 

 異世界のヴァ―リも頷く。

 

 バイクで爆走した俺を見て、うらやましいと思ったのかこいつら?

 

「音速をこえた世界をみたい。」

 

 う~ん。でも俺達のバイクも偶然に出会えたものだから。

 

 鋼兄か巧、ハルト、フィリップ辺りに聞くか。

 

「・・・今日は随分賑やかだね。」

 

「うん。」

 

 そこにあっ父さんと母さんが帰ってきた。

 

・・・・・・・。

 

 しまった。

 

 このあまりにも混沌とした状況をどう説明しよう!?

 

 みんなも固まってしまっている。

 

「邪魔するぜ。」

 

「ここがまどかの家か~。」

 

 そこに聞きなれない声が二人追加だと!?

 

「・・・わ~お。」

 

 うん。父さんの反応が面白い。

 

「そっ・・・そっくりさんがいたので家に招待してみました。今夜はそう言った趣向でパーティを。」

 

 我ながら、苦しすぎる。

 

 苦しすぎる良い訳だ。

 

「・・・・・・。」

 

 うちのアーシアが苦笑している。

 

「そうか。ならこっちも楽しませてもらうよ。ドライグ、アルビオンもまた飲もうじゃないか。」

 

 あれ?信じてくれた。

 

 良かった。うちの親が天然で。

 

「あっ・・ああ。(いくらなんでも苦しすぎるぞ。こっちはフォローできん。)」

 

「また先輩としてご教授を。(翔一殿、あえて流したのですな。)」

 

 何か相棒達が感心した様子で父さんを見ている。

 

「俺達も飲もうぜ?」

 

「たまには悪い大人もいいだろ?」

 

「・・・今度は仮面ライダーアギトかよ。」

 

『!?』

 

 また頭を抱える異世界の俺の発言に皆、いや父さんですら驚いている。

 

「えっ?俺の父さんが?」

 

 それは流石に聞き捨てならないぞ!?」

 

「・・・この世界の父さんも仮面ライダーだというのか?」

 

 しかも、何の因果かアギト。まさかそんなことないよね。

 

『・・・・・・・・・・・・まさか。』

 

 その発言に俺を除いた皆が真剣に何か考え込んでいる。

 

「・・・・・・。」

 

 あれ?父さんが冷や汗を流している。それもすごい量。

 

「もっ、もう、何を言っているのやら。」

 

「あっ・・・母さん。」

 

『!!?』

 

 だが、続いて入ってきた母さんに異世界の皆の眼の色が変わる。

 

「まじですか?何・・・若々しい父さんに、幼な妻な母さんなのか!?」

 

「すごい濃い家庭なんだね。この世界って。」

 

「う~ん。」

 

 それを見た異世界の部長が唸っている。

 

「・・・どこかで見た事があるような・・・。」

 

 どうも母さんを見てなにかを思いだそうとして・・・。

 

「あっ・・・魔法少女まどかマギカ。弓矢を使う魔法少女だ!!」

 

 異世界のアーシアがそれを言い当てる。

 

「えっ?」

 

 それを聞いた母さんが、素で驚いているぞ。

 

「その人にそっくりだ!!」

 

「ああ・・・セラフォルー様が魔法少女好きで、私達その観賞会に巻き込まれたからねえ。劇場版をすべて見たわ。魔法少女達を救うために、魔法少女になるために強力な願いをかなえる力で神になった魔法少女に瓜二つ・・・。」

 

「・・・・・・・・。」

 

 今度は母さんが笑顔のまま何故か冷や汗を流しまくっている。

 

「・・・どうしたまどか?」

 

「なんか魔法少女という単語が・・・。」

 

 そこにもう二人やってくる。

 

 蒼いショートヘアの元気そうな女の子と紅いポニーテールの女の子。

 

 歳は・・・母さんと同じくらい歳しか見えない。

 

「なんでもないよ・・・あはははは・・・はあ。」

 

「また魔法少女のそっくりさん!!」

 

「本当にすごい世界ね。剣を使うさやかと槍をつかう杏子だったりして。」

 

『・・・・・・・。』

 

 魔法少女のそっくりさんと聞いて二人もまた固まっている。

 

「ソウルジェムってやつ、持っていたりして。」

 

『!!』

 

 とりあえず、その話題から逸れた方がいいかな。

 

「母さん?この二人は?」

 

「えっと・・・私の友達なの。」

 

 その際、名前がそのまんま「さやか」と「杏子」だったという事に皆が驚いていた。

 

 内心で、歳は一体いくつなの?という疑問を俺と共にいだきながら。

 

 

 

 SIDE ???

 

 私は本当に心臓に悪い思いをした。

 

 みんなはすでに騒ぎ疲れて眠っている。

 

「はあ・・・もう。だから異世界は怖いの!!もう少しでばれるところだったよ。」

 

「びっくりした。」

 

「うん。」

 

 私達は溜息をついていた。

 

「私達の活躍がスクリーンでねえ。」

 

「しかも、私達の身に起きた事その物だなんて、どんな悪夢なの?」

 

 私達は苦笑しながら話し合っている。

 

「あれがまどかの息子ねえ。学校ではスーパーエロ、変態と言われているのに?」

 

「・・・どうしてああなったのやら。」

 

 翔一君がまた溜息をついている。

 

 さやかちゃんと杏子ちゃんが首をかしげるのも分かるかも。

 

「でも、ここぞという時はまどかの子って感じがする。」

 

「何と言うか・・・すごいお人良しだし。」

 

 杏ちゃんの言うとおり、一誠はとても人が良い。熱血、根性、そして友情という言葉が誰よりも似合う子なのだ。

 

「だからこそ、不安でもあるの。あの子は多くの絆を持ち、それをとても大切にしている、それが仇にならないか。」

 

 私はそれをとても心配している。誰よりも優しい子だからこそ・・・。

 

 あの子は神としての道を歩き出している。私と同じにして、それでいて全く違う道を。

 

 その言葉を聞いた二人がポカンと呆ける、でもすぐに互いに顔を見合わせて苦笑し合う。

 

「・・・そうか。本当にお母さんになったんだな。」

 

「なんか複雑だけど。」

 

「その気持ちわかるわ。」

 

 そこでクレアさんも加わる。

 

「・・・はあ。ヴァ―リに悪い事をしたわね。」

 

 ベノさんもそうだ。

 

「ホムラちゃん・・・やっぱり私を探しているんだ。」

 

 あの二人にはすでに正体がばれている。

 

 その上でベノさんは黙ってくれている。ホムラちゃんが私を探しているという情報と共に。

 

「あいつがこの世界で暗躍か。」

 

「目的がわからないのが怖いぜ。」

 

「・・・彼女なりにまどかの幸せを考えているだけだと思うよ。」

 

 翔一君が断言する。

 

「でも、やり方が間違っているだけなんだ。あの組織のトップにいるなら接触できる機会もある。」

 

「でも、翔一君・・・絶対にホムラちゃんに恨まれているよ?」

 

「あまつさえ子持ちになっているし。」

 

「悪いがその際はフォローできねえ。」

 

「・・・そうだよね。どんなように挨拶したらいいのやら。」

 

 なんだろう。この駆け落ちして、時間がたってから親に改めて会いに行く感じは・・・。

 

 でも、出来れば翔一君にはもう本気を出さないでほしい。

 

 彼はこのまま優しいままで、闘うことなくいて欲しい。

 

「苦労しているのだな。」

 

「はあ・・・まあ飲め。」

 

 アルビオンとドライグが酒を進めてくる。

 

 ちなみにこの家にいる親ドラゴンズ達は人間の姿になっている。

 

 その方が飲みやすいという理由と、子育てで買い物に行く時は流石にドラゴンの姿でいる事が出来ないというのが理由である。

 

 子育てのために人間に化けるようになったのだ。

 

 近い将来、子供達にもそれを覚えさせる予定だ。

 

「・・・相棒の父親も苦労しているのだな。」

 

「ああ。」

 

 二天龍達というべきかな?彼らもすでに私達の事情に気付いている。

 

 いえ、ようやく気付いたというべきか。

 

「うう・・・私の魔法が逆に利用されるなんて不覚だわ。」

 

 原因はクレアが自分達の存在を隠すために使った魔法にある。

 

 それを翔一君に使ったのだが、それを逆に跳ね返されてしまいクレアさん達の感覚を鈍くしていたのだ。

 

 そのため、私達が表にでるまでクレアさん達は正体に気付かなかった。

 

 でもイッセ―にはまだその効果が続いている。

 

 私の力だから特ににはまだ進化が足りない。

 

 そう言う裏事情があったりする。

 

 ヴァ―リに関してもベノが同じ失敗をやらかしてしまった。

 

「迂闊だったわ。相手は神だと最初から気づいていれば。」

 

「まあまあ。でも・・・おかげで私達もそれを前提として動ける。」

 

「・・・すまない。うちの息子の事を頼む。」

 

「ああ。任せろ。」

 

「こっちの娘達とヴァ―リが世話になっている恩人を無碍に出来ぬ。律義なのが我らドラゴンの流儀よ。それに翔一殿が本気出したら・・・。」

 

 そして、彼らは気付いている。

 

「生前の神と互角かそれ以上。その力は確実にあるな。」

 

 翔一君の本当の実力に。

 

「アギトの行きつく先って言うべきかな。」

 

「こちらとしては光栄だぞ?神にささげる酒というのもある。」

 

 そこにヤマタが加わる。

 

「俺はすげえ連中とつるんででいるってわけかい。」

 

 アザゼルさんもそこにいる。

 

 彼のアドバイスは大変助かっている。

 

「はあ・・・。こっちの世界はすごいもんだねえ。安心しな。このことは腹に収めておいてやる。まあ、万が一の時に援軍頼むかもしれねえ。そんときは頼むわ。」

 

 異世界のアザゼルさんから平行世界で何があったのか情報として聞くことができた。

 

 非常に不味い事があることが分かる。

 

 ある意味この世界はそれに何かが加わってさらに事態が悪化する傾向にある。

 

 その悪化が、平行世界で起きる奇跡を潰す危険性すらあった。

 

「下手したら私・・・動かないといけないかもしれない。」

 

 私・・・兵藤まどかはその時が近い事を察している。

 

「その時は俺が動く。まどかは今は大切な時だ。無理はさせたくない。」

 

 でも翔一君はそれを遮って言う。

 

「おいおい。だったら、俺が自ら動くって。妊婦に戦わせる様なことは流石にしないぜ。ケルト神話のマッハみたいになっちまう。」

 

 アザゼルがそう言った時だった。

 

「そうか。ならこっちも手を貸そうか。」

 

「策略などにはちょっと自信がある。」

 

 そこにハルト君とポルム君がやってくる。

 

 それとポルム君。君の策略はちょっとした自信で収まらないでしょ?

 

「まったく、呆れて何も言えないぞ?この家の事情には。」

 

 ハルト君・・・どうやら自ら至ったわけか。

 

「私も忘れないで。やっとこの魔境の根源を見つけたわよ。」

 

「そういうこと。」

 

 あらら、リアスちゃんに渡君まで。

 

 次々とやってくるわね。

 

「同然だ。全体のレベルが上がってんだ。気付かない方がおかしい。」

 

 まあ、ネロ君は当然か。

 

「ここからが勝負。皆には私の事情を話しておくよ。」

 

 私は皆に協力を仰ぐ。

 

 これから何が起こるのか分からない。

 

 出来る手はすべて打っておきたい。

 

 

 

SIDE イッセ―

 

 皆の帰還の日がやってきた。

 

「この世界の俺・・・がんばれよ。なんか俺、一学期ごとに死んでいるから。」

 

「・・・肝に銘じておく。」

 

 異世界の俺・・・相当、苦労を重ねているぜ。

 

「何かあったら言えよ。次元の壁くらいぶち抜いて助けに来てやるぜ!!」

 

「おう。それはこっちも同じだぜ!!」

 

 互いに拳をぶつけ合い、友情を交わす。

 

 他の皆も似たような様子。

 

『じゃあ、またな!!』

 

 そして皆が帰っていく。

 

 異世界の俺と合うなんて大変レアな経験をしましたな。

 

「・・・はあ。よし、皆気持ちを切り替えるぞ!!」

 

 アザゼル先生が皆を叱咤する。

 

「皆、異世界の話を聞いて夏休み以降もとんでもないことが起こることは分かったはずだ!!」

 

 まったくだ。

 

 この後もとんでもないことに俺達は巻き込まれるってわけだ!!

 

「その困難を蹴散らすために皆・・・強くなるぞ。」

 

『おう!!』

 

 皆は決意していた。

 

 これまでの事件と、あいつらが経験した事件を比べてもやってくる困難はさらに凶悪化している。

 

 それを俺達は蹴散らす位に強くならないといけない!!

 

 少なくとも俺は・・・死にたくない!!

 

 死んでたまるか!!

 

 

 

SIDE アザゼル

 

さて・・・。いよいよあいつらに魔改造開始か。

 

「やっとできたよ。」

 

 ポルムが首を鳴らしながらやってくる。

 

 手にしていたのは鉄拵えの黒い鞘に収まった一本の刀。

 

「しかし、この世界でこれを見ることになるなんてねえ。オリハルコンで作るって言う点もまた・・・。」

 

 その刀を抜き、俺は出来気を確認する。

 

 それは峰と刃が逆になった刀――逆刃刀。

 

「良太郎にあの魂が入っている結果だ。あいつがまさかなあ。」

 

 良太郎には恐ろしい素質がもう一つある。

 

「すでにあのメモリはインストールしている。悪魔の身体だからあの剣にも十分耐えられるのは面白い。」

 

 これが完成すればイッセ―、木場に続く三枚目のグレモリ―眷属の切り札が生まれる。

 

 いや、俺だって完成した良太郎とまともに戦いたくないレベルだぞ?

 

「あの魂がこの世界、しかも良太郎に宿っていたとは。ふふふ・・・ついでだからゼノヴィアにはあれだね。そのために沖田さんにお願いしているのだから。」

 

「・・・お前の異世界での経験が役に立つな。片手平突きをゼノヴィアに覚えさせようだなんて。他にも幻魔剣って正気なのかい?」

 

 フィリップも呆れるか。まあ・・・あの二つを覚えさせるだけでも大分違う。

 

 剣士組の新たな育成計画。グレモリ―眷属。俺だけでは手に余るメンツばかりだったが、ポルムの奴がいてくれて助かったぜ。

 

 木場の奴は基礎固めも兼ねている。巧も一緒だ。あの幻魔剣という謎の剣技。

 

 適性があるのは一体誰なのやら。

 

 呪いのある武器が良いらしく、巧と木場辺りに適性があるとみている。

 

「リアスはどうする?あれはもう・・・あのまま突き進んでもらったら?」

 

「それに関しては同感。むしろ接近戦と、異世界のリアスが使っていたあれを習得してもらおうかと考えている。ふふふふ・・・あれを接近戦用にできたらさぞ恐ろしいね。命中したらまさに神すら殺すから。」

 

 フィリップ。お前はまた恐ろしい事を考えやがって。

 

「小猫ちゃんと組み手やって、互いに成長してほしいもんだ。小猫ちゃんはもうすぐ鬼として完成する。それに合わせて波動拳も覚えさせる。あとリアスには王としての渡からの指導もある。」

 

「ギャスパーもある意味リアス達と同行か?あいつに眠っている異質の力の正体は判明している。その目覚めのためには・・・。」

 

「それに関しては僕ががんばってみるよ。ふふふ伝説の魔王と話せるなんて光栄の極みだよ。」

 

 フィリップがギャスパーのあの力を引き出すために色々とやりそうだ。しかしあいつの中にあれがいるとはねえ。

 

 アギトの力で大方、失ったはずの神性を得たと予想できる。そうなるとあの力も変質していると考えるべきか。

 

 定期的に四人のアギトの血を摂取しているみたいだし。

 

「朱乃達は・・・もう考えねえ。俺はベヨネッタには関わりたくねえ。絶対に!!」

 

 魔女ベヨネッタのウィッチアーツなどの各技を習得するのか・・・。

 

 さっきのト―チャ―アタックも生き生きしていたし、その素質に疑う余地無し。

 

「ついでにハルトがエレメントチェンジを覚えさせようとしているぜ。基本が雷だし。」

 

 朱乃の魔改造はあっちに丸投げしてくれる。

 

 ただ、気になる事もある。俺が朱乃の奴にあの雷光の力と向き合う事を進めたのだが、朱乃の奴は反発することもなく素直に頷いたのだ。

 

 どうしてだ?少なくてもコカビエルのことで確執があるはず。異世界の俺もこの時期の朱乃がそうだったと言っていた。

 

 どうやら何か起きているみたいだが・・・。

 

「・・・その点はユウナに任せればいいだろう。まだこちらが知るべきときじゃないかもしれない。」

 

 良いアドバイザーがいてくれるとこっちも助かるぜ。人生経験だけで言えば俺と同じかそれ以上だもんな。

 

「そして、サイガには二刀流になったという事で、出身世界で二刀流の最強剣を覚えさせようかと。あれを使えば二刀流の意味がある。詳しい話は聞いているけど、習得できるかどうかがカギだね。後・・・あれを覚えさせようと思う。ギガデインすら超える最強のデイン系呪文。まあ・・・勇者としての素質があるのなら出来ると思うけど。」

 

「そして二天龍共。あいつらをさらに強くするぞ。あのフォーム、俺が見たところ新たな進化の基本フォームでしかないはずだ。あそこからの派生を探る。まずはあれを通常の変身と同じように使えるように鍛えるのが目的だ。」

 

 あの二人は新しいステージにいる。その基礎固めのためのメニューは出来たぞ。

 

「立花さん。本当に感謝します!!」

 

「ふっ・・・なあに。久々に鍛えがいのある若造がきたんだ。」

 

 そこには冥界最高峰のトレーナー、立花さんがいる。

 

「しかし、本当にすごい連中だ。こっちも加減はしねえぞ。なあ本郷、一文字?」

 

「俺達の総てを叩きこんでくれる。」

 

「しっかりとな。」

 

 先輩ライダーの代表格二人が直々に鍛えるか。しかも技と力。

 

 そうか・・・立花さん、それぞれ誰をどのように鍛えるのかよく分かった。

 

「タンニーンも頼むぜ?ヤマタや他の方々も借りてくる予定だし。」

 

「ふははははははは!!お前達には世話になっている。こんなの当然だ。」

 

 龍王クラス二名もそこに追加。みっちりやってもおうじゃねえか。

 

「さあ、切り札を育成するぜ。この先の困難をすべて蹴散らせるほどにな!!」

 

「ああ。」

 

「楽しみだよ。非常にね。」

 

「容赦なくいくぞ。久々に血が滾る。」

 

 さあ、この世界を狙う連中よ覚悟しろ!!

 

 俺とポルムのラスボスコンビが他の色々な意味で愉快すぎる連中とチームを組んであいつらの魔改造をやってくれる!!

 

 

 

 

 

 

SIDE アーシア

 

 あの宇宙船から声が聞こえ私は行く。

 

 そして・・・。

 

 卵みたいな物を見つけましいた。

 

「なんでしょ?」

 

 私はそれに触れます。

 

 すると・・・そこから変な生き物が生まれました。

 

 透明な金魚鉢にも似た殻の中に三つの紅い球体。そして下の方に鋭い四つの牙。

 

「アーシア様!?」

 

 それを見たゼ―ベス星人のミカさんが駈けつけてくる。

 

 私をさらった四人ですが、なんの因果か、私に仕えたいと言ってきたのです。

 

 それぞれミカ、ガブ、ラファ、ウリという名前を名づけました。

 

 数字だけの名前じゃ何か寂しいです。

 

 そして名を与えると四人とも膝をついて「一生忠誠を誓います」って言われました。

 

「気をつけてください、そこには偶然残っていた最期のメトロイドの卵・・・って孵っているだと!?危ない!!急いで下がって・・・。」

 

 そして、私の周りで嬉しそうに飛び回っているこの子を見て驚く。

 

「まさか・・・懐いているのですか?あのサムスと同じように?」

 

「この子、危険な力を持っているのですね。」

 

 私はメトロイドと呼ばれた生命体に触れて、その力の概要を理解します。

 

「ポルムさんは知っていますか?」

 

「・・・はあ。君には驚かされるよ。」

 

 ポルムさんが出てきます。彼はこの船を調べ回っていたところだったみたいです。

 

「あっ・・・あなたは・・・。」

 

 それを見たミカさんは驚き、震えていた。

 

「君達の判断は正しい。ここはお前がいた場所よりも遥かに待遇がいいぞ?それと余の力は秘密にしてもらえれば助かる。まだ札は伏せておきたい。」

 

「・・・わかりました。あなたほどの方がいるのなら安泰ですね。」

 

 ミカさんはポルムさんの本当の実力を知っている。それ故に納得していた。

 

「メトロイド。鳥人族の生きた遺産と言える人工生命体。そう・・・この子と同じくね。」

 

 ポルムさんの傍から緑色の巨大な殻を持った子が現れます。

 

「ベビーよ、もうすぐ脱皮の時か。本当ならその姿であいつに会わせたかったが仕方ない。もう充分に成熟し始めた。知能も、何もかも・・・。」

 

 そう言ってそのメトロイドが脱皮します。

 

 上が緑の鱗のような物に覆われ、小さな角がでます。顔立ちは少しドラゴンに似ています。下が透明な殻で覆われています。

 

 それを見たミカさんが驚愕しています。

 

「そんな・・・馬鹿な。メトロイドはあの惑星の放射線が無ければ脱皮しないはず・・・。」

 

「・・・覚えておくといい。女王になる個体はそれが通用しない。そして、女王となる個体はそこにもいる。」

 

「・・・クイーンだと?メトロイドにそんな例外が。」

 

 ミカさんは驚きながらも興味深そうに頷いている。

 

「知らなくても無理はない。そんな個体は極めて稀だ。こっちもベビー以外に遭遇したのは初めてだし。」

 

 この子達が女王となる。それがどういう意味か、私はまだ知りません。でも・・・。

 

「この子、私の事をママだと思っています。」

 

 私の感情を受け取って喜ぶこの子。

 

「そうか。なら、君が育てるがいい。安心して、こっちが教えてあげるから。」

 

 私はこうして新しい子を使い魔とすることになりました。

 

 契約として・・・キスをするとこの子の体にアギトの紋章が浮かび上がる。

 

 せっかくなのでその巨大となるあの子にもキスをすると同じ紋章が浮かび上がる。

 

 その光景にポルムさんが目を点にしています。

 

 相当驚いているみたいです。

 

「・・・アギトの祝福と因子をもつことになるメトロイドは初めてのケースだ。これは通常と少し違った進化をしそうだ。面白い。だが、いつかアーシア王国が生まれそうで怖いな。君は一体どれだけの連中を率いるの?君はモンスターテイマ―の素質がある。」

 

 ポルムさんは苦笑していましたが。

 

 さて、新しい子をどうやって紹介しようかな?

 

一応、女王だけあって女の子ですよね?名前も考えないと。

 

 

 

SIDE ???

 

 復讐の時は近い。

 

「君を生き返らせた甲斐はあるってものだよ。君のおかげで大軍団が組織できた。」

 

 この世界は私達の世界では測れない常識外の力がある。

 

 そのおかげで復活することができた。

 

 私が率いたスペースパイレーツはたった一人、いや二人に壊滅させられた。

 

 一人は銀河の英雄・・・サムス・アラン。かつて銀河で栄華を誇った鳥人族の全てを受け継いだ戦士。

 

 私が嫉妬した奴。

 

 そしてもう一人。

 

 あれは、生命体と見ていいのか分からない。

 

 だが、この世界で私は再び蘇った。

 

「君にも存分に働いてもらうよ?」

 

 水槽の中で私はまだ眠り続ける。眠りながら軍備を進める。

 

 プログラムに人工的に忠誠心が植え付けられたが、その程度なら別にいい。

 

「リドリー君。君もまたがんばってもらうからそのつもりで。」

 

 私の片腕、リドリーもまたさらなるメタル化を果たして復活。

 

「だったらその軍は俺に預けてもらおうか。ちょうどいい。」

 

 海賊つながりだろうか。面白い男と意気投合してしまった。

 

 その名は牙王。彼にスペースパイレーツの全権を任せてある。

 

「将は幾らいても足りないことはない。なあ、お前達。あれだけ荒々しい欲望が多い連中があれば喰らい甲斐があるってもんだ!!」

 

 牙王の傍には銀色の鬼と金色の鬼がいる。

 

「ったく、やっと実戦にでれるぜ。」

 

「さてさて・・・。今日はどんなように楽しもうかな?」

 

 フェニックスとグレムリンもいる。

 

 欲望が加速する。

 

「そのためには・・・あれの捜索もしておきたい。北崎に命令をしろ。冥界にあるはずのあれを探し出せと。こっちからヤミ―を貸し出す。」

 

「ずいぶんと盛り上がっているわね。」

 

 そこに黒髪の少女・・・この組織の表向きのボスが姿を現す。

 

「私は彼女を探すためにここにいる。それだけよ?まあ、騒ぎは利用させてもらうわ。」

 

「そうか。それでおまえの所で捕獲したオ―フィスの事だが。」

 

 オ―フィス。

 

 この世界で無限を体現した龍神と呼ばれる存在。

 

「その無限の力をこっちに提供してくれないかい?」

 

 その力をこっちの物にしたら、より戦力が増強・・・。

 

「・・・ふざけているの?」

 

 だが、それは敵わない。

 

 彼女自身が周りの時を停めてしまったから。

 

「彼女に何かあってみなさい。その時・・・例え神が相手でも関係ないわ。」

 

「おう・・・怖い・・・!?」

 

 いつの間にか無数の爆弾が召喚されてもいる。

 

「・・・分かったよ。流石に君と敵対するのはこっちも骨が折れる。そっちは蛇だけで十分としておく。」

 

 オ―フィスが提供してくれた蛇のみの解析。

 

 それだけでもかなり大きいことは大きい。その量産化もめどがついている。

 

 それにアンデットの細胞。

 

 欲望をエネルギーとするセルメダル

 

 これだけそろえば・・・。

 

「・・・さあ。旧魔王派達の襲撃の時は近い。その時、冥界の全てを喰らってくれる。」

 

 だが、私は明かしていないがたった一つだけ不安要素があった。

 

 惑星ゼ―ベス。

 

 その崩壊にまぎれて私はその星から脱出しようとしていた。

 

 あの身体すら私のスペアでしかない。

 

 倒された瞬間にもう一つの身体に転送し、逃げて再び雌伏の時を経てスペースパイレーツを復活させようとした。

 

 だが、その時にあいつがいた。

 

 怒りに燃えるもう一人の存在が。

 

 それは私が殺したはずのベビーメトロイドを伴っていた。

 

 そして・・・。

 

「・・・変身。」

 

 その姿がさらに変わったのだ。

 

 黒い殻と紅い二つの複眼。額には第三の単眼。そこに銀色のアンテナの様な触覚とバッタのような牙、そして爪を持つ怪物。

 

 胸には龍の頭を模し、三つの緑の宝石が縦に並んだ装甲。腰には赤、蒼、緑の三つの石が三角形に並ぶように入ったベルト。

 

 両手足を初めとして、全身のあちこちを鎖で拘束されている。

 

 そして、首に紅い色をしたマントのような長いマフラーをしている。

 

「お前の逃亡を見抜けぬ余と思ったか?」

 

 それは正体不明(アンノウン)と言うほかない正体不明の怪物。

 

「逃がさぬ。あいつを泣かせたお前だけは・・・決して。」

 

 その右腕の凄まじい炎、そして左腕に絶対零度の冷気が発生。

 

 その炎は凄まじく巨大な炎の鳥となる。

 

 冷気は凄まじく巨大な氷の龍となる。

 

 宇宙空間でだ。

 

 それが融合していく。

 

「受けてみろ・・・メラガイアとマヒャドデスの融合魔法。」

 

 発生したのは・・・すべてを消滅させるエネルギー。

 

「極大消滅呪文(メドローア)のさらに上位を行く呪文。」

 

―――真・極・大・呪・文(ジ・ュ・メ・ド・ロ・―・ア)!!

 

 それが鳥の翼を持つ巨大な白い光の翼龍となって私に襲いかかる。

 

 無数の攻撃も、総ての飲み込みながら。

 

 私は近くの衛星の傍に逃げた。

 

 大きさはこの世界で言う地球程の大きさ。

 

 それも不意を突いたワープでだ。しかも、隣の銀河にまで瞬時に逃げたのだ。

 

 そこならあの攻撃も届かない。はずだったが。

 

―――――その程度で余から逃げられると思ったか。

 

 といった瞬間、私はその衛星ごと消滅していた。

 

 最後に目に留まったのはこっちに迫る光の龍だった。

 

 一体あいつは何者なのだろうか?

 

 あの後のデータが全くない。元の世界に誰かを送って情報を収集しないと。

 

 特にあのポルムというやつのデータを至急集めないと・・・私が編成した軍団を単独で全滅しかねない。

 

 私はマザーブレイン。

 

 この世界で闇の神により復活した生体コンピューター。

 

 この世界で私達スペースパイレーツは新たな形で復活する。

 

 

 SIDE ???

 

 私はずっと眠っている。

 

 まだ見ぬ私の主を求めている。ギアの持ち主である彼は私を使わない。いえ、使う資格がないのだ。

 

 そのため私の本当の主はまだいない。私を乗りこなしてくださる素晴らしい主が・・・。

 

 ああ・・・誰か。私を目覚めさせてほしい。

 

 原初の魔王の愛馬である私を。

 

 

 

 SIDE ???

 

 欲望。それは人が誰しも持っている物だ。

 

「エイジさん?」

 

 その欲に導かれるように私達はやってきた。

 

「はあ・・・。アンク。ここでいいのか?」

 

「ああ。ここにあいつがいる。」

 

 私の傍で人間の姿で実体化したアンクがふてくされた様子を見せる。

 

「死んだはずのロストがいるか。消えたメダルと共に。」

 

「苦労してメダルを復活させたのに?」

 

 私の隣でルフェイちゃんがかわいらしく首をかしげる。

 

「・・・すまない。ヒナちゃん。結局巻き込んでしまった。」

 

「いいよ。それにこの子と一体化しちゃったらそうもいっていられないし。」

 

――――まだつかないの?

 

 私の身体の中から現れるのはグリードの一体。ガメル。

 

 元々、幼い印象のある彼は小さなサイの姿で甘えるように私の肩に現れる。

 

――――落ちつきなさいガメル。ふふふ・・・愛という欲望が満たされていく。本当に満足よ。

 

 ルフェイちゃんの中から出てきたのはシャチの姿をしたグリード・・・メズ―ルだ。

 

「ふん。この世界の神も間抜けな物だ。俺達グリードを復活させたのはいいが、バラバラに復活させたあげくにこっちに二人、いや・・・三人も率いる事ができた。」

 

「ふふふふふ・・・強い剣士がいるみたいですね。」

 

 アーサーさんが笑う。その身体の中からは・・・。

 

――――拙者としても、魂が滾る思い。暴れてくれようぞ。

 

 銀色の蠍の姿で現れるその名前は・・・ノブナガ。

 

「君とこんな形で再会するなんて思いもしなかったよ。」

 

 エイジ君は苦笑しています。あんな悲しい別れをした彼とこんな形で再会すればそうですね。

 

「あなた達には感謝しています。私も、そして妹もオルフェノク故の短命から逃れられなかった。私はまだいい。戦いの中で死ねるのなら関係ありません、でも・・・ルフェイは違います。あの子はまだこれからだというのに・・・もう寿命が来ていましたから。誰よりも魔術師としての才能があるというのにね。」

 

 アーサー君の姿が灰色の魔人・・・ライオンオルフェノクへと変わります。

 

 それと共にルフェイちゃんもまた変わります。まるで妖精女王のような姿を持ち、アゲハ蝶の特性を持つオルフェノク、バタフライオルフェノクへと。

 

「そんな時・・・あなた達が来た。そして、私達は命を長らえることができた。グリードと融合することで。」

 

 この二人の兄妹はオルフェノクとしての寿命をグリードとの共存で補う事が出来た。

 

 しかも二人ともオリジナルで揃って強力な力を持っている。

 

「感謝してもしきれない。本当に・・・。」

 

――――共存というやつだ。人間から欲望を得ているおかげで俺達も常時欲が満たされ、生きることができる。

 

――――そういうこと。あなた達といると飽きないもあるけどね。

 

――――お腹すいた~。

 

『ガク。』

 

 相変わらずこの子はマイペースだ。ちなみにガメルは私と融合している。

 

 なんの因果か・・・泣けてきます。

 

 何でこうパワー系なの・・・。

 

 私の手には変わった錠前みたいな実もあります。クルミみたいなものですけど?

 

 その実は私を選んでここまで来たみたいです。どうやってつかうのでしょうか?

 

「五大ギアが冥界に揃おうとしている。私も急がないといけませんね。」

 

 アーサー君の腰には五大ギアの一つ・・・カイザが現れる。

 

「あとハルトからルフェイ専用のドライバーを受け取らないとね。」

 

 ルフェイちゃんはもう一つ・・・指輪の魔法使いとしての素質ももっている。ゲートとしてすでに中にファントムも存在しているのだ。

 

「はやくヴァ―リに合流しましょう。すごく楽しみですし。」

 

「はい!!」

 

「はあ・・・まさか死ぬ形以外で冥界に行くことになるとは。」

 

「はっ、面白いじゃねえか。冥界というやつを一度見てみたかった。」

 

 アンクの言葉に苦笑しているエイジ君。

 

「それよりも注意しろよ?お前の中に再び宿った恐竜メダル。あれはヤバいぞ?」

 

「分かっている。しかも今回は共存という形になっているけど・・・油断はしないさ。」

 

 エイジ君は再び暴走の危険を抱えています。

 

「未来から来たスーパータトバメダルがどれだけ役に立つのかだな。あれもお前とりこんでいるだろ?」

 

 その上に未知のメダルも入っています。

 

 アンクのメダルと共に。

 

 アンクとエイジ君は今は身体を共有している状態。まあ・・・それでも前と変わらないので全く問題はないです。

 

 腕だけ出してサポートしてくれますし。

 

 今のように私の兄を模した人間の姿だけでなく節約モードとして小さな鳥の姿になることもあります・

 

 その小さい鳥みたいな姿でいつもエイジ君の肩の上に止まっているあたり、あそこがアンクのお気に入りの場所になっています。

 

 あの二人はやっぱり良いコンビです。

 

「さて・・・いよいよ人外になったお前と共に冥界に乗り込もうか!!」

 

「ちょっと!!誰が人外ですか!!」

 

「ぐああああああぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・。」

 

 私は思わずアンクをはたいてしまう。

 

 悲鳴を上げながらアンクが星に・・・。

 

「今日も良く飛ぶねえ。」

 

「ええ。」

 

「距離はえっと・・・すごいまた新記録です!!」

 

「・・・はあ。」

 

 私・・・ヒナもまた人外になってしまいました。ガメルに懐かれ、そのメダルをとりこんでしまったおかげで。

 

 そのおかげでコンプレックスだった怪力がもうすごい事になっています。並のヤミ―なら片手で粉々に出来るほど。

 

 ふっ飛ばされ慣れたアンクがすぐに戻ってきます。

 

「あっ・・・相変わらずの馬鹿力。お前の拳は常に必殺か?」

 

 このまま私・・・変身することが無いことを祈ります。

 

「そう言えば・・・イッセ―君は元気しているかな?これが終わったら駒王町に行こうか?」

 

「お前が言う・・・もう一人の真のオ―ズに足りえる男か?面白い。会ってみたい物だ。」

 

「まあ、すごくスケベという意味ではね。でも欲望という意味では破格だと思う。」

 

 イッセ―君という人は私も知らない人です。

 

「まあ、弟分みたいな子だ。会えるのが楽しみだよ。」

 

 でも、私は何となく予感しています。

 

 何か冥界で会えそうな気がすると。

 

 そうなると・・・すごく厄介なことになるかも。

 

 




 五章でついに彼らが参戦です。

 予告の通り、六章でのあれは原作を遥かに超える大騒ぎになります。

 冥界の危機第一弾となる予定です。


 さて・・・今後の魔改造のために私はこの夏のある映画を見てきました。

 そしてもう一つもまた見に行きます。

 この五章で初登場キャラが色々と凄いことになりますのでWW

 ではまた会いましょう!!

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