赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 皆さま評価ありがとうございます。

 実験的作品ですが、ここでもやらせてもらいます。

 もう一つの作品ももちろん書いていますので安心を。

 これからもがんばって連載させます。





第一章 旧校舎のディアボロス
再会と転生しました!!


SIDE ネロ

 

 

「ここは?」

 

 俺が起きたのは見知らぬ天井。

 

「起きたか?」

 

「起きたかって・・・。」

 

 立ち上がろうとして身体のあちこちに包帯が巻かれていることをしる。

 

 こいつが手当てをしてくれたのか?

 

 っつ、そうだ。俺は・・・。

 

「まだ怪我が治っていない。無理すんなって・・・。」

 

「どれだけ眠っていた?」

 

 包帯を強引に引きちぎり、俺は立ち上がる。

 

 こんなところでじっとしているわけにはいかねえ!!

 

「お前、傷が・・・・・・。」

 

 もう傷は癒えている。早くキリエを!!

 

「いいから答えろ!!俺はどれだけ眠ってきた?」

 

『落ちつけ。一晩眠っていただけだ。』

 

 その時謎の第三者の声が聞こえてくる。

 

「誰だ?」

 

 人とは違う何かがここにいる!?

 

「おっ・・落ち着けって・・!!」

 

 揉み合っている時赤い光がはっせられ、俺は殴り飛ばされる。

 

「ぐ・・・ってなんだその小手・・!?」

 

 その小手はこいつのみ左腕にあった。そしてその赤い小手に見覚えがある。

 

 それは幼いころの大冒険で、俺達を救うために共に戦った仲間が身につけていた。

 

「おまえ・・・まさかイッセ―か?」

 

 忘れるわけがねえ。それと同じ小手ということは・・・・こいつはイッセ―か!!

 

「なんで俺の名前を、」

 

「俺はネロだ。ほら・・・あの遺跡の冒険で・・・。」

 

「はい?ネロ・・・って・・・えええ!?」

 

 どうやら俺と同じで驚いてくれたようだ。こいつも大きくなったよな。

 

 だが、イッセ―は何故か落ち込んでいやがる?

 

 あれ?どうした?

 

「しっ・・・身長・・・軽く超えられている。しかもすっげイケメンにやっていやがるし。」

 

 なんだそんなことか。

 

 まあ・・・七年前よりもでかくなったの間違いねえがそこまで落ち込む事か?

 

「しかしイッセ―がいるという事はここは・・・日本か!?」

 

『ああ。まあじっくりと話そうか。お前のその右腕についてと、普通の人間ならとっくに死んでいるはずの傷が一晩でなかった様に無くなっている件を聞きたい。』

 

『あなたが人間でないのは明らかだからね。じっくりと話をききたいわ。』

 

「・・・ああ。そう言えばお前の名前も聞いていなかったな。」

 

『私はドライグ。私の説明もまたしよう。』

 

『私はクレアよ。よろしくね。』

 

 こうしてネロは仲間の中で誰よりも早くイッセ―と再会する。

 

 まあ、七年間で何があったのかを互いに話す。

 

 まあ・・・魔剣教団。それにまつわる事件を話したら唖然としやがったしな。

 

 よく生きているなと呆れていたぜ。

 

「それで・・・キリエ姉さんが?」

 

 イッセ―はネロを迎えに来たキリエとも面識がある。

 

「ああ・・・せっかく平穏を取り戻したって言うのによ!!」

 

 やりきれない怒りに全身から蒼いオーラを立ち昇らせるネロ。

 

『凄まじい力だ。なるほど・・あのスパーダの血族なら納得もできる。あいつとは白いのと一緒に戦い、決着がつかなかったからな。』

 

 イッセ―の左肩に止まるちびドラゴン・・・ドライグだっけな?

 

 こいつあのスパーダと戦ったことがあるようだ。決着がつかず互いに実力を認めあった仲だったらしい。

 

 意外な繋がりだぜ。

 

『あなたの友達でよかったわ。これだけの実力・・・普通じゃないし。』

 

 右肩のちび龍・・クレア。こいつ・・なんか生意気だぜ。

 

 でもなぜか・・・やりにくい。何故だ?

 

「イッセ―もだ。まさかその身にそんなとんでもない者を宿していたんてよ。ご先祖様がねえ。」

 

 こんな奴に憑かれているイッセ―もそれなりに普通じゃねえ生活をおくっていたのかよ。

 

「はは・・・まあおかげで鍛えないといけなくなった。」

 

「それなりに強くなっているみたいだな。こっちの件が片付いたら一戦やってみるか?」

 

 それなりの実力は感じる。もう少し少しくらいは鍛えておいて損はねえだろう。

 

「勘弁してくれ・・・。」

 

「はは・・・冗談さ。だが、相当強いというのは間違いねえぜ。」

 

 努力もしているみたいだしな。

 

 俺は立ち上がる。

 

「探すのか?キリエ姉さんを?」

 

「ああ。手当てありがとうよ。」

 

「だったら・・・家に泊っていけ。母さんと父さんは俺が説得する。」

 

 おいおい。助けてくれただけで十分なのに、そこまでしなくていいぜ?

 

「そして、探すのを手伝わせろ。」

 

 この件には悪魔とは違う得体のしれない何かが関わってんだ。

 

「この件はお前と関係な・・・」

 

 関わったらお前の身に何が起こるか・・・。

 

「あの時の仲だろ?それに関係ないとは言わせねえ。もうかかわっちまったから。」

 

 はあ・・なるほど。そう言えばこいつはそうだった。

 

 振り払おうとする手を無理やり取ってくるような奴だった。

 

 全くこのおせっかいめ!!

 

 そんなところはまったくかわっていねえ。

 

「・・・・・・ありがとう。」

 

 だがらこそ、感謝してもしきれねえ。

 

 俺は・・・いい友だちをもった。

 

 俺は普通の人間じゃねえ。悪魔の血を引いている。それでもイッセ―はいつも通り友として接しているのだ。

 

 こいつには敵わないぜ。

 

「まあこの街なら任せろ。とりあえず物騒なものはしまっておけよ。」

 

「分かっているって。」

 

 おかげで冷静になれた。まずは情報を集めねえと。

 

 

 

 

SIED イッセ―

 

『相棒・・また厄介事にかかわったな。』

 

 ドライクが何を言いたいのか分かる。

 

 はあ・・

 

「・・・予感がしただけだ。何かとんでもない事が起こりそうな。」

 

『・・・いよいよ嵐が来るということね。いざという時は私達の力・・使いなさい。遠慮は何もいらないわ。』

 

「カードね。そうならないことを祈るよ。」

 

 俺の手にはクレアの力が封じられたカードが数枚。一枚一枚が・・・切り札になる。

 

 俺は時計を見る。

 

「あっ・・そろそろデートの時間。」

 

 今日デートの日だったのだ。

 

 さて・・色々と探りますか。

 

 

SIDE???

 

 いよいよこの日が来た。

 

 待っていてハル君。絶対あなたを助けて見せるから。

 

 私はデートをしながら、何度もそう決意を固める。

 

 隣には楽しそうに喋る彼がいる。

 

 本当に楽しそうに。

 

 初めてのデートなのだろう。精一杯背伸びをして、頑張っているのが分かる。

 

 以前の私なら、これを小馬鹿にしていたことだろう。

 

 子供みたいと。

 

 だが、今の私は違う。

 

 二年前にハル君と出会った私は、その温かさを知っている。

 

 だからこそ・・・胸が痛むのだ。そんな彼を私は。

 

 でも、躊躇ったらハル君が・・・。

 

 迷いを振り切るようにして私は決意を固め直す。

 

 夕暮れ。人気のない公園に予定通り彼を誘い出す。

 

「ねえ・・お願いがあるの。」

 

「ん?」

 

 お願いに彼は笑顔で言う。

 

「何?堕天使さん。」

 

 ・・・・・・・・・今なんていったの?

 

 

 

SIDE イッセ―

 

 おっと、驚いている。

 

 そろそろ何かしかけてくると思った瞬間に言ってやったんだ。

 

 これくらいのいたずらは許してもらえるよな?

 

「あっ・・あなた・・・。」

 

「わりぃ・・。あんたが本気で俺をすいているわけじゃねえのはもう分かってんだ。」

 

 其の言葉に激昂した彼女・・・夕痲が光の槍を手に繰り出して構える。

 

「なんでばれたの?気配は消したと思うのに。」

 

「それは企業秘密ってやつだ。」

 

 相棒達のおかげだが、出来る限り神器の事は隠しておきたい。

 

「・・・でも、あなたをやらないと私は!!」

 

 光の槍を手に彼女は襲いかかる。だが、神器を使う気にはなれない。

 

 やはり・・。

 

 だから、その槍を素手でつかみ、彼女の動きを無理やり止めた。

 

「なっ・・正気なの?ただの人間がその槍に触れる。」

 

 手が焦げるように痛い。

 

『相棒!!無茶するな!』

 

『もう・・・堕天使の槍を素手でつかむなんて何を考えて!!』

 

 中にいる相棒達が悲鳴を上げる。まあ・・・仕方ねえだろう。

 

 俺・・バカなんだからよ。

 

「死にたくはねえ。だが、あんたの力にはなれるぜ?」

 

「・・・何を言っているの?」

 

「誰を人質に取られている?」

 

『!?』

 

 やっぱり当った。こいつの手首を直接つかむと感じられる。

 

 誰かを助けたいという悲痛な思い。

 

「あなた・・・一体何者なの?」

 

 そう聞かれても困るよな。

 

―――――――何をしている。さっさとこいつを片づけないか。

 

 どうやら首謀者があらわれたようだぜ。

 

 現れたのは・・・化け物だった。

 

 黄豹の獣人のような姿をしており、頭に天使のような輪がついている。

 

「あの男がどうなってもいいのか?」

 

「わっ・・・私・・・・。」

 

 弱々しい迷いを見せる彼女を見て確信する。

 

「あんたか。」

 

 この化け物がこの子に酷い事をさせていると。

 

「ふん・・・だが、我らの主の脅威となる存在。見過ごすわけにはいかん。」

 

 奴はそう言って掌から灰色の欠片の様な物を出現させてばらまく。

 

 それは瞬く間に灰色の身体を持つ化け物を次々と生み出す。鬼の様な小さな角を持ち、顔の無い化け物。

 

「グ―ルですって!?まさかルテウス・・・あんたワイズマンと!!」

 

 それを知っているらしい夕痲が凄まじい形相でにらみつける。

 

 切りかかる灰色の連中・・・グ―ルっていったか?

 

 なるほど。、これがその何か・・・

 

『・・・遠慮なく使いなさい。調整はできているわ。』

 

 それを見て俺は右腕に小手を出現させ、そこにカードを差し入れる。

 

―――Sword Vent!!

 

 右小手からの音声共にクレアの尾を模した剣が現れ、それで剣で切り裂く。

 

 化け物は火花を散らしなら吹っ飛んで行ったぜ。

 

「神器か?アギトに神器はさほど珍しいものではないが?」

 

 へえ。そうなのかい。でも・・・俺の場合少し事情が特殊でね。

 

『俺を忘れるなよ?相棒。」

 

 ああ・・・忘れるわけねえだろ。

 

 俺は左腕にも小手――赤龍帝の小手(ブースデット・ギア)を出現。そして・・発動させる。

 

――――BOOST!!BOOST!!BOOST!!

 

 ドライクの力・・。敵の出現と共に半ば発動中にしてためておいた倍化の力。

 

――――Transfer!!

 

 この剣に譲渡して一気に薙ぎ払う!!

 

『Dorgon Storm Slash!!』

 

 鋭さと威力を倍化させた一撃に、周りにいたグ―ルは一斉に切断させ、消滅していく。

 

 豹の怪物も巻き込みたかったが、離脱されている。

 

 なんて足の速さだよ。

 

「ぐっ・・・・神器を二つ持っているだと?なるほど・・・確かにこれは危険だ。どのような力かはよく分からないが、その時点でお前を消すに十分な理由となる。」

 

「まさか、彼を狙ったのは・・・彼が二つ神器を持っているから?そんな事って・・。」

 

 神器が二つねえ。本当はもっとヤバいらしいが。その程度の認識で今はいい。

 

 それよりもまずあいつを逃がさないと。

 

「厄介なアギトだな。覚醒したら手がつけられなくなる。」

 

 其の言葉と共に彼女の後ろにもう一体豹の化け物があらわれる。色は黒だ。

 

 手に槍を持った奴はそのまま夕痲に向けて槍を突き立てようとする。

 

 だが、それと同時に俺は気付く。密かに別の攻撃がされていた事に。

 

 俺は・・・決断を下す。

 

 右の小手にはすでに別のカードが入っている。

 

―――――Guand Vent!!

 

 出現したクレアの胴体を模した二枚の盾で彼女を槍、そしていきなり接近してきた黄色豹の攻撃を受け止めつつ・・。

 

 俺は彼女を庇っていた。

 

 どこからともなく飛んできた矢から。

 

 その矢が俺の腹を貫いていた。

 

 

 

side ???

 

 何がおきているというの?

 

「部長どうしたので・・ッ!?兵士の駒が・・・。」

 

 それは私の悪魔の駒、八つの兵士(ポーン)に起きた異変であった。

 

 さっきまでなにも異常は無かった。だが、突然点滅し始めたのだ。

 

 八つ同時にだ。

 

「このような事態・・・聞いた事が無いわね。」

 

 そして、八つの駒が宙を浮き、そして・・・突然姿を消した。

 

「何かが駒を引き寄せたというのかしら?」

 

 前代未聞と言える事態。一体どんな存在が駒を引き寄せるというの?

 

「すぐに駒の行方を追うわ!!」

 

『はい。』

 

 私は急ぎ駒の行方を追う。

 

 この街で何が起ころうとしているの?

 

 

 side イッセ―。

 

「ごめん・・・なさい。」

 

 あれ?

 

 どうして泣いている?

 

「ごめん・・なさい。」

 

 気付けば俺・・・夕痲の泣き顔を見上げていた。

 

 あれ?身体がうごかねえや・・。

 

『しっ・・・しっかりしろ!!相棒!!』

 

『すぐに治療を・・ドライグ!!止血くらいならあんたもできるでしょ!!』

 

『龍のオーラを応用させてなんとか・・・。』

 

 傍にはああ・・いつもの相棒達が実体化しているぜ。

 

 なんだ?あいつら俺に見せた事のないくらいに必死になっているぜ?

 

 クレアもだ?憎まれ口はどうした?

 

 ああそうか、俺・・・死ぬのかな?

 

「死なないで・・・お願いだから・・・死んだらだめだよ。」

 

 はは・・先ほどまで殺そうとしていた相手のために泣いてくれるのか?

 

 結構いい女じゃねえか。こんな奴に好かれている奴がうらやましいぜ。

 

「まとめて・・逝ね。我が主の脅威となるべき者よ。」

 

 黄色豹の怪物が爪を夕痲達に向けて振り下ろそうとしている。

 

 奴が新たに召喚したたグ―ルと言った化け物も手にした槍のような奴を突き立ててくる。

 

 くそ・・身体が動かねえ。

 

 だが、そいつらを赤い爆炎を伴った斬撃がまとめて跳ね飛ばす。

 

 気持ちいいくらいに弾き飛ばされていく奴ら。

 

「ぐがあっ!?」

 

 そして、俺の目に見知った背中が現れる。

 

「ネ・・ロ・・・。」

 

「すまねえ。遅れた。」

 

 それは昨日再会したばかりの俺の・・・幼馴染だった。

 

 

 

side ネロ。

 

「ぐっ・・・・。なんだ貴様。」

 

 豹の化け物か。なんか、帰天というやつで悪魔化した連中を思い出すぜ。

 

 こいつらどんな存在か・・・考えるのはあとにする。

 

 重要なのは・・・。

 

「よくも人のダチに手を出してくれたな。」

 

 こいつらがイッセ―を手にかけたということだ。

 

「人間ではないか。なら容赦しない。」

 

 容赦しない?それはこっちのセリフだぜ。

 

 黒豹の化け物が槍を手にこっちに襲いかかってくるが、その槍を俺は右手でつかむ。

 

「受け止めただと?ぐぐぐ・・・。」

 

 あくびがでるぜ。そんな程度の攻撃。

 

 その槍ごと・・俺はこの化け物の身体を持ち上げる。

 

「どういう怪力をしている!?」

 

「うおおおおおおらああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

「がごっ!?」

 

 そして、そのままこいつごと飛び上がり力任せに地面に叩きつける。

 

 地面を陥没させるほどのパワー・・ってあれ?

 

 なんか力が増しているような?

 

「だったら・・・。」

 

 黄色の豹が凄まじい速度で俺の周囲を走る。

 

 そして、両手に手にナイフを出現させ、それで斬りつけてきたのだ。

 

 右腕や左手のレッドクイーンで防ごうとするが、あまりに早く後手に回る。

 

 浅く腕や背、足が斬られる。

 

「我らが使徒に敵うわけない!!」

 

 痛てえし、うっとうしい・・・。

 

「さあ・・・背中ががらき・・・!?」

 

 だが、そのナイフは俺ではく一回弾き飛ばした灰色の雑魚に突き刺さっていた。

 

 俺が右手でとっさに掴んで盾にしたからな。

 

 そして、動きを止めたあいつに俺の額に懐から抜いたリボルバー式の改造拳銃――ブルーローズを突きつける。

 

 当然・・・魔力をチャージした状態でだ。

 

「やっと止まったか。いい子にはご褒美だ。そら・・・たっぷりくらいな!!」

 

 それと同時に引き金を引くと、二発の弾丸と共にあの化け物が簡単に飲み込めそうなくらいに巨大な魔力弾が解き放たれた。

 

「があああああああああぁぁ!?」

 

 吹き飛ばされ、そのまま爆発に巻き込まれる豹の怪物。

 

 おい?やっぱり気のせいじゃねえ。なんか知らんが力が全体的にあがっているぞ?

 

 魔力を込めたこの銃撃もここまで巨大じゃなかったぜ。

 

 威力は分かんねえが、それを喰らってまだ立てるこいつらも頑丈だよな。

 

「ぐう・・・なんだ?こいつ・・・一体何者だ?」

 

 黄色の豹の元に黒豹が駈けよる。

 

 二体とも相当驚いているぜ。

 

「分からない。だが・・・強い。」

 

「一応結構な修羅場はくぐり抜けてんだ。・・・おいイッセ―はどんな感じだ?」

 

『・・・正直、かなり絶望的だ。だが・・・ここで諦める私でも相棒でもない!』

 

『起きなさいイッセー!!あんたがここで死ぬような根性の持ち主じゃないでしょ!!ハーレム王になるって馬鹿げた夢・・・叶えないてどうするの!?』

 

 腹から血を流すイッセ―の命を必死で告ぎ止めようとする二体の竜。

 

 そしてあいつを庇ったと思われる堕天使も涙を流しながら光を手から発してあがいていた。

 

「お願い・・死なないで。私のために・・死なないでお願いだから!!」

 

・・・・・・何とか頑張ってくれイッセ―。

 

 俺ができることは・・・こいつらを蹴散らす事だけみたいだからな。

 

 そんなイッセ―達に向かって無数の矢が飛んでくる。その数はまるで雨のようだ。

 

 俺はレッドクイーンのアクセルを全開にさせて駆ける。

 

 刀身その物に走る機能が付いている。これで凄まじい速度で駈けつつ、剣を振るう。

 

 その剣圧で矢をすべて薙ぎ払う。

 

 その光景に黄と黒の怪物は驚いていやがる。

 

「まだいやがったか。」

 

 矢を放った相手がいる。そして、そいつを見つけた!!

 

 右手を巨大化させ、それを飛ばす。

 

 それはここから百メートル位離れた木である。

 

 それを掴み、そのまま振り上げる。

 

 持ち上げられた木から今度は白い豹の怪物が飛び出してきた。

 

 そいつは性懲りもなく矢を放つ。それを右腕ではじいたと同時に黒豹の怪物が槍を手に黄豹の怪物もナイフを手にして突進してくる。

 

 右腕一本だけじゃ・・防ぎきれねえ!!

 

 その時・・俺の左腕が異質な何かに変化する。

 

「・・・なんだ?これは・・・。」

 

 それはまるでエビやカニのような緑の甲殻に覆われた左腕。

 

 その腕に付いた突起が黄色の刃に代わった。

 

 高質化した両腕で怪物どもの攻撃を受け止める。

 

「!?」

 

 そして、そのまま巨大かさせた右拳でまとめて殴り飛ばす!!

 

『がごっばっ!?』

 

 俺の身体・・どうなっていやがる?

 

 なんで右腕だけじゃなく、左腕まで変化してんだ?

 

 それにその腕を見たあいつらは驚いているみたいだし。

 

「・・・・・まさかギルス?」

 

「なんだと?だが、なんだこのおかしな力の発現の仕方は?」

 

 ギルスってなんだ?それより、左腕まで変わっちまったら・・ってあれ?

 

 意識したらすぐに元に戻った。よかったぜ。

 

 意識すると・・・おっ・・また変化した?

 

 自在に変わるのか?右腕だけでも隠すのは面倒だから助かるぜ。

 

「不完全故にか?だが、何か可笑しい。部分的に力を出すなんて聞いた事がない。それに力に負荷が無い?滅ぶ気配が・・・。」

 

「ぐっ・・・アギトに致命傷は負わせた。目的は達した。」

 

「ああ。こいつに対する対策はまたあとで考えて・・・。」

 

「おい・・・逃がすと思っているのか?」

 

 俺の全身が蒼いオーラで覆われ。背中に蒼い悪魔が現れる。

 

 これが俺の魔人化。悪魔の力を解放した状態である。

 

 そして、その青い悪魔も姿が少し変わっていた。

 

 上半身だけだった姿が、今回は全身が映っていたのだ。

 

『・・・っ!?』

 

 そのプレッシャーに豹の化け物どもは完全に怯えている。

 

 当然だ。俺の数少ないダチに手を出した落とし前くらいは・・・つけないとな?

 

「さっ・・・最悪だ。素でも我らと互角以上なのにそこにギルスだと!?力に目覚め始めているなんて、どうすればいい?」

 

「不味い・・・エレメンツのお方がいないと対抗できん。」

 

 怯える連中。

 

 片付ける前にギルスって言うやつも聞いておかねえとな。

 

 なんか知っているみたいだし。

 

 そんな時であった。

 

 イッセ―の上に光と共に妙な物が現れたのは。

 

 それはチェスの駒。それが八つ。

 

 それがイッセ―の上で光を放ちながら現れたのだ。

 

 なんだ・・・あの駒?

 

 

 ・・・ってしまった!!その隙にあいつらが逃げた。

 

 足が速い連中だったからな。くそ!!今追っても無駄か。

 

 背中の悪魔を戻し、俺はイッセ―の元に向かう。

 

「・・・まさかイッセ―自身があの駒を呼んだのか?」

 

 何故そう思ったのか?どうやったらそんな発想が唐突に出てくるのか分からねえ。

 

 だが、イッセ―の上で宙を浮いている駒を見たらそんな情報が流れ込んできたのだ。

 

 イッセ―の腰にベルトが現れる。

 

 なんだ?まるでイッセ―の身体の中にあったような・・・

 

 そして、その駒がそのベルトに吸い込まれていく。

 

 その駒が八つすべて吸い込み、イッセ―の身体が光輝く。

 

 その姿は一瞬だが、異形の者に代わっていた。

 

 金色の身体を持つ異形へと。

 

 眼の錯覚だと思い眼をこすると、イッセ―の姿は元に戻っていた。

 

 腹の傷も癒えている。

 

「おい。あんた。何が起こったか説明できるのか?」

 

「・・・気づいていたのね。」

 

 俺の言葉に姿を現したのは紅の髪をした女性だった。

 

「・・・さすがに驚いたわ。駒が自分の方から向って行ったと思ったら。でも・・・どうなっているの?」

 

 彼女は首をかしげる。

 

「この子は私の眷族になったはず。でも・・・悪魔にはなっていない?どういう事なの?」

 

「悪魔だと?」

 

「紹介が遅れたわね。私の名前はリアス・グレモリ―。イッセ―を転生させた悪魔の駒の主よ。」

 

 彼女の後ろに黒い蝙蝠のような翼が現れる。

 

 見た目はともかく、人間ではないか。

 

「なんか俺の知っている悪魔とは違うな。」

 

 だが、敵じゃねえ。話を聞く価値はあるか。

 

 はあ・・・イッセ―。

 

 お前が助かってよかったぜ。だが・・・

 

 どうもすげえややこしくも、面倒臭い事態になったみたいだ。

 

 

 

SIDE  イッセ―

 

 さて・・朝起きた時俺は大変混乱したぜ。

 

 どうして学園の二大お姉様であるリアス先輩に裸で抱きしめられているのかな!?

 

 そして一緒に登校にもびっくりだぜ。

 

「うーん・・今日も朝日が気持ちいいな。」

 

「朝日が気持ちいいか・・・。」

 

 リアス先輩がそれの其の言葉に何か考えている。

 

 何時通り朝日が気持ちいいのが何か可笑しいのかね?

 

 そんなリアス先輩と一緒に登校して・・・いつものあの二人には強烈な嫉妬をうけるなど色々な注目の的。

 

 だが、俺はそれよりもふに落ちない。

 

 俺・・・昨日重傷だったよな?

 

 それなのに今平気で歩いているし。

 

「放課後に使いだすわ。詳しい説明はその時に。」

 

 リアス先輩とはそう言って別れた。

 

 なあドライグ、そしてクレア?何がどうなっているんだ?

 

 あれ?二体とも・・・応答が無い?

 

 どうしたんだ?あの日以来。そんな事一度もなかったのに。

 

 それと・・ネロ・・あいつどこに行った?

 

 昨日の事を聞こうと夕痲のいるクラスを訪ねても・・・あいつは休みだし。

 

 訳がわからん。とにかく朝のHRをうける俺の前に。

 

「今日はみなさんに転校生の紹介をしたいと思います。今回は二人です!」

 

 おっ・・転校生か?男か?それとも女か?

 

「さあ野郎ども悲しめ!女子共喜べ!!2人ともかなり高ランクのイケメンだぞ!!」

 

 なっ・・なんだとぉぉぉぉ!?

 

 その回答に俺だけでなく、松田、元浜も絶望していた。

 

「ああ・・神は俺達にフラグを与えてくれないのか?」

 

 ああ・・これでさらに美女のフラグが遠のくぜ。

 

 まあ今朝、俺には朝フラグがあったがな。

 

 というより、先生の異様にノリには突っ込まないでおくぜ。

 

「さあ・・・入ってくるがいい!!」

 

「あいつの学校だけあって、すげえノリノリだなおい!!」

 

「同意するほかないね。でも・・いい空気だ。心地いい活気に満ちているいい学校だと。」

 

「はあ・・まさか学校に行く羽目になるとは。」

 

 あれ?えっと・・・俺の眼は可笑しくなったのかな?

 

 どうして、ネロが学校の制服を来ているのかね?

 

 それとそのネロがどうしてもう一人の転校生と親しげに話しているのかな?

 

「しかもイッセ―と同じクラスかよ。」

 

「ほんとだ。久しぶりだねイッセ―。」

 

 あれ?もう一人の転校生がどうして俺に話しかけてくるのかな?

 

 すげえ格好いいのはわかるぜ?

 

 でもなんで親しげ?

 

「イッセ―。こいつは渡だ。ほら・・あの時の。」

 

 渡?あの冒険のメンバーの?

 

 あの気弱で、根暗だった?

 

「・・・失礼なことを考えているね?相変わらず分かりやすい。」

 

 はい?その鋭さは間違いなく・・・あいつ?

 

「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 もう・・何がどうなっていやがる!?

 




 書いていて反省。もっとD×Dの魅力的なヒロインたちを書いていくべきだと。


 ほぼ男の視点だけだぜ。

 ははは・・・・

 あと展開もがんばってはやめよう。ガンガン書いていきたいですし。

 キャラ設定と世界観設定もまたあげます。

 今後もよろしくお願いします。

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