赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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連続投稿最後になります。

 ここから急展開です。

 オリジナルのエピソードが入ります。

 そして・・・イリナ。隠された恐るべき力が発動します。


時の列車参上です。

SIDE イッセ―

 

 突然現れた男の出現。それに殺気だっているのは木場だけじゃなかった。

 

「とうとう見つけたわよ。」

 

「ああ・・・。堕ちた魔戒法師としてもお前を探していたよ。」

 

 それはユウナとサイガの二人。

 

「・・・魔戒騎士に魔女までいるか。」

 

 上の二人に木場が加わってバルパーに斬りかかる。

 

 三人共ものすごく怒っている。

 

「させませんよ?」

 

 だが、それをフリードの召喚していた巨大なカニのモンスター、ボルガデスキャンサーのはさみが阻む。その硬い装甲に傷一つつける事が出来ずに三人とも弾き飛ばされる。

 

 バルパーの傍に無数の異形。ホラーが現れる。

 

「お前はすでに教会だけじゃなく元老院からも追われている。其れを分かっていてどうして表にでてくる?」

 

 サイガの問いにバルパーは笑う。

 

「ふはははは・・・それこそ強力な後ろ盾があるからに決まっているだろう。」

 

―――――そう言う事だ。

 

 そしてそれは姿を見せる。

 

 黒い十枚の翼を背負った堕天使が。

 

 なんだこいつは?

 

「牙王・・・協力感謝するぞ。」

 

「ふん。喰らう事はできなかった。」

 

 そう言いながら牙王は散らばったセルメダルを吸い込むようにして集める。

 

 あの堕天使の力は・・・相当なものだ。

 

「それとこっちの目的もそろそろ達成させてもらうぞ。」

 

「そうだったな。フリード。」

 

「いや・・・実はもう限界でしたわ。」

 

 フリードの手にしていた天閃のエクスカリバーが・・・独りでに砕かれた?

 

『・・・・・・。』

 

 唖然としている木場。

 

「驚くことはありませんよ。あなたの馬鹿力とこっちの力に耐えられなかっただけです。そして・・・これで契約完了ってことでいいですよね?牙王の旦那。」

 

 フリードの言葉に牙王は変身を解き笑う。

 

「ああ・・・。よくやってくれた。」

 

「やっと行けるぜ。」

 

 木場の身体から二体の怪人が現れる。

 

「きゃははははは・・・!!」

 

 一体は亀の身体に兎の耳を持つ。

 

 もう一体は装甲に包まれたサイみたいなやつだ。

 

「オッ・・・お前達は・・・。」

 

 木場の体に空間の裂け目みたいのが現れる。

 

 そして、その二体の怪人はその裂け目に飛び込んだ。

 

「・・・すぐに追いかけないと。」

 

 良太郎が膝をついた木場の身体にカードの様な物を当てる。

 

 すると・・・そこにさっきの怪人の姿と共に時間が表示される。

 

「よし・・・。」

 

「行かせると思ったか!!」

 

 その良太郎に牙王が襲いかかってくるが・・・。

 

 そこに紅い魔力弾が跳んできて行く手を阻む。

 

「私は調査だけで、ここまで暴れろと言った覚えはないのだけど?」

 

 それは・・・紅のキバの鎧を纏った部長の姿。

 

「ほう・・・これが噂の滅びのキバか。ぬう!?」

 

 牙王を部長は蹴りとばす。って部長・・・さらに強くなっていますよね?

 

「ふふふ・・・もうあなた達と付き合うためには鍛錬して、こっちもサイラオークみたいに人外化するかないって悟ったから。」

 

 えっと・・・何か俺のせいで部長が変な境地に達していませんか?

 

「生意気なことを・・・ぬお!?」

 

 そして、牙王が動き出そうしたけど、いつの間にかその半身が凍結している。

 

「鍛錬と言う意味でこっちもリアスに付き合ったおかげで色々と面白い技がつかえるようになりました。」

 

 後ろからはあれ?生徒会長まで。

 

「ついでに面白い相方も得られましたから。そうでしょ?レイ。」

 

 その言葉と共に・・・何か青い蝙蝠がやってきましたよ?

 

「これは新しいキバット一族にして、新たに作られた四つ目のキバの鎧。蒼のキバ。」

 

 部長が紹介していますけど・・・オイオイオイオイそんなの聞いていないぞ!?

 

「渡君が冥界と交渉した際・・・新しく誕生したこの子のマスターを探している話があってね。特徴からまさかと思ってソーナと合わせたら・・・この通りだもの。」

 

「運命って面白い。私もまた良い相方を得られました。」

 

―――いや・・・そうやな。生まれてすぐに会えるなんて幸せですわ。まだまだ赤ん坊やさかいにこれからよろしくな!!

 

 えっと・・・冷静沈着なソーナ会長の相方・・・ごっつ関西弁ですよ?

 

 しかもノリがいいし!!

 

 そして木場は・・・怪人体から人間へと戻る。

 

「・・・そしてこれはどういうことなの?なんで佑斗がオルフェノクに?その前にどうして倒れたのよ?」

 

 それを見て部長も驚きを隠せない。

 

「彼は僕が救います。ですからその牙王達をお願いできませんか?」

 

 必死の様子の良太郎。

 

「ええ・・・。ソーナ、いい実戦テストになりそうね。」

 

「はあ・・・いきなりですか。レイ!!」

 

――――あいよ。ガブっとな。

 

 蒼い蝙蝠が会長の手の甲を噛み・・・変身した?

 

 蒼いキバに?部長の変身した姿に似ているけど色が蒼だ。

 

「匙、仁藤。こっちの指示通りにおねがいします。彼らを抑えます。」

 

「あいよ。」

 

「分かりました!!」

 

「イッセ―。貴方は良太郎を伝いなさい。ここは私に任せて。」

 

「・・・はい。」

 

「へっ?手伝うって・・・その・・・。いいのかな?アギトでも?」

 

 良太郎が戸惑っているぞ?どうした?

 

『きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 って・・・悲鳴。

 

「ついでだが・・・エクスカリバーを頂いていくぞ!!」

 

 ゼノヴィアが、そしてイリナは巨大なカニみたいなやつに囚われている。

 

 2人が持っていたエクスカリバーが黒い煙に囚われ、宙に浮きバイパーの元に・・・。

 

「さあさあ・・・この二人の命を喰らいなさいキャンサー!!」

 

『やめろおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

 そのまま二人を喰らおうとするキャンサーだったが・・・。

 

「しかたない・・・か。」

 

 イリナは意を決し、彼女の切り札を出す。

 

 彼女の手にいつの間にか赤色の銃が召喚。

 

 その銃の後ろ部分が展開し、カードが現れる。

 

 そのカードが二枚程浮きあがり、銃の横にある部分にスラッシュ。

 

―――――バレット・・・。

 

―――――ラビット。

 

―――――ラビットバレット。

 

「はあああああああぁぁぁ!!」

 

 そして銃口から強烈な銃弾が数発放たれ・・ボルガデスキャンサーがそれを受けて怯み、イリナを放す。

 

「がっ・・・ごっ・・・ううう・・・。」

 

 銃撃のダメージでよろけるキャンサー。

 

 その隙にイリナは銃に別のカードをスラッシュしながら走りだす。

 

―――――アッパー。

 

―――――バーニング。

 

 それと共にイリナの拳が燃え上がって・・・。

 

――――バーニングアッパー!!

 

「ふあちゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 あのキャンサーを・・・殴りとばした!?軽く五十メートルは吹っ飛んだぞ。

 

「!?!?!?!?!?!?!」

 

『・・・・・・。』

 

 あれってとっても固いよね?しかも重そう。

 

 前闘ったバケガニを超える重さは確実だよね。それを・・・殴りとばした!?

 

「ががが・・・ごっ!?」

 

 しかも甲羅に亀裂が入り、起きあがれない程の大ダメージを受けている?どんだけの威力なの?

 

「ちぃ・・・キャンサー、融合を解除しなさい。」

 

 ボルガデスキャンサーは大ダメージを受けて緊急措置のために融合を解除する。

 

 でも三体共ダメージが大きいのか倒れたままだ。

 

「くそ・・・エクスカリバーだけじゃないというのですか!!?」

 

 そこにフリードが襲いかかってくるが・・・。

 

 イリナはフリードの攻撃をかわしつつ、回しけり。

 

「ぐっ・・・。」

 

「ファチャ!アチャ!!アタタタタタタタタタタタタタタ!!」

 

 そして、両手で何度も殴りまくって・・・。

 

「フアチャ!!」

 

 そして、異空間から今度は剣を取り出し斬りつけ、もう片方の銃から追い打ちの弾丸を放った。

 

 あちこち火花散らしながらフリードが後退していく。

 

「ながっ・・・なんですか?なんなんですか?今のは・・・。」

 

「私・・・こう見えて素手でも結構強いの。」

 

 結構ってレベルじゃないって。無茶苦茶強いじゃないか!!

 

「ふっ・・・・さすがイッセ―の幼馴染ね、もはや納得することはあっても・・・驚くことはないわ。」

 

 部長・・・もう驚くことすらできないのですか。

 

 でも気持ち分かるかも。もうこっちも驚く事ができない。

 

 イリナ・・・すごく強い。

 

「今ならあなたの愚痴の理由がわかります。すごい爆発力です。私の中の常識を破壊されかねないほどのものがあります。あれって・・・人間ですか?」

 

 ソーナ会長は冷静ですよね!?

 

 イリナは剣を構えながらいう。

 

「この拳に宿るは赤心小林拳!!」

 

 そう言えばイリナって引っ越す前に道場にかよっていたよな。そして向うでも師匠が時々鍛えてくれてるって・・・。

 

 でも、その鍛えの度合いを完全に見誤った。てっきり護身レベルと思っていたけど明らかに達人クラス、いやそれすら飛び越えて超人クラスじゃないのか?

 

「そして、剣は私を助けてくれた優しい怪物のあの人から貰った物。この銃はその人の友達という人から託された遺品。その優しい怪物と友達になってほしいという思いを受け継いだ証。まだどこにいるのか分からないけど、あたしは今でも探しているわ!!」

 

 それは変わった剣だった。

 

 その剣のナックルガードに当たる部分が展開し、そこからもカードが!?

 

 そこからカードを抜き取り、今度は剣にスラッシュしていますよ?

 

――――――タックル

 

――――――メタル。

 

―――――メタルタックル。

 

「調子に乗るじゃありませんよおおおおぉぉぉぉ!!」

 

 フリードが手にキャンサーのハサミを召喚してイリナを殴りつけようとするけど、その身体がメタル化。攻撃を弾き飛ばしつつ懐に潜り込みすごい勢いのタックルをかました!?

 

 いや、タックルというより今の・・・中国拳法の何かに似ていたぞ。背中から強烈な体当たりをかます・・・八極拳の。

 

「がばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

「使いどころのなさそうなタックルもこうしたら強烈な一撃になるのよ!!」

 

 フリードの禁手が解け、そのまま吹っ飛んで行く。うわ・・・どんだけの破壊力だよ。

 

「・・・貴様、アンデットの力を生身で使いこなしているというのか?」

 

「そんな馬鹿な。人間はおろか、天使や・・・悪魔、堕天使でも不可能だぞ。」

 

 それを見たバイパーとなぜかコカビエルが動揺している。

 

「これって生身で使いこなせないものなの?こっちは普通に使っているけど。」

 

『・・・・・・。』

 

 イリナの反応に黒幕の二人が言葉を失っている。

 

「さすがに驚かせたぞ。小娘・・・思いがけない力を隠していたな。そして・・・見つけたぞ。あいつらが探していた五人目・・・。」

 

 牙王がイリナに驚きながらも五人目という。一体どういう事だ?

 

「とにかく私が押さえるわ。お願い。」

 

「そういうことだぜ。行け良太郎。」

 

 弦太郎も良太郎に任せる事にした様子。

 

「うっ・・うん。ありがとう。」

 

 良太郎の言葉と共に、近くの空間から穴があいて・・・へっ?

 

「何?あれ?」

 

「あれは・・・電車です。」

 

「なんで電車が空中を走っているのかしら?」

 

「そんなの分かるわけないじゃないですか!?」

 

 部長の言葉に会長!?会長のキャラが崩壊している!?

 

「なんですか?あの電車は?如何して何もない空間からでているというのですか!?そして走りながら線路を目の前から次々と生み出しているのはどういう理屈なのですか!?」

 

「・・・ソーナ。落ち着いて。気持ちは分かるわ。」

 

「すみません。でも・・・リアスあなたの気持ちが本当の意味で理解した気がします。いつもこんな摩訶不思議なことに出会っているのですね。」

 

「いえ・・・今回はその中でも最大級よ。私だって混乱しているもの。」

 

 行く先に次々と線路を生み出しながら走る電車。走った後の線路は綺麗に消えているのも不思議だ。

 

 その線路と共に意味不明、理解不能な電車が良太郎に向けて走ってきた。

 

 その電車がやってきて・・・。

 

「行くぞイッセ―!!」

 

「へっ・・・ってなんでトルネが!?」

 

―――――細かい説明は後!!

 

――――一緒に乗り込むよ!!

 

 いつの間にかレイダーに乗ったネロと爆走してきたトルネに乗せられ電車に突撃。

 

 僕たちはその電車の中に突っ込んだ。

 

「・・・さすがにこの展開は想定していなかった。普通ないでしょうね。こんな展開。私もまだ未熟ね。」

 

 呆れかえった部長のつぶやきを耳にしながら。

 

 でもですよ。俺もこの展開は予想していませんでした。

 

 何なのこの電車!?それでどこにいくの?

 

 

 

 SIDE 良太郎

 

 さて、僕は一つ大きなミスをしてしまった。

 

「中も変わっているな。」

 

「ああ・・・。なんかこう・・・SFに出てくるような・・・。」

 

 なんで・・・イッセ―君とネロ君がデンライナーに乗り込んでいるの!?

 

「良太郎。なんだこれは?」

 

 そして・・・よりによってゼノヴィア姉さんまで・・・。

 

「えっと・・・。」

 

「しっかり説明してもらうぞ。ここは何処だ?そして今から何処に行くんだ?」

 

「・・・・・・。」

 

 訳が分からないと混乱気味のゼノヴィア姉さんが僕に問い詰めてくる。

 

 僕はネロ君に助けを求める。

 

「はあ・・・説明ならイマジンのみんなとオーナーを呼んだ方が早いぜ?」

 

「イマジン?オ―ナー?」

 

「なんだそれは?」

 

「俺達の事だ。」

 

 そして現れるのは真っ赤な鬼の姿をした僕の仲間。

 

「オッ・・・鬼だ!!」

 

「東洋の悪魔にこんな早く会うなんて。でもどうして電車の中に。」

 

「・・・もう俺は自分の見た目は認めているから気にはしないぜ。はあ・・。」

 

 いやいや、ため息ついている時点で十分気にしているから。

 

 ため息つきながら席に戻らないでよ。

 

 その背中になんて声をかければいいのかわからなくなる。

 

「やっと会えたぞ!!!」

 

 そしてゼノヴィアの背後からデネブが現れる。

 

「うわ!?なんだお前!?」

 

「やっとだ・・・侑斗が一度死に、生まれ変わってからやっと会えた。」

 

 そしてデネブが感激のあまりに抱きついて来ているよ。

 

「?!?!?!?!?!?」

 

「これは予想外のお客様ですね。いや、パスは持っていないですが特例扱いにするべきみなさんばかりで。」

 

 そこにタキシードを着て杖をつく壮年の男性。このデンライナーのオーナーがやってくる。

 

「少なくともネロ君は自力で時間の秘密に辿り着くことになっていたから。それにイッセ―君もまた。」

 

「それでも困ります。なんとか時の運行に支障が出ないようにいけませんね。まあ・・・このまま外に放り出しても、何とかしてしまいかねないのがアギト達の厄介なところです。」

 

「えっと・・・放りだすって何のことだ?俺は良太郎の手伝いのために、ここに乗り込んだんだのに?」

 

 イッセ―君。事態を飲み込めず大変混乱しています。

 

「説明頼むわ。こっちはダチの時間を守りに来ただけ。改変するつもりはねえ。」

 

 ネロ君の言葉にオーナーは頷く。

 

「・・・いいでしょう。そう言う事なら利害が一致しそうですので。」

 

 ・・・はあ。この世界、デンライナーに干渉できる人達が多くて本当に困るよ。

 

 

 

 




 さて・・・キバ第四の鎧登場と共に、イッセー達は過去に向かいます。

 行く過去はもちろんあそこです。

 連続投稿はここで終わりです。

 また書きあげたら投稿します。

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