赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 お待たせしました。エクスカリバー編の始まりです。

 結構色々な要素を詰め込んだ故に原作よりも話のボリュームが多くなる可能性大です。


 まずは・・・意外な連中同士の遭遇が起こります。


新たな事件の始まりです。

 SIDE ???

 

「いや~稼げた稼げた。」

 

「本当にあのヤミ―は格別だよ。たった十分の一くらいで三億枚のセルメダルなんて美味しすぎるでしょ。」

 

「むしろ多すぎてこれ以上持って帰れなかったし。」

 

 あのソラとカザリの二人が愉快そうな声をあげる。

 

 現赤龍帝から生み出したヤミ―のおかげだそうだ。たった十分の一で三億枚って破格もいい所だぞ?一枚で大魔術の触媒にするのに十分なエネルギーになるのにか?

 

 こいつらにとっては今回の戦いは大儲けといったところか。

 

 一体何者だ?アギトでもあるだけでも厄介なのに・・・。

 

 理解に苦しむ。やはりあれは危険すぎる。

 

「お前達はいいよな。こっちは踏んだり蹴ったりだ。」

 

「まあまあ・・・あっ・・・君も僕と同じにならない?」

 

 落ち込むフェニックスに対して、ソラが何かを取り出す。

 

 それは・・・赤のコアメダルと緑のコアメダル。

 

「へえ・・・俺と相性がいいのは・・・んん?」

 

 二つとも割れている。

 

 その内の緑がフェニックスに吸い込まれる。

 

「覚醒のためのセルメダル千枚をあげる。ゆっくり楽しんでおいでよ。」

 

「なんで虫なのかが非常に気になるが、受け取っておく。」

 

「きっと性格的な相性だと思うけどね。似た者同士って意味では良いと思うよ。」

 

 カザリが言うには、その緑のメダルのグリードとフェニックスは性格的な相性はいいらしい。

 

 じゃあ・・・結構キレやすいのか?

 

 なんか二人が鳥頭、虫頭と口喧嘩しあっている光景が見えるぞ。

 

「・・・俺もお前のような愉快な存在になるのか。」

 

「愉快とは失敬な。まあ、水色と灰色は持ち去られ、二つともそれぞれ融合しちゃったからねえ。おっと・・・牙王さん。そっちにも千枚ほどおすそわけ。」

 

―――コネクト。

 

 ソラが出した魔法陣から大量のセルメダルが流れ、牙王に吸い込まれる。

 

「ふん。使ってやっているだけだ。」

 

 牙王の肩にワニと蛇を合体させたような存在が現れる。

 

「お前の欲望おいしいな。いて心地が良い。」

 

「俺に付いてこれるのか?ゲイル」

 

「すべてを喰らうという欲望がある限り。」

 

「ふん。だが左腕程度にはなるか。右腕はかなり生きがいいからな。」

 

 牙王は告げる。

 

「今回は俺も暴れる。すでにイマジンの狙いも見つけてある。お前はどうする?」

 

「そんなのわかっていることだ。俺の悪の美学のために暴れる。」

 

 そこには黒に赤い炎のような物が書かれた鬼のような怪物がいた。

 

「策略家であるお前がいるなら頼もしい。暴れてくれよう。いくぞ。」

 

 今回は私の悲願の成就のためだ。

 

 そのために心強い連中がきている。

 

 さあ・・・戦争の時間だ。

 

 楽しい・・・楽しい戦争を今こそ始めよう。

 

 SIDE イッセ―

 

 木場の様子がおかしい。

 

 昔の幼馴染の写真を見せた時から始まっていた。

 

「・・・あなたの幼馴染。今度はどんな人外なの?」

 

 部長が家で、俺の幼馴染、紫道 イリナと紫道 弦太郎の写真を見て言う。

 

「だから・・・なんで俺の幼馴染がみんなそうだと・・・。」

 

『すでにあいつらという実例があるから。』

 

 グレモリ―眷族が一斉に言いやがる。

 

 そして俺の今いる幼馴染共を見る。

 

 悪魔の血を引いており、完全体なギルスという無茶苦茶な存在であるネロ。

 

 ファンガイアの王族にして、黄金のキバの継承者の渡。

 

 日本神話、二代目の荒神となった上にヤマタノオロチと契約した鋼兄。

 

 剣の達人にして、まだまだ秘密の多そうな魔戒騎士であるサイガ。

 

 多彩な魔法を使い味方に希望、敵に絶望を与えるドSな魔法使いのハル。

 

「・・・・・・。」

 

 振り返ってみたら・・・。

 

 なるほど。確かにそうだ。

 

『おい!!誰が人外だ!!』

 

 幼馴染共は一斉に否定するが・・・。

 

「じゃあお前ら他のメンバーを見てどう思うよ。」

 

『・・・・・・・。』

 

 皆がそれぞれ考え。

 

『確かにそうだ!!』

 

 と俺を指差しやがったし。

 

「俺も人外なのか!?」

 

『それこそ今更。』

 

 はあ・・・さいですか。

 

 俺は普通だと思うのに。

 

――――相棒・・・それはない。

 

―――ええ・・・まったくよ。

 

 中の二人まで拒否されている!?

 

 それでその幼馴染共の回答に納得できない物を感じつつ、俺は変なペンダントのような物を見つけた。

 

「聖剣だよ。」

 

 それが何か答えたのは木場であった。

 

「・・・・・・。」

 

 サイガもそれを知っているのか無言。

 

 二人の心に何かが走るのを俺は感じる。

 

「すまない。少し落ち着かせてくれ。アギトの君なら分かってくれるはずだ。」

 

 特に木場から漏れだす闇は深い。

 

「ああ。」

 

 そこにネロが肩をたたく。

 

「だが無理はするな。」

 

「・・・・・・すまない。」

 

「・・・・・・。」

 

 サイガは黙ってそれを見ている。

 

「?」

 

 俺はアーシアの方を見る。

 

 彼女も首を横に振る。

 

 

SIDE 木場。

 

 それは地獄の光景だった。

 

 僕たちは神様に祈れば救われると思っていた。

 

 囚われた仲間達・・・友達、そして妹。

 

 その彼らが救われると思った。

 

 でも神に見捨てられた。そしてみんな・・・毒ガスで死んだ。

 

 サイ君も・・・そして、僕の妹もだ。

 

 僕に双子の妹がいることは部長すら知らない。口に出すだけでも辛いのだ。

 

「聖剣を破壊したい。そして・・・みんなの無念を晴らしたい。」

 

 僕は寝られずにそう願ってしまった。

 

―――――そうか・・・それがお前の願いか。

 

―――――なら僕達が叶えてあげよう。きゃははははは

 

――――やらせてもらう。

 

「?」

 

 僕はその声に振り返る。だが・・・声の主も気配もすぐに消える。

 

 そして眠りにつく。

 

 その時僕は気付くべきだった。

 

 服の裾から砂のような物がこぼれ出している事に。

 

 そして・・・。

 

―――――面白い子を見つけた。契約者にふさわしいか見定めさせてもらうわ。

 

 鏡に何者かがいた事を。

 

 

 

 

 SIDE ???

 

 おっ・・・ようやくきやがった。

 

 俺っちは今うずうずしていた。足元にはへっ・・・しょうもないくそ野郎が転がっているだけだ。

 

「・・・またせた。」

 

「ひゃははははは!!」

 

「ようやく実体が持てたぜ。」

 

 今回の協力者、三人のイマジン達と合流。

 

「でも僕たちの仕事はもうとられたよ。」

 

「何を言っているのですか、この後にすればいいじゃないか。まだ持ち主はわんさかいるのですから!!」

 

 こいつらとは面白可笑しくできそうだ。

 

「キャンサー・・・死体の処理を・・む!?」

 

 そこに邪魔者が入る。

 

 赤く輝くラインを暗闇に浮かびあらがせながらそれは現れる。

 

「お前たちだな。教会を次々と襲った連中は・・・。」

 

「ファ・・・ファイズですと!?」

 

 それはグレゴリの赤き閃光・・・怪傑555(ファイズ)。

 

 厄介な奴が現れた者ですよね!!

 

「お前達に聞く・・・コカビエルはどこだ!?」

 

「ぐっ・・・。」

 

 やはりコカビエル様の事を嗅ぎつけたのか。

 

 やばい。あいつとまともに戦うのは避けたいです。

 

 エクスカリバーをもってしても相性が悪すぎる。

 

「そして、あいつは何を企んで・・・ぐ!?」

 

 そんなファイズをふっ飛ばす奴が現れるって・・・。

 

「ここは任せろ。いや~今回のゲームは楽しめそうだね。」

 

 現れたのは両腕に龍の頭を模した装甲を身に付けた灰色の魔人。

 

 これは今回の用心棒にして最高の切り札。

 

 はぐれ悪魔にしてドラゴンオルフェノクこと北崎さんです!!

 

「北崎さん。ありがとうございます。」

 

「別に・・・いい暇つぶしになったらいいと思っただけだよ。」

 

 気まぐれですが、彼はファイズ関連なら必ず現れてくれます。

 

 その力はSSS級すら超える。しかも神器を使わないでこれなんだよ。

 

「またお前か・・・。」

 

「ふははは・・・あと何度会えるのか楽しみにしていたよ。でももうそろそろ限界だろ?」

 

「んん?それってどういうことで?」

 

「オルフェノクの寿命さ。もうこいつ・・・限界だよ。」

 

 へえ・・・オルフェノクの寿命は聞いていましたが、ファイズも、もうおしまいですか。

 

「それがどうした。」

 

んん?

 

 でもこいつ・・・それを恐れていない?

 

「それでもお前達を倒す。この街を・・・ふっ飛ばそうとしているイカレタお前達をな!!この街はな・・・俺にとって大切な故郷なんだ!!」

 

 むしろ・・・闘志を燃やしています?どうしてここまで・・・。

 

「ふ~ん。つまんないね。」

 

 そのファイズを北崎は殴りつけてふっ飛ばす。

 

「がっはっ!?」

 

 そしてそこに・・・天から無数の雷を落として追い打ちをかけてきます。

 

「がっ・・・ぐう・・・。」

 

 倒れるファイズ。

 

 きゃははは・・・いいですね。

 

「色々と私達の邪魔をしてくれましたからねえ。こいつは。」

 

 止めをさせるいい機会。

 

「キャンサーの極上の餌にしてくれる・・・。」

 

 これでキャンサーもさらなる強さを・・・。

 

「ライダ―ロケットパーンチ!!」

 

 へっ?

 

「ぐぼっ!?」

 

「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 今・・・私の目の前で起きた事を説明しましょう。

 

 白いイカみたいな奴が右腕に装着したオレンジ色のでかいロケット(?)で突進してきて北崎さんをふっ飛ばしました!!そのままロケットを点火させ、思い切り雄叫びを上げながら北崎さんの巨体を突きあげ、空中に飛び上がった!?

 

 そしてそのまま空中で一回転。

 

 加速した勢いで、北崎さんを地面に叩きつけましたよ。

 

「がぼっ!?」

 

 ああもう・・・訳が分からない!!

 

 って・・・ロケット?

 

「てえ・・・えっ・・・教会の最終兵器がなんでここにきているの!?」

 

 あいつらがここにきているのですか!?

 

「仮面ライダ―フォーゼ・・・タイマン張らせてもらうぜ!!」

 

 フォーゼ・・・。あの仮面ライダーの名を継ぐ者。

 

 ファイズと同等くらいに厄介な奴が。

 

「見つけたぞ・・・お前がエクスカリバーを奪った犯人だな?」

 

 そこにさらに二人。女か・・・。しかもエクスカリバーを持っています。

 

「ふざけた事をしてくれる。」

 

 北崎さんはあれで立ち上がりますか。いや・・・流石ですよ。

 

 にひひひ・・・数的には有利。あの二人が持っている分も奪って・・・げっ!?

 

「はあ・・はあ・・・もう・・・二人とも突っ込みすぎだって・・・。」

 

 後からやってきた男・・・。見た目はモヤシのようにヒョロい男。

 

 でもその男に私の中のトラウマが蘇ります。

 

 彼一人で・・・・五十体のイマジンが全滅した光景が・・・。

 

「君は・・・。」

 

「はっ・・・はわわわわわわ・・・。」

 

 全身が震えあがり、そして嫌な汗が滝のように流れ落ちてきます。

 

 良太郎。

 

 なんであいつが、いるのですか!?嘘・・・やっ・・・ヤバい!!

 

 フォーゼよりもヤバい!!あいつは数なんて全く関係ないですよ!?

 

「逃げろ・・・。」

 

「なんで?あんなモヤシみたいな男に・・・。」

 

「いいから逃げなさい!!あいつはヤバいです!!瞬殺されたいのですか!!君も聞いた事があるでしょ!!教会の暴走最終兵器共の本当の意味で最終兵器は誰か!?」

 

「・・・それがあの彼なのか。」

 

 北崎もその言葉に冷や汗を流す。

 

「わかった。一度戦ってみたいと思ってはいるけど、今回は止めておくよ。」

 

 私達は逃走を決意。まさか・・・あの教会の最強チームがやってくるなんて思いもしなった。

 

 これは厄介ですよ。特に、良太郎は。あの・・・破壊神だけは・・・。

 

 

 

SIDE ???

 

 逃がしちまったぜ。

 

「もう・・・お兄ちゃん!!詰めが甘いって!!」

 

 我が妹が変身した俺の頭をハリセンに変化させたエクスカリバーでドつく。

 

「いや我が妹ながら鮮やかなツッコミだぜ。」

 

「うん・・・良い剣閃だ。私も精進しないと。」

 

「その前に姉さん、エクスカリバーはツッコミ道具じゃないよ。」

 

 良太郎のツッコミが生きてくるぜ。

 

「でっ・・・ファイズはどうする?」

 

 倒れたままのこいつを見る。

 

「オッ・・・お前ら・・・教会の。」

 

 そして、手を差し伸べる。

 

「手当てする。変身を解け。」

 

「おっ・・・おい助けるのか?こいつは堕天使の・・・。」

 

 ゼノヴィアが声を荒げるがこれは譲れねえ。

 

「こいつは故郷を・・・この街を守りたいといった。同じ街の縁といいこいつは絶対悪い奴じゃねえ。」

 

 俺達の故郷でもあるこの街。

 

 ファイズはそれを守ろうとして戦っていた。ボロボロになりながらも必死にだ。

 

 そんな奴が悪い奴な訳あるか!!

 

「弦太郎の言うとおりだね。それに何が起きているのかも知りたいし、彼から事情を聞こうよ。」

 

 良太郎。さすが分かってくれるな。

 

「まあ・・・こういう時の君の直感は外れた事がないし。それに同じ仮面ライダーと友達になりたいというのもあるのだろ?」

 

「ははは・・・その通りだぜ。」

 

 そこまで分かってくれるか。なんかこいつとは良いダチになれそうな気がするんだ。

 

 こいつならあの人達が言っていた仮面ライダーの名を名乗る資格があると思えるし。

 

「ハハ・・・馬鹿かお前ら。俺は仮面ライダーって名乗るほどそんな大した男じゃねえよ。」

 

 ファイズはその言葉に力なくだが笑っている。もちろんそれは嘲りとかじゃねえ。

 

 意外な言葉を聞いたことによる驚きと、呆れのようだ。

 

「・・・でも信じてみるか。・・・済まねえ・・・後は頼む。」

 

 そう言ってファイズが変身を解きながら気を失う。

 

「まさか・・・こんなに若いの?」

 

「あらら・・・結構格好いい。」

 

「私達と全く変わらないぞ?」

 

 現れたのは俺達と同じ歳くらいの男。

 

 しかしまあ・・・任されちまったな。

 

 だったらしっかりと手当しましょうか。

 

「はあ・・・相変わらずだよね。君は。」

 

「ははは・・・でもそこがお兄ちゃんのいい所。世間の目が広がっているわけよ。」

 

「二人とも喋っていないで手伝って。はあ・・・しかたないね。」

 

 良太郎と一緒にこいつの手当てをしてやる。

 

「・・・って名前を聞くのを忘れていた。」

 

 あとで名前を聞いておかないとな。

 

「でもさ、何処に寝かせるよ?」

 

「そうだな・・・。」

 

 イリナの言うとおりだ。

 

 怪我したままのこいつを野ざらしにするのは避けてえし。

 

「う~ん・・・そうだ!あいつに頼もう!!」

 

「あいつって・・・えっ?まさか・・・イッセ―君に?」

 

 昔の縁。

 

 ここで活用させてもらうじゃねえか!!

 




 教会連中とファイズのまさかの合流。

 ここから巧はとんでもないことになってしまいます。


 ちなみにこの時点で作戦資金はなくなっています(笑)

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