赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 短いですがエピローグです。

 後日談はまたおいおい。


 あと次の章の予告も兼ねています。


エピローグ

 

 

SIDE イッセー

 

 こうして、俺達の周りは平穏が持ってきた。

 

 変わったことと言えば・・・誠を初めとしたあの時のメンバーがこっちに来たことと・・・。

 

「おはようございます。イッセー様。今日も街は平和です!!」

 

 と、挨拶する対象が人や人外だけでなく、車などの乗り物にも拡大したことだ。

 

「おはよう。どうだ?この街は?」

 

「我々を救ってくれた方々の街・・・素晴らしいです。」

 

 もちろん、ただの乗り物じゃない。トランスフォーマー達だ。

 

 今この駒王町には多数のトランスフォーマー達が生活している。

 

 軽く辺りに気をやるだけで、周囲百メートル四方に四体の車に擬態しているトランスフォーマー達がいる。

 

 こちらとしても街の警備もしてくれる人材確保という意味も大きい。

 

 冥界、天界、グレゴリでも彼らを雇う者達は増えている。

 

 普段は乗り物として行動し、必要に応じて人型になり戦える。諜報、護衛など彼らの活躍の幅は広く、大変魅力的な人材なのだ。

 

 彼らの基地はもちろんのことだが、俺の自宅の地下にある。

 

 そこで彼らの情報も集めている。非常態勢もバッチリというわけだ。

 

 この世界は今、トランスフォーマー達と共存している。

 

「おっ、イッセー!!」

 その最大の功労者である誠がバイクに乗ってやって来ている。

 

 そのバイクももちろん…トランスフォーマーだ。

 

 それも、コアドライビア内蔵した誠専用の相方である。

 

 シフトカーの技術とトランスフォーマーの融合。

 

 ぞの試作一号として。

 

 シフトカーもそのトランスフォーマーの技術で驚くべき進化を果していた。

 

 それは・・・。

 

 オレの肩に乗った一台のシフトカーがトランスフォーム。人型になったのだ。

 

「レイヴェル様より連絡が入っております。例のイリスの件の説明をしたいと。」

 

 と、伝言を伝える為にだ。

 

 それはメガヘクスにあったキューブの破片の回収の際に出てきた光の所為だ。

 

 彼らシフトカーがトランスフォーマーになったのだ。

 

 幸いなのは元々シフトカーに知性があり、それが進化する形となったので、大変高度な理性があったことだろう。

 

 彼等のことをシフトロンと呼ぶことにしている。

 

 手乗りサイズの変形するシフトカーのトランスフォーマー。

 

 彼らは数多くの可能性に満ちていた。

 

 その可能性をベルトさんを始めとした各勢力の研究者達からなる研究チームが追及しているという。

 

 一体一体が生きた神器と言っていいほどの可能性らしい。その中に神滅具クラスのものも存在すると。

 

 ただ…この地を管轄する立場の部長の嘆きは更に深まったという。

 

 更に人外魔境度が悪化したと。

 

 もう、乗物などの器物にも油断できなくなったからね。

 

 ちなみに俺の手元にあるスマホ・・・これもシフトカーで同時にトランスフォーマーだったりする。

 

 色々と凄すぎて、もう何か大切な感覚がマヒしてきた気もするが・・・。

 

 

 

 

SIDE ???

 

 我々は恐れおののいていた。

 

「…もう、あいつらに戦いを挑むことはできん。」

 

 我が主たる闇の神が厳かに告げるのもわかる。

 

 それだけにあの神の後継は力を得てしまったのだ。単純な力だけでない。

 

 更なる猛者があの人外魔境に集っている。

 

 もう・・・あの町に手を出したらどうなるのか、ロキの惨敗っぷりが証明している。

 

「・・・ほむらがその神に惹かれ始めている。それがこの状態の答えだ。」

 

 エルの一人たる私は、我が主の言葉に戦慄する。

 

 あの悪魔は主ですら御することもできず、我々ですらお手上げだった相手。

 

 それがあの神の後継に惹かれ始めているのだ。

 

 もはや魔性といえる神の後継の力。単純な戦闘力だけにとどまらないのが非常に恐ろしい。

 

「・・・このままでは・・・。」

 

「ふん…確かにあいつらの力は凄まじい。だが…弱点もある。」

 

 そんな我々の元にやってくる一人の男。

 

「・・・貴様。」

 

 それは英雄派と呼ばれし者達の首領。

 

 最強の神滅具を持つ存在。

 

 そして、我が主が警戒する勢力。

 

「それに昔からいうではないか。目には目を、歯には歯を。なら・・・。」

 

「アギトには・・・アギト・・・か。」

 

 主様がその発想にしばし考え・・・。

 

「いいだろう。お前達の枷を外す。神滅具を持つアギト達よ。」

 

 まさか主様がその枷を外すとは。

 

「・・・ええ、あの者達は絆があるゆえに負けるのです。力を発揮できずに。」

 

 英雄派首領―――曹操が変身する。

 

 黒のアギトへと。

 

 その傍らには黒いゴルドフェニックスの姿もある。

 

 彼の後ろには数体のアギトの姿もある。

 

 これが英雄派の正体である。その上位陣が全て・・・。

 

 

 

 今・・・契約者であり神滅具を持つアギト達の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

SIDE ???

 

 俺は死ぬことができず、ずっと暗闇を彷徨っていた。

 

 兄弟のように育った友も・・・家族も全て失い。

 

 だが、俺は死ねない。この体が・・・王として改造された身体がそれを許してくれない。

 

 ずっと…ずっと彷徨っていた。

 

 もう・・・生きているのか、死んでいるのかわからないままに。

 

 そして、俺はとうとう倒れてしまう。

 

「…って…大変なのじゃ!!」

 

 そんな俺に駆け寄ってくる者がいた。

 

「・・・あらあら・・・。」

 

 夢でも見ていたのだろうか。

 

 金髪に狐の耳と尻尾を持った幼女と婦人だったのだから。

 

 

 

SIDE ???

 

 俺はあの時に死んだはずだ。だが…どうして生きている。どうして・・・。

 

「・・・君を拾ったときには驚いたよ。」

 

 そこには胡散臭い笑みを浮かべる一人の少年がいた。

 

「初めまして、創世王の片割れさん。洗脳ももう解いたけど…大丈夫かな?」

 

「あっ・・・ああ・・・。」

 

「おっと・・・名乗るのを忘れていたね。ポルムという。君を拾ったのは偶然でねえ・・・。」

 

 どうやら、まだ生きているらしい。

 

 どうして生きているのかわからないままだったが…それでも生きている。

 

 なら…やることは決まっている。

 

 あいつに謝らないと・・・。許してもらえればの話だが。

 

 俺があいつにしたことを・・・全て覚えている。

 

 手が震える。やってきたことに対する罪の大きさに。

 

 震えが・・・止まってくれない。

 

 そんな俺を差し置いて、ポルムという少年は気さくに声をかけてきた。

 

 あえて・・・こっちの状態に気付いていない振りをしているのだろうか?

 

「さて・・・まだ平和とはいいがたい。現に動きがあったからねえ。いや~ほむらさんのオーフィス派には感謝だよ。ふふふ、まあ故に君にもこれから起きる戦いに協力してもらいたいが・・・。対価は君の目的の手助けかな?何となく想像はつくけど。」

 

 こっちのことは調べがついているというのか。だが…悪くない契約だ。

 

 こちらは既に悪魔と言っていい。それだけの大罪を背負っている。

 

 悪魔の契約だとしてもこっちは乗らせてもらおう。

 

「ああ。その内容次第だが・・・。」

 

「何・・・君に京都で起きると思われる聖杯大戦のマスターとして参加してもらいたいだけだよ。君なら問題ないだろ?月の王子様?」

 

 胡散臭い笑みに、俺の中の何かが警告を発する。

 

 これ、軽々しく引き受けたらダメな類じゃ・・・。

 

「…聖杯大戦だと?」

 

 どうやらまた戦いの日々らしい。

 

 その程度なら問題・・・ないか。

 

「・・・まあいいだろう。参加させてもらおう。あいつに…詫びる為に。」

 

「うん…契約成立。ふふふふふふふふふ。」

 

 だが、俺はこの判断を深く後悔することになる。これは悪魔の契約どころか、神の後継すら対等の友と認める最強最悪の大魔王との契約だったのだから。

 

 ここから始まる数々の苦難に、契約のことをもっと考えるべきだったと。

 

 

 

 

 京都にて英雄が多数集う、聖杯大戦。それがイッセー達の修学旅行と共に始まろうとしていた。

 

 

 そして、英雄達の魂に選ばれし青年、そしてかつて王として星を救いし男もまた巻き込まれることになる。

 

 

 

 

 次回予告

 

 

 

 

 太陽と月、そして星。三つの王子がカギとなるイレギュラーな聖杯戦争。

 

 そこに英雄に認められし、新たな英雄が参戦する。

 

 

 

「人の可能性は…無限大だ。だから…そんな願望器はいらない!!」

 

 

 そこで巻き起こるのは今までと違う絡め手を使ってくる敵。

 

 イッセー達は自慢の壊滅的な破壊力が封じられ、苦戦することになる。

 

 

 

 

 それを支えるのは、イッセー達赤の陣営と契約したサーヴァント。

 

「・・・今回のマスターは随分と規格外じゃねえか。だが、気に入った。」

 

 イッセーが相方とするのは・・・叛逆の騎士。

 

 そして・・・黒の陣営には・・・あいつがいた

 

「・・・黒い・・父上。」

 

「・・・ふん。」

 

 敵もまたアギト。そして、超一流のサーヴァント達が立ちはだかる。

 

 

 

 

「英雄の子孫達よ、余を倒してみよ。さすれば、お前達は本物の英雄になれるぞ?この大魔王を倒せるものならばな・・・。」

 

 遂にあの大魔王が本気を出す。

 

 

 

 次章ーーー京都聖杯大戦。

 

 

 

「大魔王を・・・余をなめるなよ?英雄共。」

 

 

 




 問う感じで次章のは京都聖杯大戦です。

 どんなサーヴァントが出てくるのか楽しみにしてください。

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