刹那の軌跡 【完結】   作:天月白

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これは現時点でのプロットや脳内構想を書き並べたものです。
実際に作成されたモノとは変更される場合があります。

そもそも、本当に書き上げられるかも未定です。
頭の片隅にでも、いつか来るかも程度に考えておいてください。
実作に書く場合は、「刹那の奇跡」とは別小説として投稿します。
でも、基本的に続編の位置付けとして書く予定です。
拙作を読んでなくても分かるように配慮は……出来ると良いなぁくらいです。

ちなみに、「刹那の奇跡」で最後まで名前のなかったあの子が主役です。

やったね、大抜擢だよ。名前がつくよ!


次回作予告

――僕は、絶望していたんだ――

 

 

CASE1

 

「ここがトールズ士官学院か……」

 

これからの未来に希望を胸に抱く少年を横目に背の低いモノが通り過ぎていった。

 

「今、何か通ったような? 気のせいかな?」

 

 

――見るもの全てが憎たらしくて――

 

 

CASE2

 

「君、それどうやって立ってるの?」

 

急な斜面でありながら、斜面に垂直に立つ者に問いかけるが返答はなかった。

 

「まぁいいわ。君もさっさと降りて行ってね。彼女と一緒にね!」

 

女はぶら下がっている少女を無理やり落とした。

 

 

――この目を潰そうした――

 

 

CASE3

 

「Aを知っていますか?」

「A? いや、聞いたことがないな。誰の事だい?」

 

少年の問いかけに男は残念そうに首を振って答えた。

その言葉に少年は礼を述べながらも男をじっと見ていた。

 

 

――その時にあの子に止められたんだ――

 

 

CASE4

 

「これを何処で手に入れた!?」

「な、なんなんだね!? これはクロスベルで仕入れただけだ!」

 

喧嘩に発展しそうなくらい争っていた男の商品を見た少年は、彼の胸ぐらを掴まんばかりに迫る。

先程の口論から時間の経っていない男は、少年の言葉に荒く返した。

 

 

――あの雪の降る夜に輝きを見た――

 

 

CASE5

 

「これと似た乗り物を見た?」

「そうなんだ」

「あなた達の物ではなく?」

「ああ、形も、性能も、ぼくたちの作っている物とは違っていた」

 

 

――そうだね、分かりやすく言うならば――

 

 

CASE6

 

「君にCと言う名前は相応しくないな」

「なんだと!?」

 

 

――白い世界に包まれた僕は――

 

 

CASE7

 

「貴方は本当にAを知らないのですか?」

「またかね……」

 

少年の再びの問に、男は嘆息を吐いた。

 

「私は本当にAと言う男を知らない」

 

 

――赤く染まった視界に朧気ながら見た――

 

 

CASE8

 

 

「ここには、あの人の小屋が有ったはずなんだ……」

 

少年は、信じられないと震えた声色で、微かな声を捻り出した。

 

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」

 

 

――あの心底心配そうにこちらを覗き込む顔――

 

 

CASE9

 

 

「見つけた」

 

彼の、あの人の痕跡を。

 

 

――もう何も見たくないと願った僕の目をもったいないと――

 

 

CASE10

 

「なんでそんなことを言う」

「だって、見て下さい」

「何をだ……」

「ほら、上を」

 

 

――いつの間にか、吹雪いていた雪は止んでいて――

 

 

CASE11

 

「空があんなにも綺麗なんですから」

 

笑顔で彼女は空を指さした。満点の星空が煌めく、冬の空を。

 

 

――僕はその綺麗な星空よりも、彼女の笑顔に心奪われた――

 

――陳腐な言い方をするならば――

 

――僕はその時、彼女に恋をした――

 

 

 

 

 

あの人のいない世界で、僕はあの子に恋をしたんだ。

だから…………もう少し、生きてみようかと思ったんだ。

あの人の言う、輝きがもっと見てみたくて。

 

 

 

泣けないような壊れた体の僕でも、恋をしてもいいですか……


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