俺が、”ザ・ワールド”だあっ!!    作:阿久間嬉嬉

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やっと友達から原作帰ってきました。ネタ帳の再編集も終わりました(今までと余り変わらず、内容が薄いですが)

久しぶりの更新になります。お待たせしました。


考察……になってるのかコレ

「いったい何者でござるか……あのディエゴという男は」

 

 

 ディエゴVS刹那の試合が終結を見た後、楓は去っていくディエゴの背中を見やりながら呟く。しかし、その問いともとれる言葉に答えを出せる者はだれもいない。

 型はめちゃくちゃだったが、スピードとパワーがケタ違いであり、刹那を上回る速度と、気の防御を貫く程の力を見せつけた。アメコミヒーローの様な外観からは想像もつかない……否、ヒーローだからこそあの力が出ていそうな気もしてくる。

 

 

「どうすんだよアニキ……次戦うのはあいつだぜ? 対策も何も無いんじゃ、刹那のねーさんよりも長時間粘れるってだけで――――」

「無理だな、長時間も粘れまい」

 

 

 どうするのかと考えながら言っていたカモの台詞を、エヴァンジェリンが途中で遮った。それにステージ修復中は暇な為か、戻って来ていた茶々丸がエヴァンジェリンに問う。

 

 

「如何言う事ですか? マスター」

「前にも言った筈だ――――あいつは、ディエゴはまだ本気を出していない」

 

 

 為も無くさらりと言われたその言葉に、一同皆開いた口が塞がらない。

 

 

「入れ替えを起こす奇妙な術は、恐らく此方に手加減をする為の物だろう。アイツが本気を出せば、この中で対抗できるのはタカミチとアルビレオ―――」

「クウネルです」

「……クウネルぐらいだろう」

「そんな……」

「で、でもネギは高畑先生に勝ったのよ!? だったら―――」

「何度も言うがあれは御情けで勝たせてもらったようなもんだ。それに、魔法が流出しては困るから、そして客がいるから大技を出せなかったというのもあるしな」

「その点、あの御仁……ディエゴ殿は基本殴る蹴る投げる。入れ替えの術もあそこまで奇妙では無いものの実際にあるでござるし、本気を出されたら非常に不味いでござる」

 

 

 楓の止めの一言に、一同再び黙ってしまう。

 

 

「僕の考えた技も効かないでしょうし……効くまで溜めたら隙が出来ますし……」

「おまけに向こうはタカミチの様に試したり、影人形遣いの様に周りが見えていなかったりする相手では無いから、先の試合の様な展開も期待できん―――と」

 

 

 更に、ネギにはコノ戦いの前にクウネルに言われたある一言がとても気になっており、まだ数え十歳の彼には重荷がのしかかりすぎていた。

 その一言とは、彼の父に関する事であり、父を探している彼にとっては見過ごせない、聞き逃せない情報……頭から離れる筈もなかった。

 

 

(勝てるんだろうか……? ディエゴさんに……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方ディエゴ……もといDIOはというと、

 

 

 

(あー……ばれてねぇよな? 大丈夫だよな……?)

 

 

 試合結果と試合のの録画映像を見ながら、自分を知っている者たちにバレていないかと心配でいっぱいだった。

 本当は心配で震えているのだが、傍から見ればまるで怒りをこらえているかのように震えている。そんな彼を見た者達は、そそくさとその場から去って行った。

 

 

(大丈夫だろ。時止めをタイミングよく使っているし、ネギまの事しらねぇけど時を止めるなんて技術は無い筈だ。大丈夫だろ)

 

 

 根拠のない自信を胸にガッツポーズをし、彼は立ち上がる。次の試合相手は『ネギ・スプリングフィールド』。……つまり、この物語の主人公だ。

 

 

(……主人公補正とかで逆転勝利とかしないよな? そうならんように本気出すか)

 

 

 彼は肩を回しながら試合会場から遠ざかって行く。『主人公』に勝つための……入念なウォーミングアップの為に。

 

 

 




久しぶりなのに短くてすみません。

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