俺が、”ザ・ワールド”だあっ!!    作:阿久間嬉嬉

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やばい……色々分からん

この……学園都市だったか? やっぱり広いよな~……圧倒される。電気が通っているにしては建物の様式古いけどな。日本部分と外国部分が混ざってるみたいだな……この街は。

にしても昨日のエントリーは、やっぱ”ディエゴ”も入れとくべきだったか? ”ブランドー”だけじゃまずったかな……。”ディエゴ・ブランドー”にしとくべきだったかもなぁ。

 

 

 

さてと、冗談や現実逃避はここまでにしとくか。本題は―――――

 

 

 

「今日、皆に集まってもらったのは他でもない……ある問題が起きた為、力を貸してもらうためじゃ」

 

何か雰囲気的に、”普通じゃない”人たちが集まってるんだよ……。それに意外と近くにかくれてんだよな俺……ばれないよな?

テキトーに歩いていたら、突然人がどんどん居なくなって、何が不気味に感じてかくれたらこうなっちまったって寸法よ……また厄介事だなこれ。とりあえず息をひそめて―――

 

「マジで願いが叶っちまうんじゃよなー…これが。二十二年に一度じゃけれど」

 

うごっ!? 今とんでもない言葉が飛び出さなかったか!?

 

「迷信などではなかったのですか?」

「世界樹などと呼ばれとる気があるじゃろ? あの樹の本当の名は『神木・蟠桃』といってな、その内に途轍もない魔力を秘めておる。つまり…”魔法の樹”なのじゃ」

 

いや、確かにでかいなー…とは思っていたけど、よりによって魔法の樹かよ……!

 

「その魔力は二十二年の一度の周期で極大へと達し、世界樹の外へと流れ出す。そして、世界樹を中心とした計六か所の地点に、非常に強い魔力溜まりを形成するんじゃ。この広場もその一つじゃな」

 

そういや、さっき願いがかなうとか言ってたけど……それを利用すれば俺の体も―――

 

「この膨大な魔力は人の心に作用し、影響を与える。……まぁつまり、即物的な願いは叶わんということだ。……たとえば、大金持ちになりたい、世界征服したい、ギャルのパンティおくれとかな」

 

そうか……体を元には戻せ―――――ちょっと待て、変なの入ってなかったか今?

 

「しかしじゃ……先ほども言った通り、心には強力に作用する……つまり―――

 

告白する事に限っては、成就率なんと120%!! 呪いもビックリの威力なんじゃよ!」

 

うはー……とんでもないなそりゃ。下手すれば好きでもない奴と付き合わされる羽目になっちまうのか……うっひゃ~…。

 

「本当は来年のハズだったんじゃがな、異常気象のせいか否か…とにかく1年早まってしまった。だから、今回緊急招集したんじゃ。 噂はすでに結構、広まっておる」

「はい、麻帆良スポーツやネットの書き込みなどより噂の浸透率は、男子34、女子79%。本気で信じている者はかなり少ないとは思いますが…」

「占いや迷信好きな人たちは、実行したがる人も多いと思われますね」

「本当に脅威なのは学祭最終日なんじゃが……今の段階でもそれなりに影響は出始めとる。諸君にはこの6か所で告白を阻止してもらいたい」

 

とんでもない事聞いちまったよ……意味分からん単語も満載だったけれど……。

 

「…誰かに見られているようです」

「なぬ?」

 

くそっ、バレたか!?

 

俺が逃げようと構えたのと同時に、俺とは全くの別方向に風の刃が放たれた。

 

な~んだ、バレたんじゃねぇのか……ふぅ。

 

「魔力は感じなかった……つまり機械という事か」

「追います、学園長」

「深追いはせんでいいからの。こんな事が出来る生徒は限られとるじゃろうし」

 

…なんか空に人が浮かんでたように見えたんだが……気のせいか?

 

「さて、コトは生徒の生週に関わる問題じゃ、たかが告白と侮るなよ。まずは今言ったシフトでパトロールをよろしくの。では、解散じゃ!」

 

ん? 人が増えてきたな……やっぱあいつ等が何か仕掛けてたのか。……それに引っかからない俺って、いったい何……。

 

ま、いいか……帰ろ。

 

 

 

 

―――改めて考えると、別に聞いたところで俺に得なんてないよなこの情報。あの時の緊張感返せよこんにゃろー……。

 

 

 


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