「突然ごめんね☆ 君は死んだんだよっ」
こんなこと言われればだれでもぽかんとなる。いくら二次創作を知っていてもだ。
というかこの神様明るすぎ、若すぎ。
「えっと……神様のミスですか?」
「ま~ね。といっても私じゃないよ。それにミスしてしまった人には強力な力を授けることになってるんだ。記憶そのままに第二の生も味わえる。すごくない?」
なんか腹立つなおい……
「というわけで君には”魔法先生ネギま!”の世界へと転生してもらうよっ!」
いきなりすぎる! それによりによって知らない世界かよ。悲しむ暇もないわ。
「前に来た転生者達がバカやりすぎたせいで君への転生特典は一個だけー……ごめ~んねっ」
死んだとか言われた事より腹立つ! 何やったんだ先輩たちは!?
「何でもいいよ~言ってみな」
何でもいいか……いろんな能力あるけれど、応用が利くかそれ一つで十分かの二たくになるな。お、そうだ!死ぬ前に読んでいたマンガにいい能力があったな。そのうち二つのどっちにするか……
「うんうん。悩めよ少年」
よ~し! 決めた!
「ジョジョの奇妙な冒険の、”ザ・ワールド”がいい! ”ザ・ワールド”にしてくれ!」
「え!?」
何で驚くんだ? やっぱり強力すぎたのか?
「いや……本当にいいの?」
あ~…心配してるのか、もう一つの方がいいんじゃないかって。確かに”キング・クリムゾン”もいいけど、スタンドの見た目がな……それに時止めの方が何か分かりやすいしな。
「ああ、いい!」
「……本当に?」
やたら念を押してくるな……まさかディアボロや”キング・クリムゾン”のファンなのか? この神様。
「いいって! 俺がそうきめたんだ、何が起こっても後悔はないぜ!」
「うぅ……分かったよ! 君の意思を尊重しよう!」
”キング・クリムゾン”派と”ザ・ワールド”派。どっちが強いかは、人によってわかれるからな。でも、折れてくれたか。
「それじゃあ……いってらっしゃい!」
いや、本当に何もかもいきなりだな―――――って、
「落とし穴でレッツゴー! がんばっ!」
「テンプレ的落とし穴かああぁぁぁ……」
■
side神様
それにしても変な転生者君だったなぁ……
”ザ・ワールド”がいいなんて……よっぽどの変わり者だったんだね~
いろいろおまけはしたけどね……よっし、興味がわいちゃった☆ 彼をこっそりテレパで見ちゃお!
■
side???
落とされた俺は、裏路地から表通りにつながる手前にいた。
さーて……落とされるという、とんでもない始まり方だったが……改めて転生完了だな。
まずは……あれをやってみるぜ!
時よ止まれっ!!
両手を広げ、ポーズをとり、力を発すると……ほんの少しの間だが、音がやみ、歩いていた人が不自然に止まった。
おお、ちょっとの間だけど時止まってたな。鍛えて行けば最強だぜ!
あれ? ……そういえば、さっきから人が俺のことじろじろ見てるけど……なんなんだ?
「何あの……人? 変なポーズとったりしたし」
「見た目も変だよね~」
ぐああ!? そうだった! ここ、見え難いだけで表通りから見ようと思えば見えるじゃんか!? ハズかしぃ~!? 転生そうそう大失敗じゃん……トホホ
「何か黄色い鎧みたいな服に灰色の肌してるし……極めつけは肘膝顎の緑色のハート?」
「関わらないようにしよ」
おいコラ! いくら変なポーズとってたから……って、へ?
黄色い鎧みたいな服? 灰色の肌? 肘膝顎の緑色のハート?
それって”ザ・ワールド”の見た目のことじゃん。俺の見た目じゃあ……。
そこで、神様との会話を何故か思い出した。
『ジョジョの奇妙な冒険の、”ザ・ワールド”がいい! ”ザ・ワールド”にしてくれ!』
『え!? いや……本当にいいの?』
『ああ、いい!』
『……本当に?』
『いいって! 俺がそうきめたんだ、何が起こっても後悔はないぜ!』
『うぅ……分かったよ! 君の意思を尊重しよう!』
……まさか?
『”ザ・ワールド”がいい! ”ザ・ワールド”にしてくれ!』
もしやぁっ!?
『
俺は予想が外れてくれと祈りながら、偶然そばにあった古くてでかい鏡を見る。そこにはっ――――
股間部分のハートが無い以外は”ザ・ワールド”そっくりな俺の姿が………
俺は声にならない(っていうか喋れない)悲鳴を上げた。
〔どんな間違いしてくれてんだぁ!?〕
こんな思いを抱きながら。