とある一等空尉の日常   作:オパール

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すみません、お待たせしました。

この作品、試しにユーなの以外のCPを加えてみました。


追記

ちょっとした指摘を受けたので、後書きを削除しました


よーし全員手を上げろぉ! byヴァイス

「………今度は何の茶番だ、ヴァイス?」

 

「茶番とはまた言ってくれますねデュークの兄さん」

 

「いや、待ち合わせに遅刻しといて第一声がそれじゃ何言われても文句は言えないかと」

 

「ユーノ先生まで………」

 

「放っておけ二人とも。持病だとでも思っておけばいい」

 

「「はーい」」

 

「あんたら俺の事嫌いなら、はっきり言ってくれませんかねぇ!」

 

 

俺、ユーノ、ザフィーラの三人から口々に言われて涙目になってる狙撃手なヘリパイ(ヘリパイな狙撃手か?)がそこにいた。

 

心底気持ち悪い。

 

某月某日。

いつものバーに集まっているのは俺、ユーノ、夜天の守護獣ザフィーラ、ヴァイス・グランセニック陸曹の四人。

後から二人遅れてくるため、実際には六人での集まりだ。

 

 

「いや、なんていうか……すんませんっした」

 

「別に謝る必要は無いんだが」

 

「というか、何故遅れたのだ?」

 

「………いや、その………」

 

 

ザフィーラの問いに、何故か視線を逸らすヴァイス。

 

 

「?」

 

「………久しぶりだったんで、姐さんと、その………」

 

「掘るぞウィドウ」

 

『Yes,Sir』

 

「ナニを!?」

 

「まぁまぁ」

 

 

ウィドウの裏モードを起動しかけた俺をユーノが窘める。

 

 

「止めんなや」

 

「いちいち目くじら立ててたらキリが無いと思います」

 

「………ザッフィー」

 

「ザッフィー言うな。………別に良いだろう。当人達の問題だ」

 

「けっ」

 

「先生も旦那もマジありがとうございます………」

 

「あ。言っておきますけど僕もザフィーラもデュークと同意見なのであしからず。放送事故になるのを防いだだけなので」

 

「うむ」

 

「絶望したッ!!」

 

「「「うるさい」」」

 

 

テーブルに突っ伏すヘリパイ。

とりあえず、グラスとスモークチーズを置いておいた。

 

 

「相変わらず騒がしいな」

 

「ははっ。楽しそうでいいじゃない」

 

 

聞こえる声。

黒い制服のクロノ、白いスーツを着たヴェロッサ・アコース査察官がそこにいた。

 

 

「おいっす」

 

「すまない、遅くなった」

 

「ドリンクはもう注文してあるよ」

 

「すみません、ユーノ先生」

 

 

六人掛けのテーブルに着く二人。

 

 

「………なんか、六人揃ってっていうのも久しぶりだな」

 

「ほとんどが二人とかでしたからね」

 

「………この面子だと、やっぱり俺、場違いな気が」

 

 

俺、ユーノの言葉にヴァイスが続く。

 

 

「そう言うな。今更だろう」

 

「僕ら皆、デューク繋がりでこうなっているわけだしな」

 

「そう考えると、デュー君のコミュ力はやっぱりすごいよね」

 

「デュー君言うなヴェロッち」

 

 

六人揃って他愛のない会話を続けていく。

 

………まぁ、酒飲みながら話すだけならまだよかった。

 

六人で集まったのが予想以上に楽しくて。

 

ペース配分なんて考えてなかった奴らがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕だって………僕だってなのはと一歩進んだ関係になりたいとか思ってるんだよ!なのに皆してヘタレだの何だのって!!」

 

「いやーしたらその時姐さんが上目遣いで見てきたんですよあのシグナム姐さんがですぜマジヤバイです俺の姐さんマジ天使」

 

「君達にわかるか!?愛する子供達に顔を覚えられない父親の絶望が!わからないよなわかるわけがない独身貴族には!!」

 

 

 

一時間後。

酔っ払いがいた。三人も。

 

 

「どうしてこうなった」

 

「楽しかったんじゃないでしょうか。あとストレスとか」

 

 

ぽつりと呟くザフィーラに続くヴェロッサ。

 

 

「まさかクロノ提督までこの有様とは」

 

「この中で一番ストレス溜まる立場ですからねぇ」

 

「ヴァイスの奴は………」

 

「彼は単なる惚気ですし。直に収まる………いえ、収まらざるを得ないでしょう」

 

「そうか」

 

「あとはまぁ、ユーノ先生は見ての通り女性関係の悩みが爆発してる感じですね」

 

「………」

 

 

あくまで冷静に観察、分析するヴェロッサとザフィーラ。

 

 

「それはそうとデューク!君はいつまで今の微妙な三角関係を続けるつもりだ!」

 

「え」

 

「僕に色々言うくせに自分は何もしないとかどういう了見ですか!」

 

「お前も絡んでくるのかユーノ!」

 

「ちょっと俺の話聞いて」

 

「「黙ってろ色ボケ陸曹!!」」

 

 

 

「シュートバレット、チェーンバインドからのブレイズカノンか」

 

「見事な連携ですね」

 

「いや、止めろよ」

 

 

「で?いつまでダラダラ先延ばしにするつもりだ、君は?」

 

「や、なんて言うかほら、2人とも執務官じゃん?俺じゃ釣り合いっていうか」

 

「そんなこと気にする人間に見えますか、あの2人」

 

「いや、見えないけど」

 

「迷惑なら迷惑だとハッキリ伝えればいいだろう」

 

「そもそも、そこまで好きじゃないんでしょう、あの2人のこと」

 

「ちがっ………好きか嫌いかの二択だったら間違い無く好きだっつの!」

 

「ほう、どの辺が?」

 

「どの辺って………」

 

「薄々わかってたけど、やっぱり「好き」の意味合いが違うんですね。あの2人とデュークとでは」

 

「っ………」

 

 

………そんな事………俺が一番よくわかってるっつの

 

 

「………どうすりゃ、いいんだよ」

 

「僕らが知るか」

 

「今まで他人のこと気遣いすぎたツケですね」

 

 

冷ややかに呟き、クロノとユーノは席に着く。

 

 

「………まぁ、貴方の面倒見の良さは美徳ですけれど」

 

「それも度が過ぎればこうなる、ということだ」

 

 

俺の肩に手を置いて話すヴェロッサとザフィーラ。

 

………この年になるまで初恋すら経験してない男に、どうしろってんだよ。

 

 

「………飲む」

 

「?」

 

「飲み明かすぞ今日は!」

 

「吹っ切れたか」

 

「ていうか単なる自棄だろう、これは」

 

 

マスター、ハイボール!濃いめで!!

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「「「「…………」」」」

 

「みんな見事に潰れましたね」

 

「デュークの奴も、最後はボトルをラッパで………む?」

 

「どうしました?」

 

「主から通信?………はい」

 

『あー、ざふぃーらー?げんきにやっとるー?』

 

「………主はやて。飲み過ぎでは?」

 

『のーぷろぶれむー。こっちはこっちでおもしろいことにー』

 

『あ、主はやて!そ、そろそろ私の胸から手を』

 

『ああ、こら!にげるなしぐなむー!………しゃーない。ふぇいとちゃんかもーん!』

 

『ひゃ!?ちょ、はやて!テ、ティアナ、助け………!』

 

『離しなさいよ、スバル……!』

 

『やっぱてぃあのむねさいこー………』

 

「………楽しそうですね、確かに」

 

『お、やっぱそうおもうかー?』

 

「皮肉なのに気付かれないね」

 

「それで、ご用件は?」

 

『あー、うん。そろそろかえろうかとおもうから、わるいけどむかえにきてくれへん?なのはちゃんとかつぶれてるしー』

 

「………承知しました。ですが、こちらにも四人ほど酔い潰れたのがいますので、少々遅くなるかと」

 

『んー、りょうかいやー。さてさてふぇいとちゃんのおっぱいはー』

 

『だからダメ………あ、ちょ、そこは』

 

 

ぶちっ

 

 

「………」

 

「賢明な判断です」

 

「………さて、皆を運ぶぞ」

 

「そうですね」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

「………」

 

 

………頭いてぇ。

てか、ここは………俺の家か。

 

 

「悪いことしたなぁ………」

 

 

恐らく、ヴェロッサかザフィーラ辺りが運んでくれたんだろう。頭が下がる。

 

 

「………にしても」

 

 

───好きの意味合いが違う。

 

 

「………水飲んでシャワー浴びよ」

 

 

ふと。

 

 

「………ん?」

 

 

………俺の布団ってこんなに膨らんでたっけ?

 

 

「………」

 

 

恐る恐る………

 

 

 

 

 

 

「くけっぷ」

 

 

自分のものとは思えないほどの引きつった声が出た。

 

そこにいたのは、俺もよく知る………

 

 

 

 

「ティアナ………!?」

 

 

いつもの黒い制服ではなく、肌蹴たYシャツ姿のティアナ・ランスターがそこにいた。

 

 

「なん………状況確認!」

 

 

シーツ、衣服の乱れ………無し!

周囲に妙な汚れ………無し!

異臭………無し!

 

 

「………知らぬ間に襲ってたとかは無かった、と」

 

「んぅ………」

 

「あ」

 

「ふぁ………あれ、でゅーく、さん………?」

 

「………おはようございます」

 

「?………っ!?」

 

 

あ、覚醒した。

 

 

「なっ!な、な、なん、なん、で」

 

「落ち着け。気持ちはわからんでもないが落ち着いてくれ」

 

「え、わ、わたし、昨日お店でなのはさん達と飲んで、でもいつの間にか寝ちゃって起きたらデュークさんと朝チュンして………」

 

「いや、とりあえず誤解を招く発言は………」

 

『デューク』

 

「何だよウィドウ」

 

『ここに高速で接近する反応が一つ』

 

「え」

 

『というかもうドアの前です』

 

 

 

 

「デュークさぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

 

 

 

 

鍵を壊して強引に開け放たれる扉。

 

舞う金色の束。

 

涙混じりの赤。

 

 

涙目のフェイト・T・ハラオウンがそこにいた。

 

 

 

「………なんでさ」


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