とある一等空尉の日常   作:オパール

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と、いうわけで本編最終回です。

なのに、ヒロインズとの絡みがない。何故だ

ちなみに今更ながら作品名変更しました

理由としてはなのはの出番が少ないのに原作タイトルつくのはどうかと思ったからです。
本当に今更ですが


彼と彼女達の恋物語

───あれからまた、しばらく時間が経って

 

 

「あら」

 

「おっ」

 

 

本局の廊下を歩いていると、見知った顔に遭遇。

 

 

「ご無沙汰してます、リンディ統括官」

 

「ええ。久しぶりね、デューク一尉」

 

 

リンディ・ハラオウン総務統括官。

俺のかつての上司。

 

 

「………あ、ごめんなさい。もう一尉じゃなかったわね」

 

「正確には明日からなので、一尉で大丈夫ですよ」

 

「そう?………よかったらこの後、お茶でもどうかしら?」

 

「統括官特製のあれでないのなら」

 

「もう………」

 

 

 

 

場所を移し、本局の休憩スペース。

 

 

「それにしても、こうして二人で話すのも本当に久しぶりね」

 

「そうですね。お互い、色々変わりましたから」

 

「フェイトやクロノからも聞いてるわ。貴方の活躍とか近況。また感謝状を貰ったらしいわね」

 

「そこまでされる事をしたつもりは無いんですがね」

 

「してきたからこその、昇進でしょう?」

 

 

そう、明日付で俺は昇進、三等空佐になる。

 

 

「まぁでも、これからは直接援助とかに行く機会とかも減るでしょうね」

 

「それは仕方無いわ。佐官なんですもの」

 

 

言って、互いに苦笑する。

 

 

「………それで?」

 

「?それで、とは?」

 

「フェイトをお嫁に貰ってくれるのはいつになるのかしら?」

 

「………気が早いですよ」

 

「そうかしら?」

 

「それに、待たせてるのはフェイトだけじゃないので」

 

「………そう、だったわね」

 

「二人が納得いく答えを出しますよ。………例え、どちらかが悲しむ結果になったとしても」

 

「私としては娘に幸せになってほしいのだけれど………決めるのは、貴方達だものね」

 

「ええ。………っと、では、俺はこれで」

 

「あら、何か用事?」

 

「はい」

 

「そう。引き止めて申し訳ないわ」

 

「お気になさらず。失礼します」

 

「ええ、またね」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

「では!デュークさんの三等空佐昇進を祝して!」

 

「「「カンパーイ!!」」」

 

 

数時間後。

我が実家にて、俺の昇進祝いのパーティーが行われた。

 

面子としては、高町、ハラオウン兄妹、八神家、ティアナ達旧六課フォワード陣、ヴァイス、ヴェロッサ、ユーノに加え親父とユミルという、結構な大所帯。

 

 

「最初に言っとくけど、子供もいるから酒は程々になー」

 

 

俺の声に、一部の人間がはーい、と返す。

 

 

「おめでとう、デューク」

 

「おめでとう」

 

「おぅ、サンキュなクロノ、ヴェロッサ」

 

 

こちらにやってきた二人とグラスを合わせる。

 

 

「やれやれ。僕と同期だった君がようやく佐官か」

 

「うるせぇよエリート。地位なんざ俺のペースで取れれば良かったんだから。そこまで興味も無ぇし」

 

「でも、現場に赴く事も無くなるんじゃないかい?」

 

「そん時はそん時さ。どうにかする」

 

「前向きだな」

 

「それがデュー君の良い所だからね」

 

「デュー君言うなっての」

 

「デューク」

 

「ん?ユミル………親父も」

 

「………ヴェロッサ」

 

「そうだね。じゃあ、デュー君。僕らはこれで」

 

「ん?あ、あぁ………」

 

 

二人が去るのを見送り、親父とユミルに向き合う。

 

 

「まずは、おめでとうと言わせて貰うわ」

 

「ああ、サンキュー」

 

「どう?佐官になるという感想は」

 

「どうもこうも………『ああ、昇進かー』くらいにしか感じねぇや」

 

「だと思ったわ」

 

「………わざわざそれ言うためだけに来てくれたのか?忙しいのに」

 

「愛する愚弟の昇進だもの。お祝いしたいと思うのが当然でしょう」

 

「………サンキュ」

 

「………デューク」

 

「親父?」

 

「私はな、デューク。私がお前の生き方を決めてしまったのではないかと思っていた。………いや、今でも思っている」

 

「………」

 

「お前は、私のように誰かを救える、支えられる人間になりたいと言った。あの頃、お前と出会った私のように」

 

「………ああ」

 

「他にもお前の人生には可能性があったかもしれない。だが、私との出会いがそれを奪ってしまったのではないか………そう、思わずにいられなかった」

 

「親父………」

 

「故に問おう、デューク。………お前は、今の自分に後悔は無いか?この先も、己を貫く事ができるか?」

 

 

それは、今までこの人が思っていたこと。

俺の未来を、他の可能性を思っての言葉。

 

なら、それへの俺の答えは………

 

 

「先の事なんてわからない」

 

「………」

 

「挫折するかもしれない、後悔に押しつぶされるかもしれない。どこかで、間違えるかもしれない」

 

「………」

 

「でも、これだけは言える」

 

 

 

───俺は、デューク・ディノアでよかった

 

 

 

「デューク………」

 

「自分で選んだ道、自分で掴んできた今だ。後悔なんてない。世話焼くのも、誰かを支えるのも、俺の想いにも、間違いなんて無いんだから」

 

「………そう、か」

 

「言ったでしょう、父さん。この子はこういう子なの」

 

「ああ………そうだな」

 

「親父………」

 

「………デューク」

 

「ん?」

 

 

「私の息子でいてくれて、ありがとう」

 

「………こちらこそ。俺の親父でいてくれて、ありがとう」

 

 

血の繋がりなんて無い。だからこそ、俺達は親子で、姉弟でいられた。

だから、感謝してるんだ。あの頃から、ずっと。

 

 

「………あら。デューク」

 

「ん?」

 

「貴方のヒロイン達がお呼びみたいよ」

 

 

ユミルの言葉に振り向くと、フェイトとティアナが何か言いたげな目でこちらを見ていた。

 

 

「えっと………」

 

「行きなさい」

 

「ええ。レディを待たせるものではないわ」

 

「………ん」

 

 

 

「改めて、おめでとうございます、デュークさん」

 

「ああ、ありがとな」

 

「ユミル一佐達と、何を話していたんですか?」

 

「何でもねぇよ」

 

 

心から俺と楽しげに話す二人を見る。

 

俺を好いてくれてる二人。

 

その想いは真剣で、自惚れでなければ、今こうして話している間にも、きっと大きくなっていて。

 

だから、応えたいと思う。

 

俺の、俺自身の想いで、言葉で。

 

この二人の想いに。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

ある日の昼下がり。

 

クラナガンを歩く俺の隣には、一人の女性。

腕を組み、指を絡ませながら二人でのんびりと歩いている。

 

ふと、視線を送っていたのを察したのか、何ですか?と彼女が問う。

 

何でもない、と返し、歩を進める。

 

風が強めに吹き、彼女がそっと左手でその艶やかな髪を押さえる。

 

───その薬指には、俺が贈った指輪がはめられていた。




以上です。
最後の女性がフェイトかティアナかは皆様の脳内補完にお任せします。

これにて本編最終回ですが、次回以降はワンクッション挟んでから、本編でできなかった、やろうと思ってたけど忘れてた話、後はフェイトとティアナ、それぞれとのEDなどの番外編となる予定です。

………ハーレムEDとかもやった方がいいんだろうか

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