リリなの編 木之本桜は最強たり得るのか?   作:シース

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第3話 小学生になりました

 さて、小学校入学です。知世ちゃんとなのはちゃんとも一緒に私立聖祥大附属小学校に入学となりました。

 入学前に二人を会わせたのですが、二人ともものすごく相性がいいようです。

 最新技術をフルに使える知世ちゃんと家電オタクななのはちゃん。話が合うどころか互いに補完し合ってなんらかの協力体制ができたような感じです。

 この前、3人でヨドバシカメラに行ったときなんて、買わないのにも関わらず......

 

「知世ちゃん、このビデオカメラ解像度は割りと低いけれど、手振れ防止機能が強くてかなり良さそうだと思うの!」

 

「あら、なのはちゃん。良くご存知ですわね。私もこの機種には目をつけていたのですよ。落下させた際の故障率の低さにも定評がありますし!」

 

「あ、あと空撮とかにも興味あるの。そのうちラジコンのヘリコプターに取り付けて空撮とかもやってみたいの!」

 

「そうですわね! 一人で撮影するよりも、二人で撮影したほうが色々と撮影にも幅が増えてくるというものですわ!」

 

「T-REXの3GXはちょっと頼りないところもあるけれどもコストパフォーマンスはいいと思うの......」

 

 なのはちゃん。魔法を使えるようになったら空撮できるようになると思うから、ラジコンヘリの具体的機種選びまではやめてほしいかな?

 私が空撮をする? できないことはないけれど、アクセルシューターでも羽に1発受けると即落下なので、戦場カメラマンにはなれないような。

 

 その後、冷蔵庫のコーナーに移ったら移ったで、

 

「知世ちゃん、私が買うんだったらやっぱり、この瞬間冷凍機能付きの冷蔵庫を買うの!」

 

「あら、なのはちゃん。良くご存知ですわね。冷凍する際、零度くらいで氷の結晶によって刺身などの細胞を壊してしまう所を一気に駆け抜けて冷凍してしまいますものね!」

 

 私の記憶では、小学校入学前に二人がこんなに家電好きとかなかった気がするんですが、些細なことかもしれません。

 

「知世ちゃん、この4Kテレビは、やっぱりオリンピックまでには買っておきたいの!」

 

「あら、なのはちゃん。4Kテレビもいいのですけれどレコーダーの方やスピーカーもいいものをそろえたい所ですわ!」

 

 まだまだ北京オリンピックも始まっていないのに、4Kテレビがおいてあるのは、いつもの私の占い効果による周りの技術チートなのか知らないけれど、

 あれ? うちのテレビってデジタルにすでになっているのかな? あまり詳しくない......なぜって? 私の部屋にある音楽再生機器は未だにテープレコーダーだからだよ!

 でも、DVDすらすでに過去の産物で、プレステ4も発売されブルーレイが主流な今、少し時代に取り残されてる気がしなくもない。

 

 それに、そっか、これがアウェー感というものなのだろう。あの、なのはちゃんが高町家にいるときにアウェー感を感じるというアレ。

 高町家で士郎さん桃子さんのカップルはどうしようもないとして、恭也さん美由紀さんの間には剣術というきっかけで仲良くなって欲しいところです。末っ子のかまわれ特性を生かして。

 

 その後しばらくして、入学前に制服姿で写真館へと行って、三人で記念撮影を撮って記録に残すくらいの仲良しになっています。

 もちろん家電知識も頭の中に入れておきます。あのアウェー感はそんなに味わいたくないものですしね。

 

 

 

 

 

 

 さて、同じ学校に入れたことはいいのですが、さすがに同じクラスにとまではいきませんでした。

 私と知世ちゃんは同じクラスなのですが、なのはちゃんは別クラスで、原作三人組と言われる所のアリサちゃんすずかちゃんと同じクラスです。

 

 登校は三人一緒にバスに乗っての登校です。

 インラインスケートで登校しないのかって? うちの学校では自転車での登校も認められていません。

 交通のひんぱんな道路でもインラインスケートはしちゃダメだってお兄ちゃんにも言われました。

 一応、言ってはみたんですよ? そしたらお兄ちゃんは「あんなのただのファンタジーだ。幻想だ。もしくは自由の国だ」としか言いません。

 

 それはそれで置いておくとして、

 

 帰りの集団下校も三人一緒なのです。別になのはちゃんに同じクラスのお友達ができていないというわけでもないとは思うんだけれども。

 知世ちゃんは途中で別の習い事に行き、私となのはちゃんも前に一緒に習い始めたお稽古というものをしているからです。

 そのうえ、私は家業のお手伝い(1日20件の占い)となかなかに大変なスケジュールです。

 

 

 

 

 

 

 そして、時はきました。場所は撮影に良さそうな二階に陣取ります。占いでこの日この場所と決めていたのです。とあることのために。

 

「知世ちゃん。撮影の準備はすぐにできる? ちょっと撮影してもらえる? 記念に撮っておきたいものがあるんだけれど」

 

「ちょっと待ってください。ええ、大丈夫ですわよ。桜ちゃんは何をお撮りになりたいのですか?」

 

 丁度そこにいる髪が紫色のすずかちゃんの撮影をお願いする。しばらくするとアリサちゃんがやってきて、リボンを取り上げすずかちゃんをからかう。

 そこに、なのはちゃん登場! そしていきなり襲い掛かる! 知世ちゃんのバトルシーン撮影の腕を見てみたかったのです。

 

 そして、なのはちゃんのあの台詞、

 

「痛い? でも自分のものを取られた人の心はもっと痛いの」

 

 そんなことでアリサちゃんが止まる訳もなく殴り合いです。ベアナックルです。グリズリー並みです。

 なのはちゃん。お稽古しているからアリサちゃんを一気に伸してしまうかと思いましたが、所詮は子供の殴り合いです。互角です。

 そうこうしているうちに、すずかちゃんが

 

「やめて!」

 

 と、そんなこんなで、二人は喧嘩を止め、なぜかすっかり仲良くなっていました。原作展開? はい。そのとおりです。

 それと、ジャンプ的な展開と言えるのかもしれません。

 なのはちゃんと互角だったアリサちゃんは、仲間になったとたんにパワーインフレから脱落していくというアレのような。

 

 そういった光景を見ながら、私に言えることは一言だけです。

 

「はにゃーん! 青春だねー!」

 

 もちろんそれだけで済ませてもらえるほど、知世ちゃんも付き合いが短いわけではありません。

 

「もしかして、桜ちゃん、なかなかクラスで親しい友達ができないなのはちゃんのためにバニングスさんや月村さんを謀りました?」

 

 いいえ。これは原作の展開のままなので私が介入することなく、きっとこうなるだろうなーと思っていた展開です。ですので、

 

「ほぇ? 知世ちゃん、まるで私がいつもたくらみごとをしてるみたいに言わなくてもいいんじゃないかなーと思うけど」

 

「そうなのですか? いつもの桜ちゃんのことですから、私てっきり......」

 

 うん。色々とたくらんではいるけれども、それと今回は別件です。

 知世ちゃんのバトルシーン撮影の腕をみるっていうのは謀り事の内には入らないよね? たぶん。

 これは青春の一ページを撮影しただけなのですから。撮影許可? 事後承諾で、きっとぜったいに大丈夫だよ。


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