マチルダさんが孤児院を後にしてからというもの、俺は慣れ親しんだ夜のアルビオンの冷たい空気にさらされながら自分の胸に湧き上がった疑問について考えていた。
俺の郷愁の念は一体どこに向いたものだろうか。
俺はどこに帰りたくて、誰に会いたいのだろうか。
敢えて言葉にするならこんな感じだ。
故郷はこのアルビオンの大地に存在するバーミンガム伯爵領。より正確に言うならば母さんと過ごしたバーミンガムの片田舎であり、母さんが死んだ後バーミンガム伯に連れられていった屋敷の周りもそうだと言えるかもしれない。
家族は既にこの世を去った母さんと、今なおおっかなびっくり元気でやっている筈であるバーミンガム伯。腹違いだが慕ってくれていた弟もそうと言えるかもしれない。
なら日本は、既に名も定かでない日本人としての「俺」を生み育ててくれた、顔も思い出せない2人は違うというのか。記憶もあやふやで多少の知識が未練がましく残っている程度の「俺」は俺じゃないのか。
「どっちも、としか言いようが無いよな」
夜の森で木に背を預けつつも、我ながらおセンチなことだとため息交じりに言葉を吐き出す。たとえ今の俺がウルダールでろうと、俺の原風景はあの無機質なビル群が立ち並び自動車が行き交い満員電車に辟易する日本なのだ。
たとえそれが色褪せて風化し今にも崩れそうな程だったとしてもだ。
バーミンガムは近くて遠い。
俺のちっぽけな意地と今やりたいことが望郷の念を邪魔する。
日本は距離だけでなく概念的にも遠い。
サイトがいる以上存在することは確かだが、それが俺の望む日本かどうかも分からない。
結論としては悩むだけ無駄、だ。
「なら、戦いしか能の無い俺はさっさと全力出せるように努力するしか無いな」
以上、苦悩終了。
苦悩って程悩んで無いだろうと言われそうだが気にしない。
「剣でもふってようか……と、言ってる場合じゃないか」
早速頭を空っぽにして鍛錬にでも励もうかと思ったがそうもいかない。流石に外からでも家の中の声が聞こえてくるくらい白熱した口論は穏やかでないと思う。
孤児院の中に入るとルイズ嬢とサイトが向き合って対峙していた。
周りの奴らはそれぞれらしい態度でそんな2人の事を熟視していた。
タバサは本を開きつつも目を通さずに2人の動向をじっと見つめ、キュルケはいつもの陽気な笑顔を引っ込め2人を案じるように真剣な表情で見守っており、ギーシュはどうしたものかと困り顔で2人の動向を窺がっていた。2階に上がる階段の方からはティファニアさんと子供たちが心配そうに覗いており、窓の方を良く見るとレッドやシルフィードも中の様子を覗き込んでいる様だ。
「だから俺は別に無理なんてしちゃいねえって!」
「いきなり家族と引き離されて、戦争にだって行って、それで無理してないなんてその方がよっぽどおかしいわよ!」
ルイズ嬢とサイトの主従は互いに一歩も引かず、その主張を曲げない。おセンチになってた所為であんまり内容を把握してないがつまりルイズ嬢はサイトの事が心配なのだろう。今まで気にして来なかったのだろうが、冷静に考えれば確かにサイトの境遇は壮絶だ。
使い魔としての能力があったから何とかやって来れたが、無茶ぶりにも程がある。サイトは今まで、ルイズ嬢と何かと反目しつつも文字通り命を懸けて使い魔としての役割を果たしてきた。それも平和だと思われる日本で学生をやっていた少年が、だ。惚れた腫れたで済む問題を通り越していてもなお、サイトは平静を保っている。理由については見当がついてるが、それはルイズ嬢も同じなのだろう。
だからこそのこの口論なのだろう。
「おーやってるやってる」
「大道芸の見物客みたいな反応しないでくれたまえ。一体どこほっつき歩いていたんだい?」
呑気なことを言いながらおっとり刀で家の中に戻ってきた所を、気付いて近づいてきたギーシュに見咎められたので素直に白状する。
「若干感傷的になってたがもう大丈夫だ。……サイトのこれからについてか?」
「君が感傷的になるなんて想像が……いやタバサの時もそうだった、と言うのは横に置いておくとして君の想像通りだ」
何か余計なことを言おうとしていた気がするのでメンチビームを飛ばすが、ギーシュは気にせずいけしゃあしゃあと答えてくれた。 どうにもギーシュは俺の扱いを心得たようで釈然としないが、それどころじゃないのでギーシュに習って横に置く。
「サイト、あんたはどうして平気な顔してるの?故郷に帰りたくは無いの?家族に会いたいって、思わないの?」
「そりゃあ、俺だって両親には会いたいけどよ……でも今はガリアへの対策とか、もっと他にやらなきゃいけないことがあるだろ!」
ルイズ嬢の問いかけにサイトも寂しげな表情を見せるが、直ぐに弱気を振り払い正論……とは言い切れない反論をする。確かに不穏な動きを見せるガリアや、そもそも胡散臭さの塊であるロマリアなんかへの対策は講じなければならない。
しかし。
「サイト、今まで散々私たちの事情に巻き込んできたからでしょうけど、一つ勘違いをしてるわ」
「勘違いって何だよ?」
「今までと、そしてこれからの戦争は私たちの戦争であって、私に無理矢理連れてこられたあんたが態々首を突っ込むようなものでは無いのよ」
ルイズ嬢の言う通りだ。
サイトはそもそもこの世界の人間ではなく、別に俺たちの戦争に無理に首を突っ込む必要は無いのだ。地球に帰れる時が来るまで、大人しくしているのは何も悪い事ではない。
「それを言うなら俺は
「確かにそうね。……ところであんた、最初の頃は随分私に反抗してくれたわよね?」
対するサイトも始祖の使い魔としての責任と、何よりルイズ嬢の使い魔として彼女を護ることが戦う理由であると言外に主張する。前者は
ルイズ嬢もそれには同意する……と見せかけて話を逸らす。最初の頃とやらはどんな感じか知らないが何となく想像は出来るので聞き流す。
「それが何だよ。今だってそんなに変わらないだろう?」
「そうね。確かに今でもあんたとはよく口論になるわ。……でも、あんたは、サイトは事あるごとに私を助け、戦ってくれた。私の都合で召喚されて、自分で言うのもなんだけど酷い扱いを受けていたのに、何故かしら?」
酷い扱いがどんなものなのか想像するのは怖いので止めておくが、そう言われると確かにサイトにはルイズの為に命を張る理由なんて無いように思える。
だが果たして本当にそうなのだろうか。もっと単純で、メイジにしてみれば至極当然な理由があるんじゃあないだろうか。
「サイト、コントラクト・サーヴァントにはね、簡単に言うと使い魔がメイジに反抗しないようにメイジに対して好意を抱くようにする効果があるの」
そりゃそうだろう。如何にメイジであろうと自分に敵意を持つ、あるいは獲物と見なすような猛獣を躾けるのは至難の業だ。
だからこそ竜騎士を筆頭に幻獣を操る騎士達が羨望を集め戦の花形となるのだ。使い魔という反則技はあるものの、騎士団に入ればそれ抜きで幻獣を御す為の技法は誰しも教え込まれるものだし、それは俺も例外ではない。それ相応の力と知識を前提としてそこに更に経験が合わさって漸く形になるのだから、有象無象に出来るものでは無いのだ。
話が逸れたが、メイジはコントラクト・サーヴァントによって使い魔を文字通り自分のものにする。言い方は悪いが予め洗脳して簡単に手懐けられる様にしているのだ。だからこそ、使い魔召喚はメイジにとって一生物であり、使い魔は自分と同じかそれ以上に大切にしなければならない存在なのだ。相手の全てを自分のものとするのだから。
少なくとも俺はそう解釈している。
「……そ、そんな」
「嘘だと思うなら皆に聞いてみなさい」
ショックを受けたのか今までとは比べ物にならないほどに動揺し思うように言葉も出ていない様子のサイト。そんなサイトに追い打ちを掛ける様にルイズ嬢は促した。動揺したままのサイトが俺たちを見渡す。
「より正確に言うならば記憶の改竄によって主に尽くす為の都合のいい動機が発生するというものらしい。結果として主への好意が発生するのは当然の帰結であり、その効果は時間が経つにつれより強くなることが容易に予想できる」
「私はあまり詳しいことは知らないけれど言葉の通じない獣を使役するのだから当然よね。……サイトは獣じゃ無いけど」
「そういう意味では最近のサイトが妙にやる気に満ちているように見えることにも得心がいくね」
タバサに始まり、キュルケ、ギーシュの3名はそれぞれらしい言葉をサイトに返した。と言うかそういうプロセスなのか。記憶の改竄が絡んでいると言うのなら文字の覚えが良いと言うのも納得は行く。どうして言葉が通じているのかについても、記憶の改竄でハルケギニアの言語が追加されたのかもしれない。
3人の言葉を受けて表情を凍らせたサイトが俺の方を向く。 こんな酷い顔した奴になんて言えば良いかとても困る。困るが、言ってやらないとダメ、だよな。
「まあ、だからこそメイジは使い魔を大切にするし、大切にしない奴は白い目で見られるのさ」
勿論これはさっきも言った通り俺個人の見解であって、他がどう思っているかは知らないしサイトにそれを言うつもりは無い。
俺からも事実であると肯定されたサイトは頭を手で押さえながら俯き、縋る様にデルフリンガーに問いかけた。
「デルフ……今の話」
「始祖のルーンだからって例外は無え。……娘っ子のいう事は本当だよ、相棒」
普段のとぼけた調子を見せず、どこか労わる様な音色を滲ませたデルフリンガーの返答は、やはり肯定だった。デルフリンガーの返答を受けたサイトの表情は依然として見えずどうやら何事かを口走っている様だが、その声はか細くて耳を澄ませても俺には聞こえなかった。
「だからって、俺にどうしろって……」
漸く聞こえた言葉は打ちひしがれた様な悲痛な響きをたたえていた。そんなサイトの姿に、ルイズ嬢は今にも涙を溢れさせそうになりながらもそれを堪え毅然とした表情でデルフリンガーを問いただした。
「デルフ、あなた伝説の剣なんだから虚無には詳しいのよね。……ティファニアの『忘却』でサイトを縛り付けている動機とやらを消せないかしら」
「え、わたし?」
不意に槍玉に挙げられたティファニアさんが目を白黒させながら呟くが今はデルフリンガーの答えに集中する。ルイズ嬢の言葉はサイトが自分の元を離れて行っても構わないという意思の表れでもある。言葉や行動は素直では無いが、明らかにサイトの事を異性として意識している彼女にしてみればとても覚悟の必要な発言だ。
そんなルイズ嬢の覚悟を汲んだのか、デルフリンガーは重々しく答えを口にした。
「出来るだろうさ。虚無に干渉できるのは虚無だけだからな」
デルフリンガーの答えによってルイズ嬢の意図は明確な物になった。説明するほどの物でもないが、つまりサイトを危険に晒したくないのだ。だから自分に尽くす動機を消して争いから遠ざける。単純明快で最も効果的な方法だ。
サイトが暫く使い物にならなくなる可能性に目をつぶれば、だが。
学院か、せめてトリステイン領内で行うならまだしも遠征中である現状ではリスクが高すぎる。なので勢いに流される前に口を挟むことにする。
「まあ2人ともちょっと落ち着けよ。ルイズの気持ちは分かるがサイトにも気持ちの整理ってものがあるだろうさ」
「あなたは黙ってて頂戴、ウルド。……何よりその気持ち自体がルーンで歪められてるものじゃない」
横から口を挟まれたルイズ嬢はいつも以上にきつい目付きで此方を見てくるが負けてはいられない。
「たとえ動機がねつ造されてたって、今のサイトにとってはそれが真実だ。それに今俺たちが何をしてる途中なのか考えてもみろよ」
「何って……あっ」
気持ちだけが逸ってやっぱり忘れていたようだ。
「そこにおわすお姫様達をトリステインまでお連れしなければいけないんだろう。それに正直俺はまだ不調だからさ、今サイトに潰れられると戦力ガタ落ちだよ」
階段の方から覗き込んでいるティファニアさんの方に向かって手を掲げる。お姫様だなんて……とティファニアさんが照れ照れしていて可愛い。それはさておき、色々ごたごたしてるが俺たちはまだ任務の途中なのである。俺の状態もあんまり良くないし、サイトについて色々対応するにも帰ってからの方が都合が良い。
これ以上ごねられても面倒なので文句が出る前に畳掛ける。
「要は迎えの来るロサイスまでの間、戦闘を回避するだけで良いんだよ。明日サウスゴータで竜籠でも手配すればひとっ飛びさ」
「確かにそれなら危険は避けられるけど、お金はどうするだい?」
「そりゃギーシュ、お前が騎士団の名前と証文を出してトリステインの王宮にツケときゃ良いんだよ。相手が渋った場合は俺の手持ちでなんとかする」
ギーシュが当然の質問をしてくるが問題は無い。女王陛下から文句は言われるかもしれないが背に腹は代えられないのだ。さり気無く対象をギーシュに擦り付けたので俺に文句を言われる心配も無い。なお、なんとかすると言うのは袖の下の事である。
「……責任を僕に擦り付けるつもりだな。君の提案なんだから万事君に任せよう」
「俺たちの責任者はお前だろ、ギーシュ。騎士団長っていうのはもっと上の人から怒られるのも仕事の内だぞ」
「……やっぱり?……どうしてもダメ?」
「ダメ」
ここ最近の騒動に巻き込まれまくったからなのか、妙に勘が良くなったらしいギーシュが文句を吐いてくるが、正論で押し潰す。困ったギーシュが媚びるような目で見てくるが毅然とした態度で責任の所在を押し付ける。
ふむ。
大分空気は軽くなった、かな。夜も遅いので巻きに入る。
「異議がある人は?」
「……それで良いわ」
「異議無し」
「私もそれで構わないわよ」
それぞれ言わないだけで意見はあるのかもしれないが一先ずこれで決着がついた。
返答が無かったのは先の事を考え今から憂鬱になっているらしいギーシュと、そもそもの話の中心であったサイトだった。ギーシュはいいとして、サイトは心配なので声を掛ける
「サイト、今日の所は一先ず休めよ」
「……少し、頭冷やしてくる」
「おう、風邪引くなよ」
頭がこんがらがっているらしいサイトは、一人家の外へと出ていった。気持ちは分からんでもないので止めはしない。ただ、妙な気を起こされても困るのでレッドに監視を頼む。
『レッド、サイトが変な真似しないか気にかけてやってくれ』
『やっと念話をよこしたかと思えば便利に使いおって……任せておけ』
『ありがとな』
憎まれ口を叩きながらも頼まれてくれるレッドはやはり使い魔の鑑である。
レッドに念話越しに感謝を伝えた直後、ルイズ嬢が叫ぶ。
「待って、サイト!」
当事者であるルイズ嬢としては気が気でないらしい。後を追わんとするルイズ嬢。止めようかと動く前に彼女の歩みは別の人物によって止められた。
「……タバサ、手を離して!」
止めたのは意外なことにタバサであった。
「彼は、特にあなたには今の姿を見られたくないのだと思う」
「……それって、どういう事よ?」
「殿方って本当に面倒臭くて、でもそう言うところがまた可愛らしいって事よ、ルイズ」
タバサの言葉に疑問を浮かべたルイズ嬢に対して、キュルケが分かるようで分からない補足を付け加える。男の意地が面倒なのはともかく、可愛いって言うのは同意できないのだが。タバサも同じ意見なのだろうか。
「女衆はベッドが当たってるんだから早く行った行った。さもなくば先に占領してしまうぞ」
「せっかちな男は嫌われるわよ、ウルド。……後は男2人に任せるわ。お休みなさい」
さっさと寝ろと急かす俺をあしらいつつキュルケが2階へと向かう。あいつがせっかちとか言うとエロい意味で受け取りそうになるから困る。
「ルイズも疲れてるだろ?早く寝てさっぱりした方が良い」
「……でも」
サイトもそうだがルイズ嬢も頭の中はぐちゃぐちゃも良いところだろう。なので休息を勧めるが、頑固な彼女は何とか反論しようとする。
「頑固者め……タバサ、お願いできる?」
「分かった。お休みなさい、ウルド、ギーシュ」
面倒なのでタバサに部屋まで拉致して貰うことにした。何事かを言おうと口元を動かそうとするルイズ嬢だったが、やはり疲れていたのだろう。自分よりも体格の小さいタバサに引っ張られ抵抗することなく2階へと上がっていった。
「さて、夜も遅いのに騒がしくして悪かったね、ティファニアさん。ちびっ子達も」
「いえ、サイトさんの将来に関わる大事なことですから……さあみんな、もう寝ましょう?」
ティファニアさんだって今日、将来に関わるような決断をした上親代わりのような人との別れを経験したというのに気丈なものである。ティファニアさんと子供達からお休みなさい、と声を掛けられ遂に2人取り残されることとなった俺とギーシュ。取り敢えずサイトが戻ってくるまでは起きていようかと思ってはいるがどうにも手持ち無沙汰であった。
「レッドにサイトを気に掛けるよう伝えておいたから心配するな。ルイズでなくても俺たちにだって泣き顔なんて見られたくないだろうからな」
「使い魔は主に都合良く使われて大変だね……レッドも、そしてサイトも。僕もヴェルダンデをもっと大事にしないといけないな」
「お前は充分、と言うか行き過ぎてるくらいに愛情を注いでる気がするけどな」
今日までを振り返ってかギーシュが更なる決意を固めるのを見て、思わず突っ込みを入れてしまう。日頃から巨大モグラと優男のスキンシップを見せられている側としてはこれ以上どう大事にするのか想像が出来ない。
手持無沙汰のまま他愛のない事を談笑していると不意に腹の底から絞り出したような、掠れ切った声が聞こえてきた。
俺の思いが、植え付けられたものだって?
俺が、戦って来たのはルーンのせいだって?
見くびりやがって……!
俺がどんな思いで今まで戦ってきたのか分かるのかよ?
俺が、俺が、ルイズの事が好きだって気持ちも、嘘だって言うのかよ?
ふざけるなよ……ちくしょう……。
「……他の奴らには内緒だぞ、ギーシュ?」
「そうだね、ウルド。……男同士の、約束だ」
泣き疲れてそのまま外でサイトが寝てしまったとレッドからの報告が有るまで、俺たちは静かにその場で佇んでいた。
お ま た せ
一話だけですが更新です。
ルイズがガンダールブのルーンを何とかしようとした理由について、本作ではその辺の経緯をさっぱり描写していないためバッサリカットしています。
本作については、20巻までの情報をもとに最後まで書く予定です。
なので原作とどっちが早く終わるかは分かりませんがご了承ください。