(FE紋章の謎の世界に転生したので)海賊王に俺はなる!   作:大目玉

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「ガルダの海賊」1

 俺がマルスを殺してタリスをものにしてから、何日かが過ぎた。

 タリス城のシーダの寝室に、俺とシーダはいる。

 シーダはベッドの上でぐったりとしている。俺はベッドに腰掛けていた。ちょうど二戦ばかりすませたところだ。

 

 シーダの処女を奪ったのは、タリスを降伏させた日の夜だ。

 端的に言えば、シーダはマグロだった。

 仕方ねえとは思う。タリスが俺みたいな海賊のものになり、マルスたちが死んだんだからショックもでかいだろう。

 俺もさすがに床上手の処女なんて要求する気はねえし、俺のものになった途端にシーダがアヘ顔で「私はご主人様の肉奴隷ですぅ。海賊おチ○ポ大好きぃ(ハート)」とか言ってきたらグーでぶん殴る自信がある。そういう本が好きかどうかはまた別の話だ。

 身勝手だとは思うが、海賊なんてのは身勝手なもんだ。

 

 俺の一物は間違いなくでかいし、きついっつうか俺の方までかなり痛かったが、シーダは涙こそ流したものの泣きわめきはしなかった。

 あと、好き放題にしていい美少女を前にして、具体的にどうすればいいのかよくわからず、とにかくキスとおっぱい揉むのと腰を振るのだけを繰り返してしまったので、転生前の俺は童貞だったと思う。

 

 とにかく初夜がそんなものだったので、休ませるために三日ほど空けて、今夜あらためてシーダを抱いたわけだ。シーダも初夜のときほど痛がってる様子はなかったので、二戦できた。

 明日何もなければ一晩中やりたいところだが、あいにく俺にはやることがたくさんあった。

 

「おい、話ができるか?」

 

 ランプの小さな明かりしかない暗い寝室で、俺はシーダを呼んだ。

 シーダは虚ろな目で天井を見上げていたが、俺の声には反応して上体を起こす。その白い肌を見ているだけで一物がむくむくとそそり立ったが、俺は話を優先した。

 

「俺に協力しろ。上手くいったら、タリスの統治をおまえの親父に任せてもいい」

 

「……本当ですか?」

 

 シーダの目に希望の光が灯った。

 マルスが死んだ今、タリスの平和はこいつの唯一の望みだ。食いついてくると思ったが、予想通りだ。

 

「ああ。それに、おまえがちゃんと俺に奉仕するなら、手下どもをおとなしくさせてやってもいい」

 

 タリス陥落から四日。手下どもは元気にあちこちでヒャッハーしている。犯したり奪ったりするのはいいが、殺すなとだけは伝えてあった。タリスの国民に自分の立場を分からせてやるための処置だからな。

 だが、そろそろおさえていいころだ。

 奉仕という単語にシーダはびくっと震えた。

 

「……わかりました」

 

 だが、覚悟を決めたようでつぶやくように言った。そうそう、こうやって段階を踏んでいかねえと盛りあがらないからな。

 

「協力というのは、何をすればいいのでしょうか」

 

 城のバルコニーに立って、国民の前で俺に犯されるプレイというエロゲーのようなのも考えたが、誰かに見られながらやるのは恥ずかしいのでやめておく。童貞だったから仕方ないな。

 

「耳を貸せ」

 

 シーダが寄り添うように俺に体を重ねてくる。俺は考えていたことを話した。

 

 

 数日後、俺はタリス島の対岸にあるガルダの港に来ていた。そこにはガルダの海賊の頭領であるゴメスがいる。

 そこそこ立派な城の奥の大広間で、俺はゴメスの前に膝をついていた。俺のそばにはシーダがひざまずいている。

 シーダの格好は王女の正装でもペガサスナイトの武装でもない、よくいって娼婦ってものだ。

 上半身は裸でおっぱいがむき出しになっており、首飾りや腕輪が淫靡な雰囲気を強調している。腰には足下まである長いスカートを穿いているが、右側にスリットがあり、右脚が付け根近くまで見えた。

 

 この大広間にはゴメスの手下の海賊が十人以上いるのだが、そいつらの目はシーダに釘付けだった。口笛を吹いているやつもいれば、小振りなおっぱいをよく見ようと移動しているやつもいる。

 

「おう、ガザック。タリスをものにしたんだってなあ。よくやった!」

 

 昼間から大酒をかっくらって、ゴメスは上機嫌だ。その酒は俺が運ばせてきたものだった。他の海賊どもも乾杯を待たずに酒を飲んで陽気に騒いでやがる。俺はゴメスに言った。

 

「アリティア軍なんてやつらが歯向かってきましたが、たいしたことはありませんでしたぜ。やつらの首も持ってくればよかったですかねえ」

 

「いらねえよ。ここまで来る間に腐っちまうだろう。グルニア軍が来ているから、その王子が身につけていた何かがあれば高く売りつけられたかもしれねえがな」

 

「そいつは無理な話ですぜ、お頭。手下どもが戦場で暴れたら、きれいな死体なんて残りやしねえって」

 

「違えねえや。ほれ、ガザック。おまえも飲め! タリスの新しい王を祝ってくれや。それで、その娘がタリスの王女か。おお、おお、可愛い顔してるじゃねえか。こいつは楽しみだ。胸はあんまり大きくねえが、俺が大きくしてやるからな」

 

 ゴメスはだらしなく鼻の下を伸ばしてシーダを眺めている。

 俺はゴメスに「タリスの玉座とシーダ姫を献上します」と言って、祝い品という名目で大量の酒を運ばせて、ここに入ってきた。ゴメスの台詞はそういうことだ。

 俺はシーダに視線でうながす。シーダはうつむきがちにゴメスに近づいた。そして。

 

「ぐふっ!」

 

 ゴメスが悲鳴をあげた。俺は急いでゴメスに駆け寄る。ゴメスの腹部に、短剣が深々と突き刺さっていた。

 よし、よくやった、シーダ。

 俺は隠し持っていた短剣を取りだすと、事態がわからずに腹をおさえているゴメスの頭部にざっくりと突きたてた。なるほど、暗殺って上手くいくときは上手くいくもんなんだな。

 

 シーダに長いスカートを穿かせたのは、このためだ。右脚を見せつつ、左脚に短剣を隠させておいた。献上品って名目と、酒があればごまかせると思ったが、期待通りだった。

 

「なんてやつらだ……」

 

 ゴメスが崩れ落ちる。このときには、さすがに海賊どもも事態を理解していた。俺はやつらに向き直り、一喝する。

 

「ゴメスは死んだ! 今から俺がガルダの頭領だ!」

 

 海賊たちの動きが止まった。俺は畳みかける。

 

「ゴメスは、俺たちをグルニアに売って、自分だけグルニアでうまい汁を吸おうとしていたんだ! グルニア軍が来ていたのはそのためだ!」

 

 本当はそんな事実はないと思うが、この際なのでゴメスを悪者にしておく。

 

「俺に従えば、いまよりもいい目を見せてやる。よりうまいものを食い、より多くの財宝をつかみ、女を抱かせてやる! タリスに留まらねえ。俺についてくれば、アカネイアだってものにできる! どうだ、俺に従うやつはいるか!? 俺がいずれ王になった暁には、おまえらは貴族だ! 手柄次第では公爵だって名のれるぞ!」

 

「本当に、そんなことができるのか……?」

 

 海賊の一人が疑わしげな目を向けてくる。俺は自信たっぷりに笑った。

 

「俺はタリスをものにしたぞ」

 

 この事実は強かった。海賊たちが、次々に持っていた武器を下ろして従う様子を見せる。しかし、全員がそうではなかった。

 

「調子に乗るなよ、ガザック。おまえごときに誰もがついていくと思うんじゃねえ」

 

「ほう。それで、どうするんだ? ここで俺と一対一でやりあうか?」

 

 この二章に出てくる海賊で、ガザックこと俺以上のステータスを持っているのはゴメスしかいなかったはずだ。二対一、三対一にならなければ勝ち目はある。

 その海賊も実力差がわかっているのだろう、おとなしく城を出て行った。たぶん、不満分子を集めて攻めてくるんだろう。是非そうしてくれ。


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