真っ暗で何も見えない。だが周りからドクン…ドクンと聞こえてくる。
(ここは…どこだ?というか俺は家のベットで寝ていたはずじゃ)
そんなことをしばらく考えていると上から光が漏れ始める。そしてその光に吸い込まれるようにだんだん外に流れていく。そして完全に外に出るとそこには…巨人がいた
「…おぎゃ!?(うげ!?)」
巨人に驚きながら自分の声にも驚きそこで自分の正体に気づく。
「おぎゅふ…しぇんしぇいえあうえお(オウフ…転生ってやつかよ)」
そうして私はこの世界に生まれた。
あれから17年私、戦場神成(イクサバシンジョウ)はここ駒王高校で一般性ととして絶賛生活しています。さてみなさん転生といえば神様にチートな能力とか武器なりを貰い原作ブレイクしていくモノですが、残念私はなにも持っていません。一般的な主人公ならここで戦いに巻き込まれて覚醒するのがテンプレだが私はなんにも巻き込まれず17年間平和に暮らしてきた。まぁ死にたくないから巻き込まれないように過ごすけど。というかここがまだなんらかの創作の世界なのかどうかすらわからないのだが駒王高校と聞くとハイスクールD×Dを思い出す…実際この高校にリアスっていう先輩と兵藤一誠っていう変態がいるのだから……あいつの女を見るゲスな目には耐えられず何回も半殺しにしたのはいうまでもない。ここまで言えばわかるが私は女だ。いやもともと女だったわけではないのだがどうやら転生した際に性転換までしたようだ。ほんといい迷惑だ。おかげで男性にも女性にも恋愛感情がもてなくなってしまった。だが性の方は男性に近いらしく女性の裸を見るとこう…ムラムラしてくる。いやまぁ…そんなことはいい。
「私は一体誰に向かってこんな自己紹介じみたマネをしているんだ?」
そろそろ学校に行かないと遅刻してしまう。素早く朝食を摂り、母に行ってきますと挨拶したあと駆け足で高校へと向かった。
side一誠
「なっとくいかねぇ…」
「ぼくもなっとくいきませんねぇ」
「そうだ!そうだなっとくいかねぇぞ」
俺は今すごく譲れない問題に直面している…それは
「おまえらなぁ…おめぇらよぉ!…一番は……おっぱいダロォォォオオオオガァァァァアア」
そう一番はおっぱいなのにこいつらと来たら何もわかっちゃいねぇ。あの柔らかさ、大きさ、そして人それぞれ個性あふれるその二つの果実は人を欲望の果てへと導く。それがおっぱい俺たちの理想郷だったはずだろ。
「一誠君、君のおっぱいに対する愛は認めましょう。しかし一番はおしりですこれ
ばかりは譲れません」
「元浜、てめぇのバカは聞き飽きたぜ。至高は太ももに決まってんだろ。お前らあの柔らかさに包まれたいとは思わないのか!」
俺たちは譲れない思いのモノの為に対立する。
「……おまえらは、神成のあのつつましい果実で満足できるのかぁ!俺はできがぁ!?」
最後まで言おうとしたら途中で頭を殴られた…痛ぇな誰だ俺の邪魔をしたやつは…
「「………」」
元浜と松田は絶対的捕食者に喰われる獲物の如く体を震わせている。
「元浜?松田?どうしたんだ?…後ろ?後ろになにがあ…るって……アハハハ」
そこには…栗色の髪を逆立て吊り目をさらに吊り上げた呂布…もとい神成がいた。
私は変態共に鉄槌を下し席に着いた。まったくいつになったらこいつらは反省するのかこの万年発情期どもめ。しかしこれでも私は一誠を普通の道へと進めるように努力したつもりなのだが…どうしてこうなった。私と一誠は幼稚園のころから一緒にいてそれなりに仲がいい。それと私のわずかな原作知識で変態だということを知っていたためなるべく普通の道に進めようと努力したつもりなのだがなぜか原作通りの変態になってしまった。世界は矛盾を許容しない。矛盾は世界に修正される。…どこぞの型月の世界じゃあるまいし。まったく困った変態だ…私はなんでこんな奴の幼馴染をしているのだろうか…まったく謎は深まるばかりだ。そしてこうして私の日常は過ぎていくはずだった。しかし一誠に絶対にできないはず…万が一にもあり得ないそれなのにできてしまったのだ……彼女が。私も遠目で見てみたのだが黒髪の清楚系の美人だった。もったいないあんな奴のどこがいいのだか。趣味は人それぞれというがあれは正直ないと思う。今日、黒髪美人とデートすると聞いた私は彼女が一誠の毒牙にかからないようにストーキングを開始した。
―――少女追跡中―――
だれもいない夕暮れの公園。黒と紅の境界線がどこか幻想的な美しさを浮かばせる。…なんだこのまさに今キスできますよーの空間。映画じゃあるまいしなんでこんなにナイスタイミングで公園に向かうんだよ。あれか?一誠お前最初からこれを狙っていたのか…この変態め!。一誠と美人がなにか話している…よく聞き取れないな。何を話しているんだ?と私が考えていたそのとき一誠の胸から光の槍が生えていた。そのまま一誠が倒れる。
「い、一誠!?」
私は一誠に駆け寄った。仰向けに一誠が倒れていたので裏返す。そのときの一誠の体は重かった。まるで力が入らなくなった亡者の亡骸のみたいに。さらに胸から流れ出る赤色の液体。充満する鉄の臭い。
「あら?他にもいたのね…見られたからにはごめんなさい。死んでちょうだい」
そういっていつの間にか白色のワンピースからV字水着のような衣装に変わっていた黒髪の美人がさきほど一誠の胸を貫いた槍を構えこちらを見据えていた。喉が焼ける。震えて足が動かない。
ニゲロニゲロニゲロ。理性ではそう訴えているのに私の体はなに一つ従ってはくれない。周りの風景が秒コマ送りみたいに流れていく。ゆっくり…ゆっくりと私の胸が槍によって貫かれる。だんだんと閉じていく世界。周りの風景が歪む。
「い…やだ……し…にたく…ない……もっと…いき…たい」
暗い暗い底へと沈んでいく。そこには穴があった。ただただ黒い穴。意識が吸い込まれていく。
(汝…ダルクスの血に従い欲を求めるか?)
頭の中で男の声がながれる
(汝…ヴァルキリアの血に従い使命に殉じるか?)
頭の中で女の声がながれる
なんでもいい。生きれればなんでもする。
((ならば汝…その血をその肉を贄とし新たなる秩序とならん))
心臓が強く鼓動する。血が五体に流れる。流れる血が血管を熱くする。少しずつ意識が浮かんでいく。そうして私は二度目の生を与えられる。
Side黒髪の美人
「バカな!?確かに胸を貫いたはず。なぜ生きている!!」
私の前に先ほど心臓を貫かれ死んだはずの少女が少しずつ立ち上がる。
「まぁいい。もういちど殺せばいいだけだ。」
私は私の込められるだけの力をもって光の槍を目の前の少女の胸に向かって投げた。
それを少女は素手で掴み握り潰した。霧散した光があたりに散らばる。
「そ、そんなただの人間風情の私の槍が砕けるはずが…オノレ人間がぁぁぁああぁ」
私はひたすらに投げる投げる投げる。そしてのそのすべてを目の前の人間がすべて潰す。
「ば、化け物!死ね!死ね死ね死ねシネェェェェ!!!!!」
私はひたすらがむしゃらに槍をなげる。そのさなかめの前の化け物と目が合う。
「ヒィッ…」
私の本能が体が生を求め自分でも気づかないうちに逃げていた。ただひたすらに足を羽を動かし顔じゅうから液体をながして逃げていた。そうして私は隠れ家の奥に隠れ潜んだ。まだ手が震えている。足が震えている。口がガタガタを鳴っている。うまく言葉が発せない。壁を背に私はただ震えるしかなかった。あの紅い…ひたすらに紅くそして黒い瞳に。
戦ヴァルは2やったことないんだよなー…2のヴァルキリア人どうしよう。
あとセシリアってちょっとかわいいところあるよね