IS IF もしも一夏があの守銭奴ステータスだったら【休載中】   作:縞瑪瑙

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あけましておめでとうございます(遅
新年明けてからの初投下となります。もうちょっと早くできるようにしないといけませんね……
今年も守銭奴な一夏をよろしくお願いします。

必要なのは覚悟、そういう感じで。
若干の謎もぶち込んでみたのですよー。ま、今後の布石も含めて全て見破れたらすごいものですが。あ、感想に自分の考えや予測を書くのはいいですけど、解釈を巡って喧嘩などはNO!なんだからね!


第七話 守銭奴の休暇

 飛び交う二機のIS。

 アリーナを縦横無尽に飛び、弾丸を放ち、シールドを削りあい、互いが持てる力を振り絞りぶつかり合う。

 そのどちらもが瞬間的とはいえ音速を軽々と超える速度を出しており、むしろ、1m未満の極めて狭い範囲での急速反転やアクロバットな飛行を現実化している分既存の航空機も真っ青である。

 ISは基本的に人が装備することもあり人型だ。即ち、宇宙空間において上も下も存在しない空間を飛び回り、動きを制御する必要がある。そこにおいて重要なのは慣性の制御である。

 PIC、パッシブ・イナーシャル・キャンセラーによって本来かかる慣性が制御されているISは疑似的に無重力状態となるため、手足を振り回すことによる姿勢制御、通称AMBACを行うことでより効率的な制御を可能としていた。そのため、そのサイズもあって閉鎖的あるいはデプリなどが密集する領域での活動において一々複雑な推進剤の噴射などをすることがない。

 そしてISから人間へと臓器単位で与えられる保護機能が本来発生する数十Gの負荷を殺し、人の身でありながら鳥のように舞う飛行能力を現実化する。極めて有機的なそれが、人が争いの中で生みだされた多彩な火器と融合することで、極めて強力な破壊機構と化す。

 ISが最強たる由縁。即ち、視認すら難しい高速機動でかつての海上の支配者たる戦艦に匹敵する火力を運搬し、尚且つ任意で放ち、さらには極めて重厚な防御機構を備えている、全方位に対する適応力である。

 しかし、IS対ISとなれば、そこに大きな差が生じる。即ち、ハードウェアではなく、ソフトウェアの差である。

 

「搭乗者の技術と技量だ」

 

 白のISが、大型の三連装実弾砲を発射する。3×3の立体的な9ウェイの弾幕が立て続けにフィールドに放たれて、命じられるままに距離をむさぼり、対象を捉えようとする。

 対する黒いISは、それを迎撃するようにシールドを呼び出し、細かいステップを刻む。弾同士が衝突を避けるために作らざるを得ない、極めて僅かな間隙。そこを導き出される回答のままに通り抜けていく。

 弾丸を逸らしたシールドが悲鳴を上げる陰で、黒いISの手にしたライフルが狙いすました一撃を放つ。シールドに重い一撃を与える徹甲弾。戦車砲はおろか、現代の軍艦の空を支配する猛禽類(イーグル)の放つ一撃をも軽々凌ぐそれは、白いISにとっては、残りのシールドエネルギー残量からして、何としても避けるべき一撃だった。

 

「……」

「!?」

 

 白いISが、回避を選ぼうとして、止まる。

 瞬間的に噴射しかけたブーストを途中停止させ、そのままの姿勢で反撃のミサイルを放った。

 それは黒いISの意表をついたものだった。だが、逡巡することなく次の一撃、即ち背部のレーザーキャノンを展開しチャージを終えて照準を合わせていた。回避すればシールド減衰力の高いレーザー、回避しなければ徹甲弾の一撃。その二段構えは、極めて僅差において致命的となる。

 

「とったぞ」

 

 しかし、黒いISは思わぬ一撃を受ける。白いISがあらかじめ配置しておいた自立砲台。実弾砲の間隙のみを穿つように砲口を向けたそれは、重い一撃を黒いISへと与えていた。衝撃が揺さぶり、僅かなスタンが発生。

 同時に、爆炎の内側から白いISが外部装甲を外しながら飛び出す。呼び出される武器は極めて単純で協力無比な武器。たった一撃でもISに致命的な一撃を叩き込める武器。灰色の鱗(グレー・スケイル)。リボルバー式のパイルバンカーは白いISの求めるがままにシールドを食い破る。

 

「!?」

 

 突きだされたタイミングと、黒いISが後方への緊急回避を行うべくコマンドがISへと入力されたのはほぼ同時。しかし、一度速度を落としていた黒いISに急加速は遅すぎた。

 食い破ろうとするエネルギーは、加速で得ていた前進しようとするベクトルによって上昇した。

 反動は、当然のようにある。

 PICによって足場がなくとも浮遊するISは、逆に言えば地面や足場を踏みしめることで得る反発力を得られないのと同義であった。

 だが、それを理解していた白いISは既に対応策をとっていた。

 

「アンカーを打ち込んだのか!」

 

 言葉通りの物体が出現していた。

 コンクリートや鉄筋にも匹敵する強度を持つカーボンナノチューブ製のワイヤーが先端に鋭いアンカーを付けた上で、後方の壁に突き刺さっている。

 それを引く動きは、ダイレクトに加速をさらに与えた。

 穿った反動は殺され、前進の力だけが与えられる。

 

「砕け!」

 

 無理やりながらも、打ち出された釘は自らを阻むエネルギーシールドを砕く。擦過と破砕は両立され、破壊が生まれる。

 

『GAME SET!』

 

 そして、決着がついた。

 

 

   ●

 

 

 スコアが表示される。

 白のIS、一夏の用いていたISはエネルギー残量をぎりぎりで維持していた。一方で、黒のIS、五反田弾の用いていたISは完全にエネルギー切れとなっていた。

 最後の一撃がクリーンヒットし、最後の最後での逆転を一夏は果たしたのだった。

 

「私の勝ちだな、弾」

「ちっ、これで4連敗かよ……」

 

 溜息と共にコントローラーが畳の上に投げ出される。

 手汗が染みて部分的に変色しているそれは、使われてきた年季を語っていた。

 テレビにはIS/VSのキャラ選択画面が表示されてる。

 画面端に映る戦績では通算で弾の4連敗。その事実を受け止めながらも弾は冷えたグラスの炭酸飲料を一気に飲み干す。

 飲み干され、弾の口から吐き出されるのは炭酸を含んだ吐息。

 

「あーくそ……駄目だ、射撃が当たんね」

「射線は通っていても見越しが甘いな、弾。ある程度は出来てはいるが、そこまで正確ではない」

「逆にお前は近接が駄目だな……パイルバンカー使うならもっと距離詰めないとクリーンヒットしねーぞ」

「……近づくことにリスクを感じてしまうのでな。姉弟でも違うところは違う。現代戦において近接系の出番などそうそうあるものではないさ」

 

 すました顔の一夏は、ポテトチップスの袋を新しく開いて中身をつまんでいく。

 油と濃い目の味付けのそれは、中々にやみつきにしてくる味だ。人間はどうやら一種のタンパク質と塩が体に必須であると理解して、その味をうまいと感じるらしい。

 そんなことを考えながらも、一夏は数枚を口の中に放り込む。

 パリパリという咀嚼の音が暫く続き、やがて収まる。

 

「で、鈴が帰って来て、その代表戦で戦ったんだな?」

「幕切れは興ざめだったがな……あわや大惨事だったうえに、鈴音は2週間のギブス生活だ。おまけに、私も事情聴取を受ける羽目になった。面倒なことこの上ない」

「2週間か……長いなぁ」

「腕がちぎれるよりもマシだろう。まだ成長期の内に腕がちぎれると、骨が内側から肉を食い破って成長してくる。骨折と靭帯損傷、あとは腕の筋肉の断裂が少々で済んだのだ。おまけに負傷者は無しならば釣りがくる」

 

 ごくりと一夏の喉がポテチを嚥下する。続いてジュースでそれが流し込まれていく。

 

「オフレコだぞ、この話は。学園内で不良整備による事故で負傷者が出たなど、あまり流せるニュースではない。というか、あまり世間様には流れない話なのだから」

「へいへい。ったく……IS学園ってのも命がけだな。寝覚めの悪い話はやめてほしいもんだぜ」

「一応私には危険手当も出ているんだが、それでも実技授業1コマ当たり100ドルにもならん。他の生徒に比べれば、境遇は良い方なのだがな…」

 

 弾は一夏の言葉に曖昧に頷くと、再びコントローラーを手に取る。

 100ドル。大凡のレートでは日本円にして1万円と少し。高校生という身分では大金だと思う。高校生向けのバイトの時給を考えれば丸一日働いてもやや足りない程度だ。事実、弾の一カ月の小遣いでもかなりのウェイトを占める。反面、軽傷ならともかく骨折などになれば治療費はそれ以上になる。医療技術の進歩は怪我の治療を簡便にしていく一方で、高コスト化も招く。

 『一夏の治療を行った』というネームバリューを得たいところはいくらでもあるだろう。そしてそれは、一夏の認識の外で起こり、多くの争いを生む。そこを含めての、面倒というのあろうと弾は理解した。

 

「でも100ドルって国家代表に支給する額が少なくないか?」

「あくまで学園を運営する日本政府からの支給額だ。多くの生徒が出身国からの手当を受け取っているし、保険にも入っている。だが、私はそれがない。現在加入している保険も、さすがにIS操縦者に対応したものではないしな。

 相談して作ってもいいのだが、間違いなく保険料を吹っ掛けられる」

「やっぱ、お前は大変なんだな」

「当然だ……寮の自室すらろくに休みが取れない。クロエが一つ一つ潰しているが、それでも設置される数の方が多い。私のように繊細な商人に何たる仕打ちなのやら……」

 

 繊細、という言葉について弾は頭の中で数秒の間哲学的な考察をしたが、途中で放棄した。

 どうせ、何を言っても意味がないだろうと判断したのだ。

 

「で? その守銭奴様はただの休暇で出て来たってわけじゃなさそうだな?」

 

 無論だ、と一夏は弾の問いに答えた。

 時計をちらりと見て、 

 

「私の部屋の『清掃』を頼んでいてな。終わるまでは帰れん」

「清掃?」

「そう、『清掃』だ」

 

 一夏は再びコントローラーを手に取って、スティックを操作してキャラを選択する。

 今度は、近接系装備のない遠距離型。射撃武器のみで、接近戦になれば火力が貧弱になるISだった。

 弾よりも早く、弾の目の前のコントローラをとった一夏の動きは一瞬。近接系メインのISが選択され、ステージ選択がなされた。

 

「おい、こら」

「あと10戦くらいはできるか……ISに慣れるためにも協力してもらうぞ」

「……しょうがねえ」

 

 

  ●

 

 

 

 クロエの姿はIS学園一年生寮の、一夏の部屋にあった。

 その部屋は極めて商人らしく、経済雑誌や株価や先物取引のデータ、経済用語の辞書、さらには世界地図などが整然と並んでいる。机の上には専用のデスクトップ型パソコンがセットされており、今は電源オフのまま待機している。

 そのほか、一夏の私物はこれと言って置かれていない。わずかな私服がクローゼットの中に収納されているのみだ。

 学園に私物がない。それは、一夏が敢えて持ち込まなかっただけだ。だから、私室は一夏という人間の色が薄い。必要な物だけを置いている、単なる空間だった。

 仕事場としての機能はあれど、あまり個人が暮らすのには向いてはいない。

 だが、余計な物がないというのは開放感を生んでいる。

 

「さて、と。一夏は出かけているし、いろいろ片付けないと」

 

 クロエは慣れた操作でパソコンを立ち上げる。

 片付ける、というのは物理的な片付けとは少し違った。一夏が使うパソコンの中身という意味でも、片付けだった。

 

「……んー、今日だけで侵入しようとした形跡が549件。そのうち半数以上がサーバーをいくつも経由して身元をごまかしている、と」

 

 カタカタとキーボードを叩く音が響く。

 クロエにとってパソコンというのは体の一部も同義だ。機械も突き詰めれば人間の体のつくりと同じである。したがって、医者のように触れ、芸術家のように操る。

 一見すると通常のソフトウェアのように見えて、実際にはインターネット回線から、あるいはメールや物理的に侵入してきたモノが多い。

 特に一夏の情報を知ろうとする人間にとって、日常的に使われるパソコンは徹底的に手を入れたとみて間違いないだろう。パッと見には、クロエの記憶にあるものとは変わりはない。だが、見た目は当てにできないのをクロエはよく知っている。

 前回の「清掃」の後から細工されたのはどうやらないが、それ以外なら多くあると推測された。

 

(……見られているかなぁ)

 

 クロエは視線をさり気なく周囲に走らせる。

 閉じた瞼の下で、人智と科学の融合たる瞳が、常人には見えないものを見ている。

 『オーディンの瞳』。ナノマシンにより眼球と視神経、伝達系、さらに脳の視覚野と海馬周辺にまで特殊な回路を形成し、生身のままで人の領域を超えた目を持たせる実験の果てに生まれた物。幼少期に定着しやすいこれは極めて拒絶反応が起きやすく、最悪の場合、目だけでなく脳に対しても致命的な損傷を与える可能性が高い危険なしろものだ。幸運なのか不運なのか、クロエはこれに適合して、期待通りの成果を上げた。そして、瞼越しの視線はクロエの姿を捉えるカメラやマイクなどを捉えた。

 本来ならば、生身のままにISのハイパーセンサーに匹敵する視力と空間認識能力をもたらすものだが、クロエの場合は愛機のISの電子戦能力と絡めることで、生きたコンピューターにも匹敵する。

 直接的な戦闘能力という点では、相手の動きをつぶさに見破る強力な手段となるが、クロエ自身の身体能力から言って十全に使用しているとはいえない。

 だが、クロエならではの使い方をしたとき、その瞳はオンリーワンの効力を発揮する。

 

(ざっと238個かー……頑張った方かな)

 

 集音マイクやカメラなどの総数はそれだけ。

 単に一夏がいるかどうかを把握するための動体センサーはさらに多い。あちらこちらに、まるでカビか何かのように蔓延っている。あまり気分がいいものではない。

 黒江はしばらく考え、やおら立ち上がる。

 そして、

 

「貴様ら、見ているなッ!?」

 

 ポーズを決め、一番目立つカメラに向かって、録音していた声を放つ。声は一夏のそれを編集したものを手にしたボイスレコーダーから流した。なんかしっくりくる。なぜだろうか? なんとなく吸血的なニュアンスを感じる。

 背景にバーン! とか、ドーン! ドヴァァァァーーーーーンッ! みたいな効果音が、やたらと濃い文体で書かれているような感じである。なぜかしっくりくる。何故? なんとなくだが原因は一夏な気がする。

 

 

   ●

 

 

「あちゃー……ばれてたかー…」

「お嬢様、カメラなんて仕掛けていたんですか?」

「安全対策よ安全対策。全部が私の仕掛けた物じゃないわよー」

「お嬢様、犯罪ですよ」

「生徒会長権限よ、ここはある種の治外法権が働いてるんだから」

「学園長と織斑先生に連絡入れますね」

「わー! わー! それだけはやめてー!」

 

 

   ●

 

 

 とりあえずポーズも決めたところで、クロエはパソコンをシャットダウンする。

 このような監視があるのは分かっていたし、常日頃から取り除いていた。ピッキングとか分解とかって楽しいよね?

 だが、とクロエは自問する。

 

「ここまでしつこいと、相応にもてなさなきゃいけなくなるかなぁ」

 

 それは苛立ちと怒り、そして観念の声。

 クロエ自身としては一夏が入学して以来一度も使っていなかったがいずれ使うと覚悟してはいた。だが、それがこんなにもひどくなるのが速いとは思っていなかった。

 

「……」

 

 無言のまま、クロエの右手が顔の高さまで上がる。

 親指と中指の腹が合わさり、くっと力を込める。

 

「粛正せよ、『○■○△』」

 

 クロエの口から、無感情な命令が下される。同時にフィンガースナップの甲高い音が響く。

 瞬間、

 

『-------------』

 

 世界が、当たり前のように存在する世界が揺れた。

 目に見えず、体で感じることもできず、しかし確実に衝撃のようなものがクロエを中心に解き放たれる。

 心臓の拍動を思わせるそれは、鋭いクロエの声と共に脈動していく。

 

「人様の生活を覗き見ようなど、言語道断、奇天烈不可解、傲慢不遜、大欲非道、自分勝手、田夫野人!」

 

 もう一度、フィンガースナップ。パチリという甲高い音が不自然なほど響く。

 それは、その場にいるカメラやマイクを通じて、のぞき見を続けている不届き者たちにも届いていた。

 単なる音としてだけでなく、まるで体に響く様な、世界が動く音を。

 

「その身で愚かさを知りなさい!」

 

 最後にもう一度、パチリと音がする。

 それは、先ほどクロエの放ったフィンガースナップが戻って来た音。

 時間と空間と距離とを飛び越えて、クロエの元へと戻って来た、幾多の光の奔流。

 

「……捕まえた」

 

 差し出された手に、その光は収束していく。

 その光の意味を、クロエは理解している。握りしめて、絶対に逃がさない。

 空いた左手には別の光が宿っている。まるで半透明の板で作られた、箱のようなもの。

 そこに、右手で握りしめた光を右手ごと突っ込み、手を離す。すると、その箱の中に光の奔流は閉じ込められ、やがて光が収束し、収まっていく。

 残ったのは、箱に収められ、結晶のようになった何かだった。

 

「あとは解析に回すだけだね」

 

 上機嫌に言ったクロエ。

 その表情は既に平静に戻っている。手にした箱は、まるで氷を閉じ込めたかオブジェのようにして机の上に戻された。

 

 

 

 

 

 生徒会室では、映像が途切れたテレビを楯無と虚が見つめていた。

 クロエがフィンガースナップをしたあたりまでは受信できていたのだが、その直後から途絶えてしまい、今は砂嵐のような映像が流れている。

 それを無言で消す虚。暫くの沈黙が降りた後、楯無が口火を切った。

 

「何なのかしらね、今のは」

「さあ……厨二病ではないのは確かでしょう。彼女が発した言葉も、いったい何を意味するのかがさっぱりです」

 

 ですが、と虚は紅茶を主のカップへと新たに注ぎながら、自らの予測を述べる。

 

「あれもまた何らかの、それこそ第五世代型ISではないかと思われます」

「ふーん。面白いことを考えるわね。その理由はあるんでしょう?」

 

 ビスケットを紅茶に沈めていきながら、会長は自らの従僕に問う。

 

「はい。まず、第五世代型ISは『白面稲荷金式』にみられるように必ずしも戦闘向けの能力とは限りません。本来持ちうる力を転換して使っていると表現すべきです。

 彼女が一体何をしたのかは不明ですが、少なくとも監視しているいくつものカメラやセンサーなどに気が付き行動を起こすことができるものであることは間違いないでしょう。お嬢様が仕掛けたカメラには何ら影響がなかったことから言って、少なくとも発見する能力があると推測されます」

「確かにね」

「加えて、あの光の収められた箱。あれが何であるかは不明ですが、白面稲荷金式を鑑みるに能力の媒介物ないし表現ではないかと」

 

 なるほど、と楯無はうなずく。自分のISにしても、ナノマシンそのものではなくナノマシンを含んだ水を媒介して能力を発生させている。意のままに操り、弾丸を受け止め、ものを切り裂く力を武器に与え、水蒸気爆発を起こすことができる。

 傍目には綺麗であるし、戦闘用に向いているとは思いにくい。

 だが、それでもわかることがある。

 

「織斑君のISが金を介していて、そしてクロニクルちゃんのもつISも違う何かを媒介していることは同じってことね?」

「その通りです。外見で判断すると痛い目に遭いますね」

「じゃあ、あのクロニクルちゃんは一体何をしたのかしらね?」

 

 黙考する主従。

 先に答えを出したのは主人だった。

 

「カメラやセンサーなどには明らかに気が付いていたわね?」

「はい」

「つまり、そういうことが出来る能力ということになるわね」

「情報を読み解く能力か電子機器を操る能力か……あるいはそれ以外でしょうか?」

 

 さあね、という楯無は空になったカップをソーサーに戻す。

 ナプキンで口元をぬぐいつつも、暗部の長でもある彼女は考えを吐き出す。

 

「ただ、今回の件で盗聴や監視などをしても向こうは看破していたことがわかったわ。今後こりもせずに普通の手段で仕掛ければ、間違いなくしっぺ返しを受けることは確かね。

 これまでのちょっかいを受けて、警告を兼ねて態々あんなパフォーマンスじみた行為を行った。次は報復を覚悟しないとね」

「続けるのですか?」

「こんな程度は慣れっこよ、虚ちゃん。ま、方法は変える必要があるわね」

「では、そのように」

 

 一礼した虚は、おかわりを主のカップへと注ぐ。

 血のように紅い紅茶が白いカップに映え、芳しい香りが湧き立つ。楯無は空いている手で砂糖を求めたが、

 

「……砂糖が切れたわね」

 

 机に置かれた砂糖の容器には、もはや十分な量がない。

 主の意を汲んだ虚がポットを置いてすぐに立ち上がる。

 

「少々お待ちを」

 

 備え付けの棚に歩み寄ると、予備の砂糖が入った袋を取り出す。

 それの口を素早く破り、匙を差し込む。そして、

 

「ほっ、と」

 

 匙一山を掬うとそのままカップへと流し込んだ。

 それを三回ほど繰り返し、そのまま匙でカップの中身をかき混ぜていく。

 

「ささ、そのままグイッと」

「虚ちゃん?私の目にはカップの底に砂糖の塊がとけずに残っているように見えるのだけど?」

「気のせいです」

「気のせいではないような気がするんだけど!?」

「盗聴していた件について謝罪しに行きますので、その分の苦労賃と思ってください」

 

 眼鏡をクイッと直した虚は主へと宣告した。

 

「さあ、グイッと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 千冬は無言でその書類に目を通していた。

 職員室は、今は閑散としている。漸くクラス対抗トーナメントにおけるISの暴走事故に関する書類の作成終わり、学園長へと提出したばかりである。

 既に西に日が傾いており、職員室も西日が差し込み緋色に染まっている。幸いこの書類を覗き見るような不届き者はいない。いたら物理的に両断する。いや、教員だから避けるべきか?

 そう思いながらも、千冬の目は書類の上を走る。

 その書類はクロエ・クロニクルが先程自分に提出した書類だ。しかし、千冬はそれを読むことは出来ても、内容を理解できなかった。まるで、読んだ先から記憶が抜け落ちていくような感覚。だが、納得だけが自分の中に残るという奇妙な感覚もあった。

 その書類は、尋常な手段で作られたものではない。

 クロエが護身用に、そして一夏の護衛用にと持っているIS「ワールドパージ」がその能力を以て作成したもので、その内容も許可が下りたというISに関するものだ。

 

(確か、『情報』と『記憶』の概念に干渉するIS……のはず)

 

 情報と記憶への干渉。つまり、千冬が読んでいる書類の様に「読めるが理解できない書類」「特定の人間にしか理解できない書類」を作成したり、何らかの情報に介入して改竄したり、意図的な情報の操作を暴き立てることが出来る、らしい。情報そのものを扱うことが出来るため、一夏の情報を集めようとする、あるいは危害を加えようとする個人・組織・団体などをシャットアウトすることが出来るという。

 

(そういえば、クロニクルが学園に来たときもよく考えれば不自然だったな……)

 

 クロエの言によれば、束の所から一夏のISと共に学園へと来たという。

 たしか、あの時は◆□■◆□◆□■◆□■■◆□■◆□△■◆◆□■●□◆□◆□■■■◆□■で、クロエは学園へと来た。

 そして、◆◆□■◆□■□●◆□◆□■■◆□■■◆◆□■□■◆□■◆□■は◆□●■で、●◆□■△◆□■■で許可をとって、◆□■で学園のアリーナへと入って来た。

 そこまで考えたときに、千冬は自分の思考を反芻して驚愕する。

 

(いかんな、自分の考えすら読み取れなくなるとは……!)

 

 IS『ワールドパージ』の能力によって加工された情報隠匿は、人から人へと伝えられても効果を発揮し続けるらしい。確かに、あんな目立つ風貌のクロエが、行方をくらませている束の元から厳重な警戒体制のIS学園へと何ら障害なく、しかし許可を取り付けて入ってこれたのはこのISの力なのだろう。

 さらに言えば、クロエが学園初日にISを持ち込んでいることを自分と学園長に対して話をして、尚且つ書類まで提出していたことをいまさらのように『思い出す』。かなり重要だったのに、なぜか『クロエにとって都合よく』忘れている。

 

「……なるほど」

 

 記憶にある通りに机に置かれたファイルを捲ると、今までピンポイントで忘れていた書類がある。なぜ、今まで忘れていたのか。それは、情報が存在することを認識できなかったからだ。

 「ワールドパージ」のコアは新規製造ではなく、既存のコア。ただし、その番号に関しては伏せられている。どうやら、後ろめたい事情で管理外になったコアを手に入れたようだった。しかもそれは明確なアラスカ条約違反であり、国家レベルの話らしい。

 何故そんなISを持つことになったのかは、まだ明かされていない。だが、ほかに手段があるのではと思うが、同時にこれほどの危険な力を使う必要があるのだと身内びいきで思ってしまう。

 だが、クロエが一夏を過剰なほど守る理由もわからなくもない。一夏のクローンを作れば、理論上同一人物が生まれ、その織斑一夏もISを起動させることが出来るかもしれない。一夏の遺伝子なりなんなりでISを起動させることが出来れば、その瞬間に世界の均衡は破れる。

 一夏の弱みを握ろうとする人間も、星の数だけいるだろう。それが善意からくるものか悪意からくるものかは分からない。その時、一夏に関する情報がこのようにフィルターをかけられているなら安心できる。情報とは漏れる物で、ならば情報そのものを認識できないようにするしかない。

 

(一夏が休める場所は、何処にもないのだろうな……)

 

 千冬はもう一枚の書類を手に取る。

 こちらは、誰の目にも読み取ることが出来る情報だ。

 学園の一夏の私室に入ろうとした侵入者の情報が仔細に記載されている。何時、誰が、何を目的として、何をしていったのかまで書かれているのはおそらく『ワールドパージ』による情報の遡行調査なのだろう。

 一夏の言によれば、概念において『時間』というものは大した障害にならないとのこと。ましてや、情報という時間を超えて存在できるものを扱うのだから、なおさらだろう。

 

「……なんともひどいものだな」

 

 電子上あるいは物理的な侵入を試みているケースが文字通り星の数だけ記録されている。

 ため息をつくが、それは消えてくれない。一つ一つに確認をとって、余計なことをしないように釘を刺すように依頼するだけでもかなりの手間がかかる。

 結局、一夏の休みは潰れた。当たり前に過ごせる時間は、失われていたのだ。学園に入って以来、ずっと失われ続けていた。そしてそれを、自分は知らされていなかった。

 

「くそ……」

 

 憤り。私人としての、織斑一夏の姉としての憤りだ。

 本来得られるものが得られないままに、たった一度きりの人生を歪められる。

 自分はまだ、覚悟があった。弟を養わなければならない立場だったし、両親は蒸発、親族もアテにならない状況だった。

 勿論、一夏が自分で対処できるからと言わなかったのあろう。だが、少しは頼るべきだし、その手段を持っていた。弟に、唯一の肉親にそんなことをさせて気分が良いはずがない。

 その感情のフラストレーションを、一度机をたたくことで納める。これでも、感情を整理するのは慣れている。

 こんなことは、高校生の時の□◆◆◆□■◆□■◆□□■■◆◆□■□■◆□■◆□でとっくに慣れっこだ。

 あの時は□◆□■■◆□■■◆□■■□◆□■■◆◆□■□■◆□■◆□◆□で、束が□■◆□■■◆で、自分が後始末を付けるために□◆□■■◆◆■■◆□■◆◆□■◆□■◆□して、△●◇が□□■■□■□■□■□したのだ。

 

(……いや、待て)

 

 思考の霧散と収束。

 ふと思考を止めた千冬は、自分の思考の中にノイズが走るのを感じた。

 まるで、クロエが学園にやってきた過程を思い出そうとしたときのようだ。自分の考えていることが認識できず、思い出そうとしても思い出せない。あるいは認識できない。

 いや、それとも本質的に異なるような気がする。まるで、元あったものを上からガワをかぶせて、その内側だけを抜き取ったかのような、そんな違和感。

 

(待て、もう一度だ……)

 

 目を閉じ、意識を集中させる。だが、駄目だった。

 おかしい。今の記憶は別にワールドパージの効果を受けない、全く無関係の記憶の筈だ。だが、無理だった。

 その事を認識し、思考をまとめた千冬は、次の瞬間携帯を手に取って職員室を脱兎のごとく飛び出していった、

 

 

 

 

    ○

 

 

 

『ハロー、ちーちゃん。おひさだね!』

 

 やたらとテンションの高い、幼馴染の声。

 自分だけが知らされている束個人へとつながる番号を入力した千冬をそんな声が迎えた。

 この番号を知っているのは自分と一夏と箒くらいなものだろう。姉との間に距離を置いている箒はあまり連絡を取っているようには思えないが、少なくとも束は連絡を取ろうとしているだろう。

 そんなことを考えつつも、千冬はいつものように切り出す。

 

「束か。久しぶりだな」

『うんうん、久しぶりだね!』

 

 最後に顔を突き合わせてから1年余りが過ぎていた。

 電話ではしょっちゅうやり取りをしていたし、メールや手紙のやり取りをしていたから

 

「火急の用事だ、大丈夫か?」

 

 ここでいう大丈夫か、の意味合いは二人の間では少々違う意味合いがある。それは、盗聴の恐れについてだ。

 二人が学生の時以来の旧友であることは既に知られている。テストパイロットを頼まれたのも、■◆◆□■□で、□◆□□◆□■■◆□■■◆◆□■□□◆□■■◆□■■◆□■だから。

 

(くそっ……またか!)

 

 再び、思考にノイズが走る。しかも先程よりひどい。まるで、考えさせまいとばかりに自分の頭の中を乱してくる。

 そんな千冬を知ってか知らずか、束は『いつもの』テンションのままケタケタ笑いながら言う。

 

『大丈夫大丈夫。今、ちーちゃんは自室に戻る最中で突如尿意を催してトイレに駆け込んだことになっているから!』

「無茶苦茶な、一体どうやって……」

 

 そこまで言って、千冬は唐突に理解する。

 それを可能とするものが、学園にはあった。

 

『そう! クーちゃんの『ワールドパージ』でダミーの情報を流してるし、100%傍受できないから安心していいよ! ついでに言うとこの通信も概念的に遮断されてるから、ちーちゃんのスリーサイズを叫んでも無問題だから……って切っちゃダメ―!』

 

 物理的に携帯を切ろうとする千冬の動きを察したのか、束は慌てて制止する。

 束としては『いつものように』からかっているだけだろうとは千冬も察している。

 

「で、束。いろいろとお前に聞きたいことがある。正直に話せよ」

『何かなー?』

 

 長年の付き合いで、束はそれほど嘘をつかないし、言い含めれば頼みも聞いてくれる人間と分かっている。人の好き嫌いが少々激しい節はあるが、それでもまともだ。

 だから、今回のことも聞くしかなかった。自分にはどうにも判別しがたい、その内容を。

 

「……うまく言葉では言えんな。だが、お前なら私が言わんとすることがわかるはずだ。私が感じている、違和感を」

『んー?』

「よくわからんが、何かがおかしい気がする。何がおかしいかは言えないが、ずれを感じているんだ。私が感じている、いや私だけが感じているような微妙な違和感だ。特に、クロエ・クロニクルのワールドパージのことを知ってからなんだか記憶の混同のようなものが起きている」

 

 一息入れる。

 記憶と情報に対して干渉するIS『ワールドパージ』。その影響は情報を知覚した人間に対しても及ぶことは既に知っている。事実、情報を読み取ろうとした自分は思考すら覚束なかった。

 その後遺症なのか、影響なのか。自分の記憶と現実との剥離のようなものを感じる。関係のないはずの記憶が思い出せない。いや、読み取れもしない。

 

「答えろ。これは……なんなのだ」

 

 その答えを知っているという保証はない。

 だが、半ば確信めいたものがあるのだ。ワールドパージを作ったからという理由を飛び越えた何かを、千冬は束から感じていた。

 そして、帰って来た返答は予想だにしなかったことだった。

 

『それはね、ちーちゃん。まだまだ教えられないんだよ』

 

 

 

 

 返ってきた明確な拒否。

 分からないでもなく、分かっているでもなく、教えられないという答え。

 

『でもさ、ちーちゃんはそろそろ気が付くと思っていたよ。いずれ気が付くと思っていたし、気が付いてもらわないと困るからね』

「どういうことだ!」

 

 声を荒げて、千冬は詰問する。

 今の言葉を解釈することは簡単だ。つまり、自分の感じる違和感は束もまた感じており、それに対して何かがわかっているのだ。

 

『その言葉の通りだよん。誰もが、いずれは気が付く可能性がある。けど、まだ気が付かれていない。そういうことだよ』

「誰もが気が付く……?」

『そう。ちーちゃんだけじゃない、この世界に生きる誰もが、このことに気が付くかもしれない。けど、誰も気が付かない。不自然だけど不自然ではないと認識しているんだよ』

 

 その言葉を理解する前に、束は言葉で畳みかける。

 

『とりあえずね、ちーちゃん。今感じていることはあんまり口外しない方がいいよ。ちーちゃんのことだから心配される程度で済むけど、下手すると黄色い救急車だからね?

 思ったことは日記に書くか、くーちゃんからもらえるレコーダに声で吹き込んでおくといいよ。適度に発散させないと、本当に狂っちゃうから』

「……」

『あ、疑ってるね!束さんのこと疑ってるね!?』

「これまでの自分の行動を鑑みろ」

『清廉潔白な兎さんだよ!ブイ!』

 

 間髪入れず返ってきた答えに、思わずみしりと携帯を歪めそうになる。

 だが、嘘は言っていないのは分かる。伊達に付き合いがあるわけではないのだ。

 

「まだ言えない。つまり、いずれは言うんだな?」

『そりゃあもちろんだよ。私は嘘はつかない。言葉の中に真実を埋めることはやるけどね』

「それは嘘をついてはいないが、本当のことは言っていないということだぞ?」

『いいんだよ、相手が嘘だと思えばそれは嘘となり、相手が真実と思えばどんな虚言も真実となる。

 嘘を新聞やテレビで100回も流せばやがては真実になるんだから』

 

 朗々と詞を読み上げるような束の言葉。

 その内容に千冬は苦笑しながらも、引用された言葉を言った人物の名を言い当てた。

 

「まるでヒトラーのようなことを言うな、束」

『でも事実でしょー? ちーちゃんの目の前にある情報が事実であると、一体どこの誰が保証してくれるのかな? それを読んでいる私たちがその情報を正しく認識できる精神状態であると、どこの誰が担保してくれるのかな?狂気と正気の間の線引きは、一体、何時何処で誰が定めたの?」

「水掛け論になるな、お前が言っていることもまた、誰が正気を保証しているわけでもない」

『違いないねー』

 

 あっけらかんと笑う束。

 

『そんじゃ、夕飯作るから今日はここまでにしよっか。またね、ちーちゃん!』

 

 そして、あっけなく電話は切れる。

 後に残った沈黙の中で、千冬は束の言葉を反芻した。

 

「いずれ、誰もが気が付く、か……」

 

 自分の感じている違和感の事か、それとも、まだすべての人が知らないことがあるのだろうか?

 少なくとも、束が関わることだからISの事なのかもしれない。隠された事実など、いくらでもあるような気がする。一体、自分が気が付きかけていることで、あの記憶に走るノイズが関係していることは一体何なのか。

 

(見当がつかないな……)

 

 もう夜が近い。

 今日はもう休んだ方がいいだろう。明日もまた授業があるのだから。

 千冬は踵を返して校舎内に戻っていく。まだ、胸の中には疑問が渦巻いたままだった。

 

 

 




迷いは晴れた感じで最新話をお届けしました。
私事でいろいろ忙しかったですし、ストーリー全体にも悩んでいましたが、何とかなりそうです。

くよくよするよりも、一気に進めた方がすっきりしますね。
ろくな理論を固めなくても、勢いに任せれば大概後から知恵が回ってくるものです。
すぐ最新話が出来上がった方が皆さんを飽きさせないので、よほど良いでしょうね。
ざっくりと次の話もできていますので、次は速く投下できるかもしれません。
ルートに関してはクロエルート固定ですね……他にヒロインが入る余地がないは寂しいですが。
びっくりしたというと失礼かもしれませんが、活動報告で応援コメントがもらえたことですね。
こんな作品をだらだら書いている私をずっと待ってくれている人がいるのは本当にうれしいです。
んむ、次も頑張ろうという気になりますね! 次回もお楽しみに!

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