らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

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第七話 楽しい夏休みの過ごし方

夏休みに入って数日。

 

俺は・・・いや、俺達は近所で開かれてるお祭りに来ていた。

両脇には浴衣姿の柊姉妹に途中で合流したこなたさん、みゆきさん。

 

「夏と言えばかき氷だよね。ねぇまさき、ここは気前良くぽ〜んと「おごらないからね」・・・え〜、いいじゃんかき氷くらい」

「あんたは少しは自重しろ。てかバイトやってるんだから自分の分くらいは自分で面倒見れるでしょ~が」

 

既につかささんとみゆきさんはお目当てのかき氷を注文している。

 

「そういえばちょっと疑問だったんだけど、レモン、メロン、イチゴは解かるけど・・・ブルーハワイって何味?」

「・・・そういや謎だよね」

「ブルーハワイ味・・・かな?」

 

まぁそうなるよな。

 

「てなワケでみゆきさん、何か知ってる?」

「申し訳ありません、わたしもちょっと・・・」

「え、みゆきさんに解からない事が!?」

「いやまさきくん、みゆきにだって解からない事の1つや2つくらいあるでしょ・・・?」

 

そうだけどみゆきさんなら絶対知ってそうなイメージがあるからな〜。

と思ってると・・・。

 

「私知ってるよ? 名前は同名のカクテルっていうお酒から来てて、カクテルのほうも映画『ブルーハワイ』から来てるんだって♪」

 

以外にもつかささんから答えが返ってきた!

 

「へぇ。良く知ってるね」

「勉強になりますね♪」

「・・・・・・」

 

ん?

なんかこなたさんの反応が・・・?

 

「どうしたのこなたさん?」

「いや〜、つかさに教えてもらうとなんか負けたような気がするのは何でだろう?」

 

そういう発言は思ってても言わないように。

聞こえてないようだから良いものの・・・。

 

「やっほ〜。こなたじゃ〜ん♪」

 

そんな話をしているとこっちに婦警さんがやってきた。

こなたさんの事を知ってるみたいだけど、はて?

 

「婦警さん・・・? こなたの知り合い?」

「従姉妹のゆいねーさんだよ」

「よろしく〜!」

 

えらくノリの軽い婦警さんだった。

 

「こなた、先輩達の言うことを聞いてちゃんと早めに帰るんだよ?」

『イヤイヤイヤ! ウチら同級生ですから!!』

 

こなたさんを基準に考えないでください!

思わずかがみさんと揃ってツッコンでしまった。

・・・でもなんか微妙に恥ずかしくなるな、この同時ツッコミ。

 

何だかんだで一緒に回る事になった成実ゆいさん(以前聞いた新婚さん)。

服装からして仕事中なのではと思っていたが・・・。

 

「成実! こんなトコでなにやってんだ!」

「ギックゥ!?」

 

警官が婦警を引きずっていくと言う非常にシュールな光景を見ることとなった・・・。

それはそれとして、改めて出店をまわる事にする。

かがみさんはみゆきさんと金魚すくい、こなたさんは射的で射的屋のおにーさんを狙うとお約束のボケをかましたり・・・当てたらお持ち帰りする気だったんだろうか?

 

「綿アメってふわふわして甘いから大好き〜♪」

 

そういってご機嫌なつかささんはお祭りをしっかり楽しんでるようだ。

 

「子供じゃないんだから落ち着いて食べなさいよ。顔についてるぞ?」

 

と金魚を1匹ゲットしたかがみさんがつかささんの顔についた綿あめを取って自分の口に運ぶ。

・・・見てて思わぬ妄想するのは健全な証拠だよね?

 

「我慢することナイヨ〜? やってあげれば良いじゃん」

「(ビックゥ!!)」

 

心を見透かしたかのように後ろからささくなそこ!

 

「目がちょっとやばかったよ?」

「げ、マジ?」

「まさきさん・・・」

「ごめんなさい」

 

なぜ俺が謝ってるのか分からず首をかしげる柊姉妹だった。

 

 

 

「はう!?」

「どしたのつかさ?」

「いつの間にかお小遣いの残りが少なくなっちゃった・・・」

 

いろいろ遊ぶ上に出店のメニューって結構高めだからいろいろと目移りするんだよね。

 

「ちゃんと考えて使わないといかんっていう天の啓示だね」

「あうぅ・・・」

「でも、出店ってその場の雰囲気が楽しくて、つい使ってしまうんですよね♪」

「わかるわかる。同人誌は高くてもそう感じないのと同じだよね♪」

「その例えはどうかと思う(汗)」

「そもそもそんな店に行ったことも無いわよ」

 

何回か覗いた事があるが何であんな薄っぺらいのが単行本並みに値が張るのかが分からん。

物によっちゃプレミア付いた物で1000円以上するし・・・。

 

「なんかさ・・・最近まさきとかがみのツッコミがきつくなってるような気がするヨ」

『お前がツッコミどころ満載だからだろ!』

「うお!? しかもシンクロ率が上がってるし! コレも2人の愛のn」

『何でやねん!?』

 

そんな仲になった覚えは無い!

まぁ全力で否定されると微妙にへこむが・・・。

 

「お? 皆そろってんな〜」

 

そんなときに聞き覚えのある関西弁が聞こえてきた。

俺達を知ってて関西弁を操る人といえば・・・。

 

「こんばんは、黒井先生」

「先生もいらしてたんですね♪」

「おう、ウチは祭り好きやし、せっかくやから来て見たんや」

「せんせ〜! やっぱり彼氏とかと一緒なんですか?」

 

おいおい、ソレを聞くか?

 

「あっはっは、いるわけないやん。そっちは・・・ハーレムやな♪」

 

仮にも教師が生徒になに言い出すんですか!?

 

「先生、さすがにそういう冗談は・・・」

 

かるくジト目で先生を見るが・・・。

 

「ホンマにそう思っとるんか?」

 

ほれ、と指を指されて振り向いてみると

 

『・・・・・・』

 

真っ赤になって固まってる4人がいた!

先生が冗談言っただけなのにこなたさんまで真っ赤になるようなことか今の!?

 

「年頃の男女がいっしょに「それ以上は禁止ぃ!」・・・何やつまらんな〜」

 

生徒で遊ばないでください、お願いですから・・・。

 

 

 

その後、皆を正気に戻して(約20分かかった)先生を加えた俺達は、祭りを楽しんだ。

その途中、再び成美さんに再び遭遇した。

 

「人数増えて楽しそうだね〜」

「ども〜」

「・・・・・・」

 

なにやら下からなめる様に黒井先生を見てたが・・・。

 

「今度こそ発育のいい子だよね?」

『先生だよ(です)!』

 

これはさすがに本人以外全員でツッコミを入れざるを得ない・・・。

当の本人は唖然としていたりする。

 

「いや〜、すいませんはやとちりしちゃって・・・従姉妹がお世話になってます」

 

とりあえず一旦落ち着き、先生と成実さんが自己紹介をした。

 

「いえ〜、そんなことは。今日は、お仕事・・・で?」

「警備のお仕事なんですよ〜。この暑いのにねぇ〜」

 

・・・現在の成実さんの格好。

 

着てる物、婦警の制服。

 

まぁコレはいいとして・・・。

 

頭、お面。

右手、水ヨーヨーに金魚。

左手、フランクフルト。

 

・・・思いっきり祭りを楽しんでるじゃん。

 

 

 

お祭りから数日後。

 

「せっかくだから海に行こう」という案が出て、とんとん拍子で話が纏まり8月に入ってすぐに2泊3日の小旅行が決定した!

・・・ていうかよく親が許可したなおい(汗)

保護者兼運転手が2人つくとはいえ男が俺1人だけ。

信頼されてる・・・のかね?

まあとにかく決まったモンはしょうがないのでおとなしく従っておこう。

・・・ヘタに反論したらつかささんあたりが泣きそうだし。

で、こなたさんが「ついでに宿題を速めに片付けようよ!」と言いつつ案の定助けを求めてきたワケで・・・俺はバイトの都合と会わせて、ある日の午後、柊家での勉強会に参加することになったが・・・。

 

「お邪魔します、かがみさん」

「お〜っす・・・? あれ、発案者はともかくとしてつかささんはどうしたの?」

「え〜っとね・・・」

 

みゆきさんと共にかがみさんの部屋を訪れたのだがつかささんがまだいない。

かがみさんがなんだか歯切れの悪い返事をしたところで・・・。

 

ガチャ。

 

「お姉ちゃんおは、よ・・・」

 

・・・・・・。

 

バタン。

 

「あんな感じで昼過ぎまで寝てる上に一緒に遊んでるから宿題終わらないのよね・・・」

「いやそこは姉として起こしてやるところなんじゃ?」

 

『わ、忘れてたよ〜! 今何時・・・ってもうこんな時間!? 何で目覚まし止まってるの〜!? わ、ひゃあ!?』

 

なにやら壁の向こうで大慌てで時間を確認してなおかつ盛大にすっころんだ様な音が・・・。

 

「・・・先に始めてようか?」

「せめてつかささんだけでも待ってても良いのでは?」

「さすがのみゆきもこなたの遅刻は確定と思ってるわけね・・・」

 

 

 

それから40分後・・・。

 

「やふ〜! 送れてごみんごみん!」

「こんにちは泉さん」

「相変わらず時間にルーズなヤツね〜・・・今度はどんな理由?」

「いやー、ネトゲでイベントにぶち当たっちゃってさ〜、抜けるに抜けられなくて♪」

 

なんか既視感を感じるこの光景にもすっかり慣れてしまった自分がいる・・・。

 

「取り合えず分かんない所は教えてやるから、最初は自分でやりなさい。」

「ふお!? 先手を取られた!」

 

そういわれてぶつぶつ言いながらもノートを開いた・・・が。

 

「かがみ〜、ここどうやるの?」

 

「まさき、コレってどう読むんだっけ?」

 

「みゆきさん、ここ教えて〜?」

 

「かがm『こなた(さん)まったく考える気ないでしょ!』・・・アハッ☆」

 

さすがのみゆきさんも苦笑気味だ。

とりあえず宿題を既に片付けてた俺とみゆきさんでこなたさんにみっちり教えることになった・・・。

 

 

 

「あ、頭がパンクしそうだよ〜・・・」

 

そりゃもう2時間みっちりやってるからな〜。

俺はともかくみゆきさんも結構妥協しない性格らしく、ヒントは出すが正解するまで何度でもやらせる方針を採ったので、俺もそれに合わせて指導していた。

ま、さすがに疲れてくる頃だろう。

 

「それじゃあ、昨日焼いたクッキー持って来るね♪」

「ついでにジュースも持ってくるわ。」

「手伝おうか?」

「大丈夫。お客さんなんだからのんびり休んでなさい♪」

「あ、ああ、うん・・・」

 

一瞬、ドキッとした。

かがみさんって普段は怒りっぽいせいか、時たま見せる優しい表情を見るとずいぶん魅力的に見え・・・ってなに考えてんだ俺は!?

 

「まさきさん、どうかしましたか?」

「いや、なんでもない」

 

とりあえず落ち着こう。

じゃないとまたこなたさんあたりが突っかかってくる。

 

 

 

柊姉妹が持ってきたクッキーとジュースをつまみながらおしゃべりタイム。

女の子の会話に野郎が入れるワケもなく、とりあえず周りを見回してたら本棚が目に入った。

そういや前来た時も思ったけどかがみさんは読書家なのか、小説らしき物がびっしり並んでる。

 

「何か読みたいのでもあるの?」

 

それに気づいたのか、かがみさんが俺に話しかけてきた。

 

「いやそういうわけじゃないんだけど、かがみさんって結構読書家なんだなって」

「そんな大層なモンじゃないわよ。普通の小説もあるけどそこに並んでるのはラノベだし」

「それを読んでかがみんはたっぷりとオタ知識を・・・」

「ンなワケあるか!」

 

やれやれ・・・。

いつもの調子で2人のじゃれあいが始まったのでとりあえず昔読んだ覚えのある一冊を手に取った。

 

「とりあえずコレ読ませてもらっていい?」

「いいわよ。あ、他にもオススメなのがコレとかコレとか・・・あ、あとコレも外せないのよね〜♪」

「・・・え〜っと(汗)」

 

ここでかがみさんの意外な一面が!

 

「か、かがみさん、さすがにそんなには一気には読めないかと・・・」

「あ・・・(汗)」

 

相当好きなんだなかがみさん・・・。

その手には既に彼女のオススメと思しき小説が5冊持っている・・・ソレをイッペンに読めと?

 

「・・・ガンバ!」

「何その戦場に友を送るようなカンジのセリフ・・・?」

 

とりあえずかがみさんオススメの小説(ヤツ)を1冊受け取って読み始めた・・・んだが。

 

「・・・・・・(じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)♪」

 

なんか妙に嬉しそうな目でこちらを見られております(汗)。

 

「・・・(まあ、気にしないでおこうか。とりあえず本に集中しよう)」

 

 

 

<みゆき視点>

 

 

 

まさきさんが本を読まれてからかがみさんが彼をずっと見つめてます・・・というより反応を楽しみにしてる、という感じでしょうか?

 

「かがみのあの視線を受け流せるとは・・・あやつ、できる!」

「すごいね〜。わたしもだけど、こなちゃんも1分も持たなかったもんね」

「まさきさんは顔色1つ変えずに本に集中してますね・・・」

 

一度何かに集中すると周りが見えなくなることってあるんですよね。

それで私は何度恥ずかしい思いをしたか・・・。

 

「どしたのみゆきさん?」

「いえ、以前まさきさんの様に読書に集中してたときに失敗したことを思い出しまして・・・」

「ゆきちゃんも失敗することってあるんだ〜。どんなの?」

「え・・・えっと、病院の待合室で待ってる時に順番がまわってきたのに気づかなかったりバスでも終点まで気づかなかったりと・・・」

 

はうう・・・今思い出しても顔から火が出そうです・・・。

 

「みゆきさん、それは萌え要素って言うんだよ♪」

「(こなちゃんの中でどんなイメージが!?)」

「も、萌え・・・?」

 

 

 

<まさき視点>

 

 

 

「あ、もうこんな時間・・・」

 

読み終えた本から顔を上げたら既に西日がさしてるのに気づく。

 

「結局こなたさんの宿題半分しか出来なかったね」

「この時期で半分出来てれば上出来だよ〜。みゆきさんもありがとね♪」

「いえ、どういたしまして。私も良い復習になりましたから」

 

残り一月丸々あるから半分も出来てれば確かに余裕だろう。

・・・毎日やればの話だが。

 

「来月末またよろs『自分でやれ!』・・・やっぱりまさきとかがみのシンクロ率が上がってるような気がするよ・・・」

 

締めがコレでいいのか大いに疑問だが、こんな感じでその日は解散となった。

 

 

 

つづく・・・


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