らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

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第五十七話 いろんなイメージ

「ほんじゃ各自、気ィつけて帰るよ~にな♪」

 

帰りのHRが終わってようやく放課後。

といってもそこまで長く感じないと言うのはやはり毎日が充実しているからだと思う。

しっかし・・・。

 

「それにしても黒井先生、今日は・・・といいますか、昨日辺りから妙に機嫌がいいですよね?」

「ん~、きっと先生に彼氏とかが出来て嬉しいとかじゃないかな?」

「・・・それは微妙、いや、無いんじゃないか?」

「ですよね~♪」

「ほ~・・・言ぅてくれるやないか、自分ら?」

 

こなたさんがそう言った後に、背筋が凍るような低い声が後から響いてくる・・・。

 

ゴン!

バキャ!

 

『ぬぅぉぉぉぉぉお!?』

 

まだ教室にいたらしい黒井先生の鉄拳をこなたさん共々食らうハメになりました(涙)。

 

「まったく・・・ウチが嬉しいのはロ○テが最近調子がええからや! くっくっく、ここからがロ○テ伝説の幕開けやで~♪」

 

そういやこの人って熱烈なロ○テファンだったっけ。

シーズン当初は低迷していたが最近は調子を上げているらしく、熾烈なAランク争いをしてるとか何とか。

 

「この調子でプレーオフも日本シリーズも、ロ○テがいただくんや♪」

「まるで我が事のように喜ばれてますね・・・(苦笑)」←ちょっと引き気味

 

よっぽど好きなんだろうな~、黒井先生。

そういえば・・・。

 

「日本シリーズで思い出しましたけど、メジャーでは総合優勝したチームがワールドチャンピオンって言うのは何ででしょーか?」

「そういえばそうだね、国内なのに世界一・・・何でかな?」

 

WBCでは日本が優勝してたんだがなぁ・・・はて?

 

「そ~やな・・・ま、世界一名乗るにはロ○テを倒してからにしろっちゅーの。は~っはっはっはっはっは!!」

 

豪快に笑う黒井先生。

う~む、黒井先生の鼻が天狗のように伸びてる気がするのは気のせいだろうか?

それを見ると何だか折ってみたくなるのは俺だけじゃないよね?

 

「ま、聞いた話(ニュース)ではたかが3連勝って言うくらいらしいですけどねぇ・・・」←ボソッと

「・・・何を言うとるんや赤井。この連勝から勢いっちゅうもんが出てやな!」←聞き逃さなかった

「その時だけってのも結構ありますし」

「・・・・・・」

「状況的に今からじゃAクラスにはかなりギリギリのラインっぽいし」

「・・・・・・・・・」

「リーグ制覇出来なくなった時点で勢い出てきてもなんか今更って感じがするし」

 

ちなみに1位2位は既に確定済みのようである。

っと、そろそろ止めとかないと黒井先生の反撃が来そう・・・。

 

「・・・ふっふっふ、ええか赤井、日本シリーズで優勝する事に意味があるんや。リーグ優勝してもプレーオフでこけるチームも結構あるやろ?」

「は、はぁ・・・」

 

先生の目が据わってる・・・しまった遅かったか!?

 

「そもそもリーグ優勝したチームがコケるのは試合の間隔が空いて気ィ抜けてしまうからや。そしてそこに2位対3位の勝者が付け入る隙があってやな・・・」

 

 

 

・・・30分後。

 

「分かったか赤井? 大体最近のにわかファンときたら・・・」

「いやもうすいませんでした、ええ本当に」

 

結局コッチのほうが折れてしまった・・・。

趣味・・・てか好きなチームに対するファンの愛ってすげ~、何て思いつつ、ようやく開放される事になった。

 

 

 

「まさきも災難だったよね~♪」

「聞いた話じゃある意味まさきくんの自業自得だろそれ・・・」←少々呆れ気味

「軽い言葉が持つ責任の重さを思い知ったぜ・・・」←かなりグッタリ

 

下校中。

いつもの5人で途中まで一緒に帰る傍ら、かがみさんに放課後の一連の出来事をこなたさんが面白そうに話し、かがみさんに呆れられてしまった。

いや、まぁその通りなんだけどさ、ちょっとからかうつもりがいつの間にかs「は・・・は・・・」って何だ?

 

「はぁ~っくしょん!」

「うひゃっ!?」

「また豪快に出したわね~」

 

こなたさん、せめて口を押さえたほうがいい思うぞ。

てか花の女子高生が豪快にくしゃみってどうよ?

 

「いや~、くしゃみってあんま加減が出来なくってさ~」

「そうかな~? 俺は結構出来るけど」

「ホント、絵に描いたような『はっくしょん!』なんていうくしゃみ、初めて見るわよ」

「こなちゃん風邪治りきってないの?」

 

つかささん、相変わらずええk「は・・・くちゅん!」っておや?

 

「みゆきさんも実は風邪気味?」

「い、いえ。そんな事は・・・お恥ずかしながら、少し鼻がむずむずしてしまいまして」

 

みゆきさんも小さく控えめにくしゃみをした・・・どっかの誰かが放った豪快なくしゃみと違い、さすがお嬢様って感じに。

本人も風邪はひいてないから大丈夫って言ってる訳だし鼻声じゃないしみゆきさんだし。

そんな俺とみゆきさんのやり取りに闖入してくるちっこい影が1つ・・・。

 

「何かさー、ずるいよね~。くしゃみ1つとってもこの個体差がさ~。加減できないだけに何してもカワイイのって何かずるいよね~」←みゆきさんに絡み中

「え、いえ、そんな事は」←ちょっと顔が赤い

「コラコラ、絡むなよ・・・」

 

かがみさんが呆れたように言うがこなたさんは悪ノリ中。

みゆきさんは・・・まぁ、ああいうノりに対して嫌とは言えない性格だしなぁ。

しかしこうしてみてると・・・。

 

「・・・ハタから見たら中々危険な香りがするぞ、こなたさん」

「ほぇ・・・?」

 

現在の現状、顔を赤くしたみゆきさんにこなたさんが体をくっつけてスリスリしている。

コレはどう見ても・・・キマシ?

 

「いや、私は確かに自他共に認めるオタクだけどさ、リアルで同姓趣味無いから。普通だから、ノーマルだから!」

 

こなたさんが必死に弁解中・・・ある意味珍しい光景だ。

みゆきさんも開放されたからか安堵したようで・・・ホッとしてるのかそれとも別な理由か、とそう考えてしまう時点で俺もアウトなんだろ~か?

 

 

 

<数日後、土曜日の午後:柊家>

 

 

 

「かがみとつかさの誕生日ってさ、7月7日じゃん?」

「ちょうど七夕だな~」

 

大変覚えやすい誕生日だがその日が何の日かにもよるだろう。

クリスマスや正月だったりすると成長するにつれて微妙な心境になる人もいるとかいないとか。

 

「それ以外に『ポニーテールの日』でもあるんだよネ♪」

「なんで7月7日なのよ?」

「それは、七夕の織姫がポニーテールだったからと言われています」

「・・・なんか無理やり理由をねじ込んでるような気がするぞ」

「でも、実際にポニーテール協会と言うのがありまして、ポニーテール人気の理由、歴史、文化的価値の考察と、21世紀にポニーテールを流行させることを目的にしていると聞いています」

「さっすがみゆきさん!」

「へ~」

 

ちなみに毎年ポニーテールが一番似合う有名人に『ポニーテール大賞』を送っているとか。

そんなみゆきさんの話を感心しながらこなたさんとつかささんが聞いている。

っていうかいつの間にか雑談に入っているけど、みんなで柊家に集まって現在何をしているのか忘れてないか・・・?

 

「でもポニーテールってd「待て待て、その前に一言、言いたいことがあるんだけど?」・・・どったのかがみん?」

「何で一番勉強しないといけないヤツが積極的に話をずらしてんのよ!?」←リミットブレイク中

「あー、かがみさんひとまず落ち着いて(汗)」←ちょっと冷や汗気味

「あはは、きっと一番勉強をしたく無いからヤバイんだよね、きっと。うん」←誤魔化し中

 

そう、今はテスト勉強中・・・ぶっちゃけ中間テストが明後日の月曜日からである。

てか色んな意味で俺とかがみさんは必死だ。

何せ一夜漬けで俺やかがみさんを脅かすほどの高得点を叩き出すヤツが目の前にいるのだから。

 

「う~、自分の目指す教科だけに絞れればいいのに・・・」

「目標も決めてないやつが贅沢言うな!」

 

そんなこんなでこなたさんはダウン気味。

でも休憩は必要だよな・・・?

なにせ休み無しに2時間ぶっ通しだし。

 

「そんな訳で休憩がてらゲームでもしようよ。」

 

同じことを考えていたのか、こなたさんはバックの中からDSを取り出し、「みゆきさん、コレやってみない~?」とみゆきさんに勧めていた・・・パズルゲームみたいだけどちょっと無茶ぶりっぽくないか?

かがみさんはその事にブツブツ言いながらも、みゆきさんが初見でどれくらい出来るのか興味はあったのだろう、特に何も言わずにいる。

実際、彼女は凄まじい集中力と幸運の持ち主なのは今までの経験の中で証明済み。

 

「皆さんとプレイしたゲーム以外はあまりやったことが無いのですが・・・では少しだけ」

 

・・・えっと、なんかみゆきさんの雰囲気が変わったのは気のせい?

 

「何かオーラっぽいのが出ましたネ~・・・」

「う、うん・・・」

「空間、隔離してるわよね・・・?」

「・・・しばらくそっとしておこう。」

 

こなたさん達もそう思ったらしい。

そして待つ事数分。

 

「・・・・・・orz」←あっさり記録を抜かれた

「・・・こなちゃん、大丈夫?」←状況についていけない

「す、すみません・・・」←オロオロしてる

「どうする、あれ・・・?」こなたさんを指差しながら

「ほっときゃその内復活するでしょ。」←即答

 

そのまた数分後。

 

「ねぇねぇさっきの話だけどさ、みんなでポニーテールやってみない?」

「なんだそのストレートな無茶振りは・・・」

 

ワリとあっさり復活したこなたさんがどこからとも無く取り出したヘアブラシと髪留めに使われるゴムを取り出す・・・何であるんだよ。

そして彼女はみゆきさんから許可も取らずに髪を弄り始めた。

 

 

 

それからさらに数分後。

 

置いてけぼりな形になった俺だが・・・。

何故か目の前に4人の少女がポニーテール姿で鎮座しております、ハイ。

正直、いつもと違う髪形になってると凄く新鮮でいつもより何だか可愛く見えたりします、ハイ。

そういえば以前にも彼女達は何回か髪形を変えてた時がありました、ハイ。

さほど気にしてなかったのをある意味後悔してます、ハイ。

・・・みさおさんややまとさんも似合うだろうか?

って、何故あの二人の顔が頭に浮かぶ!?

やべぇ、俺正気じゃね~や(汗)。

そんな俺の心境を知ってか知らずか、こなたさん達はそれぞれのポニテ姿を評している。

・・・頼むから俺を巻き込むなよ?

俺自身、何を言い出すか分かったモンじゃない。

話を振られないようにと俺は心の中で神に祈りつつ、教科書を眺めると言う現実逃避に入った。

 

「ねぇまーくん。私のこの髪型、似合ってるかな?」

「そうだよね~、まさきの意見も聞きたいよね~♪」

 

・・・俺は神様なんかもう絶対信じません(涙)。

2人の言葉に反応したかがみさんやみゆきさんもこっちを向いて俺の様子を窺っている。

 

「イインジャナイカ? ミンナニアッテルヨ。ハッハッハッハッハ・・・」

「・・・まさきさん?」

「まさきくんどうしたの、大丈夫?」

 

結局この後は勉強にならなかったのは言うまでも無い・・・。

 

 

 

<オマケ:翌日早朝>

 

 

 

「おっすまさき!私の髪型はどうだ?」←ポニーテール

「おはようございます・・・あの、私は元々この髪型なんですけど・・・似合ってるでしょうか?」←上に同じ、ちょっと恥ずかしそう

「あ、あはは・・・」←上に同じ、苦笑気味

 

全員、ポニーテールだった・・・。

何があったのかは詳しくは知らないけど、何故に昨日あの話をした時あの場にいなかったみさおさんにやまとさん、その上ゆたかさんまでポニーテール?

みさおさんはいつもの様に振舞い、やまとさんは上目使いで顔を染めつつ窺ってくる・・・どうしろと?

ちなみにゆたかさんは半分巻き込まれたようなモンらしい。

 

「なぁなぁまさき、似合ってるか?」←ちょっと顔が赤い

「あの・・・できれば感想を言ってもらいたいです・・・」←真っ赤

「まさき先輩、私はどうですか?」←純粋無垢

 

・・・どないせいっちゅうんじゃ~!

 

 

 

・・・つづく


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