らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

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第三十一話 少女達の見解

年が明けて1月。

今日は3学期の始業式。

何だかあっという間に月日が流れてるように感じる今日この頃・・・って毎回そう感じてる様な気もする。

去年は旅行に思いがけない誕生日にクリスマス、大晦日は・・・最後の最後でメチャメチャ疲れた1日だったがそれも良き・・・思い出に・・・したくは無いな、アレは(汗)。

まあそういう事で・・・。

 

 

 

<陵桜学園:2−B>

 

 

 

「ほーい、席つけお前ら〜」

 

新年の初登校。

だからと言って何かが変わる事も無く、いつもの様に柊姉妹と登校して、クラスメートに新年の挨拶をして。

そして始業ベルが鳴り、担任の黒井先生が教室に入ってくる。

いつもの学校生活がまた始まる。

 

「明けましておめでとう。今年もよろしゅうな〜・・・もっとも、よろしくされるのは後3ヶ月くらいのヤツもおるやろけどな♪」

 

まぁクラス替えもあるし当然っちゃ当然だが。

黒井先生もいつも通りというか、ある意味不吉なことを言いながらも絶好調のようだ。

そして始業式を終えて冬休みの宿題を提出して、午前中で終了する事になる。

 

「お正月気分って言いますけど、確かに不思議な雰囲気と言いますか・・・独特の空気を感じますよね」

「ま、学校が始まった瞬間に綺麗サッパリと無くなるけどね」

「そういやみゆきさんやまさきはお正月どう過ごしてたの?」

「俺はあの後初詣してから実家に帰省して、ばあちゃんちで過ごした」

 

もっとも直前のあのお祭り(コミケ)疲れで初詣も帰るのも億劫な気分だったが。

みゆきさんはと言うと・・・。

 

「田舎の家は和風なので、着物を着て初詣をしたり、百人一首や福笑い等をして遊びましたよ?」

 

うっわ〜すっげぇ日本人してるわ・・・てか福笑いってなんだっけ?

 

「俺はコタツでゴロゴロしていたかったんだけど従兄弟達に捕まっちゃってね〜。まったくあんのやんちゃ坊主どもめ」

「そういえばまーくんの従兄弟ってまだ小さいんだよね。どんなことして遊んだの?」

「実家って言うより田舎のばあちゃんちでなんだけどね。何故か子供になつかれやすいんだよな、俺」

 

じっちゃんやばっちゃん、自分達の両親、俺の両親や姉貴にでは無く、何故か俺になついてとにかく俺を振り回す。

 

「さすがに電線とかあって危ない所も多いからね。ばあちゃんちの土地も広くは無いし、正月らしく羽子板やらやろうとしても出来る場所はおろか道具が無い上に雪が積もってたからね。結局毎日が雪合戦」

「うわ〜、正月からまさきは凄く動きまわってたんだね〜。集中砲火を受けてるのが容易に想像つくよ。しかしさすが北国、そっちは雪だったんだネ」

 

言うほど北のほうじゃない上に大きなお世話だコンチクショウ。

 

「ま、当然返り討ちにしたけど」

「でも少しは加減してあげたんでしょ?」

「まぁ少しは・・・」

 

従兄弟達4人(それぞれ姉弟と兄妹)揃っての集中砲火である。

雪を子供の力で丸めたとは言え、おもいっきり固めればそれなりに痛いわけで。

最終的に気が付いたら全員雪まみれ。

一番小さい子にいたっては半泣き状態だったが、俺に雪をぶつけるとけろっとして元気に動き回るんだから不思議なモンである。

で、俺が帰る時、4人全員揃って俺にしがみ付き、大泣きしたのはご愛嬌だ。

てかかがみさん、いつの間に2−B(こっち)に来たんだ。

 

「後はお節とは言わんが、暫らくはそれっぽいのや餅ばっかり食ってたな〜」

 

ばあちゃんちで作った餅を持ち帰り、自宅で冷凍保存していたりする。

それでも早めに食べないといけないが。

 

「へ〜。ウチはお母さんいないからお餅ってあんまり食べないんだよね」

「うわもったいない、お雑煮お汁粉きなこ餅、お餅の美味しい食べ方いっぱいあるのに」

 

ちなみにかがみさんは正月3ヶ日は忙しかったのに体重がどうのって騒いでたらしく(まつりさん談)、実家から帰ってきた俺との新年初のランニングで妙に気合が入っていたのは記憶に新しい。

 

「かがみさぁ、そんな(たべる)ことばかりするk「言うなこんな所で〜!」フゴフゴ」

 

かがみさんが真っ赤になってこなたさんの口を塞ぐ。

なるほど、問題は未だに解決してないということか。

 

「冬は寒いこともあって中々脂肪が燃焼しないかr「ま〜さ〜き〜く〜ん? 年頃の乙女にそれを言うか!」おご!?」

 

ぐあ、脳天におもいっきり来たぜ・・・。

 

「おお、遂にまさきにも拳王の一撃が!」

「うっさいわ! てか誰が拳王か!」

 

気にしてるからって力に訴えるのはどうかと思うぞ。

 

「でもお姉ちゃんの言う通りだよ? まーくん」

「女性はいつだって自分の些細な所を気にしていたりするんですから、今のお言葉はちょっと・・・」

 

むう、怒られてしまった・・・。

気にして無さそうなヤツが目の前に2〜3人いるような気がするがそれはひとまず置いといて。

 

「そういえば、ゆきちゃんの所もお正月にお節料理とか食べたの?」

 

何となく洋風っぽい印象を持っているみゆきさんだからお節とかは・・・あ、田舎は和風って言ってたっけ。

 

「お節料理も食べましたし、お餅を食べて、噛み切れずにどこまでもうにょ〜んって言うのもやりましたよ?」

「何か普通にみゆきさんが親戚一同に混じって仲良く杵と臼で餅つきしてる所が想像できるんだが・・・」

「おもちうにょ〜ん」

 

市販品では膨らむことはあってもそこまで伸びることはあまり無かったような気がする。

 

「でも、お正月って何だか足早に過ぎちゃうよね」

 

つかささんの意見ももっともだ。

やることは結構多いし春、夏、冬の中では一番休みが少ないことも関係してるだろうし。

 

「そだね〜。冬休みも一応長期休暇になってるけどさ、大掃除したりとか」

 

とこなたさん。

俺も自分の部屋1つでさえ結構かかったからな〜。

 

「年賀状書いたり」

 

あれ、こなたさんから年賀状来たっけ?

 

「宿題やったりで実際休める時間って少ないよね」

 

・・・ちょっとマテコラ。

 

「あんた、今言ったことの半分もやってないだろ! 年賀状来てないし、昨日堂々と宿題を写していったじゃないの!」

「スギタコトハキニシナ〜イ」

「じゃあ何でカタコトになってるのかな、こなたさん?」

 

俺も宿題写しに巻き込まれたのはもはやお約束である。

 

「ちなみにそういう3人は正月どう過ごしたの?」

「お父さんとかがみんのとこに初詣に行ったよ〜♪」

()()()からすぐ神社(ウチ)の手伝い』

 

・・・うわ〜、あの後すぐに手伝いですか。

あ、姉妹揃って遠い目をしてる。

ちなみにこなたさんは親父さんが巫女服見たいがために行くと主張したために夜中に行くハメになったとか・・・。

 

「いや〜、かがみんとつかさの巫女服、かなり萌えたよ〜?」

「んな事俺に言ってどうするつもり・・・? てか俺も行ったのそこだから」

 

既に2人どころか、柊家一同の神事に着る衣装は一通り見ていたりするのは別な話である。

 

 

 

<放課後:ゲームセンター>

 

 

 

「おっしゃ赤井〜、対戦やろうぜ対戦!」

「・・・・・・」

「ゴメンね赤井君、止められなくて・・・」

 

いや、峰岸さんは悪くないと思う。

悪いのはこの目の前ではしゃぎまくってる元気っ娘(くさかべさん)だ。

まぁ、元気なのは悪くはないけど。

ちなみにこなたさんはバイト、柊姉妹とみゆきさんはそれぞれの都合で既に帰宅済み。

そんな時、校門付近でたまたまこの2人と遭遇した結果、日下部さんに強制連行された(暇だったらしい)。

・・・なんかどこかの誰かを思い出すぞ。

そんな訳で俺と日下部さん、峰岸さんという珍しい組み合わせでゲーセンに来ていた。

 

「格ゲーとかは苦手だけどこっちのほうならやってみたい・・・かな?」

 

俺がやってみたかったのは前々から興味を持っていた『戦場の絆』。

さすがにこういうロボットモノは女の子はあまりやらないだろうな〜と思ったんだが・・・。

 

「よっしゃ、やってみようぜ!」

「ゑ、マジ!?」

「何だよ〜、自分で言ったんじゃん」

「や、そうだけどさ・・・」

 

そういって峰岸さんに視線を移す・・・あ、苦笑してる。

どうやら見た目だけじゃなく中身もボーイッシュなようだ。

とりあえず峰岸さんは見学、俺と日下部さんでPK(パイロットカード)を作成する。

 

「赤井は青軍と赤軍、どっちにするんだ?」

「ん〜む・・・赤軍かな?」

()()なだけにってか? じゃ、アタシも♪」

 

何か馬鹿にされたような気がするが・・・そっちは良いのかそれで(汗)。

とりあえずカード作成後、それぞれの固体に入ってカードを入れて初心者の練習用ステージを開始する。

自軍の確認っと・・・あれ、俺1人だけで他はCPU?

日下部さんはどうしたんだろう・・・?

ひょっとして練習用フィールドは基本1人だけか?

まぁその疑問は置いといて、基本操作をある程度憶えた俺は、敵機がいるフィールドを目指して自機を進ませていった。

 

 

 

「お、赤井どうだった? ちなみにアタシは1機やっつけたぜ♪」

「こっちも集中砲火で何とかね。何気に近接での攻撃って難しいね」

「ふふ、二人ともお疲れ様」

 

峰岸さんがいつもの笑顔で労ってくれた・・・ただのゲームなんだが(汗)。

カードをターミナル機に挿入し、ポイントが加算される。

結構やってみるとおもしろい。

・・・でもあまりドツボにはまらない様にしないと。

 

「今度はオンラインでやってみねーか?」

「そっちの懐は大丈夫?」

「こういう時のお金の貸し借りは絶対ダメだからね、みさちゃん?」

 

俺は少し余裕があるが日下部さんは財布の中身と睨めっこ・・・。

カード作るのに100円、500円で2ゲーム。

高校生には決して安いモノでは無い。

普通のアーケードゲームと違って結構かかるから、そういった面から自然と制約がかかる。

バイトでもしてれば話は別だが、日下部さんはどこぞの後輩みたいに小遣いが底つくまでやるほど入れ込むタイプじゃないみたいだし。

 

「は〜、しょうがないか。今日はこれくらいにして次の機会にまわすぜ・・・」

「ま、賢明な判断だね」

「ふふ、みさちゃんったら随分とはしゃいj「わわわ! あやの、ストップストップ!」・・・ぼやぼやしてると取られちゃうよ? なんだか知らない所でも結構人気あるみたいだし」

「・・・何の話?」

「ん〜、乙女の秘密、かな?」

 

そんな会話をしながらそれぞれの帰路についた。

しかし日下部さんの顔が心なしか赤いような・・・何この既視感?

ともあれ、今日も1日が過ぎていく。

違う点といえばいつものメンバーじゃなく別のメンバーと帰ってるって事くらいかな?

今日の夕飯は餅の話が上がったこともあり、雑煮にでもするかと考えながら2人と別れ、俺はアパートに帰っていった。

 

 

 

つづく・・・


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