らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

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第二十話 いざ、修学旅行!:3日目

<修学旅行3日目:早朝>

 

 

 

「ふぁ・・・」

 

いつも通りの時間に起きてしまうのはしょうがないだろう、もう生活習慣なんだし。

まだ5時半・・・さすがに出歩くわけにも行かないしどうしたモンか。

ひとまず窓から朝の光景を眺めてみる。

今日も天気が良さそうだ。

太陽が顔を出し始めてかすかに明るくなっているのが何だか幻想的。

 

・・・出だしが前回と同じ?

気にするな、俺は気にしない。

と言いたくなるのは、軽い現実逃避のようなものだ。

何せ同部屋のクラスメイトが誰1人として戻っていないのだから・・・。

俺は口頭とはいえ彼らの行動を止めたし、止められなかったから先生に通報したのだから彼らの自業自得ではあるが・・・初日に続いて何されてるんだろう(汗)。

それ以前に俺が通報したことがバレたら・・・考えないようにしよう、うん。

取り合えず部屋のトイレに行って・・・・・・?

部屋の入り口の外から何か聞こえる・・・呻き声?

 

入り口を開けてみますか?

 

→ はい

  いいえ

 

って何RPG風に選択肢出すかな俺の脳内!

・・・こなたさんに毒されたか?

取り合えず開けて見ると・・・。

 

「・・・皆揃って何やってんの?」

「う・・・うう・・・もうげんか・・・? 赤井?」

「な・・・赤井・・・? こん・・・な時間・・・に・・・」

「お・・・起きて・・・くれ・・・たのか・・・?」

 

『た、助かった〜!』

 

白石君をはじめとした同部屋のクラスメイト全員が扉の前で正座していた・・・。

どうやら速攻で先生方に見つかった上、就寝時間と同じ時間まで延々と説教を食らった挙句、

 

-バツとして、同部屋のヤツに自然に気づかれるまで寝ずに正座。あと助けを求めるのも大声出すのも物音立てて意図的に気づかせるのも却下-

 

と言われてたそうだ。

・・・地味に効きそうだな~(汗)。

ちなみに他の部屋の男子も同じことをしでかしたヤツがいたらしい。

事情を聞いた後、彼らは

 

「あと2時間は寝れる!」

「少しだけでも寝るぞ・・・」

 

と痺れる足に鞭打って布団に入った。

やれやれ・・・。

 

 

 

<移動中:バス内>

 

 

 

修学旅行も折り返し、今日は奈良県の観光スポットをまわことになる。

 

現在の奈良県には8世紀末まで、この地域に大和朝廷の累代の天皇の宮があり、都が置かれていた。

大和時代から飛鳥時代にかけては、現在の奈良県内に宮が置かれていることが多かったと言う。

特に藤原京は、690年に着工、694年に完成した日本史上最初の条坊制(じょうぼうせい)による中国風都城として知られている。

その後、710年に平城京遷都が行われた。

しかしその後、784年に長岡京に遷都されてからは、日本の首都が奈良県内に置かれることは無かったと言う。※Wikipedia参照

 

・・・とまあ奈良県の歴史についてはこのくらいでいいかな?

みゆきさんに聞いたらもっと出てきそうだけど長くなりそうだからさすがに聞かなかったけど。

 

で、今日も今日とて歴史&博物館を巡り、昼食後の時間は『奈良公園』内での自由行動となる。

自由行動と言っても、その日の宿泊先に移動しなければならない都合上、そんなに時間があるわけじゃないけど。

既に定着となった峰岸さんと日下部さんを加えて7人で散策していた。

 

「わ〜、鹿さんがいっぱ〜い♪」

「・・・鹿、今日の夕飯は鹿肉か?(ボソ)」

 

・・・日下部さんは食うことしか考えてないのか?

ちなみにここは1000頭以上の鹿が放し飼いされてるらしく、『鹿せんべい』なる物をねだる鹿の仕草が観光客の人気の的になっているという。

さっそくつかささんや峰岸さんが鹿にせんべいをあげていた。

 

「あそこで買っといたせんべいがこの鹿達の主食なのかね?」

「一概にそうとは言い難いと思いますが・・・ってつかささん!?」

 

みゆきさんの言葉に反応して、俺もつかささんの方を見た。

すると何かオスっぽい、いかにも『獰猛です』と主張してそうな鹿がつかささんに近づいている!

 

「あ・・・妹ちゃん、危ない!」

「およよ!?」

 

峰岸さんも危険を察知したようだが、咄嗟の事でつかささんも峰岸さんも反応出来て無い!

 

「峰岸さん、せんべいもらうよ!」

「赤井くん!?」

 

取り合えずまわりの言葉は無視!

俺は鹿とつかささんの間に割り込んだ!

 

「てい!」

 

襲い掛かりそうな鹿の口の中にせんべいを突っ込む!

勢い余って俺の手も口に入ったもんだからそのまま・・・。

 

ガブ!!

 

「・・・・・・っ!」

 

さすがに声を上げそうになるが大事にはしたくないので黙って堪える!

鹿の口の力が抜けたと同時に俺は手を引き抜いた。

幸いあまり強く噛まれなかったのか、出血まではしなかったが・・・それでも歯の跡が残った上に痛いぞコンニャロウ。

 

「まさきくん、大丈夫!?」

「赤井くん! 無茶しちゃって・・・」

「骨折れてね〜か、赤井!?」

「血は出てませんか? ひとまず手を冷やした方が・・・」

「血はでてないし、痛みも引き始めてるから多分平気。俺のこの手は唾でベトベトだけど」

 

さすがにこのままじゃヤバイから手を洗おうと水道を探す。

 

「ありがとうまーくん。助けてくれて・・・」

「気にしない気にしない。旅行にアクシデントは付き物でしょ?」

 

申し訳なさそうに言うつかささんと、

 

「とりあえず太陽の光が反射して必殺のシャイニング・・・」

「出来ないっていうか原理が違う!」

 

相変わらずネタに走ろうとするこなたさん。

大事に至らなかったからこなたさんもこんなやり取りが出来るんだろう。

つかささんに関しては・・・まあ女の子がケモノにおs(ゲフンゲフン)いやなんでもない。

まあともかく、他の鹿も近くにいたから一斉に群がって来そうな雰囲気だったので・・・。

あ、落っこちたせんべいに鹿が群がってる。

・・・とっさに手を出して正解だったようだ。

とにかく俺は、水道を見つけ手を洗い、ついでに冷やしていると・・・。

 

「かがみ〜ん、ほれほれ」

「何のつもりだ!?」

 

こんなやり取りが後から聞こえてきたのはまぁご愛嬌だろう。

そういやこなたさんも一袋買ってたんだっけ・・・さすがのかがみさんもそれには食いつかんと思うぞ?

 

「そういやこのせんべいって美味いのか? 夜食になんねぇかな」

「みさちゃん、それはどうかと思う・・・」

 

日下部さん、あなたは食い意地張りすぎだ(汗)。

 

 

 

それからは再び鹿と戯れてる(つかささんは流石に見てるだけだったが)内に集合時間となり、バスに乗車して宿泊先に向かった。

 

 

 

ちなみにこの時白石君が乗り遅れたのに誰も気付かず、必死になって追いかけて来ると言うアクシデントがあり、黒井先生から拳骨をもらっていた・・・。

でもこの場合、同じ班員である俺達はもとより、点呼をとったのに何故か気付かなかった黒井先生も悪いような気がするんだけど(汗)。

 

 

 

<ホテル:男子大浴場>

 

 

 

「なあ、入り口の位置的に隣が女湯のはずなのに上から女子の声が聞こえてくるのは何でだろうな?」

 

食事を終えて大浴場にて。

温泉を満喫して今日の疲れを癒していた所、色々と酷い目にあってるにもかかわらず無駄に元気な白石君が尋ねてくる。

確かに・・・壁や天井が異様に高く、ご丁寧に壁の上部分はねずみ返しのように弧を描いている。

これは間違いなく・・・。

 

「覗き対策に入り口が同じ場所にあるだけで女湯が上の階にあるからじゃない?」

 

ちなみに男湯の扉をくぐったら少し下に降りる階段を降りている。

あの高さからすると、女湯は階段を少し上がって行くのかもしれない。

 

「・・・上から誰かこっち覗いたりしないかなぁ」

「それ逆セクハラね」

 

そんなややこしい事をしないで最初っから壁で完全に塞げばいいのに、と思うのは俺だけか?

上からは楽しそうな女子の声が聞こえてくる。

その上、向こうからはこっちが・・・完全にとは言わないのだろうが丸見えと来たもんだ。

確かに女湯を覗くのは不可能だろうが・・・男湯は覗かれていいのか?

聞き覚えのある声も混じってるが可能性としては・・・まさか、ね(汗)。

 

「おお〜。こっから男湯が見下ろせるよ。ほらほらかがみん、つかさ、みゆきさ〜ん。まさきの入浴シーンを見れるよ〜♪」

「お、あっかい〜! こっちはいい湯だぞ〜。そっちはどうだ?」

「・・・こっちもいい湯だけど、それ以前にでかい声で俺の名前を出すなっての!!」

 

案の定、上からこなたさんと日下部さんがこっちを見下ろしていた!

上から2人を止める声が聞こえるが、あの2人はニタニタしながら、しかも大声で俺に呼びかけて来る。

・・・だんだん日下部さんの性格が分かってきたぞ・・・。

取り合えず、顔くらいしか見えないとは言え大声で俺を呼ばないでくれ!

じゃないと・・・

 

「赤井〜! ま た お ま え か !!」

「ほんっと〜に赤井君って女子から人気あるね〜・・・」

「ああもう、何度もいってるでしょ! 全員ただの友達だよ!」

 

こうなるんだから・・・(涙)。

 

「そんな事言って! 今日だって自由時間の時、女子グループに1人混じって行動してただろ!」

「あれか!? ギ○スでも使ってるのか!」

「んな訳あるか〜〜〜〜〜〜!!」

 

俺の叫びが空しく大浴場に響き渡った・・・。

 

 

 

<自室>

 

 

 

入浴後、自室に戻ったが・・・。

 

「・・・風呂に入っただけなのに何でこんなに疲れなきゃいけないんだ」

「そりゃおまえ・・・」

「ハタから見たら女はべらせてハーレム作ってる様なモンだろう」

「だから・・・」

 

何か不毛な会話に突入しそうな感じなので反論はやめておく事にする。

周りはどう見ようと俺達は俺達。

そう自分自身に結論付けて布団によk「ピンポ〜ン」・・・マテ、まさか・・・。

 

ガチャ。

 

扉が開いたと思ったら・・・。

 

「お、今日は皆揃ってるね〜」

「遊びに来たぜ♪」

 

とりあえず見知った顔が6人・・・昨日に引き続きご来客〜。

 

「なぁ赤井・・・これって夢か?」

「現実。ちなみに昨日も来てたよ」

『・・・・・・』

 

取り合えず同室の男子から鋭い視線が来たと思ったら、

 

「なんだと〜!?」

「何で言ってくれなかったんだ赤井!」

「僕達の友情はその程度なわけ!?」

「・・・何か随分勝手なこと言っているような気がするんだけど?」

 

男子達の抗議にかがみさんの冷たい一言。

 

「取り合えず覗きはやめてほしいな・・・」

「あやののハダカ見ていいのは兄貴だけだもんな♪」

「こら日下部! さりげなく問題発言しないように!」

 

あ、やっぱり気付いてたんだ。

 

「いや〜、皆若いね」

「こなちゃん、私達同じ歳だよ?」

「泉さんが仰ることはさて置き・・・次は無いと思ってくださいね♪」

 

みゆきさんが放った笑顔オーラで男子全員(俺を除く)思いっきりうなずいていた。

 

で、その後・・・

 

「おわ、泉! おま、どんだけやりこんでんだよ!」

「はっはっは、私の相手が務まる猛者(モサ)はいないのか!」

「これ以上は俺がやらせんぜ!」

「チクショウ! これで勝ったと思うなよ〜!」

 

こなたさんが何故か持ってた4台のDSで男子3人相手にテーブルゲームでフルボッコ中。

 

「よっしゃドローツーだ!」

「同じく」

 

日下部さんが出したカードを皮切りに白石君が続き、

 

「あ、私も♪」

「私も同じく」

「ドローフォーです。色は赤で。」

「赤井君、ゴメンね?ドローツー」

「・・・え〜と、赤井?」

 

恐る恐る尋ねて来る時点で地獄逝き確定だぜ!

 

「日下部さん、覚悟はいいかい・・・ドローフォー、青で」

「ヴぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

こっちはUNOで盛り上がってる真っ最中である。

ちなみにみゆきさんが常勝街道まっしぐら。

そんな感じで修学旅行3日目の夜は皆で楽しく、そして明るく時間が過ぎていく。

やっぱり旅行は全員で楽しまないとね♪

 

 

 

つづく・・・


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