転生先はNARUTOの世界~狐の姿を捨てたキツネ~   作:nagatsuki

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駄文注意ですよ?

ここ変だ!!というのがありましたら、ご指摘ください。


古代編 第四話 平和ならず

我が弟子が私の元へと帰ってきた。"六道仙人"として。

 

年もだいぶとっているが、その顔は若々しかった。我が弟子である六道仙人は旅の間、"忍宗"というものを全国各地に広めたそうだ。"忍宗"は、私が研究した、チャクラの運用の発展系であり、そしてそれは忍術となり、六道仙人は忍術の祖となる。

 

私が六道仙人に与えたチャクラを司る"力"は極みの境地まで達していた。旅の最中でも修練を欠かさずに行ったという。それはとてつもなく壮絶なものであり、苦労も多々あったらしい。それ故に六道仙人の瞳に、輪っかが何重にも掛かったような独特な模様である輪廻眼が宿った。

 

ちなみに私が開発し、六道仙人に与えたチャクラを司る"力"は、すべてのチャクラ性質変化が出来る。故に六道仙人はすべての忍術を発動することが出来、チャクラの運用の発展系である忍宗を広めることができたのだ。

 

六道仙人は私と同じように人々が戦い、争うことに、とっても憂いていた。人々が戦うことをやめさせ、平和にしようとしたのも、六道仙人が旅に出た理由の一つである。

しかし、六道仙人がいくら戦争を止めようと努力しても、その努力が報われることは無かった。さらに、六道仙人が広めた忍宗、忍術も逆に戦争の道具に使い始めた始末である。

私がいた前世の世界では、ちょっとの刺激だけで反応して爆発するニトログリセリンという物質がある。そこで、ノーベルという者が、ニトログリセリンを雷管なしで爆発しないようにしたダイナマイトという爆薬を開発した。開発した目的はあくまで"世のため人のため"である。しかし、その時代の人々はそれを戦争に利用したのだ。皮肉にも、偉大なノーベル賞のきっかけであったダイナマイトは、平和利用ではなく戦争で活躍してしまったのだ。

 

六道仙人が広めた忍宗もそうである。六道仙人は、あくまで"世のため人のため"に忍宗、忍術を広めたのだ。しかし、人々はそれを戦うことに利用したのだ。

そこで、六道仙人は、人々の争う原因にもなっているかもしれない十尾を封印することにした。

六道仙人は、十尾を封印するために、チャクラを司る"力"を極限まで高めたという。故に輪廻眼を開眼した。

 

十尾を封印するとき、私が開発した写輪眼や六道仙人の目に宿った輪廻眼をふんだんに用い、死にかけながらも、やっとの思いで六道仙人の身体に十尾を封印することが出来た

 

 

しかし。

 

 

十尾が封印されても、人々は戦うことをやめなかった。

 

 

六道仙人は悟ったのだろう。己では、この世界を平和にすることが出来ないのかもしれない、と。それに六道仙人も、だいぶ年をとっているのだ。できることも、少なくなってきている。

 

この世界を平和に出来なかった悔いの念を胸に滲ませながら、六道仙人は師匠である私の元へ帰ってきたのだ。

 

それを聞いて私は、平和を成せなかった六道仙人を叱ることはなかった。

そもそも、私は嬉しかったのだ。我が弟子が生きて帰ってきたことに。そして、人々が戦うことに憂い、平和を成すために必死に努力してくれたことに。

 

それだけでも、私は嬉しかった・・・。

 

私だけは認めてあげる。我が弟子は立派になった。出藍の誉れだ。平和を成すことができなくても、我が弟子は大成を為してくれた。

私はそう思うと涙がポロポロと目から出てきた。

 

「ようこそ帰ってきてくれました・・・。そして・・・・お疲れ様。この地でゆっくりしていきなさいな」

 

私は涙を目から出しながらそう言うと、弟子である六道仙人の顔は、悔し顔から、六道仙人が少年だったとき、私があげた赤くて丸い実を食べたあとの少し嬉しそうな顔と同じ顔になっていた。

 

 

 

◆◆◆

 

六道仙人は二人の子がいる。長男と次男。その長男は、私に、力をくれと、念願した。六道仙人の長男はとても好戦的で、力がすべてだと思っているのだ。ただ、私は迷った。この男が、正しく力を使うのかと。

そして私は六道仙人と相談した。六道仙人は、力を与えてやってもいいが、そう簡単には使えないようにしたら、と言った。

だから私は、力を与えることにした。それは"写輪眼"。しかも呪い付き。

一応、六道仙人にも写輪眼を与えたが、それは一代限りのものである。しかし、六道仙人の長男は、子孫にも使えるようにしてくれと私に頼んだ。よって私は六道仙人の長男の血に、写輪眼の情報を刻んだ。写輪眼を遺伝子情報にしたのだ。

 

私は本当にこうしてよかったのだろうか・・・




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