転生先はNARUTOの世界~狐の姿を捨てたキツネ~   作:nagatsuki

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古代編 第三話 少年との邂逅

神通力。

チャクラとは異なる特異な力。

 

チャクラよりも使いやすく、チャクラよりも肉体的な負担もない。

チャクラの上位互換みたいだが、神通力を使える者は、神格化された者に限る。

 

神格化とは、信仰祈願され、神の域に到達したものとして扱うものである。

 

そして白狐は神の使者と呼ばれており、当然、神格化されている。

とりわけ空狐は神通力を自由自在に操ることが出来る。

 

 

オオババ様に、神通力の使い方を教えられ、修行をつけてもらった。

 

神通力はチャクラのように、火や、水に変えることは出来、また目に見えない力によって世界に干渉する事が出来る力である。

 

オオババ様による神通力の修行が終わったあと、かなり神通力を使いこなせるようになった。

 

といっても、私はチャクラを主に使うと思うが。

 

◆◆◆

 

 

「うーん、豊作豊作!」

 

「そうだね!お姉ちゃん!」

 

場所は白狐一族の集落にある巨大な畑。

この畑ではいろんな作物を栽培しているのだ。

 

私は弟の白天と白仙と一緒に作物を収穫している。

今年も相変わらずの豊作だ。というか、不作になった年が無いような気がする。

 

「よし、これをお母様のところに持って行って。残りは私が収穫するから」

 

「分かった!」

と元気よく返事する弟たち。

私は今までに収穫していた作物を白天と白仙に持って行かせ、私は残りの作物を

収穫する。

 

「よし、これで最後かな・・・・うん?」

 

最後の作物を収穫し終えた時、突然、近くに気配を感じた。

私はほんの微量ながらチャクラを流し、それをレーダーにしているため、目で見なくても、気配を感じることが出来るのだ。

 

この気配は・・・狐じゃない。

ここは白狐一族の集落。普通は狐だけなんだが・・・

多分、人間だろう。

そして人数は一人。

 

私は近くに人間らしき気配を感じた。

 

「そこに人がいるのは分かっています。出てきなさい」

 

と、私が感じた気配に向かって声を出す。

 

気配が感じた場所は草むらあたり。その草むらがガサガサと動き出す。

そこから出てきたのは人間の少年。年は6歳か7歳くらいかな?

その少年の首元に、6つの勾玉が付いている首飾りがあった。

 

オドオドとした動きで、少年は私の前に出てくる。

私は怯えさせないように、人間の姿になった。

 

それに驚いた少年は口を開いた。

 

「き、狐から、人になった?」

 

「私は狐だけど人間にもなれるの。すごいでしょ。で、君はどうしたの?」

 

 

少年は俯き、無言。

 

ぐぅぅぅ~

 

しばらくすると、少年のお腹からお腹が減ったとアピールする音が聞こえた。

それを聞いた私は、近くにある籠の中から、丸くて赤い実を取り出した。

 

「これ、食べなさい。甘くて美味しいよ?本当は私の分なんだけど・・・」

 

少年は無言のまま、赤い実を受け取り、そのまま口に入れる。

食べ終わった少年の顔は少し喜んでいるようだ。

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

「うん、よろしい。で、君のお母さんやお父さんはどうしたの?」

 

少年は無言のまま、首を横にふる。

いない、のかな?

 

「じゃあ、君の名前は?」

 

また、無言のまま、首を横にふる。

 

こりゃ、どうしたら良いものなのか。

 

◆◆◆

 

私は名もわからぬこの少年を保護し、私達の巣に戻った。

そして白狐一族のみんなにも受け入れられたようだ。

基本的に白狐一族は世話焼きな一族で、害を与えるような者じゃなければ受け入れるようだ。

それにこの少年は私の弟や母にも気に入られ、世話を焼かれている。

 

少年もずっと一族と生活しているうちに、段々と明るくなり、活発になってきた。

 

しかし、それでも少年は自分のことを話すことは無かった。

 

◆◆◆

 

少年と出会って何年も経ち、少年の背もだいぶ大きくなり、私は今まで何千年もやってきたチャクラの研究の集大成を、この少年に教えることにした。少年は大変覚えが良く、1を知ったら100を血肉にするというとてつもない鬼才であり、この少年が、きっとこれを昇華すると確信しているのだ。

チャクラを研究した集大成を教えたあと、私が開発した、"力"を少年の身に授けた。

私は、少年がこの力を使いこなし、正しい事に使ってくれることに信じて。

 

 

私はすべてを少年に教えた。"力"もすべて少年の身体に授けた。そして何年もするとその少年は、成長し、青年となった。

 

「師匠、よろしいですか?」

 

「なんでしょう?」

 

私はその青年に呼ばれた。

ちなみに私は青年に師匠と言われるようになった。

 

「師匠、私は旅に出たいのです」

 

「そうですか。なら行って来なさい」

 

私はそれだけしか言わなかった。私は弟子であるこの青年にすべてを教えたのだ。

だからそれしか言わなかった。

出藍の誉れだ。私の代わりに、大成を為してくれる。そう思って、弟子を送り出した。

 

 

それから何十年。

妖狐になってからだと何十年も一瞬だった。

光陰矢の如し。

 

 

その弟子は十尾を自らに封印し、"六道仙人"として、私の元に帰ってきた。

 




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