転生先はNARUTOの世界~狐の姿を捨てたキツネ~ 作:nagatsuki
あと、間違っている部分があると思いますがよろしくおねがいします。
その日、私は死んだ。
今、思い返せばなんと普遍な人生だったのだろう。
別に大成を為したわけでもなく。
たいして失敗もなかった。
辛いことも、幸福なこともあった。
ただそれは、あまりにも普遍すぎた。
普通に生まれて、普通に生活して、普通に死んだ。
普通に死んだといっても、事故だったが。
別に老衰でもない。ただ、その人生が短かった。親より先に死んだ。たったそれだけ。それ以外でおかしなことは全くない。
私は普通の学生で、普通に友達がいて、普通に勉強した。
これほど、"普通"という言葉が当てはまる人間はいないかもしれない。
なら私は普通で特異な人間なのかもしれない。二律背反だ。
私は死んだという事は知っている。
心臓が止まった時の感触は気持ち悪い。
まさか脳死も体験できるなんて。
ただ、私は死後という世界は知らない。
とある宗教では、死後、三途河を渡り、十王という10柱の審査官によって7回、もしくは10回の裁判が行われ、その判決により6つの道どれかに飛ばされるという。
前世で善い行いすれば、極上の天の道に、悪いことすれば、最悪の地獄の道に行くという。
因果応報という考えである。
ただ、私は極めて普遍な人間だ。善い行いも、悪い行いもしたかもしれない。どんな判決をだすのか楽しみだ。
さて、審査官の浄玻璃鏡は私の何を映し出す・・・!?
私はそう考えながら、闇の中を進んでいく。
"転生だ"
結局、審査官なんて、閻魔なんて、浄玻璃鏡なんて見ることができなかった。少し落胆した。
ただ、全く見えない暗い闇の中、声が聞こえた。
「転生?どこへ?」
闇の中にいる私は、どこに居るのか分からない声の持ち主に問い返す。
私が転生する先。一般的だと天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道がある。
それが輪廻転生の理というものだ。
そして声の主は答えた。
"NARUTOの世界だ"
は?
鏡があれば、私はきっと呆けているように見えるはずだ。
私は六道のどれかに行くと思っていた。
別に悟りを開いてもいないし。
心の状態ってやつだが。
しかし・・・NARUTOの世界?
NARUTOといえば、昔私が読んでた漫画だ。忍者が、忍ばずに派手な忍術バンバン打ち合ってたと、印象に残っている。
"よし、時間だ。行け"
「えっ、ちょまっt」
私はなにか言い出そうとしたが、それはできなかった。
私はいきなり光に包まれ、意識を堕とす。
◆◆◆
私は目を開けた・・・。
あったのは、知らない天井でもなく、青空だった。
そして私を覗きこむように見る一つの生物があった。
「き、狐!?」
そう、私を覗きこむように見る生物は、キツネだった。しかも白狐だ。
「落ちつきなさい。貴女もでしょう?」
「えっ!?」
と、私は体を見る。
全身にフサフサの白い毛。うん、もふもふ。そして後ろを見る。
そこには九本の尻尾が。
九尾狐ですか。
私の体はもう人間じゃない。まさしく狐だ。
「まさか我が娘が九尾なんてね~。あっ、私は貴女の母よ」
この世界に転生して初めて出会ったのは、この世界で私を産んだ母だった。
当たり前か。
あと娘?と疑問が出た私は股間を見る。
はい、雌ですねこれは。
「私の名前は・・・」
「貴女の名前は"白空"よ。私がつけたの」
母である白狐は私に名前を付けた。
こんなかんじでしょうか。