ハートの一船員   作:葛篭藤

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シャボンディ諸島 / アマゾン・リリー編
第7話 騒乱の音は水面下


 拝啓、父さん母さん。お元気ですか?

 この世界に飛ばされてハートの海賊団に入って早くも数ヶ月が経ちましたが、俺はなんとか元気に生きています。まァ、途中何度も命の危機に見舞われたりしたけど……。でも、うん、楽しくやってます。ちなみに、今、俺たちは“偉大なる航路”後半の海、通称“新世界”への入口であるシャボンディ諸島というところに来ています。なんでもその“新世界”は今までの海が楽園に感じるほど荒くれた海らしくて……俺は俺が心配です。ただでさえ吹けば飛ぶような弱さだというのに……。とはいえ、俺には頼れる仲間と船長がついてるので、きっとなんとかなります。心配しないでください。

 では、お元気で。

 

 

 

***

 

 

 

 シャボンディ諸島に来て二日目、天気は良好、今日も昨日同様お出かけ日和だ。

 昨日一日は食料の買い出しや、コーティング職人探し、薬品の補充なんかの雑務に費やされ、今日からが自由行動だ。船番として残る何人かを除いて、みんなが好き好きに出かけていく。

 俺も今日はお出かけ組だ。と、船を下りたところには、シャチとペンギンとベポがいた。確か今日は船長と出かけるって話だったから、今は船長待ちか。

 

「お、チトセも出かけんのか」

「うん、まあ。シャチたちは船長と一緒に人間オークションに行くんだっけ?」

「おう」

「お前も一緒に来るか? 社会勉強と思ってさ」

「いや、遠慮しとく」

「まァ、そう言うと思ったけどよ」

 

 この世界の情勢や簡単な歴史についてはこの数ヶ月で教わった。この諸島に残る悪習についても。「人買い」や「奴隷」なんて、話に聞くだけで十分だ。見に行くなんてとんでもない。

 

「それに、今日はリーゼの服を買いに行く約束なんだ」

「ああ、だからツナギじゃないのかァ」

「ショッピングモール行くのにわざわざ“海賊だ”って主張した服着てくことないからな」

「それもそうだ。にしても、お前も毎回よく付き合うなァ」

 

 ペンギンが感心したように言う。“毎回”というのは、まァ、島に寄ると大体こうして二人で服を買いに行くことを指している。

 

「本人は別に服いらないって言うんだけどさ、やっぱ女の子だし、俺らみたいにツナギばっかってわけにはいかないだろ」

「まァ、そうだな」

「つか、それ代金ってどうしてんだ? お前が払ってるのか?」

「いや、船長持ち」

「あの人もリーゼには甘いよなァ」

「「「うんうん」」」

 

 ペンギンの言葉にみんなで頷いていると、ちょうどその話題の人物たちが船から下りてきた。「噂をすればだな」とひっそり笑って、俺たちは二人を見た。

 

「……なにニヤニヤしてる」

「やだなァ、ニヤニヤなんてしてませんよ」

 

 しれっと答えるシャチを船長は不審げに見たが、追求するのも面倒なのかそれ以上は突っ込まない。代わりに小さく溜め息を吐くと、今度は俺の方を見た。

 

「おい、チトセ」

「はい」

「お前今日はリーゼと出かけるそうだな」

「ええ、はい。そうですけど」

「これ使え」

 

 そう言って船長は俺にお札を数枚差し出した。1万ベリー札が5枚で5万ベリー。

 

「……なんですかこれ? 服の代金は後で請求ですよね?」

「そっちとは別だ。好きに使え」

「えェ? そんな、悪いですよ」

「ガキが変な遠慮してんじゃねェ」

「じゃあ……、ありがたくいただきます。リーゼも、ほら、お礼」

「(いよいよ母ちゃんみたいだな)」

「……船長、ありがとう」

 

 リーゼがと言うと、船長は「大したことじゃねェ」と彼女の頭をぽんと撫でた。

 やっぱりリーゼには甘い。俺はそのおこぼれに預かったといったところか……。

 ちらっと目だけでシャチとペンギンを見ると、二人も同じことを考えていたようでにまにまとした笑みを返してくる。

 

「それじゃあ、行くぞ」

「アイアイー!」

「あっ、船長、変な騒ぎ起こさないでくださいよ。今この島には大物ルーキーがたくさん集まってるんですからね。絡まれても無視ですよ、無視! いいですか?」

「約束はできねェな」

 

 なんかもう騒ぎ起こす気満々じゃないですか……。シャチもペンギンもベポも、そういうのは止めないだろうしな……。

 こんな海軍本部の近い島でドンパチなんて、考えるだけで寿命が縮まる思いだ。

 先が思いやられて俺が項垂れていると、リーゼがちょいちょいと俺の袖を引っ張った。

 

「チトセは私が守るから」

「…………うん、どうもね」

「どっちが保護者なんだかな」

「ハハ……」

「まァ、お前の言葉は心の片隅に留めておくよ」

「本当ですか?!」

「……期待はしないでおけ」

 

 うわー、信憑性ひっくー……。まァいいんですけどね、そういう人だってわかってますから……。

 

「じゃあ、お気をつけて」

「あァ」

「チトセたちも気をつけてな」

「いってきまーす」

「いってらっしゃい!」

「……いってらっしゃい」

 

 町へと歩き出すみんなを俺とリーゼで見送る。そして、みんなの背が見えなくなると、俺たちは互いに顔を見合わせた。

 

「じゃあ、俺らも行こうか」

「うん」

 

 リーゼが頷くのを合図に、俺たちものんびりと歩き出した。

 ――この日が騒乱に満ちた一日になることなど知らずに。

 

 

 

 

「おうおう、ガキが二人でこんなところうろうろするもんじゃないぜ」

「悪い輩に絡まれちまうからよォ、ヘヘヘ」

「なんなら護衛してやるぜ? なァに、代金は有り金全部ありゃ足りる」

 

 ショッピングモールのある30番グローブへ行くのにこうして絡まれるのはすでに二回目だ。

 どうやら子供二人(に見えるらしい)で無法地帯を歩いていると目立つようなのだ。昨日は他にも何人か一緒で行動してたからそんなこともなかったんだけど。船長の方は別として。

 それにしても、子供をカツアゲして恥ずかしくないのかね? この人らは。

 

「あー、ありがたい提案なんですけど、そういうのはもう間に合ってますので」

「ハァ?」

「間に合ってるようにゃ見えねェがなァ。適当なこと言ってんじゃねェぞ」

 

 俺が適当に躱そうとすると、男たちはへらへら笑うのをやめて睨み付けてきた。少し凄めばすぐに金を置いて逃げ出すと思っているんだろう。

 ちなみに、一回目に絡んできた連中がどうなったかというと……

 

「……邪魔」

 

 という感じでリーゼに瞬殺されました。

 丸腰に見えるんで油断するというのもあるんだろう。でも、実際には俺だってナイフくらい持ってるし、リーゼに至ってはどこにそんな隠し持ってんだってくらいいろんな暗器を身につけているのだ。

 まァ、その辺の雑魚ならリーゼは武器なんて使わなくても倒せるくらい強いのだが。彼女が俺を守ると言ったのは冗談でもなんでもないのだ。俺も一応みんなに鍛えてもらってるけど、そうそう簡単に強くはなれない。そんな俺を心配して(?)フォローしてくれているうちに、リーゼの護衛っぷり(みんなに言わせれば“番犬”っぷり)がすっかり定着してしまった次第なのである。

 

「なんだこのガキ……強ェ……」

「クソがァ……!!」

 

 リーゼにボコメキョにされた男たちは地面に這いつくばりながら呻いた。リーゼはそんな彼らの懐から平然と財布を抜き取ると、行こうと目で俺を促す。立派な海賊になっちゃって……。

 俺は小さく苦笑して、「いつもありがとな」とリーゼの頭を撫でた。

 

 

 

 

「――チトセ、こっちとこっち」

「どっちがいいかって?」

「うん」

「うーん……、そっちの青い方かな」

「わかった」

 

 2着のワンピースを手に俺の方へ駆け寄ってきたリーゼは俺の意見を聞くと、また試着室へと戻っていく。

 口ではいらないなんて言うが、やっぱりこうして服を買うのは楽しいらしく、リーゼの足取りは軽い。本当はクルーに女がいればもっといろいろ盛り上がるんだろうな、とは思うが、まァ無い物ねだりという奴だ。俺にできるのは、せいぜいリーゼが迷ったときにこうやって意見を言うくらいだ。あと荷物持ち。

 と、俺たちのやりとりを横で見ていた店員さんがくすりと笑った。

 

「仲がよろしいですね。ご兄弟ですか?」

「まァ、そんなところです」

 

 そう答えると答えると、「かわいらしい妹さんですね」とにこにこしながら返してくる。

 服を買いに行くと必ずと言っていいほど言われる言葉だ。同じ黒髪だし、歳も(実際より)近く見えるからだろう。クルー内でも、兄妹みたいだと評判だ。ちなみに、そこに船長が加わると一気に不審度が上がるとのことだ。

 それにしても、リーゼもハートの海賊団に入ってからだいぶ変わった。出会った頃は雰囲気も刺々しくて無口だし、近寄りがたい感じだったが、今では口数もだいぶ増え、無表情ながらも喜怒哀楽を表すようになった。

 子供の成長ってのは早いもんなんだなァ、としみじみとしていると、やがて何着かの服を持ってリーゼが試着室から出てきた。

 

「決まった」

「ん、じゃあ会計してくるな」

 

 リーゼから服を受け取り、レジへ向かう。そして、無事会計を済ませると俺たちは店を出た。

 

「どうする? もう船に帰るか? なんか他に行きたいとこあったら付き合うけど」

「チトセは?」

「俺は別に」

「……じゃあ、武器屋」

 

 なんでも船長から臨時お小遣いをいただいたので、新しい砥石を買おうということらしい。

 

「オッケー。確か24番グローブに武器屋があったから、そこ行ってみよっか」

「うん」

 

 次の目的地も決まり、俺たちは歩き出したが、ちょうどそのとき反対側から歩いてきた女性とぶつかってしまった。

 

「キャッ」

「わっ、すいません! 大丈夫ですか?」

 

 ぶつかった拍子に相手が落とした荷物を慌てて拾い上げる。「ええ、こっちこそごめんなさい」と言う彼女に荷物を渡そうとして、しかし俺の動きは停止した。その女性に見覚えがあったからだ。

 目の前のオレンジ髪の美女、手配書で記憶したその顔は……

 

「……ナミ?」

「え!?」

 

 思わず名前を口にしてしまうと、当然ながら相手は驚いた。

 

「ちょっと! どうして私の名前知ってるの?! あんたもしかして賞金……」

「ナミ、どうしたの?」

「ロビン!」

「えっ?!」

 

 ニコ・ロビンもいるのか?!

 ナミの後ろから、今度は黒髪の美女が現れる。これまた手配書で見た顔だ。ここにこの二人がいるってことは、“麦わらの一味”がこの島に来てるのか?!

 

「こいつ賞金稼ぎかもしれない!」

「えェ?! ち、違います! 俺は賞金稼ぎなんかじゃ……」

「だったらどうして私の名前知ってるのよ!」

 

 警戒心もあらわに茶色の瞳が思い切り俺を睨み付ける。まずいぞ、この状況はまずい。早く誤解を解かねば、と思うのだが、ナミに会えたという衝撃が強すぎて上手く思考が働かない。

 隠すまでもないのだが、俺は “麦わら”の大ファンなのだ。だって主人公だし、肩入れしちゃうのもしょうがないっていうか。ある日ニュース・クーで「モンキー・D・ルフィ」の名前を見つけたときは思わず狂喜乱舞しかけましたわ。それ以来、彼らに関する記事を見つけたときはスクラップして保存している。もちろん手配書も、保存用、観賞用と持っている。

 つまり今の状況は、いわば憧れのアイドルが突然目の前に現れたようなものなのだ。思考がまともに働くはずもない。

 

「え、えっと、その……」

「なによ、言えないの? やっぱり怪しい……。もういいわ、ロビン、やっつけちゃって!」

 

 そんな殺生な!

 ナミの思い切りの良すぎる判断に面食らう俺の横で、リーゼが瞬時に身構る。あわや戦いになるかと思われたが、ニコ・ロビンは冷静だった。

 

「落ち着いて、ナミ。彼から敵意は感じないわ」

「そ、そうなんですよ! 敵意なんてこれっぽっちもないんです!」

「……だったら、あんた何者なのよ」

「えーと、それは……」

 

 一言で言えばファンだ。だけど、それって言っちゃってもいいのか? キモくね? こんな美女に引かれたらなんて考えるだけで凹む……。でも、かといって他の回答も思い浮かばない。テンパればテンパるほど、ナミの不信は募っていく。と、そのとき、リーゼが口を開いた。

 

「ファン」

「え?」

「ファン?」

「チトセは“麦わら”が大好き」

 

 うわああ、言われてしまったー!? いや、グッジョブだけど! でも“大好き”って……もうちょいなんか言い方が……ええい、こうなったらもう正直に言うしかあるまい!

 

「そうなんです、実は俺“麦わらの一味”の大ファンでして……」

「はぁ?」

 

 ナミは素っ頓狂な声を上げて俺を見る。まァ、そういう反応ですよね……。

 

「顔を知ってたのは、もちろん手配書でチェックしてたからですけど、別に賞金を狙ってるわけでは全然ないんです。本当にただ、えーと、好きで」

「……どう思う? ロビン」

「嘘を吐いているようには見えないけど」

 

 二人の、特にナミの遠慮ない疑いの眼差しが注がれる。が、しばらくすると「まァいいわ」と溜め息を吐いた。それで俺も肩を撫で下ろす。が、

 

「よく見たらあんた弱そうだし、しかも妹連れなんて、賞金稼ぎっぽくないわ」

 

 ナミの“弱そう”という言葉がグサッと刺さる。反論できないのが辛い。まァ、ここで「俺は強いぞ!」なんて言ってもややこしいことになるだけだけど。というか、見た目で判断するなら最初の「やっつけちゃって」はなんだったんだ? ナミ……、思ってたより物騒な人だな……。

 

「ていうか、賞金稼ぎじゃないならちゃんとそう言ってよね。びっくりして損しちゃった」

「えェ……俺ちゃんと言いましたけど……」

「その後の話! ファンならファンだってはっきり言いなさいよ」

「す、すみません。ほんとすげェテンパっちゃって」

「それにしても、海賊のファンだなんて、面白い人ね、あなた」

「あー、周りにもよく言われます」

 

 くすりと笑うニコ・ロビンに俺は苦笑を返す。

 なにせ自分自身海賊のくせに、他の海賊を応援しているのだ。これに関してはクルー内でも散々「変な奴」とからかわれた。もちろん、今はわざわざ自分が海賊だってことを明かしたりはしないが、一般人が海賊のファンだというだけでもだいぶおかしなことだ。

 

「あっ、見て、ロビン! もうすぐ向こうでタイムセール始まるみたい!」

 

 不意にナミが声を上げて俺の背後を指さした。釣られて振り返ると、確かにタイムセールの告知がある。ナミはきらきらと目を輝かせていて、すぐにもそちらに駆け出しそうだ。

 本当はもっといろいろ話してみたかったが、どうやらここまでのようだ。

 

「……それじゃ、私たちはこの辺で」

 

 ニコ・ロビンがそう言い、二人は歩き去ろうとしたのだが、直前に俺は二人を呼び止めた。

 

「あの! すいません、最後にちょっといいですかっ?」

「いいって、なにが?」

「あ、握手してもらえないでしょうか?!」

「「…………」」

 

 ちょっとキモい! 我ながら気持ち悪い! やっぱ言わなきゃよかった?! でもこれ逃したらもうきっとチャンスないだろうしって思ったらさああ!

 思い切って手を差し出してみたものの、返ってくるのは無言での視線が二つ。居たたまれなさに手を引っ込めようかと思ったそのとき、宙ぶらりんになっていた俺の手をナミが取った。

 

「え……」

「あんたってほんと変な奴ね」

 

 呆れたように笑いながらも、しっかりと握手を交わしてくれる。ナミが手を離すと、今度はニコ・ロビンが俺の手を掴む。

 

「あ、ありがとうございます……!!」

「こちらこそ」

 

 ふふっと笑いながらニコ・ロビンが言う。

 

「一生の思い出にします……」

「大袈裟ねェ」

「全っ然大袈裟じゃないですよ!!」

 

 声に力を込めて反論すると、ナミはまた呆れ顔を浮かべた。

 

「はー、ほんとありがとうございました」

「いいえ」

「それじゃあね」

「はい! 引き留めてしまってすみませんでした!」

 

 と、こうして俺にとっての幸運な邂逅は幕を閉じ、ようとして、しかし閉じなかった。

 

「待って」

 

 去ろうとする彼女たちを再び引き留める声があったのだ。声の主はリーゼだ。

 俺とナミとニコ・ロビンは揃ってきょとんと彼女を見つめた。すると、リーゼはナミに向かってすっと手を差し出した。

 

「……財布、返して」

「えっ?」

 

 俺は驚いて声を上げ、すぐに財布を入れていたポケットを探った。が……、ない!!? ええええ、ちょ、いつの間に!? 慌てて他のところも探してみるが、やっぱり財布がなーーい!!

 顔を引きつらせながらナミを見ると、彼女はそんな俺を見てぺろりと舌を出した。

 

「なんだ、バレちゃったの。残念」

「残念て! ファンからお金するなんてあんた鬼ですか……」

「むしろファン冥利に尽きると思いなさいよ。“泥棒猫”の私に財布をすられるんだから」

「そんな勝手な」

「はいはい」

 

 ずーんと肩を落とす俺に適当に相槌を打ちながら、ナミは自分の鞄から財布を取り出した。もちろん俺のだ。それをぽいっと投げて寄越すと、彼女はニッと悪戯っぽく笑った。

 

「それじゃ、これからも応援よろしく~」

「泥棒働いた相手にそれ言うか……」

 

 ”泥棒猫”ナミ、油断ならない女だな、ほんとに……。

 ひらひらと手を振りながら、今度こそ二人は去って行く。俺はしばらくその背をぼんやりと見送っていたが、やがて我に返るとリーゼに向き直った。

 

「ありがとな、財布気付いてくれて」

 

 そう言うと、リーゼは首を振る。次いで「よかったね」と静かに言うので、俺は「うん」と頷いた。淡々としているが、これでもリーゼなりに精一杯この邂逅を祝ってくれているのだ。

 

「いやー、それにしても驚いたなァ。まさか“麦わらの一味”がシャボンディに来てるとは……」

 

 再び24番グローブを目指して歩き始めながら、俺は一人でぶつぶつとしゃべる。

 

「他の人にも会えたりしちゃうのかなー」

 

 ルフィとかゾロとか、“わたあめ大好きチョッパー”にも会ってみたいなァ。

 もしかして、今原作に合流してる感じなんだろうか? いっそハートの海賊団のレギュラー入りとか?! いや、でもその場合海賊団同士だし、敵ってことになるのか……?

 うーん……、まァ、考えたって俺にわかるわけないか。

 今はとりあえず、この幸運を噛みしめようじゃないか。

 

「ほんと、ツイてたなァ」

 

 鼻歌交じりに呟く。

 しかし、このとき俺はここに“麦わらの一味”がいるというのがどういうことなのかを、もう少し真面目に考えるべきだったのだ。彼らがいて騒乱が起こらないことなんて、あるはずもないのに。

 

 




実はリーゼはシャボンディに着くまでに13歳になっているというささやかな設定があります。
ので、二年後は15歳なんです。

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