マインオブザデッド   作:dorodoro

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32話 基本的にボッチは困る

さてさて、今日の講義は...終わってしまいました。

 

まあ、講義が終わった後でも参加してもいいですが、いい加減図書館で調べ物しないといけません。

 

ちなみに私は側近とかいるにはいますが、結構一人で勝手に動いていて、ディートリンデ様に見つかると怒られます。

 

まあ、見つからなくてもお耳に入っただけでも怒られるのですが...。

 

いや、私の場合一人でもたいていの場合は魔術具で何とかなりますし。

 

いきなり倒れたりする事もあるから困ったものですが。

 

さてさて、図書館です。

 

周りに誰もいない。図書館にソランジュ先生以外誰もいません。

 

静かで最高ですね。図書館は神聖で静かな場所ですから。

 

「おはようございます、ソランジュ先生」

 

「ひめさま、きた」

「しごとした、ほめて」

 

うん、まぁ、いいのですが。素直に魔力が欲しいと言っていいんですよ。相変わらずですね、この魔術具は。

 

私はこの大きなウサギたちの額に魔力を注ぎます。

 

「ローゼンマイン様、あれ、お一人ですか。」

 

あ、まずい、この人も領主候補生とか気にする人かな。

 

「本当はダメなんですけどお忍びです。」

 

「まあ、私が言えることではありませんが、お体が弱いと聞いていますので気をつけてください。」

 

「ありがとう存じます。ソランジュ先生。ああ、そういえば魔力の奉納の件なんですけど。」

 

ソランジュ先生に許可を取って奉納しに行きます。

 

「シュバルツ、ヴァイス、この間のところに案内してくださいまし。」

 

「こっちだ ひめさま」

「あんないする」

 

この間の魔石のところに案内してもらい、とりあえず魔力を奉納っと。

 

この魔石について聞いてみたけどソランジュ先生もいまいち分からないようだ。

 

あれ、先生って図書館の専門家じゃないの?

 

「申し訳ございません、ローゼマイン様。以前の政変で魔力が足りずに、管理が疎かになってしまっている魔術具がたくさんあります。」

 

「ソランジュ先生、シュバルツ、ヴァイスはかなりの図書館の情報を持っているようですけど案内できないのでしょうか。」

 

あっとその前にお聞きしておかないと

 

「よく考えたらわたくし、この図書館については何も知らなかったのですわ。シュバルツ、ヴァイスをお借りしてもいいですか。」

 

「ええ、図書館の案内もシュバルツ、ヴァイスの大切なお仕事ですからかまいませんよ。」

 

シュバルツ、ヴァイスを借りる許可を得ました。

 

1階は2万冊かぁ、1冊1分としても2万冊分、ということは333時間。

 

うんちょっと魔法陣を使わないと無理ですね。許可下りるかな。

 

分類はぐちゃぐちゃ、時系列だから総当りしないといけないし。意外と難しいなぁ。

 

2階はうーん、先生方の研究成果などいろいろありますね。

 

とりあえずこれは英知の女神メスティオノーラの石像かな。流石は知の神、図書館の主だね。

 

「知の神に感謝を!」

 

うんっと、ただの奉納じゃなくて石像自体に何か秘密があるな。本の部分についている魔石から魔力を吸収するようになっていそう。

 

後で確認したところこの本はグルトリスハイトというらしい。どっかで聞いたことがあるような。

 

まあいいです。とりあえず今日の奉納ノルマは終わりですね。

 

「ところでソランジュ先生、図書館で魔法陣を使うのは大丈夫ですか。」

 

「ものによりますが、ローゼマイン様が本について雑に扱うとは思えませんからいいですよ。」

 

「ありがとう存じます。ソランジュ先生。」

 

まず2階から、何千回と描いてきた魔法陣です。いつも使ってて思うんだけどウラノだったら怒りそうだなぁ。

 

描きなれた魔法陣をシュタープでとりあえず七個くらいでいっか。

 

魔法陣一つにつき1冊が自動で本棚から本が飛び出し自動で捲られ、魔力で直接頭に読み込まれていきます。全部めくり終わると自動で元に戻ります。

 

これを使うと、本を読んでいるというより見ているって感じなんだよね。今は余りたくさん時間かけられないし。仕方が無いよね。

 

ウラノの世界で言う速読です。私の場合元々記憶を焼き付けるのに魔力を使っていますので効率はいいのです。効率だけは。

 

ただ、メモとか書き込みがあるとたまにウラノの世界の『えらー』を出すのが問題ですが。読めない条件やいろいろ問題はあるけど便利なことは便利なのです。

 

本を大切に扱っていない?今までに何度使ったかわからない上にいつもより丁寧に魔法陣を描いているからじゃだめかな。下手に私が高いところから本を取ろうとするよりよほど本にかかる負担は少ないんだよね。

 

 

午前中ずっと魔法陣を展開し続けます。流石にちょっとウラノの世界の知恵熱もとい「おーばーひーと」という状態になったので諦めて戻ります。

 

午後は、まずシュバルツ、ヴァイスについてソランジュ先生にお聞きします。

 

まず、シュバルツたちが王族の持ち物ってそんなこと聞いてないよ。

 

他には主のことをひめさまと呼ぶのは固定されているようです。

 

王族の持ち物ということは、アナスタージウス王子に連絡しないといけないんだよね?やだなぁ、めんどくさい。

 

「ソランジュ先生、王族の持ち物ということは、管理をどうするか問い合わせはできないのでしょうか。」

 

なんでもここの図書館でしか使えない魔術具なので、こちらの判断になるということです。

 

「服についてなんですけど、解析のため図書館の部屋をお借りできませんか。」

 

それは非常に困るということだ。トラブルがあったら大変だもんね。

 

はぁ、これは困りました。信頼できる場所なんて貴族院どころかアーレンスバッハにも隠し部屋くらいしかないんだよね。

 

「どうしましょう。時間は早いほうがいいんですよね。」

 

「ええ、これから図書館も人が増えてきて混んできますから。」

 

「わかりました、どうするかは未定ですが早めに何とかします。」

 

そうは言ったもののどうしよう。あ、もう一点確認しなきゃ。

 

「ところでシュバルツとヴァイスの事故が怖いのですが、皆さん触れる設定にしたほうがいいのでしょうか。」

 

個人的にはそれが一番助かるのですが...高価な魔石もたくさんついているので、それはやめて欲しいだって。さて本当に困りました。

 

お母様の伝手でドレヴァンヒェルに協力を申し込むか、エーレンフェストはダメだけど個人的にヒルシュール先生にお願いするか。

 

連絡がつかない状態だからドレヴァンヒェルは期待薄でした。

 

今まで送った手紙の返事が一度も返ってこないですしね。

 

「ローゼマイン様、ここにいたのですか探しましたよ。」

 

ああ、迎えが来ちゃった。抜け出していたのに。

 

「探してくれてありがとう存じます。ちょうど戻らなければならない所でしたので。ソランジュ先生、日程が決まり次第また連絡いたしますね。」

 

 

 

 

 




魔王様も単独行動していたはず。

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